退職後でも残業代は請求できるの?請求の流れや証拠集めについて解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤 康二
監修記事
退職後でも残業代は請求できるの?請求の流れや証拠集めについて解説

すでに辞めた企業に対し、残業代を請求することはできるのでしょうか?

結論からいくと可能です。この記事では残業代を請求できる根拠や、具体的な方法などについてお伝えします。

なお、残業代請求に必要な知識は以下の5ステップに分かれています。残業代請求に必要な知識獲得のステップ

  1. 残業代請求の流れを知る
  2. 残業代請求の証拠収集の知識を知る
  3. 残業代の計算方法を知る
  4. 残業代請求の時効を知る
  5. 残業代請求を弁護士に相談する理由を知る



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残業代は請求できる|その根拠とは

まず、残業代を取り戻せる根拠を2つほど確認していきましょう。

残業代の支払いについて、労働基準法に定めがあるから

企業は、1日8時間、週40時間を超える労働(法定時間外労働)に対して、残業代を支払う義務があると、労働基準法で定められています。

一方、会社がサービス残業をさせることに関して、法的な正当性はありません。

払うべきものが払われていなかった、ということなので残業代は請求できるのです。

会社の決まりよりも法律が優先されるから

労働契約や就業規則などに、残業代が支払われない旨が記載されていたとしても、諦めてはいけません。

就業規則や労働契約よりも労働基準法が優先されるためです。

また、以下のような場合であっても制度が正しく運用されていなかった場合、残業代を請求できる可能性があります。

  1. 裁量労働制や年俸制、歩合制などであった場合
  2. 管理職であった場合

実際にどのぐらい残業代は支払われているのか?

ではここで、実際に残業代がどのくらい支払われているのかがわかるデータをご紹介します。

令和3年に全国の労働基準監督署が労基法違反で是正指導をした企業のうち、1,069の企業が残業代不払いを是正し、合計でおよそ65億781万円が支払われました。

1企業につき、約609万円の未払い残業代が支払われたことになります。

引用元:厚生労働省|100万円以上の割増賃金の遡及支払状況(令和3年度分)

残業代請求には時効がある

ここまでで、次の2点に関しておわかりいただけたかと思います。

  1. 未払いの残業代は請求できること
  2. 現実に未払いの残業代が支払われていること

ただ、残業代請求には3年の時効があり、基本的に3年を過ぎた分に関しては請求できません。

退職後の残業代請求の流れ

退職後に残業代請求を行う流れについてご紹介していきます。

残業代請求の大まかな手順は次のとおりです。

  1. 労働時間を証明できる資料の作成(証拠集め)
  2. 弁護士への依頼・相談
  3. 残業代の計算
  4. 内容証明郵便による通知書の作成
  5. 訴訟の提起

最も大切なのは残業時間を証明するための証拠を確保できるかどうかです。

法的な請求を行う場合、それを立証するための証拠は必ず必要になります。

証拠集め

残業代請求において、客観的に残業代の未払いがあったと認定されうる証拠の収集は非常に重要です。

弁護士への相談・依頼

退職後に証拠収集を行うことは困難なため、まずは弁護士に残業代請求に関して相談をおこないましょう。

相談前に、以下を整理したうえで、弁護士に伝えることを心掛けましょう。

  • 残業代未払いがあった期間
  • 収集済みの証拠

弁護士であれば、上記についての立証可能性等について的確にアドバイスしてくれると思われます。

残業代の計算

残業代の計算も素人では正しく算定することが難しいことも多いため、弁護士に残業代計算を依頼する方が無難です。

内容証明郵便による通知書の作成

未払いの残業代は時間の経過により消滅していくものもあります。

そのため、残業代をフルで請求したいのであれば、内容証明郵便等で残業代の請求をおこない、消滅時効が進行してしまうことを一時的に止めておくべきでしょう。

このような内容証明郵便については、残業代を請求する意思表示が明確にされていれば形式は問われませんが、個人でおこなうと不備がある可能性もあるため、弁護士に作成を依頼することをお勧めします。

訴訟の提起

  • 会社側に送付した内容証明郵便への返答がない場合
  • 残業代請求の証拠となる資料の開示要求に応じない場合
  • 会社側が残業代を支払わない意思表示をした場合

上記のように協議での解決が困難な場合には、労働審判や訴訟などの法的手続で請求することを検討せざるを得ません。

この場合も素人では対応困難であることがほとんどであるため、弁護士に依頼して進めることを推奨します。

残業代請求には証拠が重要

残業代請求には「残業時間の証拠」をいかに収集できるのかが重要となります。

残業代を請求する場合、残業時間の立証責任は請求者にあるため、残業時間を証明できないと残業代の請求は認められません。

そのため、これを証明する証拠は極めて重要です。

給与支払い状況の証拠残業時間の証拠
雇用契約書タイムカード
労働条件通知著勤務シフト
給与明細PCのログデータ
業務日報
入退室記録
E-mailのやり取り

退職後に証拠を集める方法

退職後は、証拠の大部分は会社にあることが多いため、証拠収集が困難になりがちです。

この場合、個人で開示を求めてもなかなか対応してもらえないということも多く、弁護士を通じて各資料の開示要求をおこなうことが現実的です。

それでも会社が資料開示を拒むのであれば、労働時間を推計したうえで訴訟を提起し、訴訟手続を通じて資料開示を求めるのが通常でしょう。

退職後に残業代請求をおこないたい場合は、証拠の収集方法も含めて、弁護士に一度ご相談されることをおすすめいたします。

残業代請求を依頼できる相談先

残業代は個人で請求することも可能ですが、請求に際して証拠を揃える必要があります。

次の点に当てはまる場合、下記でお伝えする第三者の力を借りることをおすすめします。

  • すでに退職しているため、十分な証拠が手元にない
  • 証拠収集や請求を個人でおこなうのが心もとない
  • 企業に行けば証拠が残っている可能性がある

労働基準監督署|労基法違反がある会社に指導をしてくれる

労働基準監督署は、労働基準法が遵守されているか確認する機関です。

残業代のみならず、解雇や給与・長時間労働などに関しても相談可能・企業に対しての行政指導を期待できます。

ただ、労働基準監督署は明確な労基法違反が認められない限り、動いてくれない点には注意が必要です。

基本的に民事不介入であることは、念頭に置いておきましょう。

弁護士|証拠収集や残業代請求を代理してくれる

弁護士は労働者の代わりに、企業に対し残業代請求をしてくれます。

弁護士に相談するメリットは次のとおりです。

  1. 法的な知識がなくても残業代請求ができる
  2. 時間と手間がかかる証拠集めを代理してもらえる
  3. 証拠が手元にない場合でも、証拠保全(※)が可能
  4. 企業側の法的根拠が乏しい反論が通用しなくなる

※刑事・民事裁判を行なう前に証拠がないと裁判が困難になる際、あらかじめ証拠を調べておくこと。

下記では、お住いの地域から労働問題が得意な弁護士を探せます。

まずは、ご自身の状況で残業代を請求できるのか、弁護士などに相談してみることをおすすめします。

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アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
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アシロ編集部
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本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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