口頭での死因贈与はトラブルになる?確実に立証するための方法とは

口頭での死因贈与はトラブルになる?確実に立証するための方法とは

将来のことを考えて、死因贈与を検討している人も少なくありません。死因贈与は、遺言書が必要な遺贈と違い、口頭でも契約できるため知っておきたいと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、口頭での贈与は、トラブルの可能性が高くなるデメリットもあります。

この記事では、死因贈与の基本から、贈与者の死後でも確実に贈与契約を立証する方法を解説します。死因贈与で迷っている人や知識を深めたい人は、ぜひ役立ててください。

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この記事を監修した弁護士
リフト法律事務所
川村 勝之弁護士(リフト法律事務所)
相談者に選択肢を提示し、最も理想に近い解決法を共に考えることを心がけており、コミュニケーションの取りやすさに定評あり。税理士・司法書士・公認会計士などの他士業と連携したトータルサポートも魅力。

死因贈与とは

死因贈与は贈与契約の1つであり、贈与者が死亡した場合に効力が生じます。贈与者が亡くなった時点で、財産は生前に契約した受贈者に贈与される仕組みです。

死因贈与は契約の1つであるため、一方の意志だけでは成立せず、贈与者と受贈者の意志が一致している必要があります。口頭での契約も可能ですが、贈与者が亡くなってしまうと死因贈与の立証が難しくなります。そのため、契約書を作成しておくのが一般的です。

贈与の金額によっては税金が発生する可能性があるため、実行前にルールや内容をきちんと確認しておくことが大切です。

(契約の成立と方式)

第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

引用元:民法

遺贈との違い

遺贈とは、贈与者が遺言によって、死後の財産の行く先を決めることです。寄贈者は、誰に、どのような財産を贈与するのかを自分の意志で決められます。相続の場においては、その意志が尊重されます。しかし、あくまでも寄贈者の一方的な意志であるため、受贈者は遺贈の拒否が可能です。

以下は、死因贈与と遺贈の違いとの違いを一覧表です。

項目 死因贈与 遺贈
意思表示 贈与者と受贈者の合意が必要 贈与者の一方的な遺言書の記載
贈与の実行 贈与者死亡後の拒否は原則不可 放棄可能
書面の必要性 必ずしも必要ではない
口頭でも効力が発生
遺言書が必要
税金 相続税 相続税

負担付死因贈与契約とは

負担付死因贈与契約とは、贈与者の死亡で受贈者に財産を贈与する条件として、負担や義務を負わせる契約です。負担・義務の内容は、贈与者が生前に決めます。

たとえば、贈与者が独居老人で死後の葬儀や納骨を契約条件に加えたい場合や、生前の介護を契約条件にする場合などに負担付死因贈与契約を結びます。

受贈者は、契約条件の負担を満たさなければ贈与を受けられず、贈与者の判断だけで契約撤回できません。

死因贈与を立証する方法とは

死因贈与を立証するためには、いくつかの方法があります。ここでは、代表的なものを4つ解説します。

契約時は証人を用意する

前述の通り、口頭での死因贈与契約は立証が難しいため、証人を用意することが重要です。受贈者1人の主張だけでは、認められにくいため、家族や親戚、知人、弁護士などに証人として立ち会ってもらいましょう。

第三者を死因贈与契約の証人とし、実際に契約を見聞きするということが大事です。契約の日時を記録しておくことも、立証の際に有効となります。

法定相続人から承諾を得る

死因贈与契約は、贈与者と受贈者の契約ですが、可能であれば法定相続人の承諾を得ておくほうが無難です。できれば相続人全員から死因贈与の承諾をもらうことをおすすめします。

なお、承諾をもらう際は、相続人全員に実印と印鑑証明書を用意してもらいましょう。少々面倒ですが、口約束だけで死因贈与を行うよりも、立証しやすくなります。

死因贈与契約書を作成する

死因贈与契約書を作成し保管すれば、証人がいなくても立証しやすくなります。後々の相続トラブル、法的トラブルを防ぐことにもつながります。

なお、可能であれば、より立証をしやすいように、公正証書の形式で死因贈与契約をしておくとよいでしょう。特に不動産などが含まれている場合には、公正証書の形式で契約をしておくのがよいでしょう。

死因贈与契約書を作成する際の注意点

死因贈与契約書は、遺言書と異なり規定はありませんが、スムーズに契約書を作成するために次のポイントを押さえて作成しましょう。

【死因贈与契約書作成のポイント】

重要なことは、契約日の明記と贈与者・受贈者の署名捺印、贈与財産の明記です。法定相続人とトラブルにならないような配慮も欠かせません。

不動産を死因贈与する場合は仮登記する

死因贈与の財産に不動産が含まれる場合は、仮登記(始期付所有権移転仮登記)ができます。仮登記を行うことで、受贈者の権利が確保されるのがポイントです。贈与者と受贈者が同意して申請することが原則ですが、仮登記によって受贈者単独で不動産の所有権移転登記ができます。

また、登記記録上に「贈与者の死後、所有権が受贈者に移転すること」と公示されるため、贈与者の処分を制限できる可能性を高められます。死因贈与契約を公正証書の形式で締結すれば、後々の手続きがスムーズに進みやすくなるでしょう。

不動産登記法(仮登記)

第百五条

二 第三条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。

引用元:e-GOV 法令検索 不動産登記法

死因贈与を行うメリットを解説

死因贈与を行うと3つのメリットを感じられます。具体的に確認していきましょう。

確実に受贈者に財産を渡せる

贈与者は、受贈者に確実に財産を渡せます。相続や遺贈では相続放棄や遺産分割協議により、本当に財産を渡したい人に渡らないケースも想定されます。しかし、死因贈与は生前に契約を結んでいるため、別の人に財産が渡ったり、受贈者に放棄されたりすることは通常ありません。

どうしても自分の財産を受け取ってほしい人がいる場合は、死因贈与を行うことをおすすめします。

負担条項を付帯できる

死因贈与契約であれば、受贈者に負担条件を付帯できるメリットがあります。財産を贈与する代償として、介護や葬儀などの負担を条件とした贈与ができるのです。

なお、負担がない死因贈与契約は、双方の合意があればいつでも撤回できます。贈与者の生前であれば撤回も可能となるのです。

一方で、受贈者が負担を一部でも履行した場合は、原則として契約を破棄できません。そのため、確実に受贈者へ財産が贈与されることになります。

契約書の準備が必須でない

死因贈与のメリットの1つが、遺贈と異なり、必ずしも契約書が必要でないことです。前述のとおり、口頭による契約であっても証人や法定相続人が証言することで、立証する方法もあります。

口頭での契約の場合は、証人を立てることを推奨しますが、難しい場合はボイスレコーダーなどで記録を残しておきましょう。

ただ、基本的には契約書面があった方がよりよいでしょう。

死因贈与のデメリットとは

死因贈与は、メリットだけではなくデメリットもあります。内容を順番に確認していきましょう。

書面がないとトラブルに発展することがある

前述しましたが、死因贈与は契約であるため、口頭であっても効力があります。死因贈与契約書を作成することは必須ではなく、また契約書を作成する場合も公正証書としなければならない決まりもありません。

しかし、口約束を立証できなければ、相続人とトラブルになる可能性が高いです。契約を確実に立証するためにも、贈与者の生前に契約書の作成をおすすめします。

遺贈と比べて税金が高くなることがある

死因贈与で贈与者の不動産を取得した場合、登録免許税と不動産取得税の税率が遺贈や法定相続よりも高くなります。

登録免許税 不動産取得税
死因贈与 2.0% 4.0%
遺贈(法定相続人) 法定相続人:0.4%
法定相続人以外:2.0%
法定相続::非課税
法定相続人以外:4.0%

登録免許税は、贈与者から贈与された不動産の所有権を移転する場合に課税されます。不動産取得税は、地方税であり各都道府県から届く納税通知書で納付するものです。

財産の内容によっては死因贈与を行うことで、税金が高くなることもあるため慎重な判断が必要です。

負担付死因贈与を撤回できないケースもある

負担付死因贈与で受贈者がすでに負担を履行している場合は、原則として撤回できません。履行された契約は、一方の意志だけでは撤回できないのです。

贈与者がすでに亡くなっている場合、受贈者は契約通り財産を受けることになります。負担付きでなく、贈与者が死亡前であれば死因贈与契約の撤回が可能なのでどちらにするかよく考えることが大切です。

死因贈与と遺贈で迷うなら、弁護士に相談すると安心

死因贈与は、贈与者と受贈者があらかじめ契約し、贈与者が死亡した場合に効力が発生する贈与契約です。契約であるため、契約時には双方の合意が必要であり、解約や撤回を一方的に行うことは原則としてできません。

遺贈には、遺言書が必要ですが、死因贈与は口頭でも契約可能です。しかし、死因贈与契約を確実に立証するためには、死因贈与契約書を作成しておいた方が安心です。

死因贈与と遺贈で迷われたり、死因贈与契約書の作成に不安を覚えたりすれば、弁護士に相談してみるとよいでしょう。死因贈与の書面の作成や証人となってもらうことをご検討の方は、弁護士による無料相談が事務所によっては可能ですので、ぜひ無料相談をご活用ください。ご自身の状況に合わせて、なるべく早く相談することをおすすめします。

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この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。