親の借金を相続したくない!返済義務を免れる方法とケース別対応法を解説

親の借金を相続したくない!返済義務を免れる方法とケース別対応法を解説

「ローンの返済中に親が亡くなった」「親の借金が相続で判明した」といったお悩みは決して珍しいものではありません。

親の借金にまつわるお悩みは、相続放棄や限定承認といった手続きで解決できるかもしれません。

ここでは、親の借金を相続したくないとお悩みの方や、相続財産に借金が含まれている方向けに、借金返済の肩代わりを免れる方法や注意点などについて解説していきます。

【注目】親の借金を相続したくないと考えている方へ

相続の際に親の借金が見つかり、どうすれば借金を相続せずに済むかわからず悩んでいませんか

結論からいうと、親の借金は相続放棄で回避できます。しかし、相続放棄は財産調査のうえで判断しないと損をする可能性もあるので、一度弁護士へ相談するのをおすすめします。

弁護士に相談・依頼することで、以下のようなメリットを得ることができます。

  • 相続放棄をすべきかどうか判断できる
  • 相続放棄以外の方法に関してもアドバイスがもらえる
  • 依頼した場合、借金を相続しないための手続きをサポートしてもらえる

ベンナビ相続では、相続放棄を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士
中原昌孝弁護士
中原昌孝弁護士(赤坂国際法律事務所)
弁護士歴17年以上。遺産分割・遺留分などの相続問題に幅広く注力しており、よりよい解決のため丁寧な調査を心掛けている。

相続で親の借金を肩代わりしない方法3つ

親の借金がわかった時、借金を肩代わりしない方法は、以下3つの方法しかありません。

  • 相続放棄
  • 限定承認
  • 債務整理

それぞれメリットデメリットがありますので、自分に合った方法を選択しましょう。

①相続放棄

相続放棄とは、相続自体を放棄する手続きのことです。

親が亡くなった際、相続人として最も優先度が高いのは配偶者と子供である自分になります。

相続放棄は、自分だけで手続きをすすめることが可能です。

相続放棄の具体的な手続きやメリットデメリットについて解説していきます。

相続放棄の手続き

相続放棄の大まかな流れとしては、以下のようになります。

  • 必要書類を用意する
  • 財産・借金の調査をおこなう
  • 家庭裁判所に相続放棄の申し立て(「申述」といいます)をおこなう
  • 事案に応じて家庭裁判所から照会書が届く
  • 家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く

相続放棄に必要な書類は、被相続人(亡くなった親)の住民票除票または戸籍附票と、自分の戸籍謄本、及び相続放棄の申述書です。

まず自分の戸籍謄本を、本籍のある市区町村の役所で入手します。

その後、被相続人の住んでいる地域の役所で住民票除票等を入手しましょう。

相続放棄の申述書は、被相続人の住んでいた地域(最後の住所地)を管轄する家庭裁判所で入手できます。

これら必要書類の入手や申述書の作成は、直接現地に足を運ぶか郵送での請求が可能ですが、いずれの方法も手間がかかるものです。

また、財産・借金の調査は万が一漏れがあると、相続放棄をしなくてもよかったのに手続きをしてしまうことにもなりかねません。

こうしたリスクや手間を確実に減らしたい方は、弁護士などの専門家に相談しましょう。

【関連記事】相続放棄を弁護士に無料相談できる窓口5選|電話相談・24時間受付の窓口も紹介

相続放棄のメリット

相続放棄の主なメリットとしては、以下2つが挙げられます。

  • 親の借金を肩代わりしなくて済む
  • 相続争い・トラブルに巻き込まれなくて済む

万が一、親が借金をしていたり、連帯保証人にサインをしてしまい返済を迫られていたりする方は、そうした者からすべて解放されるのは、相続放棄の最大のメリットです。

逆に、プラスの財産がたくさんあり、相続人が複数名いるような場合、相続トラブルに発展することもあるでしょう。相続放棄はそうした面倒事からも解放されます。

相続放棄のデメリット

相続放棄のデメリットは以下4点です。

  • 全ての財産を手放す必要がある
  • 撤回できない
  • 場合によって相続放棄が認められない可能性がある
  • 費用がかかる

相続放棄をすると、「初めから相続権はなかった」という扱いになります。このため、被相続人が保有していた全ての財産・借金を手放すことになります。そしてこの手続きは、撤回することができません。

あとから財産が出てきても取り消しはできないので、事前の財産調査を念入りにおこないましょう。

また、相続放棄は手続きが完了するまでに財産を処分するなどしてしまうと、認められなくなる可能性があります。

手続き中はなるべく被相続人の財産に触れないように注意しましょう。

さらに相続放棄には手続きの際に費用がかかります。具体的には、申請に伴う収入印紙800円と、照会書などの送達のための郵便切手代です。

【関連記事】相続放棄の費用相場|自分でやる場合と弁護士・司法書士に依頼する場合は

②限定承認

限定承認とは、「引き継ぐ財産の分だけ、借金も引き継ぐ」ということができる相続手続きです。

もし思い出の品や手放したくない財産があって相続放棄をためらってしまう場合、限定承認がおすすめです。

限定承認の手続き

限定承認のおおまかな流れは下記のとおりです。

  • 相続人全員へ連絡する
  • 財産調査をおこない、財産目録の作成をする
  • 必要書類を用意する
  • 家庭裁判所に限定承認の申し立てをおこなう
  • 家庭裁判所から照会書が送られる
  • 家庭裁判所から限定承認受理の通知書が送られる

限定承認は、相続放棄と異なり相続人全員で同意して初めて可能となります。

相続人が自分だけであればよいですが、複数名いるような場合は相続人全員の調査と連絡が必要となります。

必要書類は相続放棄とほぼ同じです。申述書の書式のみ異なるので、所轄の家庭裁判所で取得しましょう。

限定承認のメリット

限定承認のメリットとしては下記などの点が挙げられます。

  • 借金の額を減らせる
  • プラスの財産を残せる
  • 先買権がある

限定承認最大のメリットは、プラスの財産の範囲内でしか借金を相続しなくてよいということです。

借金の絶対額を減らすことができ、さらに思い出の品といった手放したくないプラスの財産を手元にも越せる可能性があります。

また、限定承認をした相続人のみに認められる「先買権」というものがあります。

先買権とは、親が持っていた住宅などの物件に抵当権が付いている場合でも、優先的に買い取ることができる権利のことです。

家庭裁判所で鑑定人を選任してもらい、不動産の評価額を鑑定してもらう手続きをします。

思い出の詰まった実家など、どうしても手元に残したいものがある方は、限定承認がおすすめです。

限定承認のデメリット

限定承認のデメリットは下記のとおりです。

  • 相続人全員の合意が必要
  • 手続きが煩雑
  • 譲渡所得税がかかる可能性がある

限定承認の最大のデメリットは、相続人全員の合意が必要で、このためにかなり手続きが煩雑になることです。

相続人全員の合意が必要ということは、一から財産調査をして協議をおこない、全員で必要書類をそろえ、全員で申立書にサインをする必要があるということです。

相続人が複数いる場合、ここだけで相当な労力が必要になります。また、通常相続には相続税がかかります。

限定承認の場合、引き継いだ財産に応じて譲渡所得税が発生する場合もあります。

借金もついてくるので、資金繰りに注意しなければなりません。

このように、限定承認は資金繰り面でデメリットが発生する可能性があります。

手放したくない財産がある場合、弁護士などの専門家にしっかり相談し、引き継ぐ財産などについて資金計画と共にしっかり検討しましょう。

③債務整理

親の借金については、相続放棄・限定承認ができず、しかし借金の肩代わりはしたくない・できないといった方は、債務整理を検討しましょう。

債務整理とは、国が認めた借金の減額方法です。大きく「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つの手続きがあります。

いずれの手続きにもメリットデメリットはありますが、自分に合うか会わないかは素人判断ではリスクがあります。債務整理に強い弁護士に相談しましょう。

ここでは3つの手続きについて概要を解説していきます。

任意整理とは

任意整理とは、各債権者で交渉をおこない、過去の金利の引き直し、将来利息の見直し、損害遅延金の抹消などをしてもらうことで、借金を返済しやすくする方法です。

任意整理のメリットは、金利が0になる可能性があることと、取引内容によって過払い金が判明し、借金が0になる可能性がある点です。

デメリットは借金の元本自体は残ることと、信用情報に傷がついてしまう点です。

任意整理の場合、担保付の借金は対象としないなど一定の場合にはどの借金を整理するか選択できますが、交渉が必要になります。

個人でおこなうには限界がありますので、任意整理に強い弁護士を頼るとよいでしょう。

個人再生とは

個人再生とは、裁判所に申し立てをおこなうことで借金の元本を最大9割程度削減できる法手続きです。

個人再生の最大のメリットは住宅を残せる可能性がある点です。住宅ローン特則といい、住宅ローンの返済を条件に住宅だけは手元に残すことができます。

また、車や生命保険といったプラスの財産も担保に入っていなければ残すことができます。

デメリットとしては、任意整理と異なり全ての借金に対して申し立てをおこなわなければならない点と、残った借金については3~5年以内に返済しなければならない点です。

また、返済計画が認められなければ裁判所から申し立てを棄却される可能性もあります。

財産を残すとその分借金の元本も増えてしまう場合もあるので、綿密な返済計画が必要となります。

弁護士といった専門家に相談し、現実的なプランを立てるようにしましょう。

自己破産とは

自己破産は裁判所に申し立てることですべての借金を0にすることができる手続きです。

最大のメリットは借金が0になり、生活を立て直すのに必要な資産も残せる点です。

生活必需品であると認められたもの、仕事で使うと認められたものなど一定の財産は、手元に残すことができるので、これまでと同様の生活を維持しながら借金の悩みから解放されます。

デメリットとしては、高価な財産はすべて手放さなければならないことです。高価な財産の中には、今住んでいる持ち家も含まれます。

このため、自己破産をする際は賃貸への引っ越しを余儀なくされますが、自己破産をすると賃貸の審査も厳しくなる恐れもあります。

債務整理に強い弁護士に相談し、手続き自体やその後の生活の立て直しプラン、とりあえずの住居の確保などを相談しておきましょう。

【ケース別】親の借金相続の対処法

親の借金を肩代わりしたくない場合、まず相続放棄を検討することになります。

このとき、相続人が複数いたりするケースでは、手続きの煩雑さが異なる場合があります。

親族の構成ごとに、ケーススタディをまとめました。

相続人が複数おり、1人が相続放棄した場合

兄弟姉妹など相続人が複数いる場合、通常は均等に財産や借金を相続することとなります。

たとえば、片親で下記のような家族構成なら、相続割合は下記のようになります。

被相続人借金額
300万円
相続人相続する借金額
100万円
自分100万円
100万円

このとき、仮に自分が相続放棄をした場合、相続割合は以下のように変化します

被相続人借金額
300万円
相続人相続する借金額
150万円
自分0円
150万円

誰かが相続放棄をすると、その分の借金が残った相続人に渡ることとなります。

これがもとで相続トラブルになるケースもあるので、しっかりと連絡を取り合いましょう。

被相続人の孫が相続人になる場合

たとえば、父・自分・息子(被相続人の孫)という家族構成だった時、自分が相続放棄したら、息子が相続人になることはありません。

相続放棄は初めから相続権がなかったという扱いになるため、息子に相続権が移ることはありません。

ただし、父が亡くなり、相続放棄をする前に自分が亡くなってしまった場合、息子が相続人となります。

これを数次相続又は再転相続といい、両者の違いは父の相続を承認していたかどうかです。

また、父が亡くなる前に、自分が亡くなってしまっていた場合、息子が相続人となります。これを代襲相続といいます。

この代襲相続が発生した場合も、相続放棄をしない限り、借金も息子が背負うこととなります。

予期せぬ事態に備えるなら、弁護士などの専門家に事前に相談しておきましょう。

疎遠になった親の相続人になった場合

たとえば小さいころに両親が離婚しそこから疎遠になったとしても、実の両親が亡くなった場合は相続権があります。

疎遠となった肉親の財産調査は難しいものです。もしこのような事態に遭遇したら、相続に注力している弁護士に相談し、財産の調査などを依頼しましょう。

親の連帯保証人になっている借金がある場合

親の借金の連帯保証人となっている場合、相続の有無にかかわらず借金の肩代わりが必要です。支払いが難しい場合は債務整理を検討しましょう。

未成年で相続人になった場合

未成年が相続をする場合、未成年後見人を立てなければなりません。

親の借金を相続したり相続放棄の手続きをしたりするのは、未成年後見人となった人がおこないます。

未成年後見人は、通常未成年の祖父母や両親の兄弟など親族がおこないます。

万が一親族がいない場合、弁護士や司法書士といった専門家が選任される場合もあります。

いずれの場合でも、家庭裁判所が選任をおこなうので、未成年で親が亡くなってしまった場合、まずは住所を所轄する家庭裁判所に連絡をしましょう。

法定相続人全員が相続放棄した場合

相続放棄をすると次の相続人に相続権が移ります。

もし法定相続人全員が相続放棄をして、相続財産の管理が難しい場合でも、相続財産管理人への相続財産の引継ぎが完了するまでは、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その相続財産を管理しなければなりません。

相続財産管理人とは、相続人の存在、不在が明らかではない場合に、債権者等に被相続人の財産を分配するなどの役割があります。

選任は債権者などが申立人として、家庭裁判所でおこなわれます。

甥が相続放棄した場合

通常、法定相続には最大で第四親等である甥・姪までが含まれます。甥・姪が相続放棄をした時点で、相続人が不存在の状態と同一となります。

ただし、甥・姪が相続人になる(相続放棄をする)場面というのは、兄弟姉妹(甥姪の親)が亡くなった場合と、先順の相続人が全員相続放棄をしているという2つのことが重なるといった稀有な事例になります。

このため、相続放棄をして安心していたら、相続財産の管理責任を追及された、また、債権者等の申立てにより「相続財産管理人に選任された」というトラブルがなくはありません。

相続人が複数名いる場合で皆さんが相続放棄を考えている場合には、相続財産の管理を誰が担うのか、また、「相続財産管理人」を誰がおこなうか、事前に話し合っておくと上記のような面倒事を避けることができます。

限定承認を検討している場合

限定承認を検討している場合、相続人が自分一人なら手続きは簡単です。

しかし、法定相続人が複数名いる場合、全員が合意して手続きを進める必要があるので、一気に煩雑さが増していきます。

もし親族間で調整が難しい場合、弁護士などの専門家に相談し、親族の説得から協力してもらいましょう。

親の財産を把握する方法

ここからは、相続放棄をすべきかなど適正な判断に欠かせない親の財産調査について解説していきます。

全国銀行個人信用情報センターに照会

全国銀行個人信用情報センターとは、銀行からの借金を照会して確認できる窓口です。保存期間や確認できる情報は以下になります。

取引情報:ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む)の履歴

登録期間:契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間

照会記録情報:会員がセンターを利用した日、ローンやクレジットカード等の申込み・契約の内容等

登録期間:当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間

官報情報:官報に公告された破産・民事再生手続開始決定

登録期間:当該決定日から7年を超えない期間

本人申告情報:本人確認資料の紛失・盗難、同姓同名別人の情報がセンターに登録されており自分と間違えられるおそれがある旨等のご本人からの申告内容

登録期間:登録日から5年を超えない期間

貸付自粛情報:ご本人に浪費の習癖があることやギャンブル等依存症によりご本人やその家族の生活に支障を生じさせるおそれがあることから、自らを自粛対象者とする旨のご本人からの申告内容

登録期間:申告日から5年を超えない期間

【参考】一般社団法人全国銀行協会|センターの概要

信用情報機関への照会

信用情報機関とは、クレジットカードなどの履歴を確認できる団体です。信用情報開示請求によって照会手続きができます。

信用情報機関は、日本国内では主に以下3つの団体があります。

  • CIC(株式会社シー・アイ・シー)
  • JICC(日本信用情報機構)
  • JBA(全国銀行個人信用情報センター)

JBAは全国銀行個人信用情報センターと同じです。

他2つと情報の連携をおこなっており、どの窓口からでもクレジットカードの情報については照会可能です。

郵送・インターネットなどの申込み方法があるので、都合のよい方法を選びましょう。

自宅の書類などのチェック

自宅で保管されている契約書類・郵便・メール・通帳の引き落とし履歴のチェックをしましょう。

被相続人が支払うはずの電気代や携帯電話代などを代わりに支払ってしまうと、単純承認をしたとみなされ相続放棄が認められなくなります。

相続放棄を検討しているなら、支払いや滞納のチェックをして、債権者の催促などに対しては毅然と対応しましょう。

これらのチェックはイメージしているよりも多くの時間と労力がかかります。

もし時間が取れないなら、弁護士などの専門家に依頼をしてしまいましょう。

債権者からの督促も引き受けてもらえるので一石二鳥です。

専門家による債務調査

親がギャンブルなどを好きだった方や、連帯保証人の疑いがあるような方は、専門家による調査を検討しましょう。

特に連帯保証人などについては書類1枚しか証拠がないこともあります。自力のみだと発見にかなり時間がかかる可能性があります。

弁護士に依頼すれば弁護士会照会制度などによってかなり正確性の高い債務調査が可能です。

相続の前にしてはいけないNG行動3つ

相続放棄を検討している方や、財産調査がまだ終わっていない方のNG行動を解説します。

単純承認が成立し、相続放棄ができなくなるなどのリスクがありますので、しっかり確認して予防しましょう。

①財産を処分する

遺産の処分は単純承認の成立要件です。

親の服や食器など、一見価値がなさそうなものでも処分してしまうと単純承認が成立する恐れがありますので注意しましょう。

②支払いをしてしまう

親が利用した電気ガス水道などの料金を支払うと単純承認が成立します。

また、債権者からの督促に耐えかねて借金の支払いをしてしまうなども単純承認が成立します。

もし支払の催促がやまない場合、弁護士に依頼すればそれらをすべてストップしてくれるので、悩んでいる方は相談を検討しましょう。

③携帯や賃貸などの解約手続きをしてしまう

親が利用していた携帯電話や賃貸物件などの解約手続きをすることも、単純承認が成立する可能性があります。

この他、車の廃車・名義変更手続きや土地の登記変更などの手続きも同様です。

限定承認を検討しているような場合、競売にかけられてしまいそうな住宅も先買権を行使して手元に取り戻すことができます。

焦らず相続の手続きを先に進め、財産の手続きは後回しにしましょう。

相続放棄で損をしないための基礎知識

相続放棄をするにしても、受け取れるお金や残せるものがあります。

相続放棄で損をしないための豆知識を解説します。

相続放棄をしても生命保険は受け取れる

相続放棄はあらゆる財産を手放さなければなりませんが、生命保険は財産にカウントされません。

このため、相続放棄をしても生命保険の受取人として現金を手に入れることが可能です。

貰いはぐれの無いように注意しましょう。

借金にも時効がある

借金とその利息にも時効が存在します。時効を過ぎた借金なら返済する必要はないので、もしそれによってプラスの財産が増えるようであれば、相続放棄をしなくてもよいかもしれません。

借金とその利息の時効は、最終支払日から5年です。

ただし、「時効の援用」という手続きをしなければ借金がなくなることはありません。

債務整理に強い弁護士などに相談し、手続きを進めてもらいましょう。

【関連記事】相続放棄の期限は3ヵ月!期間を延長する方法や期限を過ぎてしまったときの対処を解説

住宅ローンには団体信用保険がある

住宅ローンの団体信用保険とは、契約者(今回の場合は被相続人)が、怪我や病気・死亡などによってローンの返済ができなくなった際に、住宅ローン残高をゼロにする保険です。

もし住宅ローンが残っている状態で相続が発生してしまっても、この保険に入っていれば借金を返済する必要はありません。契約内容をよくチェックしましょう。

生前贈与を受けていても相続放棄は可能

生前贈与とは、親が生きているうちに遺産の一部を受け取る方法です。

生前贈与を受けていると、相続しているようで相続放棄ができないと思われる方も多いですが、実はこの2つには何の関係もありません。

生前贈与を受けていても、相続放棄は可能です。

さいごに|相続放棄で悩んだら弁護士に相談を

相続には利害関係者が数多くおり、相続放棄をしたとしてもその後の手続きでトラブルになるといったことも起こりえます。

借金への悩みはもちろんのこと、こうした相続トラブルに悩まされたくないという方は、弁護士に相談して対応のアドバイスや手続きのサポートを受けましょう。

精神的な負担も手間も一気に削減されるはずです。

【注目】親の借金を相続したくないと考えている方へ

相続の際に親の借金が見つかり、どうすれば借金を相続せずに済むかわからず悩んでいませんか

結論からいうと、親の借金は相続放棄で回避できます。しかし、相続放棄は財産調査のうえで判断しないと損をする可能性もあるので、一度弁護士へ相談するのをおすすめします。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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