土地・不動産相続
不動産相続の無料相談ができる窓口8選!上手に相談するコツも紹介!
2024.07.09
親の不動産を相続することになった場合、手続きは専門家に依頼するのがよいでしょう。
なぜなら、不動産は登記による名義変更が必要であり、相続税にも大きく関わってくるからです。
本記事では、不動産の相続に必要な手続きや税金について、どのような内容をどの専門家に相談すればよいかを解説します。
また、不動産相続について無料相談ができる窓口と、無料相談を上手に活用するためのポイントも紹介していきます。
全国には、不動産の相続について無料相談ができる窓口が多く存在します。
8つの窓口を紹介するので、何をどこに相談すればよいのかわからないという方は、ぜひ活用してください。
ベンナビ相続は、不動産を含めた相続問題を得意とする全国の弁護士を検索できるポータルサイトです。
住んでいる地域や相談したい内容、初回相談無料などの条件で、自分に合った弁護士を探すことができます。
各法律事務所の強みが一目でわかる一覧ページや詳細ページが設置されており、ベンナビ相続のサイト上から、そのまま気に入った法律事務所に連絡を取ることも可能です。
事務所や弁護士の写真、アクセス情報、費用なども掲載されているため、ひとつひとつの法律事務所をインターネット検索してホームページを確認する手間が省け、スムーズに依頼したい弁護士を見つけることができます。
弁護士会の相談窓口でも、地域によっては無料で電話相談に応じています。
弁護士として活動するには必ず弁護士会に登録する必要があります。
そのため、弁護士会からは、全ての弁護士にアクセスできるということです。
そうはいっても各弁護士の細やかなプロフィールが管理されているわけではありません。
弁護士会が提供する相談窓口であっても、自由に弁護士を選んで相談できるというわけではなく、そのときどきに応じて担当の弁護士が対応してくれます。
全国の都道府県には、必ず1つ以上の弁護士会が設置されています。
相談窓口の運営は各弁護士会に任されるため、相談方法や相談料に統一の基準があるわけではありません。
しかし、相続に関する悩みやトラブルは、一般的によくある内容として、基本的にはどこの弁護士会でも受け付けてくれるでしょう。
例えば、東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会が共同運営している、弁護士会の法律相談センターでは、電話にて、無料での相談を受け付けています。
東京都内から電話をすれば、弁護士に相談することができます。
ただし、相談時間は15分程度です。
このように、弁護士会によっては無料相談を受け付けています。
詳細は各弁護士会が運営する法律相談センターの公式サイトで確認ください。
全国の法律相談センターは、日本弁護士連合会の公式サイトにて検索できます。
面談による有料相談の場合、相談料の目安は30分5,500円程度と考えておくとよいでしょう。
運営元 | 日本弁護士連合会 |
公式URL | https://www.nichibenren.or.jp/legal_advice/search/center.html ※各地の法律相談センターについては、上記URLで検索ください。 |
法テラスでは、経済的な事情があって弁護士や司法書士に相談できない方を対象に、民事法律扶助業務として無料相談を提供しています。
資力条件などを満たせば、弁護士や司法書士に、最大3回まで無料相談ができ、相談時間は1回30分です。
要件を満たすことで、着手金や依頼料を法テラスが立て替えてくれる制度もあります。
法テラスの無料相談・立替制度の詳細や利用要件については、法テラスの公式サイトで確認ください。
またお近くの法テラス窓口は、以下公式ページで検索できます。
運営元 | 法テラス |
問い合わせ窓口 | 0570-078374 ※総合的な問い合わせ窓口になります。 |
公式URL | https://www.houterasu.or.jp/ |
司法書士総合相談センターでも不動産の相続や登記について、相談することができます。
司法書士総合相談センターは、日本司法書士会連合会が運営している、司法書士に無料相談ができる窓口で、全国各地に約150ヵ所設置されています。
そもそも司法書士は登記業務を専門的に取り扱っている専門家です。
そのため、不動産の名義変更つまり相続における登記については非常に詳しく、頼りになります。
しかし、相続に関する紛争解決を担っているわけではないので、不動産の相続に関して揉めている場合などは、司法書士ではなく弁護士に相談しましょう。
相談時間や受付内容は各地の司法書士会ごとに異なります。
まずは、「司法書士総合相談センター一覧」でお近くの窓口を探して問い合わせましょう。
運営元 | 日本司法書士会連合 |
公式URL | https://www.shiho-shoshi.or.jp/association/shiho_shoshi_listh/ ※各地の司法書士総合相談センターについては、上記URLで検索ください。 |
法務省が運営する法務局でも不動産相続における登記申請書の書き方などについての一般的な相談を受けることができます。
なお、実際に申請書を代わりに書いてもらったり、書いた申請書に間違いがないかをチェックしてもらったりすることはできないので注意が必要です。
登記に関する相談は、基本的に予約制です。
相談時間などは各地域の法務局によって異なりますが、だいたい20分程度と考えておくとよいでしょう。
詳しくは近隣の法務局のWebサイトで確認してください。
全国の法務局については、法務省の公式サイトで探せます。
また、不動産手続きに必要な申請書や添付書類の書式は、法務局のホームページからダウンロードできます。
雛形が必要なときは、利用しましょう。
登記申請書の作成や申請を代理してもらいたい方には、司法書士や土地家屋調査士に依頼できるように法務局が紹介してくれる場合もあります。
運営元 | 法務局 |
公式URL | https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/static/index.html ※近隣の法務局は上記URLのリンク(「各法務局の所在地・連絡先」)にて検索できます。 |
不動産相続において、相続税や贈与税の相談がしたい場合は、税理士会の相談窓口を利用するのもよいでしょう。
税理士会は、税理士法によって定められた特別法人です。
全国の国税局の地域ごとに15の税理士会があります。
税理士は、基本的に自身の区域の税理士会に入会しています。
相続税相談室を開設している税理士会では、税理士が無料で相続税や贈与税の相談に応じています。
相談時間は通常30分以内です。
ただし、 税理士会では、ほかの税理士や税理士法人にすでに依頼している方からの相談には応じていません。
セカンドオピニオンのような利用はできないため、注意が必要です。
また、無料で相談できるのは、一般的な範囲の相談です。
個別具体的な相談には応じてもらえない可能性があります。
相続税申告書の検算や作成をしてもらうこともできません。
利用したい場合は、日本税理士会連合会の公式サイトで最寄りの税理士会を検索し、問い合わせましょう。
運営元 | 日本税理士会連合会 |
公式URL | https://www.nichizeiren.or.jp/ ※近隣の税理士会は「全国の税理士会、関連団体 – 日本税理士会連合会」ページにて検索できます。 |
国税局電話相談センターでも、相続税に関する一般的な相談や確認をすることができます。
例えば、相続税の計算方法や相続税の申告手続きについて、教えてもらえます。
相談には、国税局や税務署の職員が応じているため、正確な情報を得ることができるでしょう。
ただし、税金以外の事柄については相談できません。
また、アドバイスにしたがって申告をしたにも関わらず、追徴課税を受けたとしても、責任をとってもらうことはできません。
基本的な相続税の仕組みを知りたい方や、自分で相続税の申告をしたい方のなかで相続税の申告方法がわからない方には、適しているといえます。
節税につながる特例や控除の提案はしてもらえないため、節税を考えているのであれば、税理士に直接相談するのがよいでしょう。
運営元 | 国税庁 |
受付時間 | 8時30分~17時00分 |
相談方法 | 電話相談(予約不要)/0570-00-5901 |
公式URL | https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/sodan/denwa-sodan/index.htm#a-02-4 |
相続した不動産の価値を知りたい場合や売却したい場合は、不動産会社に相談しましょう。
不動産を相続するべきかどうかを考える際にも、査定は重要です。
不動産会社は、いくらで売れるかを無料で査定してくれます。
ただし、不動産会社の回答は技能や実績によって異なります。
そのため、複数の会社に査定を依頼するほうがよいでしょう。
査定は、不動産鑑定士に依頼することもできます。
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に関する法律に基づいて、不動産の価値を算出してくれます。
ただし、不動産鑑定士に査定を依頼する場合は、報酬費用が必要です。
査定だけでなく売却をしたい場合は、不動産会社に依頼するのがよいでしょう。
不動産相続の手続きについて、自分たちで調べておこなうこともできますが、抜け漏れや損をしてしまうのを防ぐためには、やはり法律事務所などの無料相談を活用するのがおすすめです。
無料相談を受けるメリットについて3つ紹介します。
インターネットなどで不動産相続について調べてみると、一般的なことは理解できますが、個々の状況に適した手続きがわかるとは限りません。
自分たちに適した具体的なアドバイスが受けられるのは専門家に相談をするメリットです。
法律事務所以外の窓口では、一般的なアドバイスしかもらえないことが少なくありません。
個別の事務所に相談すれば、個別の状況に応じたアドバイスがもらえます。
なかでも不動産相続を得意としている法律事務所に相談すれば、的確な回答を得られる可能性が高いでしょう。
弁護士は、司法書士や行政書士がおこなう業務についても、担えるものが多いです。
そのため、弁護士であれば、幅広い知識のなかからアドバイスをくれるはずです。
相談したい分野に精通している弁護士が在籍しているかどうかは、ベンナビ相続をはじめ、各法律事務所のWebサイトで確認することができます。
無料の法律相談会を提供している地域の窓口では、相談会に対応している専門家のなかから予約日時に担当できる専門家が対応するのが、一般的です。
そのため、必ずしも不動産相続が得意な専門家が担当になるとは限りません。
そのような場合、一般的な内容については回答を得られても個々のケースに対応できないケースもあります。
弁護士や司法書士であれば、不動産相続についてもひととおりは勉強していますが、ふだん不動産相続の案件を多く抱えていない場合、日々不動産相続に注力している専門家と比べると、やはり知識や経験は劣ってしまうものです。
そのため、不動産相続に注力している専門家に相談するのが一番です。
その点、各法律事務所に直接連絡をする場合は、事前に不動産相続が得意な弁護士が在籍しているかどうかをホームページなどで確認してから無料相談を活用することができ、効率的です。
地域が提供する相談窓口などでは、あくまでも相談がメインで、依頼をすることができないケースも少なくありません。
一方で、各法律事務所に相談をする場合は、依頼が必要であれば、そのまま依頼することが可能です。
依頼も視野に入れた深い相談をしたいときは、法律事務所に直接相談することを検討するのも一つの方法です。
法律事務所であれば、その場で契約することができ、すぐに手続きを任せることができます。
無料相談は、料金がかからないとはいえ、時間に限りがあります。
そのため、上手に活用しなければ、せっかく相談してもあまり有用な回答が得られない可能性があります。
上手に活用するためには、次に紹介する5つのポイントを参考にしてください。
相続に関してわからないことがあれば、相続が発生してからできるだけ早く相談しましょう。
なぜなら、相続が発生してから3ヵ月以内に、相続を承認するか放棄するかを決める期限が設定されているからです。
また、不動産相続によって相続税が発生する場合、申告と納税をおこなわなければなりません。
期限は、相続を知ったときから10ヵ月以内です。
さらに、登記についても期限があります。
相続登記の申請は、令和6年4月1日から義務化されました。
不動産を取得した相続人は、不動産の所有権の取得を知った日から3年以内に、相続登記を申請しなければいけません。
可能であれば、被相続人の生存中に相談するのが望ましいといえます。
生前贈与など選択肢が広がり、控除や減額制度などを利用して、節税対策ができる可能性があります。
相談したい内容によって、相談すべき窓口は異なります。
窓口ごとに、それぞれ注力する分野や得意分野があるからです。
悩み別の問い合わせ先は、以下を参考にしてください。
有料で手続きを依頼したい場合であっても、まずは無料相談を活用するのがおすすめです。
無料相談は、正式な依頼に向けて専門家を選ぶ機会でもあります。
お金が関係する手続きやトラブル解決を依頼するにあたっては、依頼人である自分と専門家との信頼関係が非常に重要です。
この方に任せれば安心できると思える専門家を選びましょう。
正式な依頼を考えている際、以下にあげるポイントを参考に専門家を選ぶとよいでしょう。
無料相談を活用する際は、以下のようなものを準備し、対面相談であれば持参しましょう。
電話相談の場合でも、手元に準備して話すのがよいでしょう。
これらの資料を準備しておくことで、現状の権利関係が明確になるため、より詳しいアドバイスをしてもらいやすくなります。
また、法律事務所などの依頼可能な窓口へ対面相談に行く場合は、身分証明書・印鑑・現金を持参することで、相談だけでなく、そのまま正式な依頼をすることもできます。
無料相談は、相談時間が限られています。
そのため、漠然とした質問をしてしまうと、専門家から細やかなヒアリングをしなければならず、時間が大幅にかかってしまいます。
そうすると、具体的な回答をもらえる時間が少なくなってしまいます。
自分の希望や質問したいことを事前に整理し、メモなどにまとめておきましょう。
ここからは不動産相続についての相談に関して、よくある質問に答えていきます。
地域によっては、市区町村の役所で、弁護士や司法書士に対して不動産相続の相談ができる相談会を開催しているところもあります。
詳しくは市役所や区役所などのホームページを確認するか、役所へ電話で問い合わせてみましょう。
不動産相続の相談は、基本的に時間が限られています。
30分程度の短い時間のなかで、よいアドバイスをもらうには事前準備が大切です。
とくに確認しておくべきことは次の3つです。
遺言書がある場合は手元に準備しておきましょう。
また、相続する不動産の詳細や相続人が誰かがわかる資料も持参するのがよいでしょう。
しかし、相続人同士の関係性が希薄な場合など、相続財産の調査や相続人の把握が、難しいケースもあります。
そのようなときは、弁護士に調査そのものを任せることもできます。
まずは、相談日時を予約しましょう。
相談したい窓口や法律事務所に電話やメールなどで問い合わせをして、相談日時を確定させます。
次に、関係書類を準備します。
相談日時を予約する際に、当日持参した方がよい関係書類についても確認しておくと準備しやすいでしょう。
多くの場合、相続関係図などの相続人がわかる資料や、財産目録などの相続財産がわかる資料は、持参をすすめられることが多いです。
当日は、予約した時間どおりに会場へ行き、相談内容を伝えましょう。
弁護士や司法書士などから得たアドバイスや回答は、帰ってからしっかり手続きを進められるよう、きちんとメモに取っておきましょう。
相談内容によっては、1回では終わらず、2回目の相談が必要になることもあります。
ただし、2回目以降の相談は有料となる場合が多いので注意してください。
相談の結果、手続きなどを専門家に任せたい場合は、正式に依頼することになります。
依頼する場合は、委任契約書を取り交わし、依頼料を支払うことで、手続きを代行してもらうことができます。
相談の際に依頼するかどうかを決める必要はありません。
帰ってから検討したうえで、依頼を検討してもよいでしょう。
不動産の相続について、わからないことや悩みがあるなら、なるべく早く専門家に相談することをおすすめします。
不動産は登記や相続税など、専門的な知識が必要な手続きが多い相続財産です。
今回紹介した無料相談窓口を上手に活用すれば、スムーズに納得のいく相続ができるでしょう。
相続には期限がある手続きも多いため、ぜひ早めに専門家に相談してください。
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