労働問題は弁護士に相談すべき?弁護士の探し方や相談のコツも詳しく解説

労働問題は弁護士に相談すべき?弁護士の探し方や相談のコツも詳しく解説

労働問題について悩んでいて、弁護士に相談すべきかどうか迷っている方もいるのではないでしょうか。

労働問題を解決するためには専門的な法律知識が必要です。

しかし、弁護士に相談をしたいと考えても、労働問題を得意とする弁護士の探し方がわからない方もいるかもしれません。

そこで本記事では、労働問題は弁護士に相談すべきどうかについて、また弁護士の探し方や相談のコツも詳しく解説します。

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この記事を監修した弁護士
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当社在籍弁護士(株式会社アシロ)
この記事は、株式会社アシロの「法律相談ナビ編集部」が執筆、社内弁護士が監修しました。

弁護士に相談すべき主な労働問題

弁護士に相談すべき主な労働問題には、次のようなものがあります。

  • お金関係の問題
  • 人間関係の問題
  • 労務管理の問題
  • 雇用終了時の問題

お金関係の問題

労働者が直面するお金関係の問題は多岐にわたります。

たとえば、以下のようなお金関係の問題で悩んでいる場合は、弁護士への相談をおすすめします。

  • 給与未払い
  • 残業代未払い
  • 賞与や退職金の未払い
  • 割増賃金の未払い

給与未払いは雇用主が労働者に対して、定められている報酬を支払わない行為を指します。

給与未払い債権には時効があるため、できるだけ早めに対処するとよいでしょう。

残業代未払いは、労働者が残業をしたにもかかわらず、その分の報酬が支払われていない行為を指します。

残業代を請求する際には、タイムカードやメールなど、残業をした事実や時刻を証明する証拠があると有利なので残しておきましょう。

賞与や退職金の未払いは、雇用主が労働者に対して定められた賞与や退職金を支払わない行為を指します。

労働基準法には、賞与や退職金に関して会社に対して支払いを義務付ける定めはありません。

ただし、就業規則に賞与や退職金の支給を約束する記載がある場合は、会社に支払い義務が生じます。

割増賃金の未払いは、基本給に加算して支払われるべき割増賃金が支払われていない行為を指します。

たとえば、深夜や休日に労働をした場合は、規定の割増賃金を支払う必要があります。

人間関係の問題

職場の人間関係が悪化した場合も、多くの問題が生じることがあります。

以下のような人間関係の問題も、弁護士へ相談することをおすすめします。

  • ハラスメント
  • 職権乱用
  • いじめ

ハラスメントはパワハラやセクハラなど精神的、身体的苦痛を引き起こす行為です。

これらの行為は、労働者の人権や健康を侵害するでしょう。

ハラスメントを受けた場合は慰謝料、損害賠償請求ができる可能性があります。

職権乱用とは、上司や管理者が自身の地位を利用して、部下や従業員を不適切に扱う行為を指します。

具体的な行為としては、不当な命令、無理な業務の強制、評価の不公正などが挙げられます。

職権乱用も労働者の人権を侵害する行為であり、法的な対処が可能です。

いじめは同僚や上司からの嫌がらせや侮辱的な行為を指します。

労働者の人格や尊厳を深く傷つける可能性があり、精神的な健康を損なうだけでなく、生産性やパフォーマンスにも悪影響を与えます。

いじめもハラスメントと同様、慰謝料や損害賠償を請求できる可能性があるでしょう。

労務管理の問題

労務管理に関連した問題は、労働者の健康や安全に重大な影響を及ぼします。

以下のような労務管理の問題が発生しているのであれば、弁護士への相談を検討してもよいでしょう。

  • 時間外労働
  • 有給休暇
  • 労災申請

時間外労働とは労働基準法で定められている法定労働時間を超えて労働させることです。

労働基準法に定められた時間外労働時間を超えた場合は法令違反になる可能性があり、従業員の健康や安全に悪影響を及ぼすおそれがあります。

有給休暇は、労働者が健康を維持し生活の質を向上させるためにも必要なものです。

しかし、労働環境が劣悪な場合は有給休暇が十分に取得できない、あるいは取得を拒否される問題が生じることもあるでしょう。

労災申請とは、労働者が業務中や通勤中に事故や病気で傷病を負った場合、労災保険による補償を受けるために労災保険給付請求を申請することです。

しかし、会社によっては労働者からの労災申請を阻止することがあります。

主な理由としては、労災申請をすることで労働基準監督署の調査が入ってしまうことで、労務管理や安全対策の不十分さが発覚して責任を問われることを不都合に考えたり、労災事故が起きたことで会社のイメージが低下することを恐れたりするためです。

雇用終了時の問題

雇用終了時にも会社と労働者の間で、問題が起きる可能性があります。

次のような問題で悩んでいる場合、弁護士への相談をおすすめします。

  • 不当解雇
  • 退職勧奨

不当解雇は雇用主が不当な理由、もしくは違法な理由で労働者を解雇することです。

たとえば、性別、年齢、人種、宗教、身体能力、性的指向などの不当な基準に基づいて解雇をおこなったり、解雇予告をせずに即日解雇したりする場合などが該当します。

退職勧奨は雇用主が労働者に対して、自発的に退職するよう勧める行為を指します。

たとえば、雇用主が従業員に対して退職を促すために不当な心理的圧力を加えたり、名誉や感情を害したりすることは不法行為に該当するでしょう。

労働問題を弁護士に相談・依頼するメリット

労働問題を弁護士に相談・依頼するメリットは次のとおりです。

  • 法的なアドバイスがもらえる
  • 手続きを全て任せられる
  • 労働審判や訴訟に移行した際も対応してくれる

法的なアドバイスがもらえる

弁護士に相談することで、法的なアドバイスがもらえます。

労働問題は労働基準法や労働契約法、最低賃金法など法律に基づいて解決することも多いため、法律の専門家である弁護士のアドバイスは有益です。

弁護士は労働に関する法律を駆使して、個々のケースに適した解決策を提案してくれます。

労働者が自身の権利をあらためて理解することを助け、どのような行動を取るべきかをアドバイスしてくれるでしょう。

手続きを全て任せられる

弁護士に手続きを全て任せられることもメリットです。

労働問題に関する手続きは書類の作成や提出、相手方との交渉、証拠の収集など専門的な知識と経験を要する作業が多くあります。

弁護士に依頼して手続きを任せることで、多くの時間と手間を節約することが可能です。

また、手続きを適切におこなうことで、よりよい結果を得られる可能性があるでしょう。

労働審判や訴訟に移行した際も対応してくれる

労働審判や訴訟に移行した際も対応してくれます。

労働問題が解決しない場合、労働審判や訴訟で解決することがあります。

裁判所を通す手続きは、専門的な知識も必要です。

弁護士に依頼することで労働審判や訴訟も、スムーズかつ有利に進められるでしょう。

労働問題に注力している弁護士の探し方

労働問題に注力している弁護士の探し方には、次のような方法があります。

  • ベンナビ労働問題で探す
  • インターネットで検索する
  • 知人や友人、同僚に紹介してもらう

ベンナビ労働問題で探す

ベンナビ労働問題は、労働問題に注力している弁護士を探すのに便利なポータルサイトです。

サイト内には労働問題に強い弁護士のプロフィールや得意分野、取り扱ったケースの事例なども詳しく説明されています。

住んでいる地域や相談したい内容を検索することで、ご自身に適した弁護士が見つけられるでしょう。

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インターネットで検索する

インターネットで検索するのも効果的な方法です。

たとえば、「労働問題 弁護士 〇〇(地域)」などのキーワードで検索すれば、該当地域で労働問題を扱っている弁護士の公式サイトを見つけられるでしょう。

弁護士の公式サイトでは、弁護士の得意分野、経歴、取り扱っている事件の種類、事務所の場所や連絡先などの情報が得られます。

また、クライアントの評価や口コミも合わせて確認すると、弁護士を選ぶ際の参考にもなるでしょう。

知人や友人、同僚に紹介してもらう

労働問題を解決した経験がある知人や友人から、弁護士を紹介してもらうのもよいでしょう。

実際に労働問題を解決した経験者から弁護士の評価を聞けるので、信頼性も高いでしょう。

インターネットではわからない、リアルな情報を手に入れられるでしょう。

労働問題が得意な弁護士選びのポイント3選

労働問題が得意な弁護士選びのポイントは、次の3つです。

  • 労働問題を解決した実績や知識が豊富か
  • 親身に寄り添いながら相談に乗ってくれるか
  • さまざまな解決策を提案してくれるか

それぞれのポイントを詳しく解説します。

労働問題を解決した実績や知識が豊富か

弁護士が労働問題の実績と知識を豊富に持っているかどうかに注目しましょう。

弁護士事務所の公式サイトに記載してあるプロフィールや相談者からの評価を確認することで、弁護士の労働問題の実績を把握できるでしょう。

実績が多くあれば、労働問題についての知識も豊富だといえます。

豊富な経験と知識がある弁護士ほど、労働問題を効率的に解決できる可能性が高いでしょう。

親身に寄り添いながら相談に乗ってくれるか

弁護士が親身に寄り添いながら相談に乗ってくれるかどうかも重要です。

労働問題は精神的なストレスも多く伴います。

相談者の悩みや苦しみを理解し、感情に寄り添いながら的確なアドバイスを提供してくれる弁護士がおすすめです。

初回相談時に弁護士が自分の話をしっかりと聞いてくれるか、また理解しようとする姿勢があるかを見極めるとよいでしょう。

さまざまな解決策を提案してくれるか

弁護士がさまざまな解決策を提案してくれるかどうかも大切です。

労働問題はひとつの解決策だけでなく、複数のアプローチで解決することも多いです。

また、弁護士が問題に対して多角的な視点で対処する方法を提案してくれれば、ご自身にあった解決方法を選択できるでしょう。

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労働問題を弁護士に相談する際のコツ

労働問題を弁護士に相談する際のコツは次の5つです。

  • 抱えている労働トラブルについて整理しておく
  • 相談内容に関係する証拠資料を準備しておく
  • できる限り早い段階から弁護士に相談をする
  • 相談者本人が相談しに行くようにする
  • 自分にとって不利な情報も隠さず話す

それぞれのコツを詳しく解説します。

抱えている労働トラブルについて整理しておく

労働問題について弁護士に相談する前には、自分が抱えている問題について整理しておきましょう。

問題が発生した背景や経緯、希望する解決策などを明確しておくと相談もスムーズになります。

抱えている問題を詳細に伝えられれば、弁護士も具体的なアドバイスを出しやすくなるでしょう。

相談内容に関係する証拠資料を準備しておく

相談内容に関係する証拠資料を事前に準備しておくとよいでしょう。

証拠資料は問題解決に向けて、弁護士が戦略を立てるうえで重要です。

たとえば労働契約書、給与明細、労働時間の記録、職場の写真や送受信したメールなどがあれば取っておくとよいでしょう。

できる限り早い段階から弁護士に相談をする

労働問題が発生した際は、早期の段階で弁護士に相談することをおすすめします。

問題が深刻化する前に専門的な意見を聞くことで、より適切な対応策を講じられるでしょう。

相談者本人が相談しに行くようにする

労働問題の相談には本人が相談しに行くようにしましょう。

直接本人が相談することで具体的な状況や感情を伝えやすくなります。

また、実際に依頼する際も本人の意思が必要になるため、相談時から本人が出向くことで依頼もスムーズにおこなえるでしょう。

自分にとって不利な情報も隠さず話す

自分にとって不利な情報も隠さずに弁護士に伝えることが重要です。

相談者は不利な情報を隠したほうがよい結果をもたらすと考えるかもしれませんが、適切な解決に向けた道を阻む可能性があります。

弁護士は守秘義務を有していますので、話した内容が第三者に漏れることはありません。

また、弁護士が知らされていない不利な情報がのちに明らかになったときに、相談者に不利益になることもあります。

争訟がおこなわれている状況で、相手方が相談者にとって不利な事実を証拠として提出されてしまう場合もあるので、弁護士が適切に対応できるためにも全ての情報を隠さずに伝えるようにしましょう。

労働問題を弁護士に無料で相談する方法

労働問題を弁護士に無料で相談する方法として、次のようなものがあります。

  • 初回相談が無料の弁護士事務所を選ぶ
  • 法テラスの無料相談を利用する
  • 弁護士会の無料相談を利用する

初回相談が無料の弁護士事務所を選ぶ

弁護士事務所のなかには、初回相談が無料のところもあります。

法律に詳しくない方であれば、そもそも自身が抱えている労働問題が法律で解決できるかについてわからない場合もあるでしょう。

無料相談であれば気軽に自身が抱えている悩みを弁護士に話せますし、そのうえでどのように進めるべきかのアドバイスを得られます。

法テラスの無料相談を利用する

法テラスの無料相談窓口でアドバイスを得るのもよいでしょう。

法テラスは、国によって設立された法的トラブルを解決するための機関です。

法テラスでは、弁護士や司法書士などの法律専門家が相談に応じます。

国が設立した機関であるため、法律事務所での相談はハードルが高いと感じる方でも利用しやすいでしょう。

ただし、法テラスの無料相談を利用する際には収入や資産要件を満たしているほか、民事法律扶助の趣旨に適している必要があります。

詳細については、法テラスの公式サイトを確認してください。

【参考】無料の法律相談を受けたい|法テラス

弁護士会の無料相談を利用する

全国の弁護士会では、一定の日時に無料の法律相談を実施しているところもあります。

弁護士が直接対応するため、専門的なアドバイスを受けられます。

ただし、相談時間が限られていることも多く予約が必要な場合もあるため、お住まいの地域の弁護士会の公式サイトで相談可能な時間を事前に確認しておきましょう。

【参考】全国の弁護士会の法律相談センター|日本弁護士連合会

労働問題を弁護士に依頼した際の費用相場と内訳

労働問題を弁護士に依頼したくても、費用が気になる方も多いでしょう。

ここでは、労働問題を弁護士に依頼した際の費用相場と内訳について詳しく解説します。

依頼内容別の費用相場

労働問題は、依頼内容によって費用相場が異なります。

依頼内容別の費用相場は、次のとおりです。

依頼内容弁護士費用の相場
残業代請求20万円~40万円程度+成功報酬
不当解雇40万円~80万円程度
労働災害30万円~60万円程度
労働審判60万円~100万円程度
ハラスメント50万円~100万円程度
退職代行5万円~15万円程度
給与未払い30万円~60万円程度

労働問題の費用は、着手金のほかに成功報酬がかかる場合があります。

具体的な金額は弁護士事務所によって異なるので、相談時に見積もりを出してもらうとよいでしょう。

弁護士費用の項目・内訳

弁護士費用の項目・内訳は次のとおりです。

  • 相談料
  • 着手金
  • 報酬金
  • 日当・実費

相談料

相談料は、弁護士との相談の際に発生する費用です。

一般的には時間単位で算出され、相場は1時間あたり約1万円です。

ただし、弁護士事務所によっては初回相談が無料である場合や、30分5,000円である場合もあります。

着手金

着手金は、弁護士が依頼に着手する際に発生する費用です。

相談や事件の種類にもよりますが、相場は約30万円です。

着手金は依頼の成立を示す契約金のようなもので、事件が解決しても返還されることはありません。

なお、一部の弁護士事務所では着手金を0円にしているところもあるなど、具体的な金額は弁護所事務所によっても異なります。

報酬金

報酬金は事件やトラブルが解決した場合に支払われる成功報酬です。

報酬金の相場は依頼者が得た経済的利益の10%〜30%です。

成功報酬は成功しなかった場合には支払う必要はありませんが、一部成功した場合でも報酬が発生することもあります。

なお、着手金が0円の弁護士事務所では、報酬金の割合が高めに設定されていることが多いでしょう。

日当・実費

日当・実費は、弁護士が事務所外で作業する際に発生する費用です。

相場は1時間あたり1万円〜5万円程度ですが、事務所や依頼内容によっては、日当や実費が発生しない場合もあります。

具体的にかかる実費の例としては、コピー代、印紙代、交通費、通信費など、労働問題の解決に必要な経費です。

まとめ|労働問題はひとりで悩まず弁護士に相談するのがおすすめ

労働問題に直面した際には、ひとりで悩まずに弁護士に相談することをおすすめします。

労働問題を解決するためには専門的な法律知識が必要になりますし、手続きに多くの時間や手間がかかります。

弁護士に相談することで解決に役立つ法的なアドバイスがもらえますし、手続きを全て任せられます。

弁護士に相談する際には初回相談料が無料の弁護士事務所や法テラスの無料相談、弁護士会の無料相談を利用すると無理なく相談できるでしょう。

また、弁護士に依頼する際には、費用の相場や支払い項目の確認が重要です。

費用は事務所ごとに異なるため、具体的な金額をきちんと把握したうえで依頼しましょう。

労働問題はひとりで悩む時間が長ければ長いほど、問題解決が難しくなる場合もあります。

早めに弁護士に相談することで、労働問題をスムーズな解決へと導けるでしょう。

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ベンナビ労働問題で
労働問題に強い弁護士を探す
相談料無料※
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※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります

この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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