ハラスメントの相談窓口8つ|弁護士にハラスメントを解決してもらうメリットも解説

ハラスメントの相談窓口8つ|弁護士にハラスメントを解決してもらうメリットも解説

職場のハラスメントは上司が加害者になっている場合が多く、立場的に強く言えない方や、社内に相談窓口がないため、泣き寝入りする方もいらっしゃいます。

しかし、いざ誰かに相談しようと思っても、以下のような疑問が生じることもあるでしょう。

  • ハラスメントにはどんな相談窓口がある?
  • 相談窓口を利用するとハラスメントはなくなる?
  • ハラスメントの被害者は損害賠償請求できる?
  • ハラスメントはどうやって証明するの?
  • 弁護士に依頼すると費用はいくらかかる?

本記事では、ハラスメントの相談窓口や、弁護士に解決してもらうメリットをわかりやすく解説していきます。

弁護士費用の負担を軽くする方法も解説しますので、ハラスメントに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

職場でのハラスメント被害に悩んでいるあなたへ

職場でのハラスメント被害への対処法がわからず、困っていませんか?

結論からいうと、ハラスメントに関する相談は、会社・行政・弁護士などが受け付けています。

もし、加害者や会社に対して損害賠償請求したい場合、弁護士に相談・依頼するのをおすすめします

弁護士に相談すると以下のようなメリットを得ることができます。

  • どのようなものが証拠になりうるか教えてもらえる
  • 会社の対応が適切か判断してもらえる
  • 依頼すれば、損害賠償請求の手続きを一任できる
  • 依頼すれば、代理人として会社に配置転換や再発防止策を要請してもらえる

ベンナビ労働問題では、職場でのハラスメントの解決を得意とする弁護士を多数掲載しています。
無料相談・電話相談など、さまざまな条件であなたのお近くの弁護士を探せるので、ぜひ利用してみてください。

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この記事を監修した弁護士
阿部 由羅
阿部 由羅弁護士(ゆら総合法律事務所)
ゆら総合法律事務所の代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。

ハラスメント被害を相談できる社外の窓口8つ

ハラスメントの被害を社外で相談したい方は、以下の窓口を利用してみましょう。

市区町村役場の法律相談

全国の市町村役場では定期的に法律相談をおこなっており、ハラスメントなどの労働相談も受け付けています。

相談日時や予約の有無は役場によって異なるので、自治体のホームページや広報誌を確認してください。

労働問題は弁護士が担当しているケースが多く、法律面のアドバイスを受けたい方にはおすすめです。

ただし、一部の自治体を除き、法律相談会は平日の日中に開催されるため、平日に休みにくい方や、退社時刻が遅い方の相談は難しいでしょう。

また、男性の担当弁護士しかいない役場もあるので、女性弁護士を選びたい方は、法律事務所の無料相談をおすすめします。

みんなの人権110番

ハラスメントの悩みを電話相談したい方は、みんなの人権110番を利用してみましょう。

電話番号は全国共通になっており、以下の時間帯で利用できます。

  • 電話番号:0570-003-110
  • 受付時間:平日の午前8時30分から午後5時15分まで

相談員は法務局職員や人権擁護委員で、ハラスメントに当たるかどうかの判断や対処法などにつき、専門的な視点からアドバイスを受けられます。

また、法務局や支局では直接面談も受け付けているほか、インターネット人権相談受付窓口を利用すると、夜間に相談内容を送信できます。

全労連の労働相談ホットライン

全労連の労働相談ホットラインは労働者の相談を受け付けており、ハラスメントの相談も可能です。

相談方法には電話とメールがあり、電話相談は以下の時間帯で利用できます。

  • 電話番号:0120-378-060
  • 利用時間:月曜日から金曜日の午前10時から午後5時まで

全労連は全国の労働組合が加盟する中央組織なので、ハラスメントなどの労働問題には親身に対応してくれるでしょう。

ただし、適切なアドバイスを受けたとしても、労働者個人では実際の対応が難しく、結果的に何も進展しない可能性があります。

厚生労働省の労働条件相談ほっとライン

労働条件相談ほっとラインは厚生労働省の委託事業として、株式会社東京リーガルマインドが運営している電話相談窓口です。

労働問題全般の相談を受け付けているので、ハラスメントの被害に困っている方は、以下のフリーダイヤルに連絡してみましょう。

  • 電話番号:0120-811-610
  • 利用時間:月~金曜日:17:00~22:00、土・日・祝日:9:00~21:00(年末年始を除く)

なお、労働条件相談ほっとラインは相談のみとなり、会社や加害者に対する直接のアプローチはおこなっていません

基本的には労働問題の相談や専門機関の紹介業務になるので、ハラスメントの解決を急ぎたい方は別の相談窓口をご利用ください。

厚生労働省の総合労働相談コーナー

厚生労働省の総合労働相談コーナーは全国に設置されており、ハラスメントなどの労働問題に専門の相談員が対応しています。

相談方法には電話相談と直接面談があるので、各都道府県の総合労働相談コーナーで住所や電話番号を確認してください。

また、総合労働相談コーナーは相談料がかからず、予約も不要なので、誰でも気軽に利用できます。

基本的な業務はハラスメントなどの労働相談ですが、必要に応じて会社側に助言・指導をおこない、紛争調整委員会によるあっせんに移行する場合もあります。

ただし、すでに裁判で争っているハラスメント問題や、確定判決が出ている労働問題などには対応していないので注意してください。

法テラス

法テラスは弁護士や司法書士に相談できる窓口で、各都道府県に1ヵ所以上の地方事務所が設置されています。

サポートダイヤル「0570-078374」や、各地方事務所に連絡すると、オペレーターが法律事務所などを案内してくれます。

法テラスを介して契約弁護士に相談する場合、経済的な余裕がない方は民事法律扶助制度を利用できます。

民事法律扶助制度の主な内容は、30分×3回の無料相談や弁護士費用の立替払いなどです。

ただし、「ハラスメントに詳しい弁護士を紹介してほしい」といったリクエストには応じていないため、案内された弁護士が労働問題に詳しくない場合もあるでしょう。

自分で弁護士を選びたい方は、法律事務所の無料相談をおすすめします。

なお、法テラスの契約弁護士に依頼する際には、弁護士経由で法テラスの利用を申し込むこともできます。

弁護士会の法律相談センター

弁護士会の法律相談センターを利用すると、ハラスメントの悩みを弁護士に相談できます。

法律相談センターは各都道府県に設置されており、法律相談は基本的に有料ですが、ハラスメントなどの労働相談を無料にしている弁護士会があります。

また、法律相談センターは繁華街やオフィス街に設置されているケースが多く、利便のよさも特徴となっています。

ただし、原則としてその場で依頼はできないため、担当弁護士にハラスメントを解決してほしいときは、所属する法律事務所に出向かなければなりません

担当弁護士は当番制なので、2回目の相談は弁護士が変わっている可能性もあるでしょう。

最初から最後まで相性のよい弁護士にサポートしてほしいときは、以下のベンナビを活用してください。

弁護士ポータルサイト|ベンナビ労働問題

ハラスメントを早く解決したい方や、慰謝料請求を弁護士に任せたい方は、ベンナビ労働問題を活用してみましょう。

ベンナビ労働問題は「地域+相談内容」の検索ができるので、利用しやすい法律事務所がすぐに見つかります。

初めて弁護士に相談する方は、以下の情報も参考にしてください。

  • 弁護士の取扱分野:ハラスメントや残業代請求など
  • 土日や祝日、夜間の対応
  • 電話相談やLINE相談、オンライン面談などの相談方法
  • 弁護士費用
  • 弁護士の経験年数や労働問題の解決実績

法律事務所の詳細ページには弁護士の顔写真も掲載されており、女性弁護士の在籍状況もわかります。

ほとんどの弁護士が初回の無料相談に対応しているので、ハラスメントに悩んでいる方は、まず相談だけでもしてみましょう。

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ハラスメント被害を相談できる社内の窓口

社外の相談に抵抗がある方は、社内のハラスメント相談窓口や、信頼できる上司などに相談してみましょう。

社内の窓口を利用するとパワハラやセクハラの早期解決を期待できるので、以下を参考にしてください。

加害者の上司や経営者に相談する

ハラスメントの加害者の上司に相談すると、厳重に指導してくれるケースがあります。

パワハラやセクハラは加害者の人事評価に大きく影響するため、会社における処遇の悪化を懸念した加害者が自制した結果、すぐにハラスメントが解消される可能性もあるでしょう。

ただし、問題を棚上げされては意味がないので、上司がコンプライアンスに厳しく、実行力のあることが理想的です。

また、部下への指導はお願いできますが、損害賠償請求は自分で対処しなければなりません。

損害賠償請求の手続きは煩雑なので、パワハラに悩んでいる人が自分一人で対応するのは難しいでしょう。

しっかり賠償金も請求したい場合は弁護士に相談するのが得策です。

パワハラの相談窓口に相談する

社内でハラスメントを解決したいときは、ハラスメント相談窓口も利用してください。

2020年6月に施行されたパワハラ防止法(労働施策総合推進法30条の2以下)は主に大企業を対象としていましたが、2022年4月に適用範囲が拡大され、全企業に対してハラスメント防止措置が義務付けられました。

会社に設置されたハラスメント相談窓口の担当者に相談すれば、人事部門などと協力して事実関係を調査し、加害者・被害者に適切な対応をしたうえで、最終的には再発防止策を検討してもらえるでしょう。

担当者が適切に教育されていれば、相談者のプライバシーも守られます。

ただし、相談窓口の設置から数年しか経っておらず、ハラスメント対応のノウハウが十分に蓄積されていない企業も多いです。

また、依然としてハラスメント相談窓口が設置されていない企業もあります。

相談窓口が正常機能しておらず、ハラスメント被害が続くときは弁護士に相談してください。

労働組合に相談する

ハラスメントの被害に困ったときは、労働組合にも相談してみましょう。

労働組合は人権問題に敏感なので、ハラスメントの実態があれば、団体交渉などを通じて会社側に是正要求してくれます。

ただし、未加入者の相談には真剣に対応してくれないケースが多く、加害者が同じ組合員だった場合、個別指導だけで終わってしまうかもしれません。

また、組合役員からセクハラの詳細説明を求められるなど、被害者感情に配慮してくれない場合があるので注意してください。

ハラスメントについて弁護士に相談するときのポイント

ハラスメントの被害について弁護士に相談する際には、以下のポイントを押さえてください。

ハラスメントの証拠を残しておく

ハラスメントの被害に困っている方は、できるだけ多くの証拠を残してください。

相談窓口の利用時に以下のような証拠を準備できれば、ハラスメントを立証しやすくなるでしょう。

  • 加害者とやりとりしたメールやLINE
  • ハラスメントの状況がわかる音声データや映像
  • 診断書
  • 日記やメモ
  • 目撃者の証言となるメモや音声・映像など

証拠を準備して弁護士に相談すると、相手の出かたや損害賠償請求できるかどうかを先読みし、適切な解決方法を考えてくれます。

単独では証拠力に乏しいメモでも、ハラスメントの裏付け資料になる場合があるので、パソコンに貼られた付せんなども残しておきましょう

相談目的を明確にしておく

ハラスメントを弁護士に相談するときは、相談目的を明確にしてください。

ハラスメントをやめさせたいだけ、または加害者に損害賠償請求したいなど、目的が明確になっていると弁護士も解決方針を立てやすくなります。

なお、ハラスメントの被害は会社にも損害賠償請求できるので、安全配慮義務や使用者責任に問題があるときは、弁護士に伝えておきましょう。

退職も視野に入れておく

ハラスメントの被害を弁護士に相談するときは、退職も視野に入れておきましょう。

セクハラやパワハラが解消された場合でも、加害者と同じ職場にいるのは精神的な苦痛になり、出社を考えただけでも気が重くなります。

過度なストレスが続くと体調にも悪影響が出るため、無理があるとき退職をおすすめします。

退職を言い出しにくい方は、退職代行サービスも検討してみましょう。

なお、転職先も決まっていない状況で退職すると、当面の生活費に困ってしまうおそれがあります。

雇用保険の受給などについて、弁護士のアドバイスも受けるようにしてください。

弁護士保険は必ず利用する

弁護士にハラスメントの解決を依頼するときは、自分や家族の弁護士保険をチェックしてください。

弁護士保険に加入している場合、一般的には以下の費用を保険会社が負担します。

  • 法律相談料:10万円分程度または10回分まで
  • 弁護士費用:300万円程度

ハラスメントの解決であれば、補償範囲に収まるケースがほとんどなので、弁護士費用の自己負担はないでしょう。

また、弁護士保険の多くは家族にも補償が適用されるため、自分が加入していなくても、家族が契約している場合もあります。

弁護士保険の種類はさまざまですが、ベンナビの弁護士保険は保険料の負担が軽く、家族の補償やオプションも充実しているので、もしもの備えにおすすめです。

ハラスメントの相談は弁護士がおすすめ

ハラスメントの相談窓口は全国に設置されていますが、弁護士以外は限定的な対応しかできません。

弁護士に相談すると以下のメリットがあるので、ハラスメントの根絶や、十分な被害者補償を期待できるでしょう。

被害者の代理人として会社と交渉してくれる

弁護士には依頼者の代理権があるので、本人に代わってハラスメントの解決を会社と交渉してくれます。

会社側も弁護士は無視できないため、交渉に不安がある方は、ベンナビ労働問題でハラスメントに詳しい弁護士を見つけておきましょう。

また、弁護士は必要最低限の関係者と接触するので、話が社内に広がるリスクも最小限に抑えられます。

労働審判や訴訟をサポートしてくれる

会社との交渉が決裂すると、労働審判や訴訟によってでハラスメント問題の解決を目指すことになります。

弁護士は、労働審判や訴訟の準備や対応もサポートしてくれます。

労働審判や訴訟は提出書類が多く、十分な証拠がなければ納得できる解決は得られないので、弁護士に準備を任せることをおすすめします。

また、労働審判は3ヵ月程度で決着しますが、訴訟は1年以上かかるケースが多いです。

特に訴訟でハラスメント問題を争う際には、長期戦を粘り強く戦うため、弁護士にご依頼ください。

刑事告訴もサポートしてくれる

ハラスメントが激化すると、暴行や傷害、名誉毀損や強要などの犯罪に当たることもあります。

犯罪に当たるハラスメントについて刑事告訴をしたいときは、弁護士のサポートを受けてください。

告訴状の作成や添付書類の準備、警察への提出は時間と労力がかかりますが、自分で対応できないときは弁護士に依頼すれば代わりに対応してもらえます。

なお、刑事告訴によって加害者が逮捕された場合、加害者側も弁護士を立てるケースがあります。

加害者側の弁護士から示談交渉を求められたときは、必ず弁護士に対応してもらいましょう

ハラスメントの再発を防止できる

弁護士にハラスメントの解決に乗り出すと、会社側も再発防止策を具体的に検討し始める可能性が高いです。

ハラスメントが続く会社はさまざまな機能不全に陥っており、相談窓口が周知されていない、研修を実施していないなど、改善点がいくつもあります。

弁護士はハラスメントの原因をすべてチェックし、会社に問題提起してくれるので、再発防止を期待できるでしょう。

最後に|ハラスメントの相談窓口は弁護士がベスト

ハラスメントは社内で解決する問題ですが、効果的な解決策を会社側が知らない、または報復人事などを恐れてしまい、誰にも相談できないケースが少なくありません。

しかし、加害者を放置すると被害が大きくなることが多いので、一人で悩んでいる方は、早めにハラスメントの相談窓口を利用してください。

特に弁護士は、損害賠償請求や再発防止策の要求など、ハラスメント被害回復のために幅広い対応ができます。

ハラスメントを根本的に解決したいときや、損害賠償請求をしたいときは、労働問題に詳しい弁護士へ相談してみましょう。

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※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります

この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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