遺産分割
孫に財産分与をしたい!遺産を孫に譲る6つの方法とそれぞれのポイントを解説
2024.09.12
遺産分割の割合は、遺言・遺産分割協議・法定相続分などによって決定されます。
特に法定相続分は、最終的に遺産分割割合を決定する際の基準となるので、民法のルールを正しく理解しておくことが大切です。
この記事では、遺産分割の割合を決定する方法や、相続人構成に応じた法定相続分の計算方法などについて解説します。
親の遺産を相続する際、遺産分割の割合や決まり方がわからず、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、遺産分割で悩みがあるなら、弁護士の無料相談を利用することをおすすめします。
遺産分割の割合は、遺言書があるかないかや相続人同士の協議、相続順位によっても変わるので、トラブルにもなりやすいものです。
まずは法的観点からのアドバイスをもらうことが、スムーズな遺産相続ににつながるでしょう。弁護士への無料相談では以下のようなメリットを得ることができます。
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遺産分割の割合に決め方には、民法のルールに従った手順が存在します。
具体的には、以下の順で、遺産分割割合が決定されます。
遺言者は、包括または特定の名義で、その財産の全部または一部を処分することができます(民法964条)。
この規定は、「包括遺贈」と「特定遺贈」について定めたものです。
遺産分割の割合を遺言で指定することは、「包括遺贈」に該当します。
(例)「長男Aに、遺産の3分の1を遺贈する。」
民法上、遺産分割の割合を決定する際には、「包括遺贈」によって指定された割合が最優先で適用されます。
一方、特定の遺産を特定の者に対して遺贈することを「特定遺贈」といいます。
(例)「長男Aに、不動産Xを遺贈する。」
特定遺贈の対象となった財産は、遺産分割の対象から外れるため、遺産分割割合に基づいて分割する必要はなくなります。
したがって、遺言書が存在する場合には、包括遺贈・特定遺贈のいずれも遺産分割協議に優先されることを覚えておきましょう。
遺言書に基づく包括遺贈が行われていない場合には、遺産分割の割合は、相続人間の遺産分割協議で決定します。
相続財産は全相続人の共有とされており(民法898条)、共同相続人は原則としていつでも、協議によって遺産の分割を行うことができます(民法907条1項)。
遺産分割協議においては、後述する法定相続分に縛られることなく、自由に遺産分割の方法を決められます。
すなわち遺産分割の割合や、具体的に誰がどの財産を引き継ぐかなどについては、相続人間の合意さえ得られればどのように決めてもよいのです。
しかしながら、遺産分割協議では相続人同士の利害が対立するケースも多く、常に話し合いが円満にまとまるとは限りません。
場合によっては遺産分割協議が決裂し、遺産分割調停、さらには遺産分割審判に発展することも考えられます。
遺産分割協議・調停は、相続人同士の話し合いによる手続きです。
これに対して遺産分割審判は、家庭裁判所が客観的な立場から、遺産分割の割合・内容を決定します。
この遺産分割審判において、最終的に遺産分割の割合を決める基準となるのが「法定相続分」です。
つまり法定相続分は、他の方法によって遺産分割の割合が決まらない場合に、最後の砦となる基準という位置づけになります。
そのため、必ずしも法定相続分に従った遺産分割が行われるとは限らないのです。
しかし遡って考えると、遺言や遺産分割協議によって遺産分割の割合を決める際にも、法定相続分が最後に控えていることは重要な意味を持ちます。
遺言による遺産分割割合の指定に当たっては、後述する「遺留分」について配慮することが望ましいです。
遺留分は法定相続分に応じて決まりますので、法定相続分によってある程度、現実的な遺言内容の範囲に制約が加わっているといえるでしょう。
また、遺産分割協議で遺産分割の割合を決める場合、
「最終的に遺産分割審判となった場合は、法定相続分に従って遺産が分割される」
という点を念頭に置いておかなければなりません。
あまりにも法定相続分からかけ離れた遺産分割の割合を提案すると、一部の相続人から不満が噴出することは確実です。
そのため、遺産分割協議においては、各相続人の法定相続分に配慮した議論が行われることが期待されます。
このように法定相続分は、実際にそのとおり遺産分割が行われるとは限らないものの、遺産分割の結論をある程度コントロールする機能を有しているといえます。
遺産相続において重要となるのが、「相続権」という考え方です(相続権を有する人を「相続人」と呼びます)。
相続権は、以下の3つの重要な要素を含んでいます。
したがって、相続権を有する相続人であるかそうでないかは、遺産相続においてきわめて大きな意味を持っているのです。
以下では、相続権を有する相続人がどのように決まるのかについて、民法上のルールを見ていきましょう。
被相続人の親族のうち、常に相続人となるのは「配偶者」と「子」です(民法890条、887条1項)。
配偶者が相続権を得るには、被相続人の死亡時まで婚姻関係にあることが必要です。
したがって、被相続人と離婚した「元配偶者」には、相続権はありません。
また被相続人と内縁関係にある者についても、法律上の婚姻関係にはないため、相続権は発生しません。
「子」には、実子に加えて養子も含みます。
被相続人に子がいない場合には、被相続人の直系尊属が相続人となります(民法889条1項1号)。
直系尊属に当たるのは父母、さらに存命であれば祖父母、曽祖父母……と続いていきます。
被相続人が若くして亡くなった場合には、直系尊属が相続人となるケースも多いところです。
被相続人に子も直系尊属もいない場合には、被相続人の兄弟姉妹が相続人となります(民法889条1項2号)。
上記のルールにより相続権を有するはずの人でも、以下のいずれかに該当する場合には、相続権を失います。
①死亡
被相続人が死亡するより前に死亡した推定相続人は、相続権を失います。②相続欠格(民法891条1項)
以下のいずれかに該当する場合、相続欠格として相続権を失います。
(a)被相続人・先順位相続人・同順位相続人のいずれかを死亡させ、または死亡させようとしたために、刑に処せられた者
(b)被相続人が殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかった者(是非の弁別がない場合、および殺害者が自己の配偶者・直系血族であった場合を除く)
(c)詐欺または強迫により、被相続人の遺言または遺言の撤回・取り消し・変更を妨げた者
(d) 詐欺または強迫により、被相続人に遺言または遺言の撤回・取り消し・変更をさせた者
(e)被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した者③相続廃除(民法892条)
被相続人に対する虐待・重大な侮辱その他の著しい非行があった場合、被相続人の家庭裁判所に対する請求により、相続権を失います。④相続放棄(民法939条)
家庭裁判所に対して相続放棄の申述を行った者は、当初から相続人にならなかったものとみなされ、相続権を失います。
子または兄弟姉妹である相続人が、死亡・相続欠格・相続廃除のいずれかによって相続権を失った場合、相続人の(孫または甥・姪)子が代わりに相続権を取得します(民法887条2項、889条2項)。
これを「代襲相続」といいます。
また、被相続人のひ孫以降の直系卑属については、代襲相続人をさらに代襲相続する「再代襲相続」も認められています(民法887条3項)。
代襲相続人・再代襲相続人の法定相続分は、被代襲者と同じです(複数いる場合、法定相続分は頭割りとなります)。
なお、子または兄弟姉妹が相続放棄により相続権を失った場合には、代襲相続は発生しない点に注意しましょう。
民法上、法定相続分は、相続人の構成に応じて決まります。
以下では4つの相続人構成のパターンについて、民法に従った法定相続分の計算例を紹介します。
相続人が被相続人の配偶者と子である場合、配偶者の相続分は2分の1、子の相続分も2分の1です(民法900条1号)。
子が複数いる場合は、子に割り当てられた2分の1の相続分を、それぞれの子が均等に得ることになります(同条4号本文)。
相続人が被相続人の配偶者と直系尊属である場合、配偶者の相続分は3分の2、直系尊属の相続分は3分の1です(民法900条2号)。
直系尊属が複数いる場合は、直系尊属に割り当てられた3分の1の相続分を、それぞれの直系尊属が均等に獲得します(同条4号本文)。
相続人が被相続人の配偶者と兄弟姉妹である場合、配偶者の相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は4分の1です(民法900条3号)。
兄弟姉妹が複数いる場合は、兄弟姉妹に割り当てられた4分の1の相続分を、それぞれの兄弟姉妹が均等に獲得します(同条4号本文)。
なお異母兄弟姉妹・異父兄弟姉妹の場合、その兄弟姉妹の相続分は、父母が同じ兄弟姉妹の半分です(同条4号但し書き)。
被相続人に配偶者がいない場合、相続人は「子のみ」「直系尊属のみ」「兄弟姉妹のみ」のいずれかのパターンとなります。
この場合、各相続人の相続分は、人数に応じた均等割りとなります(異母兄弟姉妹・異父兄弟姉妹については、例外的に前述のルールに従います)。
遺言書で遺産分割の割合を指定する場合、法定相続分に従う必要はありませんが、「遺留分」には十分配慮することが望ましいです。
遺留分に関する基本的な知識を備えたうえで、相続人間のトラブルを防止できる内容の遺言書を作成してください。
「遺留分」とは、簡単に言えば、遺産相続に関する「最低保障」です。
遺言書を作成すれば、遺言者は自由に遺産を処分できます。
しかし相続人からすれば、遺産を相続できると思っていたのに、遺言書を見たらほとんど遺産をもらえないことがわかる事態は酷とも言えるでしょう。
そこで、「遺言者の意思」と「相続人の相続に対する期待」を調整するため、一部の法定相続人には遺留分が認められているのです。
遺留分を有する法定相続人は、後述する方法により、最終的に遺留分額に相当する財産を獲得することができます。
遺留分を有するのは、兄弟姉妹以外の法定相続人とされています(民法1042条1項)。
つまり、原則として配偶者と子(子がいない場合には直系尊属)が遺留分を有します。
孫が子を代襲相続した場合には、孫にも子と同等の遺留分が認められます(ひ孫以降の再代襲相続の場合も同様)。
法定相続人(兄弟姉妹以外)の遺留分割合は、法定相続分に対して、以下の割合をかけることによって求められます(民法1042条1項、2項)。
法定相続人が遺留分を下回る財産しか承継できていない状態を、「遺留分が侵害されている」と表現します。
遺留分が侵害されるのは、主に以下の場合です。
したがって、遺留分侵害の有無を判断するには、以下のポイントに留意する必要があります。
なお生前贈与については、贈与から10年(相続人以外に対する贈与の場合は1年)が経過すると、遺留分侵害の対象から外れる点に注意しましょう(民法1044条1項、3項)。
遺留分を下回る財産しかもらえなかった法定相続人は、財産を多く受け取った相続人に対して、不足額に相当する金銭の支払いを請求できます(民法1046条1項)。
これを「遺留分侵害額請求」といいます。
遺留分侵害額請求は、相続人間での訴訟に発展するケースも多いです。
そのため、遺言書を作成するには、極力遺留分を侵害しない内容とすることをお勧めいたします。
あえて遺留分を侵害してでも、特定の人に対して財産を多く与えたいとお考えの場合は、トラブル防止の対策について弁護士にご相談ください。
【関連記事】
遺留分侵害額請求を弁護士に無料相談できる窓口4選|弁護士に依頼するべき理由も解説
遺産分割の割合は、遺言→遺産分割協議→法定相続分の順で決まります。
遺言書作成・遺産分割協議の段階では、法定相続分に従って遺産を分ける必要はありません。
しかし家庭裁判所の審判では法定相続分に従った判断が行われること、および遺留分侵害の問題が発生し得ることの2点については、遺言書作成・遺産分割協議の段階から配慮すべきでしょう。
遺言書を作成する被相続人、および遺産分割協議に臨む相続人としては、法定相続分や遺留分を十分に踏まえてトラブル防止を図ることが大切です。
遺産相続に関するトラブル防止の対策については、一度弁護士へご相談ください。
親の遺産を相続する際、遺産分割の割合や決まり方がわからず、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、遺産分割で悩みがあるなら、弁護士の無料相談を利用することをおすすめします。
遺産分割の割合は、遺言書があるかないかや相続人同士の協議、相続順位によっても変わるので、トラブルにもなりやすいものです。
まずは法的観点からのアドバイスをもらうことが、スムーズな遺産相続ににつながるでしょう。弁護士への無料相談では以下のようなメリットを得ることができます。
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