遺産分割
孫に財産分与をしたい!遺産を孫に譲る6つの方法とそれぞれのポイントを解説
2024.09.12
遺産分割調停はそれほど複雑な手続きでもないため、個人でも対応することができます。
とはいえ、ご自身が納得できる結果を得るためには、弁護士に依頼するのが賢明といえるでしょう。
実際、遺産分割調停事件は弁護士が介入しているケースがほとんどです。
裁判所が毎年発表している司法統計によると、令和2年度に全国の裁判所で扱われた遺産分割調停事件のうち、8割近くのケースで弁護士が携わっていました。
しかし、弁護士であれば誰に依頼してもよいわけではありません。
相続問題の取り扱い実績が豊富であるなど、いくつかのポイントをチェックしながら選ぶ必要があります。
本記事では、遺産分割調停を有利に進めるための基礎知識や、弁護士に依頼した場合に期待できるメリット、費用、弁護士の選び方などについて解説します。
遺産分割調停を弁護士に依頼するかどうか検討中の方は、その要否を判断するためにもぜひ参考にしてください。
【参考元】第47表 遺産分割事件数ー終局区分別代理人弁護士の関与の有無別ー全家庭裁判所|司法統計 令和2年度
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まずは、遺産分割調停とはどのような手続きなのか、ご自身が納得できる結果を得るにはどうすればよいのかについて押さえていきましょう。
遺産分割調停とは、家庭裁判所において相続人全員で遺産分割の方法についてもう一度話し合いをする手続きです。
裁判官のほか、調停委員という専門家が間に入って、全員が納得できる解決策を提案してくれます。
しかし、調停委員の示す解決案に必ずしも同意する必要はありません。
あくまで話し合いであるため、一人でも納得しない人がいれば調停は成立せずに終わることになります。
遺産分割調停は、基本的に以下の流れで進みます。
調停手続きでは当事者同士でもう一度話し合いをしますが、全員が一堂に会して話をするわけではありません。
相続人が一人ずつ調停室に呼ばれ、裁判官や調停委員と話をします。
待合室も別に用意されているため、トラブルになっている相続人がいても顔を合わせる心配はないでしょう。
調停室での調停委員との話は1回あたり30分程度です。
ひととおり話が終われば、ほかの相続人と交代します。
【関連記事】遺産分割調停とは?家庭裁判所での手続きの流れと弁護士に依頼するメリット
遺産分割調停を主導するのは調停委員です。
裁判官も同席しますが、その進行は調停委員に委ねられており、問題整理の仕方や解決方針も調停委員次第といえます。
遺産分割調停では、調停委員にご自身の主張が適切であるという印象を与えることが大切です。
そのためには、論理的かつ法的根拠に基づいて主張する必要があります。
特に調停委員は弁護士などの専門家が担うもので、法律や過去の裁判例を参考に解決策を考えるものだからです。
ご自身の主張を立証できる証拠のほか、根拠となる法令や裁判例を用意して臨むことが大切といえるでしょう。
遺産分割調停をするなら、次のような理由から、弁護士に依頼してサポートしてもらうことをおすすめします。
遺産分割調停では、いくつかの書類の作成・提出が求められます。
申し立て時には申立書のほか、戸籍謄本や遺産の内容がわかる資料などを用意しなければなりません。
それ以外にも、調停委員に自分の主張を理解してもらうために、意見などをまとめた主張書面やその根拠となる資料を提出する必要もあります。
弁護士に依頼すれば、これらの書類の作成や提出などの手続きを全て任せられます。
これにより、ご自身にかかる負担を大幅に減らせるでしょう。
ご自身の言い分を調停委員に納得してもらい、受け入れてもらうには、冷静かつ論理的に主張することが大切です。
特に遺産分割調停では、相手方に対してつい感情的になってしまう場面もあるかもしれませんが、その結果、自分の希望や言い分がうまく調停委員に伝わらなければ元も子もなくなってしまいます。
弁護士に依頼すれば、調停期日に同席してもらえます。
ご自身がつい感情的になってしまっても、弁護士が冷静に代弁してくれるはずなので安心して期日に臨めるでしょう。
調停委員は弁護士など法律の専門家が担うケースも多く、納得してもらうには、法的根拠に基づいておこなうことが大切です。
弁護士に依頼すれば、法律や過去の裁判例などを適切に用いて主張してもらえます。
これにより調停委員を納得させられる可能性が高まり、有利な結果を得やすくなるでしょう。
調停委員は、それぞれの希望や主張を聞いて、全員が納得できる方法を提案してくれます。
調停を成立させるためにも、妥協するよう説得されるケースもあるでしょう。
しかし、法律知識がなければ受け入れるべきかどうか適切な判断を下すのは難しいものです。
妥協しなくてもよいところで妥協してしまったり、反対に、受け入れるべきところで拒否をした結果、審判に移行して損をしたりする可能性もあります。
弁護士に依頼すれば、依頼者の利益を最優先に考えて適切にアドバイスをしてくれます。
もちろん法的根拠を基に判断してくれるので、不利な結果になることはないでしょう。
遺産分割調停は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。
弁護士に依頼すれば、代わりに出席してもらうこともできるため、遠方であっても安心です。
遺産分割調停が不成立となれば、自動的に遺産分割審判に移行します。
審判とは、当事者による話し合いではなく、裁判所が結論を出す手続きです。
そのため、法的根拠に基づいて論理的に主張をすることが重要といえます。
つまり、弁護士への依頼がより有意義な手続きともいえるでしょう。
納得できる結果を得るためにも、遺産分割調停は弁護士に依頼することをおすすめします。
中でも次のような場合は、特に解決が難しいため、積極的に検討するほうがよいでしょう。
弁護士に依頼するにあたって、特に気になるのは費用のことでしょう。
ここでは遺産分割調停を弁護士に依頼した場合の費用の相場を紹介します。
ただし、これらはあくまで目安です。
具体的な金額は法律事務所によって異なるため、実際に相談に訪れ、見積もりを尋ねましょう。
弁護士費用の種類 | 相場 |
---|---|
相談料 | 30分あたり5,000円程度 ※初回無料としているところも多い |
着手金 | 20万円〜200万円 ※見込まれる経済的利益による |
報酬金 | 依頼者が得た経済的利益による |
実費 | 実際にかかった金額 (交通費や郵送費など) |
日当 | 数万円程度 ※法律事務所による |
弁護士によって、得られる結果が変わることもあります。
そのため、誰に依頼するかは、きちんと吟味のうえ決めることが大切です。
ここでは、遺産分割調停を依頼する弁護士を選ぶ際にチェックしたい4つのポイントを紹介します。
遺産分割調停をはじめ、相続問題の取り扱い実績が豊富な弁護士なら、法律知識だけでなく解決ノウハウを多く備えています。
これにより、有利かつ迅速な解決が期待できるでしょう。
弁護士や法律事務所の取り扱い実績はホームページなどで確認できます。
もしくは、ポータルサイトでは「取り扱い分野」などとして掲載されていることも多いため、確認してみましょう。
依頼者にとって費用は非常に重要なポイントです。
相場と比較して、あまりにも高いところは避けましょう。
また、「何に、どれくらいかかるのか」が明確なところを選ぶのが安心です。
あとになって追加費用が発生しないかなども、よく確認したうえで決めましょう。
依頼前に、複数の弁護士に相談をし、弁護士費用や相性、解決方針などを比較することも大切です。
複数の弁護士に相談することで善し悪しを判断しやすくなり、選びやすくなるでしょう。
無料相談を実施している弁護士なら、費用もかからないので相談しやすいはずです。
ご自身が望む結果を得るには、弁護士との相性も大切です。
特に遺産分割調停は、調停が終了するまでに1年程度かかることも多く、弁護士ともある程度長い付き合いとなるものです。
弁護士に対して余計なストレスを感じないためにも、話しやすく相性がよいと感じる弁護士を選びましょう。
遺産分割調停を弁護士に依頼するかどうか、まだ迷っているという方もいるかもしれません。
ここでは、よくある質問とその回答を紹介します。
ご自身でも対応できますが、可能であれば弁護士への依頼をおすすめします。
弁護士に依頼すれば、ご自身の望む結論を得やすくなるほか、あらゆる手続きを任せられるため、ほとんど負担なく調停手続がおこなえます。
そのため、弁護士へ依頼するのが望ましいといえるでしょう。
弁護士に依頼すれば、調停期日に同席してもらえます。
また、裁判所が遠方であるなど、調停期日に出席できない事情がある場合は、代わりに出席してもらうこともできます。
自分が依頼した弁護士への費用は、ご自身で払うのが原則です。
たとえ相手に原因があって弁護士を依頼することになったとしても、自己負担となる点には注意しましょう。
経済的に困窮している場合は、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる可能性があります。
弁護士に無料相談ができたり、弁護士費用を立て替えてもらったりできますが、法テラスの定める資力基準を満たさねば利用できません。
ご自身が対象となるかどうかは、法テラスの公式サイトで確認するか、直接近くの法テラスに問い合わせましょう。
また、法律事務所によっては分割払いに応じてくれるところもあります。
一括での支払いが厳しい場合は、相談の際に正直に話して、対応してもらえないか尋ねてみましょう。
調停手続きは、当事者同士の話し合いをする手続きとはいえ、相続に関する法律知識が必要です。
進行役を担うのは、専門家である調停委員であり、こちらの主張を理解してもらうには、法的根拠をもって論理的に説明する必要があるためです。
調停を経て望ましい結果を得るには、相続問題に精通した弁護士に依頼するのが賢明といえるでしょう。
また、相続に強い弁護士を探すなら、ベンナビ相続をぜひ利用してください。
相談したい内容のほか、地域からも探せるので、近くで活動するあなたに合った弁護士が見つかるはずです。
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