むちうちの痛みの原因や治療方法・慰謝料増額のポイントを解説

むちうちの痛みの原因や治療方法・慰謝料増額のポイントを解説

この記事を監修した弁護士
梅澤 康二
梅澤 康二弁護士(弁護士法人プラム綜合法律事務所)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

「病院からもらう湿布だけじゃ痛みが全然治まらない…」「事故からずっと頭痛がするようになった」など、むちうちの痛みに悩まされる交通事故被害者は少なくありません。

むちうちは外傷もなく、画像にも所見が出ないことが多いので、たいした怪我ではないと思われがちです。

ただ、なかには半年以上も症状が軽快せず、最終的に後遺障害と認められる事例もあるようです。

この記事では、むちうちの痛みの原因や治療方法、痛みが長引く場合の対応、賠償金を求める場合に気をつける点などを解説します。

交通事故でむちうちとなり、悩んでいるという方は、参考にしてみてください。

むちうちの慰謝料を請求したい方へ

交通事故でむちうち症状が出た場合は、ご自身での慰謝料請求も可能ですが、弁護士に依頼することで以下のメリットがあります。

・怪我の状態に応じた適切な慰謝料額が分かる
・最も高額な弁護士基準をもとに慰謝料請求をしてくれる
・後遺障害等級の認定がされやすくなり、慰謝料の増額を期待できる

適切な慰謝料額を獲得するには交通事故の知識や交渉力が必要です。

交通事故の被害者の方は、お気軽にお問合せください。

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むちうちの痛みの原因

むちうちの症状は個体差があるようです。

基本的には疼痛症状が主ですが、痺れ、頭痛、握力低下などが派生的に生じることもあるようです。

むちうちがひどい。頭痛を抑える為にセデスハイが欠かせない。飲みすぎると効かなくなるので我慢してると目まい。視力も低下し車の運転が不安。肩から手まで痺れて握力が弱いのでお弁当を引っくり返して情けなくて泣く。神経痛のような痺れと痛みで寝る事も出来ない。雨の日は嫌いだ。
引用元:https://twitter.com/kotaniesw/status/18351013557

特にむちうち(首の捻挫)やってると、患部の痛み以外にめまいとか痺れとかも出てくるので要注意かな。頭から首、背骨の辺りっていろんな神経が集結してるのでそっちにもダメージが行っちゃってる可能性があるんだそうな。その結果の脱力感とか頭痛とか痺れとか。
引用元:https://twitter.com/midukiriru/status/1059064203405709312

むちうちの痛みの原因については、大きく急性期症状と慢性期症状の2つに分けられます。

急性期症状

急性期症状は、身体組織の損傷が原因で生じる痛みです。

むちうちの場合には、頚椎や腰椎の筋肉組織が損傷したことによる疼痛症状がこれに該当するといえます。

この症状は、時間の経過により損傷部位が修復されれば軽快します。

なお、むちうちの場合、事故直後に特に症状を覚えることがなくても、ある程度時間が経ってから症状を覚えることもあるようです。

そのため、事故後に何らか違和感を覚えることがあれば、必ず病院を受診してください。

負傷からの経過時間 痛みを自覚した人の割合

6時間以内

65%

24時間以内

27%

72時間以内

8%

慢性期症状

慢性期症状とは、組織の損傷が修復された後に残っている症状です。

神経損傷等が原因であることもありますが、原因は不明であることが多く、心因的なものもあるとされています。

むちうちの症状が3ヶ月を超えても続いているような場合には、この慢性期症状である可能性があります。

むちうちの治療

むちうちとなった場合、病院で治療を受けるべきは当然ですが、場合によっては病院と整骨院を併用するという対応もあり得ます。

以下、簡単にご説明します。

事故後速やかに通院する

交通事故で何らか負傷したり、症状があるという場合、必ず整形外科などを受診しましょう。

交通事故後に何らかの症状があっても、病院を受診していなければ事故で負傷しているとは認められません。

また、事故から病院の受診まで1週間も2週間も空いてしまったという場合、仮に何らかの負傷が認められても、事故と負傷との因果関係が明確でないとして、加害者側(自賠責保険も含みます)から賠償金の支払いを拒否されることもあります。

このようなことになれば、大きなトラブルとなることもあり得ますので、症状が少しでもある場合は速やかに病院を受診してください。

なお、事故後に病院ではなく、整骨院にのみ通院しようとする人もいますが、負傷の有無を診断できるのは医師だけです。

そのため、整骨院にだけ通院し、病院には一切行っていないというケースでは、やはり負傷の有無が明確でないとして賠償金の支払いを拒否される可能性が高いです。十分注意してください。

整骨院・接骨院の通院について

病院でむちうち(頚椎捻挫、腰椎捻挫、外傷性頚部症候群等)と診断された後は、病院に定期的に通院する方法と病院と整骨院・接骨院の両方に通院する方法の2通りがあり得ます。

というのも、むちうちによる痛みには、整骨院や接骨院での施術も一定の効果があるとされています。継続的にマッサージを受けることで、痛みが徐々に和らいでいくというケースもあるようです。

そのため、病院には月1回程度通院し、基本的な治療は整骨院・接骨院での施術に頼るという対応もあり得ます。

なお、整骨院や接骨院で施術を受ける場合も「当該施術も治療に必要な行為」と評価して、加害者に賠償金を請求することができます。

しかし、この場合はできる限り病院の医師に相談したうえで施術を受けてください。

病院の医師が「施術は必要ない」と判断しているのに、これを無視して施術を受けていた場合には、加害者側から「治療に必要な行為であるとは認めない」として、施術にかかる賠償金を拒否されることもあります。

また、病院の医師に相談して整骨院・接骨院の施術を受ける場合でも、必ず病院には月1程度は通院するべきです。

上記の通り、整骨院・接骨院はあくまで施術を行うところであり、負傷について診断するところではありません。

そのため、病院への定期通院が一切ないと、施術が必要なものであったかどうかの判断ができず、結果、施術についての賠償金の支払いを拒否される可能性があります。

その他の治療について

むちうちに対するその他の治療方法として、鍼灸院での鍼灸治療(針状のものを体に刺してツボを刺激する治療)を受けたり、運動療法(体幹トレーニングやストレッチなど、関節をほぐす程度の軽い動作の運動による治療)などの民間療法を受けたりということも考えられないではないです。

しかしいずれの治療方法も、むちうちに対する治療行為として確立されているわけではありませんので、医師の許可や推奨がないまま実施しても、治療行為と認められない可能性は相当程度あります。

そのため、このような特殊な治療法を受ける場合には、担当医に相談し、その許可を得た上で行うべきでしょう。

むちうちの治療を受ける際の注意点

交通事故のむちうちについて適正な賠償金を受け取るためには、適切な形で治療を受けることが一つのポイントとなります。

定期的な通院を受ける

むちうちのように外傷もなく、他覚所見も認めがたい負傷については、定期的な治療を継続しているかどうかが治療の必要性の判断要素となり得ます。

そのため、むちうちについて何らかの症状があり、治療により軽快することが見込まれるという場合には、週1~2回程度の頻度での定期通院は行うべきです。

もし、通院頻度が極端に少ない場合(例えば月1回などの場合)には「治療の必要性は高くない」という判断を受けることになり、仮に何らかの症状があったとしても適正な賠償金を受け取れなくなってしまう可能性があります。

なお、当然ですが、治療は賠償金を受け取るために行うものではなく、症状を軽快・緩和させるために受けるものです。

そのため、賠償金のために過剰な通院を行うことは全く推奨されません。

どの程度の頻度で通院するべきかは担当医とよく相談して決めてください。

治療期間 累計治癒率

1日のみ

40.7%

1週間以内

60.4%

1ヶ月以内

79.1%

3ヶ月以内

89.6%

6ヵ月以内

93.9%

1年以内

97.4%

医師に自覚症状を正しく伝える

むちうちは他者からみて症状が分かりにくい怪我であるため、症状の一貫性や継続性も治療の必要性を判断する上で重要なポイントとなります。

例として、診察の度に「首が痛い」「今度は右肩が痛い」などと症状の部位がコロコロ変わる場合には、医師も治療方針を立てづらいですし、そもそも事故による症状なのかそうでないのかが明確でないとして、協議の中で治療の必要性を否定されることもあり得ます。

そのため、自身で何らかの具体的症状が続いているのであれば、その点を端的に、そして明確に主治医に伝えて、集中的に治療をしてもらうという対応が大切でしょう。

神経学的検査を受ける

むちうちの症状は他覚的に確認が難しいものですが、一応、神経症状に対する検査(神経学的検査)もあります。

むちうちの症状が継続していることを推認する根拠となる余地がないこともないので、このような検査を受けることも検討してみても良いかもしれません(もっともあくまで主観的な検査であるため、検査結果で症状があったからといって客観的に症状が認められるものでもないことは注意してください)。

検査 内容
ジャクソンテスト 頭を後ろに曲げ圧迫して、痛みの有無について確認する検査
スパーリングテスト 頭を痛みのある方向に曲げて、その際の反応について確認する検査
ショルダーデプレッションテスト 肩を押し上げて頭を逆側に倒して、痛みの有無について確認する検査

むちうちの治療中に相手保険会社から治療終了を打診されることもある

むちうちは他覚的な所見が認めにくい負傷であるため、治療の終了時期も明確ではありません。

ただ、多くのむちうちは3ヶ月程度治療すれば概ね軽快し、6ヶ月も治療すれば完治すると考えられています。

そのため、通院期間が3ヶ月を超えてくると、相手保険会社から「そろそろ治療を終了してはどうか」と提案されることも珍しいことではありません。

また、半年程度が経過すると、被害者側の意向に反して、相手保険会社が治療費の立替を拒否することもあります。

もちろん、相手保険会社が治療費の立替を打ち切っても、被害者が自己負担で治療を続けることは可能です。

また、そのようにして負担した治療費等も、通院の必要性が客観的に認められれば、加害者側に請求できます。

したがって、仮に相手保険会社から治療費の立替を打ち切られた場合は、担当医に「治療を続けることで症状が緩和・軽快することが見込まれるかどうか」を一度相談してみましょう。

医師が「緩和・軽快が見込まれる」と判断するのであれば、自己負担で治療を継続するべきでしょう。

他方、「緩和・軽快するかどうかわからない」というのであれば、その時点で治療を終了し、後は後遺障害として賠償金を受け取れないか検討するという処理を積極的に検討するべきでしょう。

むちうちの痛みが半年以上続く場合の対応

上記の通り、むちうちの症状は、基本的には3ヶ月~半年も通院すれば概ね完治すると考えられています。

しかし、実際には半年以上治療を続けても症状が軽快しない事例もあるようです。

このような場合には、以下のように後遺障害として賠償金を受け取ることも検討するべきでしょう。

後遺障害申請を検討する

上記のような軽快しない症状が後遺障害と認められれば、別途賠償金の対象となります。

このような賠償金を受け取るためには、通常、加害者側の自賠責保険に対して、後遺障害診断書などの必要書類を提出して審査してもらう手続きが必要です。

加害者側の自賠責保険に対して申請する方法は、相手保険会社が行う事前認定と、被害者自身が行う被害者請求があります。

いずれも一長一短ですが、被害者として審査を尽くしてもらいたいと考えるのであれば、被害者請求を選択するべきかもしれません。

もっとも、被害者請求は被害者が全ての資料を集める必要があり大変です。

そのため、弁護士に処理を一任することも検討に値します。

手続きが不安な方は、対応経験のある弁護士に依頼するのが良いでしょう。

むちうちで認定される可能性のある等級

後遺障害等級は1級から14級まであり、1級に近いほど症状は重くなり賠償額も高くなります。

むちうちの場合、基本的には12級か14級として認定されることが多いとされています。後遺障害として等級認定されれば後遺障害として賠償金の対象となります。

このうち慰謝料の目安は以下のとおりです。

等級 自賠責基準
(2020年3月31日までに発生した事故)
任意保険基準(推定) 弁護士基準

第12級

94万円(93万円)

100万円

290万円

第14級

32万円

40万円

110万円

このように、慰謝料については自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準の順に高額になりやすい傾向があります。

弁護士基準での支払いをスムーズに受けたいのであれば、最初から弁護士に依頼した方がよいかもしれません。

むちうちについて弁護士に相談する3つのメリット

交通事故の被害者のために、弁護士はさまざまなサポートを行っています。

「適切な額の賠償金を受け取りたい」「事故処理に手間を取られたくない」という方は、まずは一度相談してみましょう。

後遺障害申請の手続きを任せられる

後遺障害申請を被害者請求で行う場合、後遺障害診断書の作成からその他申請書の作成まで全て自分で行う必要があります。

この資料作成・収集は、交通事故処理の知識・経験のない素人には難しい場合もあります。

弁護士に依頼すれば、被害者は弁護士の指示の下で書類を用意すれば足りますし、手続きの大部分は弁護士が代行してくれます。

場合によっては後遺障害診断書の作成にあたって、医師と必要なやり取りをしてもらうこともできます。

したがって、被害者側の負担は相当軽くなるといえるでしょう。

受け取る賠償金が増える可能性がある

「むちうちの痛みが半年以上続く場合の対応」で触れたように、弁護士に依頼すれば最初から弁護士基準で慰謝料の交渉をしてくれます。

結果、相手保険会社が提示する金額よりも最終的に支払われる金額が増額する可能性があります。

例えば、交通事故で負傷して通院治療を余儀なくされた場合の慰謝料は、各基準毎に以下のような金額が目安となります。

弁護士基準で請求することで、高い水準での慰謝料の支払いが見込まれるのです。

通院期間 自賠責基準(※1) 任意保険基準(推定) 弁護士基準(※2)
1ヶ月間 8万6,000円(8万4,000円) 12万6,000円 28(19)万円
2ヶ月間 17万2,000円(16万8,000円) 25万2,000円 52(36)万円
3ヶ月間 25万8,000円(25万2,000円) 37万8,000円 73(53)万円
4ヶ月間 34万4,000円(33万6,000円) 47万8,000円 90(67) 万円
5ヶ月間 43万円(42万円) 56万8,000円 105(79)万円
6ヶ月間 51万6,000円(50万4,000円) 64万2,000円 116(89)万円

※1:初診から治療終了日を21日とし実際の通入院は10日間だったと仮定し、2020年3月31日までは4,200円、2020年4月1日より後に発生した事故に関しては4,300円で計算しています。
※2:()内はむちうち等の他覚症状がない負傷の慰謝料

『交通事故弁護士ナビ』に掲載している解決事例

以下では、当サイト『交通事故弁護士ナビ』に掲載している解決事例を紹介していきます。

弁護士基準での請求により約122万円増額した事例

依頼者の車が信号待ちで停車中に、加害者が運転する乗用車に後ろから追突されたケースです。

事故により依頼者は、腰椎捻挫・頚椎捻挫などを負って後遺障害等級14級が認定され、当初の賠償金の提示額は約170万円でした。

依頼を受けた弁護士は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料について弁護士基準を用いて請求し、さらに後遺障害逸失利益についても算定し直すなどして相手保険会社と交渉を行いました。

その結果、依頼者に対して賠償金として約292万円が支払われています。

依頼後2ヶ月で約129万円増額した事例

依頼者が自動車で走行中、自動車同士の事故に巻き込まれてしまったケースです。

事故により被害者はむちうちを負って後遺障害等級14級9号が認定され、当初の賠償金の提示額は約176万円でした。

依頼を受けた弁護士は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料について弁護士基準を用いて増額を主張したところ、相手保険会社は主張を認め、依頼後2ヶ月という速さで交渉が成立しました。

最終的に、依頼者に対して賠償金として約305万円が支払われています。

弁護士に事故対応を一任して約350万円増額した事例

依頼者の車が信号待ちで停車中に、前方不注意の加害者の車両に追突されたケースです。

事故により依頼者は頚椎や腰椎を負傷し、当初の賠償金の提示額は約50万円でした。

またこのケースでは、依頼者は治療途中に弁護士へ相談しにきました。

依頼を受けた弁護士は、症状固定後に後遺障害申請を行ったところ14級が認定。

これを受けて後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求し、さらに兼業主婦であった依頼者について休業損害もあわせて請求するなどして粘り強く交渉を続けました。

最終的に、依頼者に対して賠償金として約400万円が支払われています。

自身の治療に集中できる

交通事故で仕事を休み、通院治療も続けているという場合、生活には少なからず影響が出るでしょう。

そのような状況の中、加害者との賠償金についてのやり取りで更に時間と労力を取られてしまうことは、できるだけ避けたいところでしょう。

弁護士に対応を一任すれば、被害者はこのような事故処理の負担からは概ね解放されますので、治療や生活の再建に専念できます。この点も嬉しいメリットです。

まとめ

交通事故でむちうちとなったケースを例に簡単に解説しました。

被害者が独自に対応するにも限界がありますので、不安があれば弁護士への相談を積極的に検討するべきでしょう。

むちうちの慰謝料を請求したい方へ

交通事故でむちうち症状が出た場合は、ご自身での慰謝料請求も可能ですが、弁護士に依頼することで以下のメリットがあります。

・怪我の状態に応じた適切な慰謝料額が分かる
・最も高額な弁護士基準をもとに慰謝料請求をしてくれる
・後遺障害等級の認定がされやすくなり、慰謝料の増額を期待できる

適切な慰謝料額を獲得するには交通事故の知識や交渉力が必要です。

交通事故の被害者の方は、お気軽にお問合せください。

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この記事の調査・編集者
みぞ
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。