「交通事故に遭ってしまった。弁護士に相談したいけど、選び方がわからない。」
そんな悩みを抱えていませんか?
情報が簡単に手に入るようになった昨今、弁護士を見つけること自体は簡単になりました。
しかし、安易に弁護士を選んでしまうと、要望に沿った対応をしてくれず、納得いかない結果に終わってしまうかもしれません。
実は、交通事故案件での弁護士の選び方にはポイントがあります。
ポイントを押さえて弁護士を選ぶことで、満足いく結果となる可能性が高くなるでしょう。
そこで、本記事では、弁護士選びに失敗して後悔するケースも挙げつつ、弁護士の選び方のポイントを丁寧に解説します。
交通事故案件における弁護士の選び方6つのポイント
交通事故案件における弁護士の選び方のポイントはさまざまありますが、主なポイントを6つに絞って紹介します。
交通事故についての実績が豊富か
損害に応じた適切な賠償金の獲得など、交通事故案件をきちんと解決するためには、交通事故に特化した経験と専門的知識が重要となります。
したがって、交通事故の対応実績が豊富な弁護士を選びましょう。
交通事故の対応実績が豊富かは、その弁護士のホームページを参照することでわかることが多いです。
ホームページにて交通事故案件に注力している旨の記載があったり、過去の実績が記載されたりしているかを確認します。
また、交通事故案件に注力する弁護士の情報を集めた「ベンナビ交通事故」を使えば、希望に近い弁護士を簡単に検索可能です。
初回相談無料や休日相談可能など、任意の条件で検索する機能もあるのでぜひ活用ください。
保険会社に関する知識も豊富か
交通事故により損害が発生する場合、保険会社から保険金が支払われるのが一般的です。
ただし、保険会社は営利企業なので、支払い額をできるだけ少なくしたいと考えていることもあります。
保険会社は、豊富な知識と経験を活かし、自然と保険会社側に有利な方向へ話を進めようとします。
したがって、弁護士には保険会社と対等以上の立場で交渉を進める能力が求められます。
特に、保険会社の意図や戦略を理解している弁護士であれば、保険会社の出方を予測し、相談者にとって有利な条件で交渉を進めることができるでしょう。
医学的な知識も持ち合わせているか
交通事故により後遺障害が残った場合、後遺障害等級認定の手続きを進めることになります。
後遺障害には、1級から14級までがあり、認定された場合には、等級に応じて相手方に後遺障害慰謝料を請求できます。
後遺障害等級認定では、医師の診断書が重要です。
ただ同じけがでも医師の診断や検査の結果によっては、軽いと判断されたり後遺障害が認められなかったりしてしまいます。
そのため後遺障害認定では、医学的知識が必要となることがあります。
理想的には弁護士が顧問医師と提携しているなどで、後遺障害認定にとって適正な診断書が作成できる体制があればベストといえます。
コミュニケーションが取りやすく信頼できるか
信頼できる弁護士は、コミュニケーション能力も高いです。
相談者が相談状況についてうまく話せない場合もありますが、気さくで聞き上手な弁護士であれば、相談者の話を引き出しながら、安心して話せる状況を作ってくれるでしょう。
また、複雑な法的問題をわかりやすく伝えることができれば、相談者の不安を軽減してくれるでしょう。
弁護士報酬が明確でわかりやすいか/費用が相場からかけ離れていないか
弁護士報酬が明確でないと、後にトラブルの原因となる場合があります。
また、弁護士費用が相場からかけ離れていると、知らず知らずのうちに高額の報酬を請求されるかもしれません。
弁護士が弁護士報酬について明確に説明してくれるか、相場からかけ離れていないか確認しましょう。
弁護士費用について不明な点や疑問に思う点があれば、納得できるまで質問をするべきです。
なお弁護士費用の相場については、以下の記事で詳しく紹介しているのであわせて参照ください。
【関連記事】交通事故で弁護士に依頼するといくら?弁護士費用相場と弁護士費用特約のメリット
口コミや評判がよいか
交通事故に関する相談や依頼を検討する際、ネット上の口コミや評価は重要な判断材料になります。
実際に依頼した人の感想から、その弁護士がどんな人物で、どのような対応をしてくれるのかをイメージしやすくなるからです。
ただし、口コミには、サクラによる不正な高評価や、悪意をもって書き込まれた誤った情報が含まれる場合もあります。
信頼できる弁護士を口コミから判断するには、星の数などの数字だけでなく、口コミの内容自体もよく確認することが重要です。
たとえば、「親身になって話を聞いてくれた」「事故直後の混乱時に支えてくれた」などの実体験に基づいた内容が書かれていると、弁護士の対応や人柄を感じ取るうえで参考になります。
逆に、「対応が高圧的だった」「依頼後に連絡が途絶え、不安だった」といったマイナスの口コミが多い場合は、注意が必要な場合があります。
交通事故案件を依頼する弁護士の選び方を失敗し後悔するケース
では、弁護士の選び方を失敗して後悔するケースとしてどのようなものが挙げられるでしょうか。
以下、確認しておきましょう。
弁護士費用が高額で費用倒れになってしまう
費用倒れとは、利益を得るために要した費用が、利益の額を上回ってしまい、結果的に損をしてしまうことです。
交通事故の場合、たとえば示談金を増額するために発生した弁護士費用が、示談金増額分を上回ってしまい、結果的に依頼者が受け取れる金額が減ってしまうと、費用倒れとなります。
一般的に、以下に該当する場合は、費用倒れが発生する場合が多いです。
- 物損事故
- 通院の必要がない軽傷
- 加害者が保険会社に未加入
- 被害側の過失(過失割合)が大きい
費用倒れを防ぐためには、示談金の見込み増額分と弁護士費用を自分で比較する必要があります。
もっとも、信頼できる弁護士であれば、事前に見積もりを出して、費用倒れのリスクを説明してくれます。
事前に見積もりを出してくれるかどうか、弁護士に確認するのがよいでしょう。
依頼した弁護士の対応が悪い/相性が悪い
交通事故で慰謝料や後遺障害等級の獲得を目指すには、事故後に速やかに対応を進めることが重要です。
しかし、多くの案件を抱えているため、対応が遅れがちな弁護士もいます。
相談の段階から、連絡などの対応が遅い弁護士は気を付けた方がよいでしょう。
また、弁護士との相性も大切です。
横柄な態度や、コミュニケーションが取りにくいと感じる弁護士の場合、安心して話をすることは難しいでしょう。
初回相談時に強引に契約を迫られたり、冷たい態度で淡々と結論だけを述べられたりして不安を感じる場合は、簡単に依頼せず、信頼できるほかの弁護士を探したほうが安心です。
なお、相性は実際に話してみないとわからない面もあるので、まずは無料相談にて確かめるのもよいでしょう。
必要もないのに弁護士に依頼してしまった
たとえば、以下のケースでは、弁護士が対応をしても状況が大きく変わらないことが多いことから、弁護士へ依頼するのは控えた方がよい場合があります。
- 物損事故など交通事故の損害額が少ない場合
- すでに示談交渉が成立している場合
弁護士に依頼すべきかどうか判断が難しい場合は、弁護士に相談する際に、事故対応を依頼すべきかも直接確認してみてもよいでしょう。
信頼できる弁護士であれば、弁護士が対応してもあまり意味がないことをしっかり説明してくれます。
交通事故案件における弁護士の探し方
上述のとおり、交通事故案件を得意とする弁護士を探すべきですが、弁護士はどのように探すのがよいのでしょうか。
以下、主な方法を4点記載しておきます。
弁護士のポータルサイトで選ぶ
弁護士の情報が集まった専用のポータルサイトを使えば、手間なく希望に合う弁護士が探せます。
たとえば「ベンナビ交通事故」であれば、都道府県別・詳細な分野別で交通事故案件の対応を得意とする弁護士を検索可能です。
初回相談無料や休日相談可といった、さまざまな条件を指定して弁護士を探す機能もあります。
ベンナビ交通事故は24時間無料で弁護士を検索できますので、気になったら一度利用してみてはいかがでしょうか。
インターネットで検索する
上述のとおり、現在では、交通事故の解決実績や事例を公開している法律事務所がほとんどです。
インターネット検索を利用することで、各事務所が交通事故案件にどれだけ力を入れているかを簡単に確認することができます。
弁護士会の法律相談を利用する
全国各所に存在する弁護士会では、交通事故に関する法律相談をおこなっています。
相談時間はおおむね30分で、相談料は5,000円前後が相場です。
相談に応じてくれた弁護士に、そのまま依頼することもできます。
資力要件等を満たす場合は法テラスを利用する
法テラス(日本司法支援センター)とは、法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるように、国によって設立された機関です。
法テラスでは経済的に困窮している方に向け、弁護士の無料相談を提供しています。
資力に関する要件などを満たせば利用できるので、お金に困っている方は検討してもよいでしょう。
相談時間は1回につき30分で、同一の問題につき、3回まで無料で相談できます。
相談は原則として事前の予約が必要となります。
【参考】無料法律相談のご利用の流れ|日本司法支援センター 法テラス
交通事故案件に強い弁護士を選ぶ際の注意点
交通事故案件において弁護士を探すにあたっては、何点か注意点が存在します。
以下、注意点を記載します。
弁護士にも得意不得意がある
法律問題には、「交通事故」のほか「遺産相続」「債権回収」など、さまざまな分野が存在します。
弁護士も、それぞれ得意分野や不得意分野があります。
交通事故案件を適切に解決するためには、専門的な知識や一定の実務経験が必要になるので、交通事故の経験がある弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
なお知人に紹介された弁護士や、役所などの法律相談に応じてくれる弁護士は、必ずしも交通事故対応の経験が多いとは限りません。
自分でポータルサイトなどを使い、交通事故の対応実績が豊富な法律事務所を探す方が確実で効率的です。
窓口によっては相談した弁護士に直接依頼できない
窓口によっては、相談した弁護士に直接依頼できないことがあるので注意してください。
たとえば弁護士は、市役所が運営する無料相談会などで、営業活動をおこなうことが認められていないことがあります。
そのため、せっかく相談をしたのに、改めて弁護士を探し直さなくてはならないこともあるのです。
もし正式に相談することを前提に弁護士を探しているのであれば、法律事務所が実施している無料相談を利用するほうが効率的でしょう。
保険会社からの紹介は慎重に検討しよう
弁護士費用特約を利用するとき、保険会社から「弁護士を紹介しましょうか」と提案されることがあります。
提案に応じることで弁護士を自分で探す手間が省けますが、慎重に判断したほうがよいでしょう。
また、保険会社が推薦する弁護士は保険会社の顧問弁護士である場合があるため、必ずしも被害者に親身になって対応してくれるとは限りません。
保険会社が紹介する弁護士以外に依頼したい場合には、その旨を保険会社に伝えましょう。
なお、自分で選んだ弁護士への依頼でも弁護士費用特約は使えることが多いです。
詳細については、保険契約の内容を確認してみてください。
弁護士にはできるだけ早いタイミングで相談する
弁護士へ相談するタイミングが早ければ早いほど、相談者が享受できるメリットは大きくなるといってよいでしょう。
なぜなら、任意保険会社の提案や対応が適切であるかどうかを早い段階から判断することができ、適切なアドバイスをもらえるからです。
弁護士に相談や依頼をする時期が早いからといって、費用が特別に高くなることは少ないです。
今後の流れや適切な対応方法などを相談するためにも、早めの相談を心がけましょう。
さいごに|弁護士選びで後悔しないためのポイントを把握しておこう
弁護士選びで後悔しないためには、本記事で紹介したポイントを把握しておきましょう。
たとえば交通事故案件の対応の経験がある弁護士を選ぶことで、損害賠償額の算定や保険金の支払額などの面で、相談者に多くメリットが発生することになります。
無料相談の機会を活用するなどして弁護士との相性を見極めたうえで、自分にあった弁護士を見つけましょう。
