交通事故にあった時はどこに相談すべき?おすすめの相談窓口を紹介

ある日突然、交通事故被害に遭ってしまったら、多くの方がパニックに陥ってしまうのではないでしょうか。

警察への通報、怪我の治療、損害賠償請求など、やることはたくさんありますが、ほとんどの方にとって初めての経験であり、冷静に対処するのは容易ではありません。

対応を誤ったために十分な額の損害賠償金を受け取れず、泣き寝入りせざるを得ないこともあるでしょう。

万が一の事故の際に適切な対応を取るためには、専門的な知識を持った人に相談する必要があります。

しかし、交通事故に遭ったら、どこに相談したらよいのでしょうか。

ここでは、交通事故にあった時に相談できる窓口の一覧や、それぞれの特徴について解説します。

交通事故に遭った際は、交通事故問題に注力している弁護士に相談しましょう

案件対応の経験やノウハウが乏しい弁護士に相談してしまうと、適切な額の賠償金を受け取れないこともあるでしょう。

交通事故問題に注力している弁護士であれば、以下のようなメリットが望めます。

  • 損害賠償請求の抜け漏れを防止できる
  • 症状に適した後遺障害等級の獲得が望める
  • 示談交渉・書類作成・法的手続きなどの事故対応を一任できる

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この記事を監修した弁護士
和氣 良浩
和氣 良浩弁護士(弁護士法人ブライト)
弁護士法人ブライトは、高度の専門性と豊富な経験を備えた複数の弁護士が案件ごとに最適化したチームで対応します。企業法務、倒産事件、交通事故、労災事故など、幅広い案件に対応可能です。

交通事故被害に遭ったらまず電話すべき連絡先

交通事故に遭ったら、落ち着いて行動することが大切です。

まずは身の安全をしっかり確保し、自力で電話をかけることが可能な状態であれば、速やかに然るべき機関に連絡しましょう。

事故発生直後に電話すべき3つの連絡先をご紹介します。

  1. 交通事故に遭ったらまずは警察に連絡
  2. 事故後は軽傷でも必ず病院へ行く
  3. 自身が加入している任意保険会社

交通事故に遭ったらまずは警察に連絡

交通事故に遭ってしまった場合、道路交通法第72条1項により警察への通報が義務付けられています。

「家族や会社に知られたくない」などといって通報しなかった場合は、5万円以下の罰金または3か月以下の懲役を科せられますので、必ず警察に連絡をしてください。

第八章 罰則
第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。
十 第七十二条(交通事故の場合の措置)第一項後段に規定する報告をしなかつた者

引用元:道路交通法

また、警察への通報を怠ると「交通事故証明書」の交付が受けられなくなります。

交通事故証明書とは、その名のとおり事故が起こったという事実を証明する書類で、事故発生日時や概要、被害者及び加害者の氏名などが記載されています。

交付は各都道府県の交通安全運転センターがおこないますが、警察への通報をおこなわなかった場合は交付されず、最悪の場合保険金を受け取れなくなる可能性もあるのです。

通常は事故の加害者側が通報するものですが、相手にそうした素振りが見られなければ、自分自身で速やかに通報しましょう。

事故後は軽傷でも必ず病院へ行く

一見して大きな外傷がなかった場合でも、必ず病院へ行くようにしましょう。

内臓や骨などに、外からは見えないダメージを負っていることは少なくありません。

また、事故直後はショックや興奮から痛みを感じにくくなっているため、時間が経ってから体に痛みやむちうちの症状が出てくるケースもあります。

油断して事故直後の検査を怠ると、怪我の完治に時間がかかったり、後遺症をもたらしたりしてしまうかもしれません。

最悪の場合、時間を置いて死に至ってしまう可能性さえあります。

目に見える怪我や自覚症状がない場合でも、必ず医療機関を受診することが大事です。

自身が加入している任意保険会社

任意保険会社は被保険者に対して、事故にあった際の連絡を義務付けているのが一般的です。

警察や医療機関への通報が終わったら、自分が加入している任意保険会社にも早めに相談しましょう。

また、近年は24時間サポート対応してくれる保険会社が多いことに加えて、初期対応のアドバイスをしてくれる場合もあります。

事故に遭って何をしていいのかわからない時に、とりあえず相談する連絡先としても有効です。

交通事故について無料相談できる7つの窓口

交通事故発生直後の対応を終えて一旦落ち着いたら、次は損害賠償請求に向けて動く必要があります。

事故の状況や目的に応じて連絡すべき機関も変わってくるため、自身の状況に合わせて適切な相談窓口を選びましょう。

万が一に備えて覚えておきたい、無料で相談できる7つの窓口を紹介します。

  1. 法律事務所
  2. 日弁連交通事故相談センター
  3. 交通事故紛争処理センター
  4. そんぽADRセンター
  5. 自賠責保険・共済紛争処理機構
  6. 法テラス
  7. 各自治体の相談窓口

1.法律の専門家に相談したいなら法律事務所

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弁護士は法律の専門家であることはもちろん、相談する時間や場所など、クライアントに合わせて融通を利かせてくれる場合が多いことが利点です。

弁護士に相談するとお金がかかるイメージがあるかもしれませんが、交通事故に関しては多くの法律事務所が相談料を無料に設定しているため、お金に不安がある方でも頼りになります。

また、法律事務所に相談すると、同じ弁護士が最後まで対応してくれることが多い点もメリットです。

デリケートでシビアな問題を扱う以上、パートナーとはしっかりした信頼関係を築き上げなければなりません。

同じ弁護士が一貫して対応してくれるなら、事故対応が長期に及んでも安心でしょう。

ただし、交通事故の解決に実績のある弁護士でなければ意味がありません。

労働問題や離婚トラブル、刑事事件など、弁護士ごとに得意とする分野が異なるため、相談する前にその弁護士が交通事故の解決実績があるか確認しておきましょう。

場合によっては他の窓口に相談して、信頼できる弁護士を紹介してもらうのもおすすめです。

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2.簡単な質問をしたいなら日弁連交通事故相談センター

日弁連交通事故相談センター
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日弁連交通事故相談センターは、日本弁護士連合会(日弁連)が運営している公益財団法人です。

法律事務所と同様に、所属する弁護士が原則無料で慰謝料や損害賠償額の算定などの相談に乗ってくれます。

ただし、電話相談は1回10分程度、面会相談は30分×5回までといった制限があり、場合によってはその範囲内で相談を終えられないかもしれません。

事故にあってとりあえず誰かに相談したい場合や、簡単な質問をするための窓口として利用するのがいいでしょう。

【関連記事】日弁連交通事故相談センターを利用する際の5つの心得

3.和解のあっせんをしてほしいなら交通事故紛争処理センター

交通事故紛争処理センター
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交通事故紛争処理センターは、迅速かつ公正に交通事故被害者の救済を図るための機関です。

加害者との示談に関する法律相談や和解のあっせん、それに係る審査手続きを無料でおこなってくれます。

加害者側から提示された損害賠償額に納得がいかない場合には、積極的に相談するといいでしょう。

ただし、和解のあっせんを主としている性質上、事故直後の対応などに関する相談はできません。

4.損害保険に関する相談はそんぽADRセンター

そんぽADRセンター
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そんぽADRセンターは、損害保険全般に関する対応窓口として、あらゆる相談対応や苦情・紛争解決の相談を受け付けている機関です。

交通事故・損害保険に関する相談はもちろん、任意保険会社との間でトラブルを抱えている場合にも紛争解決支援をしてくれます。

来訪相談や出張相談にも対応しているため、込み入った話もしやすいでしょう。

ただし、担当弁護士の選択・変更はできません。

加えて、あくまでも中立的な立場で紛争解決を助けてくれるので、自分が有利になるように動いてくれるとは限らないという点には注意してください。

5.自賠責保険に関する相談は自賠責保険・共済紛争処理機構

自賠責保険・共済紛争処理機構
自賠責保険・共済紛争処理機構はこちら

自賠責保険・共済紛争処理機構は、被害者保護の充実を主たる目的として設立された機関です。

交通事故の被害者と自賠責保険会社(共済)との間で起きた、支払いに関するさまざまな紛争の調停をおこなってくれます。

後遺障害の等級認定に関する紛争処理の申請も可能です。

ただ、名前の通り自賠責(共済)に関するトラブルを扱う機関のため、任意保険会社との間で生じたトラブルの解決は依頼できません。

また、そんぽADRセンターなどと同様に、あくまでも中立的な立場で支援してくれる機関なので、常に被害者が有利になるよう動いてくれるわけではないという点には注意しましょう。

6.相談窓口選びで迷ったら法テラス

法テラス
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法テラスは無料で法律相談ができるほか、被害者の状況に応じて適切な相談窓口や弁護士の紹介もしてくれる総合案内所です。

交通事故にあい、どの相談窓口を選べばいいのかわからない時は、まずこちらへ相談してみるといいでしょう。

ただし、法テラス自体への相談に際しては、収入やその他の要件を満たす必要があります。

事前にご自身が条件をクリアしているか、法テラス公式ホームページで確認しておきましょう。

7.各自治体の相談窓口

自治体によっては、交通事故に関する無料の相談窓口を設けている場合もあります。

どこまで対応してくれるのかは自治体によりますが、より適切な相談窓口を紹介してもらえる可能性もあるので、チェックしておくといいでしょう。

交通事故に遭ったら相談先として弁護士をおすすめする理由

いざという時に頼りになる相談窓口はいろいろありますが、総合的に考えると、やはり弁護士に相談するのがもっともおすすめです。

弁護士は先に挙げたように、法律の専門家であることや相談の融通が利きやすいことに加え、以下のような多くのメリットがあるからです。

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1.慰謝料の増額が期待できる

交通事故の慰謝料の相場算出には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」という3つの基準があり、このうち弁護士基準がもっとも高額です。

弁護士に依頼した上で加害者や保険会社と交渉を進めれば、慰謝料の金額は弁護士基準に基づいたものになる可能性が高いため、弁護士無しで請求するよりも慰謝料の増額が期待できます。

2.適正な過失割合を判断してもらえる

交通事故では、過失割合について揉めることがよくあります。

加害者側の保険会社が提示してきた過失割合をそのまま受け入れた結果、実態以上に自分の過失が大きいことにされ、損をしてしまうということも珍しくありません。

このような事態を防ぐためにも、弁護士に相談して第三者の意見を取得し、適正な過失割合を判断してもらうのがおすすめです。

3.示談交渉や後遺障害認定申請などの手続きを一任できる

保険会社や加害者との示談交渉、訴訟活動など、交通事故の処理手続きは多岐にわたります。

また、後遺症が残った場合は、後遺障害等級の認定申請もしなければなりません。

事故による負傷やショックが癒えない、あるいは仕事を続けなければならない中で、これら諸々の手続きを進めるのは極めて困難です。

そのような状況でも、弁護士に相談すれば、手続きの大部分を迅速かつ正確に進められます。

たとえ自分が怪我で動けなかったとしても、スムーズに示談交渉や後遺障害等級の認定申請ができるのです。

書類の作成ミスや法律の解釈ミスなども防げますので、事故にあったらできる限り弁護士に相談するのが望ましいでしょう。

交通事故の相談をするときのポイント

どの窓口に相談するにしても、相談できる時間には限りがありますので、限られた時間でいかに効率よく相談を進めるかが、円満解決のカギとなります。

円滑に諸手続きを進めるためにも、以下の準備をしておきましょう。

相談内容をまとめておく

事故の発生日時や状況、時系列、怪我の状態などの概要をまとめるとともに、質問したいことや自分の最終的な希望などをあらかじめ用意しておきましょう。

こうすれば、限られた時間の中でもスムーズに相談できます。

「それくらいは準備なしでも説明できる」と思うかもしれませんが、窓口の中には1回の相談時間が10分程度と短いものもあり、事故の概要を説明するだけで時間を使い切ってしまうケースも珍しくありません。

また、事故発生から時が経つにつれ、記憶が曖昧になってしまうこともあるでしょう。

混乱を防ぐためにも、備忘録を兼ねてしっかり要点をまとめておき、効率よく説明できるようにするのがおすすめです。

必要な書類を用意しておく

後遺障害等級に関する書類や、加害者側の保険会社から受け取った書類などは大切に保管しておき、いつでも提示できるようにしておいてください。

特に加害者側から書面で示談/金の提示があった場合には、必ず用意して相談に臨みましょう。

また、治療費や通院にかかった交通費などは加害者に請求できるので、領収書などの金額のわかるものはしっかりと保管しておくのが基本です。

弁護士費用特約に加入しているか確認する

弁護士費用特約とは、自動車の交通事故で被害者になった場合、損害賠償請求を弁護士に委任する際の費用を補償してもらえる特約です。

これに加入していると、弁護士への相談・委任の費用の一部を保険会社に負担してもらえる可能性があります。

補償金額の相場は、弁護士への報酬や訴訟費用が、事故1件1被害者につき300万円程度、相談費用が10万円程度です。

経済的な負担を大幅に抑えられるので、事故に遭った際は必ず加入状況をチェックしておきましょう。

なお、制度を利用する際は、事前に保険会社の承認を得る必要がありますので注意してください。

まとめ

自分がいつ交通事故にあうかは誰にもわかりません。

万が一事故にあってしまった時、落ち着いて速やかに処理を進めるためにも、日頃から相談窓口をチェックしておくのがおすすめです。

さらに、事故発生時のシミュレーションもおこなっておけば、冷静に対応しやすくなるでしょう。

状況に合ったもっとも適切な窓口に相談し、最大限の損害賠償金を勝ち取ってください。

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この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。
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