相続放棄
法テラスで相続放棄をする費用は?| 法テラスに依頼するデメリットも解説
2024.10.08
このようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。
相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がないことです。
相続放棄するためには、専用の申述書を作成し、期間内に書類を提出する必要があります。
本記事では、相続放棄申述書の具体的な書き方を注意点とともに解説します。
あわせて、相続放棄申述書の入手方法や提出方法なども解説するので、相続放棄申述書を漏れなく書き終え、確実に相続放棄したい方はぜひ参考にしてください。
まずは、相続放棄申述書とは何かを入手方法とともに解説します。
相続放棄申述書とは、相続放棄を国から認めてもらうために家庭裁判所へ提出する書類です。
相続放棄するには、自己が相続人となって相続が開始されたことを知ってから3ヵ月以内に家庭裁判所への手続(申述)が必要です。
運用上3ヵ月以内であれば申述書の提出が認められている様ですが、効力が生じるのは申述書が受理された時とされているので、余裕をもった行動をするのが安全でしょう。
この期間を過ぎると、自動的に相続を承認したとみなされるおそれもあるため注意が必要です。
申述書の提出後は家庭裁判所で審査され、「相続放棄を認めてもよい」という判断をもらえて(これを「申述書の受理」といいます。)はじめて、相続放棄が正式に成立します。
スムーズに相続放棄の手続きをするためにも、相続放棄申述書は不備のないように作成しなければなりません。
相続放棄申述書は、家庭裁判所の窓口で受け取れるほか、裁判所のホームページからダウンロードすることもできます。
書式は成人と未成年者で分かれているため、それぞれ以下のURLよりPDFファイルをダウンロードし、印刷しましょう。
なお、書式は2枚に分かれていますが、両面印刷ではなく片面印刷したものを使うようにしてください。
相続放棄申述書を作成するときは、7つの項目を埋めていく必要があります。
どのような内容を記載すればよいのか、項目ごとに分けて解説していきます。
なお、すでに申述書が手元にある方は、実際の書類と照らし合わせてみてください。
まずは、申立書を作成した日付、提出先の裁判所名を書き入れて申述人の署名押印をしましょう。
ここでいう申述人とは、「相続放棄したい人」を指します。
なお、押印に使う印鑑は認印でも構いません。
【参考元】裁判所の管轄区域 | 裁判所
添付書類が漏れなく準備できているかを確認し、問題がなければレ点でチェックを付けましょう。
なお、審査のために追加書類の提出が求められる場合があります。
申述人の欄には、以下の情報を記入します。
再提出の手間を防ぐためにも、漏れのないように記入しましょう。
本籍地は自身の戸籍謄本を、住所は自身の住民票を確認し、情報に相違がないように記載しましょう。
申述人が未成年の子どもの場合、法定代理人である親が「法定代理人」の欄にこれらの情報を記入します。
被相続人の欄には、本籍と最後の住所、氏名と死亡年月日を記入する必要があります。
本籍地は、「被相続人の最後の戸籍謄本(除籍謄本)」に書いてあるので確認しましょう。
「最後の住所」に記載するのは、被相続人が亡くなった時点で住民登録をしていた住所です。
区役所で住民票の除票を取得すれば、把握することができます。
なお、死亡年月日は被相続人の最後の戸籍謄本に記載してあります。
申述書の2ページ目の記入例は、以下のとおりです。
「相続の開始を知った日」とは、「被相続人が亡くなったことを知った日」です。
たとえば、亡くなった親族と同居しており、「死亡した旨をすぐに知った」のであれば死亡日と同一の日付を書けば問題ありません。
ただし、離れて暮らしており、死後数日経ってから死亡日を知らされたのであれば、「相続の開始を知った日」には、「初めて死亡の事実を知った日」を書きましょう。
この箇所は、債務超過が放棄の理由であれば「5.債務超過のため」に丸をつければ問題ありません。
ここでいう債務超過とは、プラスの財産よりもマイナスの財産のほうが多い状態を指します。
「相続財産の概略」には、被相続人の資産や負債などの内訳を記入します。
不動産の坪数や預貯金の金額などは、おおよその内容で問題ありません。
もし判明していない財産がある場合は空欄もしくは「不明」と記載しましょう。
最後に、1ページ目の冒頭部分に収入印紙を貼る欄があるため、この箇所には消印を押さないでください。
なお、収入印紙は、郵便局・裁判所・コンビニエンスストアにて800円で購入できます。
この金額は、相続放棄を進めるための手数料となります。
次に、相続放棄申述書を作成したあとの提出先や具体的な提出方法を解説します。
申述書の提出先は、被相続人が亡くなった際の住所を管轄する家庭裁判所です。
相続人の住所を管轄する家庭裁判所ではないので、注意しましょう。
また、申述書を提出する際は、相続放棄の必要書類である以下の書類も一緒に提出します。
申述書を作成し終えたらスムーズに提出できるように、上記の資料は早めに受け取っておきましょう。
申述書の提出方法は、家庭裁判所の窓口への直接提出か郵送になります。
営業時間は裁判所ごとに異なりますので、管轄の家庭裁判所へ確認しましょう。
なお、申立書等を郵便提出する際は、以下の事項に注意しましょう。
申述書の内容に何らかの不備があると再提出が必要となり、手続きに時間がかかってしまいます。
ここでは、相続放棄申述書に関する失敗事例を2つみていきましょう。
まず、誤って相続人の住所を管轄する家庭裁判所へ提出してしまったパターンがあります。
「被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出する」でも解説したとおり、相続放棄申述書の提出先は、被相続人が亡くなったときの住所を管轄する家庭裁判所です。
家庭裁判所であればどこでもよいわけではないため、申述書を提出する際は裁判所の管轄区域より、亡くなった方が最後に住んでいたエリアを管轄する家庭裁判所を必ずチェックしましょう。
相続放棄申述書に記入した文字が乱雑で読めない場合、却下されてしまう可能性があります。
「読みづらいから」との理由だけで棄却されないように、丁寧に書きましょう。
なお、申述書の必要事項は全て埋めるようにすることも重要です。
最後に、相続放棄申述書の書き方についてよくある質問と回答を紹介します。
相続放棄申述書の作り方に規定はないので、パソコンで作成しても問題ありません。
ただし、印鑑は必要です。
必ずしも申込者が書く必要はないので、代筆してもらって構いません。
実印ではなく認印でも問題ありません。
ただし、インク染み出し式のもの(いわゆるシャチハタ)は使用できないので注意してください。
なお、提出後の手続きによっては同一の印鑑を求められるケースもあります。
どの印鑑を使用したかを忘れないように、控えておきましょう。
書き間違えた場合は誤った部分に二重線を引き、上から訂正印を押しましょう。
隣に訂正内容を書けば問題ありませんが、修正テープの使用はできません。
本記事では、相続放棄申述書の書き方や注意点、提出方法やよくある失敗パターンを解説しました。
相続放棄を滞りなく進めるためには、申述書を完璧な状態で作り上げたうえで提出することが欠かせません。
とはいえ、滅多に書く機会のない書類なので、実際に作成するとなると「この書き方で大丈夫なのか」との不安もあるでしょう。
確実に相続放棄を認めてもらうためには、家庭裁判所への提出前に弁護士に見てもらうと安心です。
弁護士への無料相談などを利用し、適切なアドバイスを受けましょう。