パワハラを労働基準監督署に相談するとどうなる?|相談方法と弁護士に依頼するメリットを解説

パワハラを労働基準監督署に相談するとどうなる?|相談方法と弁護士に依頼するメリットを解説

上司からパワハラを受けて悩んでいるときに誰に相談したらいいのか、迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。

多くの方が相談窓口として真っ先に選択するのは、労働基準監督署になるでしょう。

しかし、労働基準監督署は、あくまでも労働条件や安全衛生の改善・指導、労災保険の給付などを主として行う機関であり、パワハラに対して実効性を持つような対処をしてくれる機関ではありません。

そのため、パワハラでお悩みの場合には、会社に対しても個人に対しても、実効性のある対処をすることができる弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士であれば、会社やパワハラの加害者との交渉をし、場合によっては労働審判や損害賠償請求訴訟などを起こすことで、実効性のある対処ができる可能性もあるでしょう。

この記事では、労働基準監督署など、パワハラに関して相談できる機関をご紹介するとともに、弁護士にパワハラ問題について依頼した場合の3つのメリットをご紹介していきます。

パワハラ・セクハラについて弁護士に相談する

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この記事を監修した弁護士
下地 謙史(日暮里中央法律会計事務所)
下地 謙史弁護士(日暮里中央法律会計事務所)
慶応義塾大学法学部より、慶應義塾大学法科大学院へ飛び級入学。司法試験に合格後、都内の法律事務所勤務を経て日暮里中央法律会計事務所を開業。
(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)

労働基準監督署にパワハラの相談はできる?

すでに述べた通り、労働基準監督署は本来労働基準法や労働安全衛生法、労働者災害保険法などに違反するような労働条件や安全衛生の管理などについて、改善するように指導する行政機関になります。

そのため、労働基準法違反がないようなパワハラについて、直接的な対応をしてもらうことは難しいでしょう。

しかし、パワハラの相談が全くできないわけではなく、労働基準監督署内には、職場でのトラブル全般の相談をすることができる「総合労働相談コーナー」という部署が設置されています。

ここからは、パワハラの相談もできる総合労働相談コーナーについて詳しく解説していきます。

パワハラの相談もできる総合労働相談コーナーとは

総合労働相談コーナーとは

労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーは、パワハラやセクハラ、社内いじめなど、職場内でのトラブルであればなんでも相談できる機関です。

会社との問題を直接解決してくれるような直接的な対応をしてくれるわけではなく、あくまでも相談や助言に留まることに注意は必要です。

ただし、適切な対処方法を提示してくれるため、とくにパワハラで精神的に追い詰められてしまい、どう行動したらよいのかわからない方にとっては、満足のいくアドバイスを受けられるかもしれません。

また、労働局長による助言・指導や紛争調整委員会によるあっせん制度など、各種手続の案内やあっせんもしてくれます。

会社との直接的な話し合いが必要な場合、自分だけでは会社と交渉することは難しいことが多いため、こうした手続きについて詳細を案内してくれることは非常に心強いものになるでしょう。

もちろん、相談の結果、労働基準法等違反の疑いがあるのであれば、労働基準監督署へ引き継ぐことになりますし、場合によっては弁護士に相談して、労働審判や民事訴訟などの直接的な解決を促されることもあるでしょう。

このように、労働総合相談コーナーは、相談者にとって最適な解決方法を提案してくれる行政機関なのです。

社内で解決できる方法の提案

労働総合相談コーナーでは、パワハラについて相談があると、まず会社内だけで解決が図れるかどうかを判断することになります。

いきなり第三者を介入させるのは、問題を適切に解決することに繋がらないからです。

パワハラの内容や性質、職場環境、パワハラを受けたことによる被害(うつ病になってしまったなど)、パワハラに対して個人での対応を試みたのかどうか、会社の相談窓口に相談したのか、会社は対応してくれたのか、今後何か対策は考えているのか、労働基準法違反はないか、など諸々の事情を総合的に判断することで、社内で解決できるかどうかを判断します。

社内で解決できる問題であれば、今後の対応方法についてアドバイスをしてくれることになりますが、当事者間での解決が難しいと判断した場合には、第三者を介入させることで問題の解決を図るようにアドバイスを受けることになるでしょう。

社内での解決が難しい場合

社内での解決が難しく、第三者を入れて問題の解決をする必要があると判断された場合には、都道府県労働局長による助言・指導、もしくは紛争調整員会によるあっせんなどの方法により、問題を解決することをおすすめします。

都道府県労働局長による助言・指導

「都道府県労働局長による助言・指導」とは、各都道府県の労働局長から会社に対して指導、助言を与える事で問題解決の指針を示し、あくまでも当事者間での話し合いだけで解決を目指す制度になります。

労働局長という立場の強い機関からの指導になるため、ある程度の効果はあると考えられるでしょう。

紛争調整員会によるあっせん

紛争調停委員会とは、弁護士や大学教授などの労働問題の専門家である学識経験者により組織された委員会の事を指し、各都道府県の労働局ごとに設置されている、紛争を解決するための専門機関になります。

あっせんとは、当事者間に公平・中立な第三者が入り、話し合いによる解決を目指すことです。

つまり、「紛争調整委員会によるあっせん」とは、紛争調停委員会が労働者と会社の間に入り、両者の間を取り持つことで、最終的には話し合いでの問題解決を目指す制度になります。

国が設置した機関がおこなうため、労働審判や裁判などと違い無料で申請することができます。

申請を希望する場合には、電子申請をすることもできるので、希望する場合には、総合労働コーナーの窓口に問い合わせてみましょう。

労働基準監督署と労働局の違い

ここで、先ほど出てきた労働局について、労働基準監督署とどう違うのかを解説していきます。

労働基準監督署は、労働局が管轄する機関になります。

つまり、組織的にみると、労働基準監督署が労働局の下部組織になるのです。

労働基準監督署では、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害保険法などの法令遵守を目指し、残業代や慰謝料の支払義務があるのかどうか、不当解雇にあたるかどうかなど、主に法令違反があるかどうかを判断し、当事者間での解決を目指し、助言やアドバイスをおこなってくれるでしょう。

一方、労働局は各都道府県や地方に存在し、職場のあらゆるトラブルの相談に乗るため、労働局内に総合労働相談コーナーなどの相談機関を設置しています。

ちなみに、総合労働相談コーナーは労働基準署内にも設置されており、お住まいの地域の近くには必ず設置されるよう配慮されています。

労働者にとって相談しやすい環境になっているといえるでしょう。

労働基準監督署以外でパワハラについて相談ができる社外の窓口

職場でのトラブルについて、労働基準監督署に相談する以外にはどこに相談すればよいのでしょうか。

ここでは、労働問題について無料で相談できる窓口についてご紹介していきます。

弁護士

パワハラ問題の解決を具体的に解決したいのであれば、弁護士への相談がおすすめです。

弁護士であれば、会社やパワハラをした人に対して交渉をおこなうことで問題の解決を目指し、場合によっては労働審判や裁判など、裁判所を通した直接的な解決まで対応してくれます。

もちろん、ただ裁判を起こすだけではなく、裁判を起こしたあとの会社からの報復や精神的な気まずさなども考慮した現実的な解決方法を提示してくれるうえ、センシティブな悩みにも丁寧に相談に乗ってくれることから、精神的な面でも大きな手助けとなります。

まずは無料相談を行っている事務所に相談してみたり、各県の弁護士会が運営する法律相談センターを利用してみたりすると良いでしょう。

都道府県の労働委員会

各都道府県では、労働に関する相談窓口が設置されています。

名称は、「労働相談情報センター」、「労働センター」、「総合労働事務所」などさまざまですが、労働に関する相談全般に乗ってくれる相談機関になるため、気軽に相談することが可能となっています。

各都道府県のホームページに詳細が記載されていますので、相談希望の方は問い合わせてみるとよいでしょう。

相談するのは、ご自身が住んでいる都道府県でも、勤務先の都道府県でもどちらでも大丈夫です。

メールでの相談を受け付けていることもあるため、直接相談員と話すことに抵抗のある方は、このサービスを利用してみるのもよいでしょう。

労働条件相談ほっとライン

パワハラに対して直接の対処をしてくれるわけではありませんが、パワハラやセクハラ、マタハラなどにより、労働条件が悪くなってしまった場合、長時間労働を強いられたりした場合などについて、適切な対処をしてくれる厚生労働省が運営する相談機関になります。

労働時間の管理・割増賃金の支払い・職場の安全衛生など労働基準関係法令に関する法令や判例その他の情報を提供することにより、悩みや不安・疑問を無くす手助けをしてくれるでしょう。

平日の夜や、土日も無料で相談を受け付けているため、日中は仕事で相談できない方にとっても相談しやすいものとなっています。

労働条件相談ほっとライン

電話相談:0120-811-610

受付時間:【月~金】17:00~22:00【土・日】9:00~21:00

引用元:厚生労働省|労働条件相談ほっとライン

労働組合相談センター

解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラ、性的指向・性自認など、労働に関するあらゆる分野の問題を対象としている相談機関になります。

相談機関は全国に設置されているため、会社の所在地を管轄する労働局、もしくは労働基準監督署に相談するようにしましょう。

なお、労働基準監督署の利用時間は午前8時30分〜午後17時15分(平日のみ)となっているため、注意が必要です。

参照:厚生労働省|全国労働基準監督署の所在案内

みんなの人権110番

みんなの人権110番とは、法務省が設置している、差別や虐待、ハラスメントなどのさまざまな人権問題についての相談を受け付ける相談電話になります。

法務局・地方法務局の職員や人権擁護委員が相談者の悩みを聞いて適切な処置やアドバイスをしてくれます。

電話での相談だけでなく、窓口相談やインターネットでの相談も受け付けているため、自分相談しやすい方法で相談するようにしましょう。

なお、受付時間は午前8時30分〜午後17時15分(平日のみ)となっています。

引用元:法務省|みんなの人権110番

パワハラを相談する前に準備しておいた方がよいこと

パワハラについて相談する際、効率よく相談をするために以下のようなものを事前に準備するようにしましょう。

パワハラの証拠となるもの

会社に非を認めさせるには、パワハラに関する証拠資料が必要になります。

証拠にはさまざまなものがありますが、少しでも証拠になりそうだと感じた場合にはすべての資料を相談機関に持参するようにしましょう。

たとえば、証拠資料には以下のようなものがあります。

  • パワハラに関するメールやLINEのやり取り
  • やり取りの過程で生じたメモや指示書、返答書面
  • パワハラ言動の録音
  • パワハラ言動の証言
  • パワハラ言動をスマートフォンで撮影した動画
  • 病院を受診した場合にはその診断書

パワハラの証拠があればあるほど労働基準監督署も動きやすく、裁判でも損害賠償請求が認められやすくなります。

あらかじめパワハラの証拠にどんなものが活用できるかを知っておくことで、パワハラの証拠収集を効率よく進めるために、非常に有用といえるでしょう。

被害の経緯や自身の状況の整理

相談を聞く相談員や弁護士は、当然初めて相談を聞くことになります。

そのため、被害の経緯についてわかりやすく相談しないと、相談される側が相談内容を勘違いしてしまい、適切なアドバイスができない可能性があります。

これまでの時系列や相談内容、請求したいことなどをまとめた書面を事前に作っておくと、効率よく相談できるでしょう。

また、契約書や就業規則など、会社に関する書面もあると、会社の概要について把握しやすいうえ、どうしてパワハラ問題が起こってしまったのかを把握しやすいこともあるため、できればこれらの書面も持参するようにしましょう。

パワハラ問題を解決するための具体的な流れ

それではパワハラ問題を解決する場合、どのような流れで進んでいくのでしょうか。

ここからは、パワハラ問題解決フローを解説していきます。

1.パワハラの証拠をあつめる

パワハラの被害にあってしまった場合、当事者だけの話し合いで解決できることはそれほど多くなく、場合によっては裁判所に損害賠償請求をしないと問題を解決できないケースも少なくありません。

裁判所にパワハラの事実を主張し、慰謝料などの支払いを認めてもらうためには、パワハラの証拠が必要になります。

証拠の収集は、パワハラの被害を受けている最中にするのが重要で、あとになって証拠を集めようと思ってもなかなか思うように集まらない、という事がないようにする必要があります。

なかには、「自分に非があるのではないか」、「自分が我慢すればそのうち収まるし、何より会社に迷惑をかけられない」と、証拠の収集を諦めてしまう人もいるでしょう。

しかし、パワハラのような会社内部問題の場合、被害者が声を上げて行動しなければ問題は解決しません。

パワハラを受けていると感じたらすぐに証拠を集めることで、任意交渉だけでなく、労働審判や訴訟など、裁判所を利用した手続において、こちらに有利になるように対応を進めておく必要があるのです。

2.パワハラがあるという事実を会社に報告をする

まずは、会社内部で問題を解決できないか試みます。

会社が問題を把握し、パワハラの当事者に処分をすれば、裁判手続きなどを利用しなくても問題を解決できるかもしれません。

しかし、会社側はパワハラの事実を大事にしたくないために、問題を公にしないケースも多く、会社によってはパワハラの事実などないと一蹴されてしまうかもしれません。

会社が協力してくれないことから証拠の収集がうまくいかないなんてことがないよう、事前に証拠の収集は進めておきましょう。

3.パワハラ被害の改善を内容証明郵便で会社に送付

パワハラ被害を受けて、会社にパワハラの事実を報告しても、それだけでは会社が動いてくれないこともあるでしょう。

(雇用管理上の措置等)

第三十条の二 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

2〜6 略

引用元: 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律

いわゆるパワハラ防止法第30条の2第1項をみると、会社のパワハラに対する必要な措置について定められており、パワハラに対する適切な措置を行わなかった会社に対しても責任を問う事ができます。

そのため、会社に適切な措置を取るよう要求することができるのですが、その際、郵便サービスのひとつである内容証明郵便を利用して書面を郵送するのが良いでしょう。

内容証明とは、相手が書面を受け取ったのかどうか、書面の内容がどのようなものだったかについて、第三者である郵便局が証明してくれるサービスになります。

内容証明を送ることで、パワハラに対する対処を本気で要求していると、会社側にアピールすることができます。

また、内容証明は、弁護士がよく使う郵送の方法で、裁判を起こす前に相手との交渉段階で使うことが多いため、会社に対しても裁判を起こしてくるかもしれない、というプレッシャーを与えることができるかもしれません。

もちろん、書面を送ったことやその内容を証明してくれることから、裁判になった時の証拠としても使えます。

パワハラの経緯や環境の改善を求めたのに、会社が対応してくれなかったという証拠は、パワハラにおける裁判において非常に重要な証拠となるからです。

4.労働審判の申立

会社が環境改善に対応してくれない場合、労働審判を申し立てることが考えられます。

労働審判は、労働に関するトラブルの早期解決を目指す裁判所を通した手続きで、通常の裁判とは異なり、原則3回以内で審理が終結することになります(労働審判法第15条2項)。

労働審判はあくまでも、事業主(使用者)と労働者との個別の労働関係に関するトラブルを解決するための手続きとなるため、パワハラについて、加害者個人を相手として争うことは認められていません。

もっとも、会社の責任を追求できるような場合には、労働審判を会社に対して起こすことができ、その場合、加害者が労働審判に参加する可能性もあります。

5.民事訴訟

労働審判で話がまとまらなかった場合には、裁判所から「審判」が出されます。

これは、通常の民事訴訟でいうところの判決のようなものです。

これに対し、当事者の一方が不服を申し立てた場合、手続きが通常の民事訴訟に移ります。

また、労働審判を申し立てずに、いきなり訴訟をおこなうこともできます。

その場合、パワハラの加害者個人に対して損害賠償請求をするのか、会社に損害賠償請求するのか、あるいは個人と会社を両方に損害賠償請求するのかは、検討する必要があります。

訴訟では、パワハラの事実をさまざまな証拠によって証明し、それによってどのような損害を被り、どれくらいの損害(いわゆる「慰謝料」もこれに含まれます。)が認められるのかを、裁判上で立証する必要があります。

1から5の手続きについては、法律の根拠にもとづいた請求を行うことが必要であることを考えると、ご自身だけで手続を進めるのではなく、すべて弁護士に依頼することをおすすめします。

パワハラ問題を弁護士に相談・依頼する3つのメリット

パワハラで悩んでいる人のなかには、個人で問題を解決しようと考える人も多いかと思いますが、弁護士に問題解決を依頼することによって、よりスムーズに問題の解決をすることができるでしょう。

ここでは、弁護士に依頼する重要なメリットを3つご紹介します。

問題解決のためのアドバイスをもらえる

弁護士であれば、パワハラ問題に対する適切な対応方法を熟知しています。

こちら側の今後の対応方法や、証拠の収集の仕方、会社や加害者にしておくべきことなど、さまざまな面で手助けをしてくれます。

パワハラを受けて心身ともに疲弊している状態で、通常の判断能力が鈍ってしまっていることもあることを考えると、今後について不安なことをすべて相談できる弁護士を味方につけることは、精神的な負担を大きく減らすことになりますし、交渉のペースを相手に握られないように立ち振る舞うことも可能でしょう。

弁護士がするアドバイスは、法律や数多くの相談に基づいたアドバイスなので、他の第三者機関よりも的確なアドバイスをすることができることが多いです。

会社との交渉や手続きを代理でおこなってくれる

会社との交渉や会社でしなくてはいけない手続き、裁判になった場合の対応などの対応を弁護士に任せることができます。

交渉と法律のプロフェッショナルである弁護士を通して交渉をおこなうことで、会社も事態を深刻に受け止めることが多く、それまで進んでいなかった協議が進むこともよくあります。

弁護士が法的根拠に基づいた交渉をおこなうことで、パワハラに対するこちら側の主張が通る可能性が飛躍的に高まるのです。

場合によっては相手に対して刑事告訴もできる

悪質なパワハラの場合には、侮辱罪や暴行罪などの刑事上の責任が問われる可能性があります。

刑事告訴をおこなう場合には、警察に被害届を提出する必要がありますが、弁護士を通じて手続きを行うことも可能です。

実際に刑事告訴できるかどうかは弁護士に判断を委ねることになりますが、場合によっては、民事訴訟と刑事告訴の両面から問題解決を目指すことも可能になります。

状況次第では「退職」という選択肢も検討する

パワハラに関しては、法律上の定義はあるものの、どの程度ひどいものであれば損害賠償請求が認められるのかについては、法律で定まっているわけではないため、どの程度のパワハラであれば会社や加害者に対する損害賠償請求が認められるのか、はっきりしないところがあります。

そのため、自分としては損害賠償請求ができると考えているパワハラだと思っても、法律的には損害賠償請求ができるパワハラだと判断されないこともあります。

そうした場合、仮に裁判を起こしたとしても、こちらに有利な判決にはならないでしょう。

また、パワハラは会社内でもとくに会議室などの密室で行われることが多いため、パワハラが行われた証拠が集められないこともよくあります。

そうなると、労働審判や民事訴訟をしたとしてもパワハラがあったということを証明できないため、損害賠償請求は認められないことになります。

そうなると、最終的には会社が加害者に対して処分などをおこない、改善を求めるのを待つしかありません。

パワハラに悩んだ際は、最終的な選択肢として、退職してよりよい労働環境の職場を探すということも視野に入れておく必要があるでしょう。

まとめ

パワハラのなかには、個人の人格を否定するような悪質な態様のものも存在します。

個人で加害者や会社と交渉しようとすると、弁護士が交渉するのに比べて、泣き寝入りになってしまう可能性が高くなるケースもあります。

弁護士であれば、会社との交渉から裁判まで、すべての面でサポートすることが可能です。

最終的に裁判まで視野に入れている場合には、早い段階から弁護士に相談することが重要です。

ひとりで悩まず、自分で対処しきれない場合は弁護士に相談することも検討してみてください。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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