労働問題の無料相談先7選|相談前の準備と相談のメリット

労働問題の無料相談先7選|相談前の準備と相談のメリット

社会人として働いていると、現状の労働環境に問題があるのかもと感じてしまうこともあるでしょう。

近年では、ハラスメントをはじめ、給料未払いや長時間労働などたくさんの問題が発生しています。

とはいえ、労働問題についてどのように対処したらよいかわからないという人がほとんどではないでしょうか。

そこで、この記事では、最初に労働問題について無料で相談できる相談先を7つ紹介します。

相談先によって特徴が異なりますので、あなたが抱えている問題に応じて、最適な相談先を見つけてください。

また、労働問題について、会社と直接交渉をおこなってほしい場合や、訴訟を代理してほしいという場合には、弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談できる内容や、相談前の準備についても併せて解説していますので、労働問題に悩んでいる人は参考にしてください。

労働問題を無料で相談できる窓口7選

労働問題について対処してもらうには、まず相談から始めましょう。

ここでは、労働問題について無料で対応してもらえる相談先を7つ紹介します。

総合労働相談コーナー|あらゆる相談が可能

総合労働相談コーナーは、厚生労働省が管轄している相談窓口で、全国の労働局や労働基準監督署内に設置されています。

法律違反はもちろんのこと、法令に違反していないようなトラブル・不満にも対応しており、幅広い相談が可能です。

相談すれば、解決策の提案や必要な情報の提供などのほか、法律違反がある場合には労働基準監督署への取次をしたり、助言・指導・あっせんもおこなったりしてくれます。

助言・指導は、各都道府県の労働局が、会社側に問題を指摘したり、アドバイスをしたりというものです。

一方のあっせんは、「紛争調整委員会」がおこなうもので、あなたと会社側の間に専門家が介入して話し合いをする手続きです。

裁判よりも素早い問題解決が期待できますが、会社側が応じない場合にはそのまま終了になります。

また、あっせんで合意した内容に判決と同じ効力はありませんので、訴訟をするなどの強制力がある手段を用いなければなりません。

相談は予約不要です。各都道府県の労働局、労働基準監督署内に相談場所がありますので、相談を検討されている方は、総合労働相談コーナーのホームページを確認してください。

労働基準監督署

労働基準監督署は、厚生労働省が管轄している機関で、企業が法令を遵守しているかを監督する役割を担っています。

あなたの労働問題が法令違反に関連するものであれば最適な相談先だといえるでしょう。

相談をすると、労働基準監督署は会社側に聞き取りや立ち入り調査などをして、トラブル内容の確認や整理をおこない、法令違反があった場合には、会社側に是正や改善の指導をすることがあります。

もっとも、労働基準監督署は相談があったとしてもただちに是正・改善の措置をとることはありません。

できれば事前に法令違反の証拠を集めておき、相談の際に持参するとベターです。

また、労働基準監督署の目的は法令違反の是正であることから、相談内容によっては対処してもらえないこともあります。

相談をしても直接的な解決にはつながらない可能性があることは覚えておいてください。

労働基準監督署は都道府県ごとに設置されています。

相談先は自宅近くではなく会社住所を管轄するところを選んでください。

所在は労働基準監督署のホームページに記載がありますので確認するとよいでしょう。

労働相談ホットライン

労働相談ホットラインは、全労連が運営する労働相談の窓口です。

全労連は1989年に労働者の利益を守るために設立された機関で、全国の労働組合を束ねるという役割を担っています。

労働相談ホットラインによせられた相談には次のようなものがあり、幅広い相談が可能です。

あなたがどういった対処をするべきかについて、根拠となる法令を交えながら情報提供をしてもらえます。

【労働相談ホットラインによせられた相談】

相談は、電話でもメールでも可能です。

どちらも無料で相談でき、電話の場合は地域の相談センターにつながるようになっています。

もっとも、労働相談ホットラインは、アドバイスはしてくれるものの対処はあなた自身でおこなわなければなりません。

あなたがアクションを起こしても、会社がそもそも応じてもらえないという場合には、別の手段を考える必要があります。

電話やメールの連絡先は、労働相談ホットラインのホームページに記載がありますので、

雇用環境・均等部(室)

各都道府県の労働環境局環境・均等部(室)では、雇用環境についての民事上のトラブルに対する相談を受けつけ、援助をおこないます。

相談の対象となっているのは雇用における環境についてで、大きく分けると次の4つがあります。

相談の対象 内容
男女雇用機会均等法のトラブル ・採用、配置転換、福利厚生等で男女格差がある
・法律で禁止された間接差別がある
・婚姻や妊娠による不利益な扱いをうけた など
育児・介護休暇についてのトラブル ・育児、介護休暇を認めない
・育児のための労働時間短縮措置を受け入れない
・育児・介護による不利益な扱いをうけた など
パート労働者・有期労働者の雇用トラブル ・不合理な待遇差がある
・労働条件を明示してもらえない
・正社員と差別的な取り扱いがある など
ハラスメントのトラブル ・ハラスメントを受けているけれど対処してもらえない
・ハラスメントの相談をしたことを理由に不当な扱いを受けている など

これらのトラブルについて雇用環境・均等部(室)に相談すると、対処法や法律知識などの情報提供をするほか、都道府県労働局長による「援助」や調停委員による「調停」といった対応もとってもらえます。

労働局長による援助では、申し出をすると雇用環境・均等部(室)が会社側とあなたのどちらからも話をきき、問題解決に必要な助言や指導、監督をします。

会社側に解決策を実行してもらえればトラブルは解消となるでしょう。

一方の調停では、機会均等調停会議などの、公平・中立性の高い第三者機関による調停をおこなってもらえます。

雇用環境・均等部(室)に申請書を提出すれば調停委員が会社とあなたのどちらからも話をきき、トラブル解決策の調停案を作成してもらえるというのが流れです。

会社側が調停案を受諾すればこちらもトラブルは解決です。

もっとも、労働局長による助言や調停を利用しても、会社側が応じなければ問題はそのままという点はこれまでの相談先と同じです。

別途訴訟をするなど、強制力を用いた対処をする必要があることには変わりありません。

所在地や連絡先は都道府県によって異なりますので、厚生労働省のこちらのページを確認してください。

働く人の「こころの耳電話相談」

会社との法令違反や個別の紛争はないけれど、ストレスを感じていてとにかく話を聞いてほしい、現状のまま放っておくと、さらに不調になってしまうかもしれないと感じている人もいるでしょう。

そういった場合には「こころの耳電話相談」を利用するとよいでしょう。

次のような相談について対応してもらえます。

項目 内容
メンタルヘルス不調について ・メンタルヘルスの悩み
・仕事の悩みや人間関係の悩みについて
・その他職場の悩み など
過重労働による健康障害について ・過重労働による健康への影響について
・事業場の健康管理について など
ストレスチェック制度について ・ストレスチェックを受ける方法
・ストレスチェックの結果
・ストレスチェックによる不利益な取り扱い など

もっとも、こころの耳電話相談室では、メンタルヘルスについての病名判断、現在受けている医療の是非の判断、治療法の指示などはおこなっていません。

これらの医療行為については別途産業医やかかりつけ医の指示を仰ぐようにしてください。

相談は電話で受け付けています。

所定の訓練を受けたカウンセラーが対応してくれていますので、心に寄り添いながら、まずは話を聞いてほしいという人は利用するとよいでしょう。

電話相談先 0120-565-455
対応日時 17:00~22:00(月・火曜日)
10:00~16:00(土・日曜日)
対象者 労働者本人もしくはその家族
ホームページ https://kokoro.mhlw.go.jp/

市区町村の無料相談

各市区町村の役場では、士業による専門的なアドバイスを無料でおこなっているケースもあります。

市区町村のホームページを確認し、無料相談を受け付けていれば相談するとよいでしょう。

労働問題については弁護士に相談するのが通常です。

弁護士は法律実務を取り扱う専門家ですから、あなたのトラブルに応じて根拠となる法令を用いながら解決策を提案してもらえるでしょう。

もっとも、市区町村の相談は30分程度に時間が限られているのが通常で、なかなか落ち着いて相談ができないことも少なくありません。

さらに、これまでの相談先と同様、あくまで相談がメインであるので、弁護士があなたに代わって会社と交渉するといった実務をおこなうことはありません。

弁護士に相談をして、あなたに代わって交渉をしてほしいという場合には、次に紹介する弁護士事務所が最適な相談先だといえるでしょう。

弁護士事務所

労働問題について相談したい場合には、弁護士事務所が最適であるというケースも少なくありません。

弁護士に相談すると「相談料」という費用がかかるのでは?と思われている人もいるかもしれませんが、近年では労働問題であれば相談料無料としている事務所も少なくないのです。

弁護士事務所による相談であれば、適切なアドバイスが受けられるほか、そのまま弁護士に依頼をするということも可能です。

弁護士に依頼をするとあなたの代理人となって会社と直接交渉をおこなってもらえるほか、訴訟手続きもしてもらえる点が他の相談先との違いです。

弁護士から交渉をうけたというだけで、会社側がトラブルに対処してくれるということも少なくありません。

また、もし対応をしてくれない場合には労働審判や労働訴訟をして、強制力をもって会社側に適切な対応をしてもらうということも可能になります。

なお、弁護士へ相談をする場合には、労働問題に注力している事務所を選ぶようにしてください。

弁護士があつかう法律実務は多岐にわたります。

とくに労働トラブルは弁護士の知識や経験によって如実に結果が変わる分野です。

労働問題の経験が少ない弁護士に相談すれば、適切なアドバイスが得られないだけでなく、経験が足りないためにあなたが不利益を被る可能性も考えられます。

労働問題弁護士ナビは、労働トラブルに注力している弁護士のみを掲載しているサイトです。

地域や相談内容に応じて、一覧で事務所を比較検討でき、相談料無料や土日対応、注力分野など事務所の特徴を比較検討しながら相談先を探していただけます。

まずは弁護士に話を聞いてもらい、適切なアドバイアスをもらいましょう。

【関連記事】
弁護士に無料法律相談できるおすすめ相談窓口|24時間・電話相談OK
労働問題弁護士ナビで弁護士を探す

労働問題について弁護士に相談できること

ここまでいくつか労働問題の相談先を解説してきましたが、そのなかでも、あなたの代理人となって会社と交渉をおこなってもらえるという点でいえば、弁護士が最適な相談先といえるでしょう。

弁護士は労働問題について幅広い相談が可能ですが、なんでも対応できるということでもありません。

労働問題と一言でいってもその内容は多岐に渡ります。

ここでは、対応してもらえる代表的な分野について解説します。

賃金・未払い残業代

会社側は労働者に対して、「通貨で直接、毎月1回以上、一定の期日に全額を」賃金として支払わなければなりません。

しかし、働いているのにその分の賃金が払われていなかったり、残業をしているのにその分が支払われてなかったりといった問題があります。

弁護士に相談できる賃金・未払い残業代としては次のようなものがあるでしょう。

不当解雇・退職

本来であれば辞める必要がないにもかかわらず、会社から突然解雇を言い渡されたり、あなた自身が辞めたいといっているのに会社が辞めさせてくれなかったりするといった問題です。

労働者の解雇は法律で厳しく制限されていますし、退職については、労働者が望めば、雇用契約書や就業規則に特別の記載がないかぎり、法律上は2週間前に通知すると会社側の承諾なく辞めることが可能です。

不当解雇や退職について次のようなものが弁護士に相談可能です。

労働環境

労働環境が不適切であるがために、あなたが不利益を被っていることもあるでしょう。

労働環境について弁護士に相談できる内容は大きく分けると、「ハラスメントがある」「労働時間」「労災」などがあります。

次のようなものが代表例です。

その他の問題

これまで紹介したもの以外でも、会社側に問題があると感じたら、まずは弁護士に相談してみるというのも1つの手です。

あなた自身に何かできることはあるか、どういった行動をとるべきかについて回答してもらえます。

その他の問題としては次のようなものがあります。

労働問題を弁護士に依頼するメリット

労働問題について相談し、あなた自身で行動しても会社側に取り合ってもらえなかった、望むような結果にならなかったという場合には、弁護士への依頼を検討しましょう。

それには次のような理由があるからです。

本人の代理人となって交渉ができる

労働問題を解決するには、まずは会社側との交渉から始まります。

もっとも、雇用側と労働者側という立場の違いもあり、会社側があなたの主張を受け入れないということも少なくありません。

そうなると適切な権利が認められないばかりか、逆に不利な条件をのまされるということも考えられます。

弁護士に依頼すれば、法的な根拠をもって粘り強く会社側と交渉してもらえます。

弁護士が交渉するというだけで会社側があなたの主張を認めることもありますし、あなた自身で会社と交渉をするという精神的・時間的な負担が軽減されるのがメリットです。

証拠収集のアドバイスがもらえる

労働問題を解決する場合には、証拠の収集は非常に大切です。

交渉の場では証拠があることによって有利に話し合いを進められる可能性が上がりますし、訴訟の場合にはどういったトラブルがあったかについて客観的な証拠をもって立証しなければならないからです。

とはいえ、あなた自身ではどういったものが証拠になるか判断が難しいこともあるでしょう。

労働問題に注力している弁護士であれば、証拠収集についてアドバイスがもらえます。

どういった証拠が必要か、その証拠を手に入れるためにどういった行動をとればよいかといった助言だけでなく、弁護士があなたに代わって証拠を収集することもあります。

労働審判や訴訟に対応してもらえる

交渉や調停を経ても解決できない場合には、労働審判や訴訟をする必要があります。

もっとも、どちらも裁判所を通じた手続きで、法的な主張が記載された書面を準備しなければなりませんし、適切な証拠を提出しなければなりません。

労働審判や訴訟にあなた自身で対処するのはまったく現実的ではありません。

弁護士であれば、あなたの代理人となって労働審判や訴訟に対応してもらえます。

あなたに代わって法的な組み立てをおこない、主張・立証をすることができますので、安心して任せられます。

どちらも手続きが必要ですが、そちらについても一任できますので、あなたが手を煩わせる必要はありません。

労働問題を相談するときのポイント

弁護士への依頼はまずは相談から始まります。

ほとんどの法律事務所では、相談時間が30分~1時間程度と限りがありますので、より確度の高いアドバイスをもらうには、いくつかのポイントに注意しなければなりません。

ここでは、どういった点に気をつけるべきかについて確認しておきましょう。

相談内容をまとめておく

弁護士への相談時に、とりとめもなく話をしてしまうと、弁護士が事実を把握するだけで多大な時間がかかってしまいます。

そうなると相談時間が無駄になってしまいますし、弁護士から適切なアドバイスを受けられなくなってしまいます。

相談前には、これまであった時系列を整理するなどして相談内容をまとめておきましょう。

どういったことに困っているか、どういった事実があったのか、あなたが求めている結果は何かについてメモを用意してとくとベターです。

スムーズな相談が可能になり、より確度の高いアドバイスがもらえるようになるでしょう。

関係ある資料があれば持参する

相談内容に関係のある資料や証拠となるものがあればすべて持参するようにしてください。

言葉では説明しにくい内容でも、資料を見るだけで弁護士が事実を把握することもできるケースがあるからです。

また、あなたが些細なものであると考えていても、法律実務上は非常に重要な資料ということもありえます。

また、資料や証拠があることで、弁護士のアドバイスがより確度の高いものになります。

どれだけ資料や証拠があるかによって、相談が有意義なものになるか決まるといっても過言ではありませんので、関係がありそうなものはすべて持参するようにしてください。

事実をそのまま伝える

あなたに不利な行動や道徳的に責められるような行動があったとしても、事実はそのまま伝えるようにしてください。

言いにくいことを伝えないままでは、弁護士が正確に事実を把握できないためにアドバイスが意味のないものになる可能性もありますし、のちにもっと深刻な状況に陥ることも考えられます。

弁護士には守秘義務がありますので、あなたの話した内容が周囲に漏れることはありません。

また、弁護士は依頼者の味方ですから、あなたの行動に非があったとしても通常は批判されることもありません。

情報1つで見解が変わることもあるので、事実はありのまま伝えるようにしましょう。

まとめ

労働問題の相談先を7つ紹介しました。

相談できる内容やどういった対応を取ってもらえるかは相談窓口によって異なりますので、あなたの状況に応じた相談先を選ぶようにしてください。

もし労働問題について会社と交渉をする必要がある場合には、弁護士への依頼を検討しましょう。

このとき、事前に内容をまとめておくなど、この記事で紹介した「相談時のポイント」を参考にするようにしてください。

なお、一口に弁護士といっても取り扱っている法律分野は多岐に渡り、どの事務所であっても労働問題に対応しているとはいえません。

労働問題はこれまでの経験や知識があるかによって結果が如実に変わる分野です。

必ず労働問題に注力している弁護士に相談するようにしましょう。

労働問題弁護士ナビは、労働問題を得意としている弁護士を探せるサイトです。

相談料無料や土日祝日対応の事務所も掲載していますので、弁護士への依頼を検討している人はぜひ利用してください。

この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。