相続を弁護士に依頼するメリットは?弁護士費用や弁護士の選び方を解説

相続を弁護士に依頼するメリットは?弁護士費用や弁護士の選び方を解説

遺産相続の場面では、親族間で揉めごとが生じたり、財産の分割に悩んだりと、さまざまな問題が発生することがあります。

ご自身で解決することもできますが、法的な知見が求められることがあり、専門家である弁護士に相談するのがおすすめといえます。

しかし、弁護士に依頼すると費用が高くつくイメージがあり、本当に費用に見合ったメリットがあるのか悩んでしまうこともあるでしょう。

そこで本記事では、遺産相続問題を弁護士に依頼するメリットを紹介します。

また、弁護士費用の相場や弁護士の選び方なども解説するので参考にしてください。

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この記事を監修した弁護士
中原昌孝弁護士
中原昌孝弁護士(赤坂国際法律事務所)
弁護士歴17年以上。遺産分割・遺留分などの相続問題に幅広く注力しており、よりよい解決のため丁寧な調査を心掛けている。

遺産相続を弁護士に相談・依頼するメリット

遺産相続を弁護士に相談するメリットには、以下のようなものがあげられます。

遺産相続に悩んでいる人は参考にしてみてください。

遺産相続全体についてアドバイスをもらえる

弁護士に遺産相続を相談・依頼する最大のメリットは、遺産相続全体について専門的なアドバイスを受けられることです。

法律の知見やこれまでの問題解決から得たノウハウから、遺産相続の問題を総合的に考えてもらえ、必要な手続きや解決策についてアドバイスをもらえます。

相続人や相続財産の調査をミスなくおこなってもらえる

遺産相続をおこなう際、相続人や相続財産の調査をする必要があります。

相続人や相続財産の調査は、ミスなく正しくおこなわなくてはいけませんが、被相続人の戸籍謄本や所有不動産がある場合固定資産税評価額等の評価額の確認をしなければならず、素人には難しい作業といえます。

そこで弁護士に相続人や相続財産の調査を依頼することで、ミスを防ぎながら迅速かつ正確な相続財産の把握が可能になります。
>相続人調査を弁護士に依頼するメリットについて詳しく知る
>相続財産調査について詳しく知る

遺産分割協議をスムーズに進められる

遺産分割協議とは、相続人全員が遺産の分割方法について話し合う手続きのことを指します。

しかし、相続人全員の要望や思惑が絡み合うため、時にはスムーズに解決しないこともあります。

第三者である弁護士に依頼することで、法的な知識や培ってきたノウハウをもとに、遺産分割協議を論理的かつ冷静になって進めてくれるでしょう。

代理人として交渉を担当してもらえる

弁護士は、遺産相続における代理人として、法的手続きや交渉に対応してくれます。

とくに交渉の場面では、面識のない相続人と交渉しなければいけないことも多く、専門的な知識や交渉スキルをもった弁護士に依頼することで、スムーズな解決が期待できます。

遺留分の請求や相続放棄なども依頼できる

弁護士に相談することで、よりベストな解決方針を提案してもらえることがあります。

たとえば、相続財産の最低相続分である遺留分や、相続財産に負債がある場合の相続放棄は、知識がないと検討しづらい手続きといえます。

弁護士に相談することでよりよいアドバイスをもらえるほか、手続きを代行してもらうことも可能です。

面倒な書類作成や手続きを代行してもらえる

遺産相続には、相続人の確定や財産の調査、相続分の計算、遺産分割協議書の作成など、数多くの書類作成や手続きが必要です。

弁護士に依頼することで、これらの面倒な手続きを代行してもらうことができます。

法律の知識や対応実績を、活かして、正確でスムーズな手続きを期待できるでしょう。

相続前でも将来的なトラブル防止の助言をもらえる

弁護士に相談することで、相続前から将来的なトラブルを防止するための助言をもらうことができます。

たとえば、遺書を生前に確認してもらうことで遺留分を加味した内容にできたり、適切な生前贈与のアドバイスをもらえたりします。

円満な相続手続きを進めるためにも、生前から弁護士に相談しておくのはありといえるでしょう。

遺産相続を弁護士に依頼するデメリットはある?

遺産相続において、弁護士に依頼することはメリットが多数あります。

しかし、弁護士に依頼することでデメリットを被ることもあります。

以下では、代表的なデメリットを紹介します。

弁護士費用がかかる

遺産相続を弁護士に依頼する場合、弁護士費用が必要です。

費用は依頼内容によって変わりますが、決して安い金額ではありません。

ただし、弁護士へ支払う報酬はトラブルを解決した結果得られた利益の◯%と決められていることが多く、うまく問題を解決できればマイナスになることはないでしょう。

以下の記事では、遺産相続について弁護士に依頼した場合の費用の相場を解説しているので、参考にしてください。

【関連記事】遺産相続の弁護士費用の相場は?遺産の金額や依頼内容別に費用相場を解説

遺産相続が激化する可能性がある

弁護士に依頼することによって、遺産相続が激化する可能性があります。

弁護士は法的なアドバイスや手続きをおこなうことができますが、あくまで依頼人の要望や利益を最優先に動きます。

その結果、弁護士に依頼したことが原因で、相続人間の対立が深刻化してしまうことも考えられます。

遺産相続について弁護士に依頼すべきケース

遺産相続は、どのような場合でも弁護士に相談するのが無難ですが、とくに弁護士に依頼したいケースも存在します。

以下では、その一例を紹介します。

すでに相続トラブルが発生している

相続人同士で意見が合わず、すでに揉めごとやトラブルが発生している場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に依頼することで、遺産分割における問題点を整理し、法律の知識から適切な解決策を提案してもらえます。

相続人が多く遺産分割協議がまとまらない

相続人となる人が多い場合、遺産分割協議をまとめることが難しく、トラブルに発展する可能性の高いケースのひとつといえます。

弁護士に依頼することで、法的なアドバイスを得られ、相続人全員が納得したうえで遺産を分割することが可能になります。

遺言によって遺留分が侵害されている

遺留分とは、法律によって保障された遺産相続の最低限度のことを指します。

遺言書によっては、知らず知らずのうちに遺留分を無視した内容となっていることが多く、遺留分を得るためには遺留分侵害額請求をおこなう必要があります。

遺留分侵害額請求は自分でおこなうこともできますが、申し立てや手続きが必要なため、弁護士への相談が無難といえるでしょう。

相続放棄を検討している

相続する遺産に負債が含まれており、相続放棄を検討している場合も弁護士への相談をおすすめします。

相続放棄にはz3ヵ月という期限が定められており、適切な手続きをスムーズに進める必要があるためです。

また、負債の状況によっては、相続する財産がマイナスにならない範囲で相続する限定承認と呼ばれる手続きをとったほうがよいケースもあります。

本当に相続放棄をおこなうのがベストな選択肢か判断するところからアドバイスをもらえます。

一部の相続人による遺産の使い込みがあった

相続人が遺産を不当に使い込んだ場合、遺産分割協議でトラブルになったり、裁判などで争われたりすることがあります。

このような場合、弁護士に依頼して、法的な手続きを進めることが必要です。

弁護士に依頼することで、相手方との交渉や訴訟手続きを任せられるだけでなく、使い込んだ財産の調査や証拠集めにも対応してもらえます。

一部の相続人が多額の生前贈与を受けている

生前贈与とは、生前に贈与者が相続人に贈与することです。

相続人が多額の贈与を受けている場合、その分遺産が減ることになります。

しかし、2023年4月1日以降、一定の生前贈与は、10年以内のものに限り「特別受益」として、具体的な相続分に影響してきます(ただし、5年間の猶予期間があります)。

また、相続税との関係では、贈与を受けた日から3年以内に贈与者が亡くなった場合は生前贈与とみなされず、相続財産としてカウントされます。

このように生前贈与の結果、遺産相続の分割方法にトラブルが発生したり、本来であれば相続できる財産を相続できていなかったりするケースがあります。

そのため、一部の相続人が生前贈与を受けていた場合は、弁護士へ相談することをおすすめします。

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遺産相続を依頼する弁護士の選び方

遺産相続を依頼する弁護士は、専門的な知識や経験をもっていることが求められます。

以下のポイントを参考に、遺産相続に強い弁護士を選びましょう。

掲載されている対応の実績や評判を参考する

遺産相続に強い弁護士と出会うためには、遺産相続への対応実績を確認することが重要です。

なお、対応実績は弁護士事務所のWebサイトにて掲載されている場合があります。

また、ネット上の口コミを確認して、利用者からどのような評価を受けているのかといった部分も参考にするのがよいでしょう。

初回無料相談の弁護士から話を聞いてみる

弁護士事務所によっては、初回相談を無料としていることがあります。

この初回相談を活用して、弁護士を選ぶのもおすすめの方法といえます。

遺産相続問題へのアドバイスももちろん確認しておきたいポイントですが、あわせて依頼した場合の見積もりも確認しておきましょう。

複数の弁護士事務所で見積もりを確認しておけば、比較検討しやすくなるでしょう。

自分にマッチする弁護士に依頼する

遺産相続問題には個人的な事情が絡むことが多く、長期的な付き合いになることが考えられるため、より信頼できる弁護士を選ぶことが大切です。

無料相談時の対応やアドバイス内容、実際に話した印象などを参考に、ご自身の意見を聞いてくれる弁護士を選ぶのがおすすめといえます。

遺産相続問題を依頼する弁護士の選び方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。

【関連記事】相続弁護士の選び方マニュアル|頼れる弁護士を選ぶ6つのポイント

遺産相続に強い弁護士の探し方

遺産相続について弁護士に依頼するなら、遺産相続に強い弁護士を選ぶようにしましょう。

以下では、遺産相続に強い弁護士の探し方を紹介します。

ベンナビ相続|無料相談・電話相談ができる弁護士を探せる

「ベンナビ相続」は、遺産相続に特化した弁護士を地域や強みから検索できるWebサイトです。

無料相談や電話相談ができる弁護士も探すことができます。

専門的な知識や経験をもつ遺産相続に強い弁護士を探したい場合には、ベンナビ相続を利用するのがよいでしょう。

「地域 遺産相続 弁護士」で検索してみる

地元の遺産相続に強い弁護士を探したいのであれば、インターネットを利用しましょう。

地域名と「遺産相続 弁護士」といったキーワードで検索することで、地元の弁護士を探すことができます。

あわせて、口コミを参考に評判を調べておくのもおすすめです。

知人から弁護士を紹介してもらう

遺産相続に強い弁護士に出会うためには、知人から弁護士を紹介してもらうのもひとつの方法です。

とくに、同じような遺産相続トラブルを経験した人からの情報は、貴重なものとなります。

また、身近な人からの口コミなら信ぴょう性が高いと考えられるため、弁護士探しにあまり時間をかけられない人にも向いています。

まとめ|遺産相続は弁護士への依頼がおすすめ

遺産相続に関するトラブルを相談したい場合や相談内容が複合的である弁護士に相談するのがおすすめです。

相続トラブルを回避したり、面倒な手続きを代行してもらえたりでき、メリットは多数あります。

ただし、弁護士なら誰でもよいというわけではありません。

遺産相続トラブルの対応実績が豊富な弁護士に依頼することが大切です。

遺産相続に強い弁護士を探したいなら、遺産相続に強い弁護士が揃っているベンナビ相続の利用も検討してください。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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