相続手続き・相続対策は弁護士に相談を|サポート内容や費用相場などを解説

相続手続き・相続対策は弁護士に相談を|サポート内容や費用相場などを解説

この記事を監修した弁護士
阿部 由羅
阿部 由羅弁護士(ゆら総合法律事務所)
ゆら総合法律事務所の代表弁護士。不動産・金融・中小企業向けをはじめとした契約法務を得意としている。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。


相続手続きへの対応や、生前の相続対策については、弁護士に依頼するのが安心です。

相続について必要な対応はご家庭ごとに異なるところ、弁護士に依頼すれば、依頼者の状況に合わせたオーダーメイドのサポートが受けられます。

この記事では、相続に関する弁護士のサポート内容や、弁護士費用の相場などを解説します。

遺相続手続きについて相談しようとお考えの方へ

✔ 相続放棄を検討していたら、あと数週間ぐらいしか時間がない
✔ 相続税がかかるかどうか、まだわからないけど申告期限が迫っている
✔ 相続財産が侵害されているから遺留分減殺請求をしたいけど、1年の期限が過ぎてしまった など

遺産相続に関係する手続きには期限内に行わければならないものが多く、一日でも遅れると手続きが認められないケースもあります。

無料相談から始められる所も多いので、気軽に問い合わせてみて、悩みを解決しましょう。

遺相続手続きが得意な弁護士を探す

相続に関する弁護士のサポート内容

実際に相続が発生した場合、および生前の相続対策を行う場合のそれぞれについて、弁護士は多様な観点からサポートを行っています。

弁護士に依頼した場合、具体的にどのような相続のサポートを受けられるのかについて、例を挙げて見ていきましょう。

相続手続きへの対応

実際に相続が発生したケースでは、煩雑な相続手続きへの対応が必要となります。

弁護士に依頼することで、相続手続き全般を一括して代行してもらうことができます。

相続手続きに関する主な弁護士の業務は、以下のとおりです。

相続人・相続財産の調査

遺産分割協議は、相続人全員参加で行うことが必須です。

そのため遺産分割を行うに当たっては、被相続人の親族構成を調べたうえで、相続人を確定することが必要となります。

また、遺産分割後のトラブルを防止するためには、すべての相続財産について分割方法を決めておかなければなりません。

よって、遺産分割協議に入る前に、相続財産を漏れなく把握しておくことも大切です。

弁護士は、相続手続きを進めていく前提として、相続人や相続財産の調査を引き受けています。

遺産分割協議の代理・仲介

遺産分割協議では、相続財産(遺産)の分け方を相続人同士で話し合って決めます。

しかし、相続人同士の話し合いがスムーズにまとまるとは限らず、物別れに終わってしまうケースも少なくありません。

弁護士は、法的な観点から遺産分割協議における論点を整理したうえで、相続人同士の話し合いがまとまるようにサポートを行っています。

あくまでも依頼者の代理人という立場ではあるものの、時には他の相続人の立場にも配慮しながら、親族関係を壊さずに遺産分割協議をまとめられるように尽力してくれるでしょう。

また遺産分割協議が決裂した場合には、遺産分割調停・審判の手続きについても、弁護士のサポートを受けられます。

遺言の執行

遺言書が存在する場合、原則としてその内容に従い、財産の名義変更などを行わなければなりません。

しかし、特に不動産・預貯金口座などが散在している場合には、たくさんの場所に足を運んで手続きを行わなければならず面倒です。

また、適切に名義変更等が行われなかった場合、相続に関するトラブルが発生してしまうリスクもあります。

弁護士は、遺言執行者への就任依頼を受けた場合、遺言の内容が正しく実現されるように活動しています。

なお、遺言執行者への就任依頼は、遺言書作成の依頼時にセットで行われることもあります。

遺留分侵害額請求

兄弟姉妹以外の法定相続人には、「遺留分」という権利が認められています(民法1042条1項)。

遺留分を有する法定相続人には、相続財産・遺贈・一部の贈与を合算した金額に対して遺留分割合を乗じた金額の財産につき、相続に伴って承継することが認められているのです。

遺留分割合は、法定相続分の2分の1(直系尊属のみが相続人の場合には、3分の1)とされています。

もし遺留分未満の財産しか承継できなかった場合には、財産を多く受け取った者に対する「遺留分侵害額請求」(民法1046条1項)により、不足分の金銭の支払いを受けることができます。

弁護士は、相続人が遺留分侵害額請求を行うに当たって、交渉・調停・訴訟などの手続きをサポートしています。

遺留分侵害額の計算・相手方とのやり取り・法的手続きなど、遺留分侵害額請求に必要なあらゆる手続きについて、弁護士に代行してもらうことが可能です。

相続放棄・限定承認

相続財産の中に債務が含まれており、それを承継したくない場合には、「相続放棄」や「限定承認」を行うことが考えられます。

相続放棄(民法939条):
資産・債務の一切を含めた相続財産を、全く承継しないという意思表示です。
当初から相続人にならなかったものとみなされます。

限定承認(民法922条):
相続によって獲得した資産の範囲でのみ、相続債務を承継するという意思表示です。
承継する相続財産がマイナスになることを回避できます。
なお、相続人・包括受遺者が全員で行うことが必須です(民法923条)。

相続放棄や限定承認は、家庭裁判所に対して陳述する方法で行わなければなりません(民法938条、924条)。

弁護士に依頼すれば、そもそも相続放棄・限定承認をすべきかどうかの検討や、申述書その他の書面の作成を任せることができます。

相続に向けた生前対策

生前から相続に向けた備えをしておけば、実際の相続が発生した際のトラブルを防止し、相続手続きを円滑化することができます。

弁護士は、相続に向けた生前対策についても、さまざまなサポートを行っています。

遺言書の作成サポート

遺言書を作成することは、相続に向けた生前対策として、もっとも代表的な手法の一つです。

遺産相続について遺言者の意思を反映し、かつ遺産の分け方を予め決めてしまうことで、相続人同士のトラブルが生じるリスクを低減できます。

ただし、遺言書の形式や内容に不備がある場合、かえって相続人同士のトラブルを誘発してしまうことになりかねません。

(例)
・遺言書の内容が不明確であり、解釈について見解の相違が生じる
・一部の法定相続人の遺留分を侵害しているため、遺留分侵害額請求を巡る紛争が発生する
・形式不備を理由として遺言無効が争われる

弁護士は法的な観点から遺言書の形式・内容をチェックし、遺言者の意思の反映・相続人間の紛争防止という、遺言書の重要な機能がきちんと発揮されるようにサポートを行っています。

家族信託の組成

家族信託は、近年注目度を高めている相続対策手法の一つです。

「信託」という仕組みを利用して、主に身内の中で信頼できる人に財産の管理を任せたうえで、より柔軟な相続対策を実施することができます。

また認知症対策の一環として、元気なうちに財産の管理を任せる人を決めておける点も、家族信託の大きなメリットです。

家族信託に用いられる「信託」は、なかなか正確に理解するのが難しい専門的な仕組みです。

弁護士に依頼すると、相続に向けた家族信託の活用方法についてアドバイスを受けることができ、さらに実際の信託組成の手続きについても段取りを整えてもらえます。

成年後見制度の利用サポート

認知症などによって判断能力が低下した方は、ご自身で適切に財産を管理することが難しくなってしまいます。

適切なタイミング・内容・金額で支出を行い、詐欺などの被害に遭わないためには、信頼できるサポート役が必要です。

弁護士は、成年後見人・保佐人・補助人として、判断能力の低下した人が法律上の意思決定を行うサポートを行っています。

また元気なうちに弁護士と任意後見契約を結んでおけば、将来判断能力が低下した際に、弁護士を任意後見人として選任することも可能です。

事業承継に関する法的サポート

事業を経営している方にとっては、後継者への事業引継ぎが重大な関心事項となるでしょう。

しかし会社の株式を譲渡するに当たっては、各種課税の問題が生じるほか、相続との関係では遺留分に配慮することも必要です。

弁護士は法律その他の観点から、どのような形で事業承継を行うことが適切であるかについて、依頼者の状況に合わせたアドバイスを行っています。

また、事業承継に関する契約書の作成などについても、一括して弁護士に依頼することが可能です。

各種隣接士業などの紹介

相続の場面では、税金・登記・土地の測量・不動産の価値評価など、高度に専門的な検討が必要となる問題が多々発生します。

このような場合、税理士・司法書士・土地家屋調査士・不動産鑑定士など各種士業のアドバイスを求める必要が生じます。

また、不動産の売却等を行う場合には、仲介を担当してくれる不動産業者への相談も必要となるでしょう。

弁護士は、これらの隣接士業や不動産業者と随時連携を行い、依頼者が求める相続サポートをワンストップで提供できる体制を整えています。

相続手続きを弁護士に依頼すべき理由

実際に相続が発生した場合、相続人ご自身で対応するのは手間がかかるうえに、さまざまなトラブルの要因になってしまうおそれがあります。

そのため、相続手続きは弁護士に依頼することを強くお勧めいたします。

相続人同士の感情的な対立を緩和できる

相続人同士が遺産分割等の話し合いを直接行うと、被相続人や相続財産に対する思いのあまり、感情的な対立が発生してしまいがちです。

弁護士は、客観的な立場から問題状況を整理し、遺産分割協議などを円滑に進めるための仲介役を担います。

弁護士のサポートにより、相続人同士の感情的な対立が緩和され、円満・迅速に相続手続きを完了できる可能性が高まるでしょう。

遺産分割後のトラブルを防止できる

遺産分割後のトラブルを防止するには、決めておくべき事柄を漏れなく合意しておくことが大切です。

また、相続人同士での合意事項を明確化するために、適切な体裁・内容による遺産分割協議書を作成することも重要になります。

弁護士は、相続手続きを真の意味で完結させる観点から、遺産分割における検討事項の洗い出しや遺産分割協議書の作成をサポートしてくれます。

相続手続きの手間が大きく省ける

遺産分割協議や財産の名義変更、さらに場合によっては調停・審判・訴訟などと、相続手続きではやるべきことが山ほどあります。

これらの手続きについて、相続人が自力で対応するのは非常に大変です。

弁護士に依頼することで、これらの手続きの大部分を代行してもらえるので、相続人ご自身の手間は大きく軽減されます。

特に調停・審判・訴訟への対応は煩雑をきわめますが、弁護士への依頼により、戸惑うことなくスムーズに対応することが可能になります。

相続に向けた生前対策を弁護士に依頼すべき理由

遺言書作成・家族信託・成年後見などの相続対策についても、弁護士から法的なサポートを受けることは非常に有益です。

オーダーメイドの生前対策案を提示してもらえる

相続に向けた生前対策は、家庭の状況や本人の希望に沿って、オーダーメイドで設計する必要があります。

弁護士に依頼すれば、依頼者が置かれている状況を客観的・総合的に分析したうえで、真に望ましい相続対策の内容を提案してもらえるでしょう。

生前対策の法的有効性を確保できる

相続に向けた生前対策を行ったとしても、その全部または一部が法的に無効であった場合には、かえってトラブルの原因になってしまいます。

特に遺言については、民法で厳密に定められた方式を欠いていると、遺言全体が無効になってしまうので要注意です。

弁護士に遺言書の作成などを依頼した場合、大前提として法律上の有効性が確保されているかどうかをチェックしますので、無効などの心配をする必要はなくなるでしょう。

相続手続きまでワンストップでスムーズに依頼できる

遺言書を作成した場合は、相続発生時に遺言執行を行う必要があります。

また、家族信託を組成した場合は、相続発生時に受益者変更などの手続きが必要となるでしょう。

弁護士は、生前の相続対策をセッティングするだけでなく、相続発生時に必要となるこれらの手続きについても一括でサポートしています。

生前対策・相続手続きへの対応をワンストップで任せられる点は、弁護士の大きな強みの一つです。

相続手続き・生前対策を依頼する弁護士を選ぶ際のポイント

相続案件に対する得手・不得手や、能力・性格などは、弁護士によってかなり幅があります。

実際に相続手続きや生前の相続対策を依頼する弁護士を選ぶ際には、以下の観点を中心に注目するとよいでしょう。

相続への対応実績

相続において必要な対応はご家庭ごとに異なりますが、相続に関する経験や実績が豊富であればあるほど、臨機応変かつ適切な解決策の提案が可能となります。

そのため、相続案件に関する対応実績は、弁護士を選ぶ際に重要となるポイントの一つです。

公式ホームページなどで対応実績を確認するとともに、法律相談の際にも、過去にどのような案件を対応してきたのかを聞いてみることをお勧めいたします。

丁寧なヒアリング・こまめな連絡

相続は大きな金額が絡む重要な問題ですので、弁護士としても、慎重な対応および依頼者との綿密なコミュニケーションが求められます。

依頼者にとって、相続が重大な問題であると正しく認識している弁護士であれば、丁寧なヒアリングやこまめな連絡を怠らないはずです。

弁護士が相談役として信頼できるかどうかを、法律相談時の対応や、その後のメール等でのやり取りなどから判断してください。

弁護士費用

相続手続き・生前対策に関する弁護士費用の金額は、弁護士によって大きく異なります。

決して「安ければよい」というわけではありませんが、相場に比べてあまりにも高額な弁護士費用を提示された場合は、相見積もりを取得するなどの対応をとった方がよいでしょう。

相続手続き・生前対策に関する弁護士費用の相場

現在では、弁護士費用は完全に自由化されているので、費用の金額は弁護士ごとに異なります。

そのため、あくまでも目安となりますが、各種相続手続き・生前対策の費用相場は以下のとおりです。

相続人・相続財産の調査のみ 5万円~20万円程度
遺産分割・遺留分侵害額請求 着手金:経済的利益の3~8%程度(経済的利益の額による)
報酬金:経済的利益の6~16%程度(経済的利益の額による)
遺言の執行 30万円程度~(経済的利益の額による)
相続放棄・限定承認 1人当たり5万円~10万円程度
遺言書の作成サポート 10万円~25万円程度
家族信託の組成 30万円程度~
成年後見制度の利用サポート 初期費用:10万円程度~
月額費用:5000円~5万円程度
事業承継に関する法的サポート 30万円程度~(経済的利益の額による)

まとめ

相続が発生した場合や、生前から相続に備えておきたい場合には、弁護士のサポートが大いに助けとなります。

手間の削減・トラブル防止・よりよい問題解決など、弁護士に相続の依頼をするメリットは非常に多いです。

相続に関してお一人でお悩みになっている方は、お気持ちを楽にするためにも、一度弁護士までご相談ください。

遺相続手続きについて相談しようとお考えの方へ

✔ 相続放棄を検討していたら、あと数週間ぐらいしか時間がない
✔ 相続税がかかるかどうか、まだわからないけど申告期限が迫っている
✔ 相続財産が侵害されているから遺留分減殺請求をしたいけど、1年の期限が過ぎてしまった など

遺産相続に関係する手続きには期限内に行わければならないものが多く、一日でも遅れると手続きが認められないケースもあります。

無料相談から始められる所も多いので、気軽に問い合わせてみて、悩みを解決しましょう。

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この記事の調査・編集者
みぞ
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。