- 相続放棄をすべきケースは?
- 専門家に相談したいけど費用はいくらかかる?
遺産相続をするタイミングで、手続きに関して不安や疑問を感じることが多いでしょう。
特に、相続が発生した際に借金などの自身にとって不利な財産が多い場合、相続放棄を選ぶことが重要です。
しかし、相続放棄を進めるには、適切な方法を理解し、決められた期間内に手続きを行う必要があります。
手続きを誤ると、思わぬ形で借金を相続してしまうリスクもあるため、慎重な対応が求められます。
そんなときに活用したいのが、無料相談窓口です。
弁護士や専門家による無料相談を利用することで、自分が抱える問題に対して適切なアドバイスを受けることができ、手続きを円滑に進めることができるでしょう。
本記事では、相続放棄に関して無料相談ができる窓口や、それぞれの特徴、依頼した場合の費用などについて詳しく解説します。
相続放棄に不安を抱いている方はぜひご覧ください。
相続放棄の無料相談とは?
相続放棄とは、被相続人(亡くなった方)の権利や義務を一切受け継がないことを意味します。
相続財産には、預貯金や不動産といった利益が見込める財産や借金など不利益になるものまであります。
相続放棄を選択すると、これらの財産を一切相続しません。
相続放棄の手続きは、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に行う必要があります。
相続放棄を検討する際、弁護士や司法書士などの専門家に相談することにはさまざまなメリットがあります。
必要書類の収集や申述書の作成などの専門的な知識を要する場面でのサポート。
相続放棄をすべきか否かにおける、客観的な視点からのアドバイスが非常に役立ちます。
多くの弁護士や司法書士事務所では、相続放棄に関する無料相談を実施しています。
まずは無料相談を利用し、専門家の意見を聞いてみることで、相続放棄に関する疑問や不安を解消し、適切な判断をすることができるでしょう。
札幌市で相続放棄の無料相談ができる窓口5選
札幌市で相続放棄に関する無料相談を受け付けている窓口は以下のとおりです。
法律事務所 | 司法書士会 | 市役所・区役所 | 法テラス | 家庭裁判所 | |
---|---|---|---|---|---|
相談内容 | 相続放棄にまつわる全て | 書類作成について | 一般的な質問に対応 | 法律相談全般 | 手続きに関する質問 |
担当者 | 弁護士 | 司法書士 | 弁護士、司法書士 | 弁護士、司法書士 | 裁判所職員 |
予約 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 | 不要 |
営業時間 | 事務所によって変動あり | 13:00~16:00 | 場所によって変動あり | 9:00~17:00 | 場所によって変動あり |
相談できる人 | 誰でも 要確認 | 要確認 | 一般市民、地域住民 | 収入要件に基づき利用者が決まる(要確認) | 一般市民 |
【おすすめ】法律事務所|相続放棄に関する全ての悩みを相談可能
札幌市で相続放棄について悩みを抱えている方におすすめしたいのが、法律事務所の無料相談です。
法律事務所の無料相談では弁護士に直接相談することができるため、相続全般に関する相談や質問が可能となっています。
例えば、相続放棄をすべきかの判断、相続人同士のトラブル回避策、債権者への対応など、多岐にわたる問題についてアドバイスを受けられるのも魅力です。
また弁護士は相続放棄の手続きを代理する権限を持ち、戸籍の収集や手続きの代行など専門的なサポートを提供してくれるため、自身での手続きが不安な方でも安心して相続放棄することができます。
多くの法律事務所では、土日や夜間の相談にも対応しており、仕事帰りや休日でも気軽に相談できます。
また、メールやLINEで24時間無料相談を受け付けている事務所も増えており、忙しい方でも利用しやすい環境が整っています。
相続放棄は期限が限られているため、早めの対応が重要です。
まずは法律事務所の無料相談を活用し、専門家の意見を聞いてみてはいかがでしょうか。
適切なサポートを受けることで、スムーズに手続きを進めることができるでしょう。
札幌市で相続放棄が得意な弁護士を探すなら「ベンナビ相続」がおすすめ
札幌市で相続放棄に困っているなら、全国の弁護士を検索できるポータルサイト「ベンナビ相続」を使うのがおすすめです。
弁護士に相談するのは初めてで、どこの法律事務所に相談すればよいのか困っている方も多いでしょう。
ベンナビ相続では以下のような項目で悩みにぴったりの弁護士を見つけることができます。
- 「相続放棄」に対応可能
- オンライン面談や電話相談、出張相談の対応可能
- 土日や祝日、夜間の無料相談対応可能
- 相続トラブルの解決実績や具体的な解決事例
- 弁護士費用
- 弁護士の経験年数
地域と相談したい内容で検索すると、身近な弁護士がすぐに見つかります。
「無料法律相談Q&A」や「ありがとうの声」など、相談者側のエピソードも見ることができるので、弁護士選びの参考にするとよいでしょう。
司法書士会|書類作成についてアドバイスを受けられる
札幌市の司法書士会が運営する司法書士総合相談センターでは、相続放棄の書類作成に関する無料相談が可能です。
司法書士は、相続における不動産の名義変更(相続登記)を主な業務としており、相続財産に不動産が含まれる場合に非常に身近な専門家です。
司法書士に相談すると相続放棄申述書の作成や、遺産分割協議書の作成など、書類作成に関する専門的なサポートを受けられる点が魅力です。
一方、認定司法書士を除き、原則として裁判手続きにおける代理人や相続税の申告は司法書士の業務範囲外となるため、注意が必要です。
相談場所 | 住所 | 電話番号 | 相談開催日 |
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札幌司法書士会 法律相談センター | 札幌市中央区南1条東1丁目3番地 | 011-272-9035 | 月~金:13:00~16:00 土曜:10:00~13:00 |
市役所・区役所|一般的な相談に対応可能
札幌市で相続放棄に関して、どこに相談すればよいか迷う場合、市役所や区役所の無料相談窓口は、身近で利用しやすい選択肢の一つです。
市役所・区役所では、法律、税務、不動産登記など、相続に関する一般的な相談に無料で対応しております。
弁護士による法律相談、司法書士による登記相談、税理士による税務相談など、各専門家による相談窓口が設けられています。
ただし、自治体によって設置されている窓口や対応する専門家が異なるため、事前に市役所のウェブサイトなどで確認することが重要です。
相談できる内容 | 弁護士:相続、離婚、近隣問題、借金、借家、労働などのトラブル 司法書士:相続、遺言、登記に関する手続きなど |
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相談できる専門家 | 弁護士・司法書士 |
相談日時 | 各区によって異なる |
相談方法 | 対面 |
相談場所 | 各区によって異なる |
相談時間 | 弁護士:20分 司法書士:30分 |
相談予約電話番号 | 各区によって異なる |
対象者 | 市内在住・在学・在勤者が対象 |
公式サイト | 札幌市役所 |
法テラス|収入や世帯人数などの条件一致で無料相談できる
経済的な理由で弁護士や司法書士への相談が難しい場合、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談がおすすめです。
法テラスでは、収入や資産が一定基準以下の方を対象に、弁護士や司法書士による無料法律相談を提供しています。
例えば、3人家族(本人・配偶者・子ども)で東京に住んでいる場合、収入は299,200円、資産は270万円が基準となります。
ただし、家賃・住宅ローン、医療費や教育費などを支払っている場合は、基準が緩和されることがあります。
詳細は公式サイトをご覧ください。
相談時間は1回30分で、同一の問題につき3回まで無料で相談できます。
札幌市にある法テラスは以下の通りです。
法テラス札幌
相談できる内容 | 法律相談全般 |
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電話番号 | 0570-078388 |
営業時間 | 月~金:9時00分~17時00分 |
所在地 | 札幌市中央区北1条西9丁目3-1 南大通ビルN1 1階 |
公式サイト | 法テラス札幌 |
家庭裁判所|相続放棄の手続きに関してのみ相談可能
相続放棄の手続きについて具体的な疑問がある場合、家庭裁判所の職員に無料で相談することができます。
ただし、相談内容は手続きに関する質問に限られ、個別の事情に基づく法的なアドバイス(例えば、相続放棄をすべきかどうかなど)を受けることはできません。
家庭裁判所では、調停委員による無料調停相談も実施しています。
調停相談では、お金や土地・建物などに関する紛争(民事調停)や、夫婦間の問題や遺産の分割などの家庭内の問題(家事調停)について、調停手続の利用に関する相談に応じています。
札幌市が管轄内の家庭裁判所は以下の通りです。
相談場所 | 住所 | 電話番号 | 管轄地域 |
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札幌家庭裁判所 | 北海道札幌市中央区大通西12丁目 | 011-221-7281 | 全地域含む |
札幌市で相続放棄の無料相談をするなら弁護士・司法書士どちらがおすすめ?ケース別に解説
相続放棄に関して無料相談を検討する際、弁護士と司法書士のどちらに相談すべきか迷うことがあるかもしれません。
両者の違いを理解し、ご自身の状況に合った専門家を選ぶことが重要です。
以下の表は、弁護士と司法書士が相続放棄に関して対応できる業務範囲をまとめたものです。
項目 | 弁護士 | 司法書士 |
---|---|---|
業務内容 | 法律全般の相談・代理業務 | 書類作成・登記業務が中心 |
相続放棄手続き | 家庭裁判所での手続きの代理、裁判所への出廷 | 家庭裁判所への申述書作成支援 |
費用 | 高額になることが多い(数万円〜数十万円) | 弁護士より安価(数万円程度) |
法的トラブル対応 | 相続関連の訴訟や複雑な法律問題に対応可能 | 訴訟対応は不可 |
相談の範囲 | 相続放棄に限らず、相続全般の相談が可能 | 主に書類作成や手続きに関する相談 |
法律知識 | 幅広い法律知識と訴訟対応能力 | 主に登記や手続きに特化した法律知識 |
利便性 | 代理業務をすべて任せることができる | 書類作成などのサポートが中心 |
依頼時期 | 相続トラブルが予想される場合や複雑な案件時 | 手続きが明確で自身でおこなうのが難しい場合 |
この表を踏まえ、以下にケース別の推奨専門家を示します。
【弁護士がおすすめのケース】
- 相続人間でトラブルが発生している、または発生する可能性が高い場合
- 相続財産に使い込みがある、または疑われる場合
- 遺留分を侵害する遺言書がある場合
- 相続放棄の手続きを全て任せたい場合
- 相続に関する幅広い相談をしたい場合
【司法書士がおすすめのケース】
- 相続放棄の手続きが明確で、書類作成のサポートを受けたい場合
- 相続財産に不動産が含まれており、相続登記が必要な場合
- 費用を抑えたい場合
相続放棄は、他の相続人との関係や、相続財産の内容によって複雑になることがあります。
特に、トラブルが予想される場合は、弁護士に相談することで、よりスムーズな解決が期待できます。
参考記事
相続放棄の無料相談先一覧|電話&メール対応・夜間休日OKの窓口まで
相続放棄の費用相場|弁護士・司法書士の依頼費用を解説
札幌市で相続放棄の無料相談をする際のポイント3つ
相続放棄の無料相談は限られた短い時間であることが多いです。
有益な時間にするためには事前の準備と心構えが重要です。
ここでは、相続放棄の無料相談時のポイントを3つ解説します。
1. 現在の自分の状況を正直に、具体的に話す
無料相談では、あなたと被相続人との関係(続柄)、あなたの家族構成、職業、収入、借金の有無など、現在の状況を包み隠さず正直に話すことが大切です。
なぜなら、専門家は、あなたの状況を正確に把握することで、初めて適切なアドバイスをすることができるからです。
特に、借金や負債については、話しにくいと感じるかもしれませんが、相続放棄の判断には非常に重要な情報です。
専門家には守秘義務があり、相談内容が外部に漏れることはありません。
安心して、ありのままの状況を具体的に伝えましょう。
具体的に伝えることで、専門家はより詳細な状況把握ができ、あなたにとって最善の選択肢を提案しやすくなります。
2. 相続放棄をすべきかどうか迷っているなら、その理由や不安を率直に相談する
相続放棄は、一度行うと原則として撤回することができません。
そのため、慎重な判断が必要であり、少しでも不安や疑問がある場合は、遠慮せずに専門家に相談しましょう。
「相続放棄をすべきか迷っている」という漠然とした相談でも構いません。
専門家は、あなたの迷いや不安の原因を丁寧に聞き取り、相続放棄のメリット・デメリット、他の選択肢(例えば、限定承認など)について詳しく説明してくれます。
例えば、「借金があるようだが、金額がはっきりしない」「他の相続人との関係が悪く、関わりたくない」「相続財産に愛着のある不動産が含まれている」など、具体的な理由や不安を伝えることで、専門家はより的確なアドバイスをすることができます。
3. 被相続人の財産一覧をできる限り詳細に作成し、関係書類を持参する
無料相談の時間を有効に活用するためには、被相続人の財産一覧をできる限り詳細に作成し、関係書類を持参することが非常に重要です。
財産一覧表には、プラスの財産(預貯金、不動産、有価証券、自動車など)だけでなく、マイナスの財産(借金、未払いの税金、保証債務など)も漏れなく記載します。
財産の種類、内容、所在地、評価額などを具体的に記入することで、専門家は相続財産の全体像を把握し、相続放棄をすべきかどうか、より正確な判断をすることができます。
また、以下の書類を持参すると、さらにスムーズに相談が進みます。
被相続人の税金関係書類 | 確定申告書の控え(過去5年分)、贈与税の申告書の控え、固定資産税等の納付書など |
---|---|
被相続人の金融資産に関する書類 | 預貯金の通帳、有価証券の取引残高報告書、死亡保険金の支払明細書など |
被相続人の負債に関する書類 | 借用書、ローンの契約書、クレジットカードの明細書、督促状など |
被相続人の負債に関する書類 | 遺言書(ある場合)、戸籍謄本、住民票など |
これらの書類を事前に準備することで、相談時間を有効に活用し、より具体的なアドバイスを受けることができます。
相続放棄を弁護士・司法書士に依頼した場合の費用相場
相続放棄を弁護士や司法書士に依頼する場合、多額の費用がかかると心配している方も多いと思います。
ここでは、それぞれの専門家に依頼した場合の費用相場と内訳について解説します。
【弁護士に依頼した場合は約5万~10万円】
弁護士費用の内訳は、主に相談料、申述書作成代理費用、代理手数料に分けられます。
- 相談料: 相場は30分5,000円程度ですが、初回無料相談を実施している事務所も多くあります。
- 申述書作成代理費用: 5,000円~1万円程度(戸籍謄本取得費用などの実費を含む)
- 代理手数料: 5万円~10万円程度
弁護士に依頼するメリットは、相続放棄の手続きを全て任せられること、他の相続人との交渉やトラブル対応も依頼できることです。
【司法書士に依頼した場合は約1万円~】
司法書士費用の内訳は、主に相談料、申述書作成費用、その他実費に分けられます。
- 相談料: 無料~5,000円程度/1時間あたり
- 申述書作成費用: 3,000円~6,000円程度(戸籍謄本取得費用などの実費を含む)
- その他実費: 数千円程度
司法書士に依頼するメリットは、弁護士に比べて費用が安価であることです。
ただし、司法書士は書類作成のサポートが中心であり、代理権がないため、他の相続人との交渉やトラブル対応は依頼できません。
どちらの専門家に依頼するかは、ご自身の状況や予算、求めるサポート内容によって異なります。
費用だけでなく、業務範囲や対応の質なども考慮して、総合的に判断しましょう。
札幌市で弁護士に相続放棄の依頼をして解決した事例を紹介
札幌市で相続放棄を弁護士に依頼して解決した事例を紹介します。
自身の状況と似ている場合は解決できる可能性があるため、ぜひ参考にしてみてください。
解決事例1
Aさん
- 依頼者の立場:被相続人の妻
- 被相続人:依頼者の夫
- 紛争相手:債権者
【依頼前の状況】
主人さんが亡くなったのですが、生前借金をしており、いくばくかの預貯金はあったものの債務超過状態でした。
相続人は依頼者の妻、子供らがいましたが、相続放棄を検討していました。
しかし、第1順位の相続人が全員相続放棄した場合、被相続人の親御さん、兄弟姉妹の次順位に相続権が承継されてしまい、兄弟が5人以上いたこと、また、迷惑をかけたくないとの思いがありました。
そこで、相続放棄を検討することも含めて、ご相談にいらっしゃいました。
【依頼内容】
相続放棄をするか、限定承認をするかの前提として、できる限りの債務調査及び遺産調査をしたいとの希望があったため、各金融機関、不動産の調査、有価証券の調査、債務調査を行いました。
【対応と結果】
当初の熟慮期間3か月では調査が足りなかったため、熟慮期間伸長の申立てを行い、6か月に伸ばしたうえで、遺産調査を行いました。
調査の結果、債務超過であることがほぼ確実であることが判明したため、相続放棄をするか限定承認をするかどうか検討してもらいました。
やはり相続放棄によって次順位相続人に迷惑をかけるのは抵抗があり、他方、借金を相続することも抵抗があっため、限定承認の申立てを行うことで方針が確定しました。
解決事例2
Bさん
- 依頼者の立場:被相続人の姉妹
- 被相続人:依頼者の姉妹
【依頼前の状況】
突然、妹が納めていなかった税金の支払いを求める通知を受け取り、妹が亡くなっていたことを知りました。
長い間、連絡を取っていなかったため、今後のことに頭を抱えている状況。
【依頼内容】
被相続人(妹)の財産を調査し、相続を受けるのか放棄するのか検討したいとご来所されました。
【対応と結果】
被相続人(妹)の財産を調査したところ、税金の滞納があり債務があることが発覚、ご相談者様は相続を放棄することを決断し、相続放棄の手続きを行いました。
参考
長年連絡を取っていなかった妹が死去、妹に多額の債務が発覚したケース
解決事例3
Cさん
- 依頼者の立場:被相続人の娘
- 被相続人:依頼者の父
【依頼前の状況】
ご相談者様は、事業に失敗し負債を抱えたまま長年消息不明だった実父が、最近亡くなったことについて、全く知らない遠方の市役所からの訃報通知により知らされました。
【依頼内容】
ご相談者様は負債を相続し債権者から請求されるのが怖い、負債の相続は避けたいということで依頼をされました。
【対応と結果】
亡くなったことを知ってから3か月以内の期間に相続放棄申述申し立てをしなければならないため、当事務所は依頼を受けた後早急に当該申立てを行い、無事に家庭裁判所に受理されました。
相続放棄に関するよくある質問5選
相続放棄は、多くの方にとって馴染みのない手続きであり、様々な疑問が生じるものです。
ここでは、相続放棄に関するよくある質問とその回答を詳しく解説します。
1. 相続放棄の期限はいつまでですか?過ぎてしまった場合はどうなりますか?
相続放棄は、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3ヶ月以内に行う必要があります。
この3ヶ月の期間は「熟慮期間」と呼ばれ、相続人が相続するか放棄するかを判断するための期間です。
熟慮期間を過ぎてしまうと、原則として相続放棄はできなくなり、単純承認したものとみなされます。
つまり、被相続人の財産も借金も全て相続することになります。
ただし、例外的に熟慮期間を過ぎても相続放棄が認められる場合があります。
例えば、
- 被相続人に財産が全くないと信じており、そのように信じることに相当な理由がある場合
- 相続財産の存在を知らなかった、または知ることができなかった場合
- 他の相続人から脅迫や詐欺を受けて相続放棄ができなかった場合
これらの場合は、家庭裁判所に「相続放棄の期間伸長の申立て」を行うことで、熟慮期間を延長できる可能性があります。
ただし、申立てが認められるかどうかは、個別の事情によって判断されます。
2. 相続放棄をすると、具体的にどうなりますか?他の相続人への影響は?
相続放棄をすると、法律上、初めから相続人でなかったことになります。
つまり、被相続人のプラスの財産(預貯金、不動産など)もマイナスの財産(借金、未払いの税金など)も一切相続しないことになります。
相続放棄は、相続人全員で行う必要はなく、個々の相続人が単独で行うことができます。
相続放棄をすると、相続権は次順位の相続人に移ります。
例えば、配偶者と子が相続人の場合、子が相続放棄をすると、配偶者と被相続人の親(または祖父母)が相続人になります。
もし、被相続人の親も祖父母も既に亡くなっている場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。
このように、相続放棄は他の相続人に影響を与える可能性があるため、事前に他の相続人に相談したり、専門家に相談したりすることが望ましいです。
3. 相続放棄をしたいのですが、何から始めればよいですか?必要書類は?
相続放棄をするためには、まず、被相続人の財産と借金を調査し、相続放棄をするかどうかを判断する必要があります。
相続財産よりも借金の方が多い場合や、他の相続人と関わりたくない場合など、様々な理由で相続放棄が選択されます。
相続放棄をすると決めたら、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出します。
相続放棄申述書は、家庭裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。
相続放棄申述書と一緒に提出する必要書類は、以下のとおりです。
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 申述人(相続放棄をする人)の戸籍謄本
- 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 収入印紙(800円分)
- 連絡用の郵便切手
これらの書類を揃え、相続放棄申述書に必要事項を記入して、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。
4. 相続放棄をすると、生命保険金や遺族年金は受け取れますか?
生命保険金は、受取人が誰に指定されているかによって扱いが異なります。
- 受取人が特定の相続人(例えば、「妻」や「長男」など)に指定されている場合: 生命保険金は、受取人固有の財産とみなされるため、相続放棄をしても受け取ることができます。
- 受取人が被相続人になっている場合: 生命保険金は、相続財産の一部となるため、相続放棄をすると受け取ることができません。
遺族年金は、相続とは関係なく、受給要件を満たしていれば受け取ることができます。
したがって、相続放棄をしても遺族年金を受け取る権利は失われません。
5. 相続放棄の手続きは自分でもできますか?弁護士や司法書士に依頼するメリットは?
相続放棄の手続きは、必要書類を揃えて家庭裁判所に提出するという流れ自体は比較的シンプルであるため、ご自身で行うことも可能です。
法務省や裁判所のウェブサイトには、手続きの方法や必要書類に関する情報が掲載されており、これらを参照しながら進めれば、専門家の手を借りずに手続きを完了させることも不可能ではありません。
しかし、相続放棄は、単に書類を提出すれば良いというものではなく、いくつかの注意点や検討すべき事項があります。
例えば、相続財産の調査が不十分なまま相続放棄をしてしまうと、後から多額の借金が見つかる可能性があります。
また、他の相続人との関係性によっては、相続放棄をすることでトラブルに発展するケースも考えられます。
法的なリスクを回避しスムーズに相続放棄を進めたい方は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
さいごに| 札幌市で相続放棄に悩んでいるならベンナビ相続がおすすめ
札幌市で相続放棄の無料相談をするなら、「ベンナビ相続」がおすすめです。
ベンナビ相続では、相談内容・都道府県・主要都市・主要駅別に弁護士・司法書士を探せます。
相続放棄において法的な手続きや、他の相続人との関係など、様々な不安や疑問が生じることが多いでしょう。
特に、相続財産の調査や、相続放棄をすべきかどうかの判断は、専門的な知識がないと難しい場合があります。
そのような場合は、一人で悩まずに、弁護士に相談することを強くおすすめします。
弁護士は、あなたの状況を詳しく聞き取り、相続放棄が最善の選択肢かどうかを判断し、必要な手続きを全て代行してくれます。
また、他の相続人との交渉や、トラブルが発生した場合の対応も任せることができます。
「ベンナビ相続」で信頼できる弁護士を見つけ、相続放棄に関する悩みを解決しましょう。
