労働審判の弁護士費用はいくら?安く抑える方法や注意点について解説

労働審判の弁護士費用はいくら?安く抑える方法や注意点について解説

不当解雇や残業代未払いなどの労働問題を解決する手段のひとつに「労働審判」というものがあります。

労働審判は労働者が自分だけで対応することもできますが、法的な知識や経験などが必要になるため、弁護士に依頼するのがおすすめです。

しかし、労働審判の手続きにかかる弁護士費用が気になって、依頼できずにいる方も少なくないでしょう。

この記事では、労働審判の手続きにかかる費用が気になる方に向けて、労働審判の弁護士費用の目安、弁護士費用を抑えるためのポイント、費用を支払うのが難しい場合の対処法、労働審判について依頼する場合の費用上の注意点などを解説します。

この記事を参考に、できる限り少ない負担で弁護士に依頼しましょう。

労働審判にかかる弁護士費用がわからず悩んでいるあなたへ

労働問題の相談は、弁護士にするのがおすすめです。

 

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この記事を監修した弁護士
徳田 隆裕(金沢合同法律事務所)
徳田 隆裕弁護士(弁護士法人金沢合同法律事務所)
残業代請求、労働災害、不当解雇など労働トラブルはお任せください。依頼者様の味方として、共に戦います。

労働審判の弁護士費用はいくら?目安と内訳

労働審判の手続きを弁護士に相談・依頼する場合、相談料、着手金、成功報酬、実費・日当などを支払う必要があります。

弁護士費用の詳細は法律事務所によって異なりますが、それぞれの費用項目の目安は以下のようになっています。

また、ここではそれぞれの費用項目の特徴についても確認しましょう。

【労働審判の手続きを弁護士に依頼した場合の費用】

項目費用(税別)
相談料1時間あたり5,000~1万円
着手金10万~30万円程度
成功報酬回収金額の15~20%程度
実費・日当事案によって異なる
合計20万~100万円程度

相談料

労働審判の手続きについて弁護士に相談した場合、相談料(法律相談料)が発生します。相談料は通常「30分あたり〇円」「1時間あたり〇円」といったように、相談した時間当たりで支払うことになります。

なお、中には初回無料相談に応じている法律事務所もあるため、初期費用を抑えたいなら無料相談を利用することをおすすめします。

着手金

労働審判の手続きを弁護士に依頼する場合、着手金が発生します。

着手金は、依頼内容の成否にかかわらず弁護士に支払う費用であり、仮に労働審判が不成立に終わったとしても返金されません。

多くの法律事務所では着手金を10万~30万円程度にしていますが、着手金を0円にしている「完全成功報酬型」の事務所もあります。

成功報酬

弁護士に労働審判の手続きを依頼した場合、成果に応じた報酬金が発生します。

成功報酬の金額は「回収金額の15~20%程度」となっていることが多く、たとえば、500万円の未払い残業代の回収に成功した場合は75万~100万円程度の成功報酬を支払うことになります。

成功報酬の割合は法律事務所によって異なるのでよく確認しましょう。

実費・日当

弁護士に労働審判の手続きを依頼する場合でも、実費(裁判所費用など)を支払う必要があります。

裁判所費用は、労働審判での請求金額によって異なりますが、通常は数万円程度で済むことが多いです。

また、弁護士が事務所を離れて作業をする場合には、作業時間に応じた日当(1時間あたり1万~3万円程度)を支払う必要があるでしょう。

労働審判の弁護士費用を抑えるための3つのポイント

法律事務所によって異なりますが、一般的な労働審判の弁護士費用の目安は20万~100万円程度です。

ここでは、そのような高額な弁護士費用を少しでも抑えるためのポイントをいくつか紹介します。

労働トラブルが複雑になる前に弁護士に相談する

弁護士に相談・依頼する場合、できる限り早く弁護士に頼るようにしましょう。

一般的に労働トラブルは時間が経つほど事態が悪化し、事件解決の難易度が高くなってしまいます。

難易度が高い事件を依頼する場合、弁護士費用も高額になる傾向があります。そのため、トラブルが複雑になる前に弁護士に相談・依頼するのが重要になります。

複数の事務所で弁護士費用の見積もりを取る

労働トラブルを解決するまでに時間的な余裕がある場合は、複数の法律事務所から費用の見積もりを取ることをおすすめします。

複数の事務所から見積もりを取ることで、高額な事務所を避けられるようになり、妥当な金額で弁護士に依頼できます。

なお、料金面に不明点や疑問点がある場合は、その事務所に問い合わせるとよいでしょう。

加入している弁護士費用保険を利用する

任意の弁護士費用保険(弁護士保険)に加入している場合は、その保険の利用条件を確認しましょう。

弁護士保険のサービスによっては、一般的な民事トラブルや交通事故問題だけでなく、労働トラブルにも適用される場合があります。

受け取れる保険金は100~200万円程度であり、弁護士費用の多くをカバーすることができるでしょう。

労働審判にかかる弁護士費用を支払うのが難しい場合の対処法

労働審判の手続きを弁護士に依頼したくても、弁護士費用が高額で支払うのが難しい場合もあるでしょう。

そのような場合には、分割払いにできるかを相談する、完全成功報酬型の事務所に依頼する、法テラスの制度を利用するなどの対処法をとるとよいでしょう。

ここでは、弁護士費用の支払いが困難な場合の対処法について解説します。

分割払いにできるかを相談する

弁護士費用の着手金が高額で支払えない場合は、分割払いを相談してみるとよいでしょう。

原則として「着手金は一括払い」としている法律事務所が多いですが、事情を丁寧に説明することで分割払いに応じてくれる場合もあります。

まとまったお金を用意できないときは、相談時に確認してみることをおすすめします。

完全成功報酬型の事務所を選ぶ

多くの法律事務所では着手金を設定していますが、中には着手金を0円にしている「完全成功報酬型」の事務所もあります。

そのような法律事務所であれば、着手金を支払うお金がなくても弁護士に労働審判の手続きを依頼することが可能です。

なお、相場よりも成功報酬の設定料金が高めになっていることもあるので、注意しましょう。

法テラスの制度を利用する|資力制限あり

法テラス(日本司法支援センター)では、経済的な理由で弁護士に相談・依頼できない人を対象とした「民事法律扶助制度」というサービスを提供しています。

この制度を利用すると、最大3回まで弁護士と無料相談ができたり、弁護士費用を立て替えてもらえたりします。

以下の条件を全て満たしている場合は、制度の利用を検討してみましょう。

【弁護士費用の立て替え制度を利用するための条件】

  1. 収入などが一定額以下であること
  2. 勝訴の見込みがないとはいえないこと
  3. 民事法律扶助の趣旨に適していること

【参考記事】
費用を立て替えてもらいたい|法テラス

労働審判を依頼する場合の弁護士費用に関する注意点

弁護士費用は高額になることが多いため、納得がいかないまま依頼すると料金トラブルに発展したり、費用倒れになったりするリスクもあります。

ここでは、労働審判を弁護士に依頼する場合の注意点についても確認しましょう。

料金に関する疑問を残したままにしない

弁護士費用に関する疑問や不明点がある場合は、正式に依頼する前にしっかりと質問しておきましょう。

特に「成功報酬がいくらになるか」「追加料金が発生しないか」「審判が不成立になったらどうなるか」などをあいまいにしておくと、後から料金トラブルに発展してしまうリスクがあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

費用倒れにならないように気を付ける

未払いの賃金、残業代、退職金などを会社に請求する場合、これらの請求金額よりも弁護士費用のほうが上回ってしまう「費用倒れ」に気を付ける必要があります。

仮に費用倒れになってしまう場合は、労働者自身で労働審判の手続きをおこなったり、労働基準監督署などの公的機関に相談したりすることなどを検討しましょう。

料金だけで弁護士を選ばないようにする

弁護士を選ぶ際は、弁護士費用も重要なポイントになりますが、料金だけで弁護士を選ぶのはおすすめできません。

弁護士に依頼する目的は「労働審判を有利に進めてもらう」といったことのはずですので、弁護士費用も重要ではありますが、以下のようなポイントも参考に弁護士を選ぶようにしましょう。

【労働審判を依頼する弁護士を選ぶときのポイント】

  • 労働審判の対応経験・実績が豊富にあるか
  • 事件解決のために迅速に行動してくれるか
  • 話しやすいなど、弁護士との相性がいいか
  • 弁護士の回答に合理性があり納得がいくか など

労働審判を依頼する弁護士は「労働問題弁護士ナビ」で探せる!

基本的な弁護士の探し方には以下のようなものがあります。

  • 家族や知人から紹介してもらう
  • 弁護士会を通じて紹介してもらう
  • インターネットを使い自力で探す
  • ポータルサイトを使って弁護士を探す

このうちおすすめなのは、「労働問題弁護士ナビ」のような労働問題が得意な法律事務所を多く掲載しているポータルサイトを使って弁護士を探すことです。

労働問題弁護士ナビでは「地域」と「相談内容」を選択するだけで、近くの労働審判が得意な法律事務所を探すことができます。

「初回無料相談」や「完全成功報酬型」などに対応している法律事務所も掲載されているため、弁護士費用が気になっている方は一度確認してみることをおすすめします。

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労働審判の費用に関するよくある質問

最後に、労働審判の費用に関するよくある質問・疑問に回答します。

労働審判の弁護士費用を会社に負担させられる?

労働審判の弁護士費用は、原則として依頼者本人が支払う必要があります。会社に弁護士費用を請求しても、支払いを拒否されてしまうので注意しましょう。

弁護士費用を少しでも安く済ませたいなら、設定料金が安い弁護士に依頼したり、弁護士費用保険を利用したりするのがよいでしょう。

労働審判において裁判所に支払う費用はいくら?

労働審判をする場合、印紙代、予納郵便切手代、印刷代、郵送代、交通費などが必要になりますが、通常であれば3万5,000円以内に収まることが多いです。

裁判所費用の内訳では印紙代のウエイトが大きく、請求金額によって印紙代も増額します。印紙代の節約がしたいなら、できる限り現実的な金額の賃金・残業代を請求するようにしましょう。

【参考記事】手数料額早見表|裁判所

労働審判は自分でやるほうがお得なのか?

労働審判は労働者ひとりで手続きできるため、自分だけでおこなえば弁護士費用を節約できます。

しかし、労働審判は3回の審理で終結するため、数少ない審理の中で有利となる主張や証拠の提出をしなければなりません。

ひとりではそのような対応が難しいため、弁護士に依頼したときより受け取れる金額が少なくなるリスクがあるでしょう。

まとめ|料金の負担を減らしつつ労働審判を依頼しよう

法律事務所によって異なりますが、労働審判の弁護士費用の相場は20万~100万円程度となっています。

そのような弁護士費用の負担を少しでも軽くしたいなら、分割払いにしてもらう、完全成功報酬型の事務所に依頼するなどの対策が必要になります。

「労働問題弁護士ナビ」であれば、初回無料相談や完全成功報酬型などに対応している法律事務所も掲載されているため、弁護士費用の負担を少しでも減らしたいなら利用することをおすすめします。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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