交通事故で後遺症が残ってしまった場合、後遺障害診断書などの証拠資料を提示して等級認定を受けることで、多くの示談金を獲得できる可能性があります。
後遺障害12級は、交通事故によって認定される後遺障害等級の中で3番目に症状の軽い等級にあたります。
後遺障害等級12級の認定を受けるためにも、事故対応のポイントを押さえておきましょう。
本記事では、後遺障害等級12級の認定基準や主な症状、慰謝料相場や申請方法、等級認定を受けるためのポイントなどを解説します。
後遺障害等級12級とは?
後遺障害等級認定とは、交通事故などによるけがが完全に回復せずに身体機能などに影響(後遺症)が残る場合、その程度に応じて等級が認定される制度です。
要介護第1級および第2級、並びに通常の第1級から第14級までの16段階の等級が設けられており、後遺障害等級12級は3番目に症状の軽い等級にあたります。
後遺障害等級の認定は、「損害保険料率算出団体に関する法律」に基づいて設立された損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所によっておこなわれ、認定結果に納得いかない場合は訴訟提起して裁判所に判断を求めることもできます。
ここでは、後遺障害等級認定に関する基礎知識を解説します。
後遺障害等級認定を受けるメリット
交通事故でけがを負って治療を受けた場合、加害者側に対して入通院慰謝料を請求できます。
後遺障害等級認定を受けると、入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料も請求できるようになります。
さらに、交通事故による後遺障害がなければ本来獲得できたはずの将来分の収入について、「後遺障害逸失利益」として請求することもできます。
このように、等級認定を受けることで被害者はより高額な賠償金を得られるため、経済的な負担が軽減されるというメリットがあります。
これにより、交通事故のけがからの回復や生活の再建などがよりスムーズに進むでしょう。
後遺障害等級12級の認定件数
2023年度の後遺障害等級12級の認定件数は6,187件で、後遺障害等級認定の全体件数3万7,728件に対して約16.4%を占めています。
【参考元】自動車保険の概況|損害賠償率算出機構
後遺障害等級12級で獲得できる慰謝料相場
後遺障害等級12級の認定を受けた際には、けがの治療費などはもちろん、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益なども請求できます。
ここでは、慰謝料相場や計算方法などを解説します。
入通院慰謝料・後遺障害慰謝料
後遺障害等級が認定された場合に請求可能な慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類です。
なお、慰謝料額を算出する際には以下のいずれかの計算基準が用いられます。
- 自賠責基準:自賠責保険が用いる計算基準で、最も低額になりやすい
- 任意保険基準:各任意保険会社が用いる計算基準で、保険会社によって異なるものの自賠責基準よりも高額になりやすい
- 弁護士基準:裁判所や弁護士が用いる計算基準で、最も高額になりやすい
基本的に自賠責基準では最低限の保障しか得られず、任意保険基準では自賠責基準と同額か若干多い程度の金額になります。
一方、弁護士基準では過去の裁判例を基にして金額を算出し、3つの計算基準の中でも最も高額になりやすい傾向にあります。
任意保険基準については計算方法が非公開のため不明ですが、自賠責基準や弁護士基準における慰謝料相場は以下のとおりです。
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
入通院慰謝料 | 25万8,000円 | 73万円 |
後遺障害慰謝料 | 94万円 | 290万円 |
合計 | 119万8,000円 | 363万円 |
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
入通院慰謝料 | 68万8,000円 | 141万円 |
後遺障害慰謝料 | 94万円 | 290万円 |
合計 | 162万8,000円 | 431万円 |
後遺障害逸失利益
後遺障害逸失利益の計算式は「1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数」です。
専業主婦・主夫の場合でも請求でき、賃金センサスの平均データに基づいて金額が算出されます。
労働能力喪失率は後遺障害等級によって異なり、12級の場合は原則として14%になります(労働能力喪失率表|国土交通省)。
例として「1年あたりの基礎収入400万円・40歳(就労可能年数27年)・後遺障害等級12級」という場合、後遺障害逸失利益は以下のように算出できます。
後遺障害逸失利益=400万円×14%×18.327=1,026万3,120円 |
しかし、むちうちや歯科補綴などの「労働能力の喪失が長期間継続しない」と考えられる症状の場合は、原則的な計算式に基づく金額よりも低額になるケースもあるため注意が必要です。
後遺障害等級12級の認定基準・症状
後遺障害等級12級が認定されるパターンとしては、主に以下があります。
- 眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの(12級1号)
- 眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの(12級2号)
- 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(12級3号)
- 耳の耳殻の大部分を欠損したもの(12級4号)
- 鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨または骨盤骨に著しい変形を残すもの(12級5号)
- 上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの(12級6号)
- 下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの(12級7号)
- 長管骨に変形を残すもの(12級8号)
- 手の小指を失ったもの(12級9号)
- 手の人差し指、中指または薬指の用を廃したもの(12級10号)
- 足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二の足指を失ったものまたは第三の足指以下の三の足指を失ったもの(12級11号)
- 足の第一の足指または他の四の足指の用を廃したもの(12級12号)
- 局部に頑固な神経症状を残すもの(12級13号)
- 外貌に醜状を残すもの(12級14号)
ここでは、後遺障害等級12級の認定基準や主な症状について、身体の部位ごとに解説します。
目の障害|12級1号・2号
目の障害については、後遺障害等級12級1号・2号が認定される可能性があります。
12級1号
片方の眼に著しい調節機能障害または著しい運動障害が生じた場合、後遺障害等級12級1号が認定されます。
著しい調節機能障害とは、眼の調節力が正常な眼の2分の1以下に低下した状態を指します。
たとえば、遠くの物体や近くの物体に焦点を合わせる際に困難が生じる状態です。
著しい運動障害とは、視野の広さが正常な眼の2分の1以下に減少した状態を指します。
視野が狭くなると、日常生活において多大な支障をきたすことがあるでしょう。
なお、両眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害がある場合には後遺障害等級11級が認定されます。
12級2号
眼のまぶたに著しい運動障害が残る場合、後遺障害等級12級2号が認定されます。
具体的に該当する状態は、以下のとおりです。
- 目を開けたときに瞳孔領が完全に覆われてしまう状態
- 目を閉じたときに角膜を完全に覆えない状態
なお、両眼のまぶたに上記のような症状がある場合は後遺障害等級11級が認定されます。
歯の障害|12級3号
7本以上の歯に歯科補綴が施された場合、後遺障害等級12級3号が認定されます。
歯科補綴とは、欠損または喪失した歯について、入れ歯・差し歯・ブリッジ治療などで補修や補完することです。
歯に欠損や喪失があった場合、欠損度合いや本数に応じて後遺障害等級が認定されるでしょう。
なお、歯科補綴が必要とされる歯は以下のような条件を満たすものです。
- 完全に喪失した歯
- 歯冠部の体積の4分の3以上が失われた歯
10本以上の歯に歯科補綴が必要となる場合は、後遺障害等級11級が認定されます。
また、交通事故により破損した歯だけでなく、治療の過程で削ったり抜いたりした歯も本数に含まれます。
たとえば「交通事故で5本の歯がなくなり、治療の過程で3本の歯を削った」という場合、合計8本の歯に歯科補綴が必要とされるため、後遺障害等級12級3号が認定されるでしょう。
耳の障害|12級4号
耳の軟骨部の2分の1以上を失った場合、後遺障害等級12級4号が認定されます。
耳殻の欠損は外見に直接影響するため、外貌の醜状障害にも該当する可能性があるでしょう。
醜状障害の場合は後遺障害等級7級12号が認定されることもあり、より高額な賠償金を請求できる可能性があります。
体幹骨の障害|12級5号
鎖骨・胸骨・ろく骨・けんこう骨または骨盤骨に著しい変形が残る状態の場合、後遺障害等級12級5号が認定されます。
ここでいう「著しい変形」とは、外見上肉眼で明らかに認識できる程度の骨の変形です。
肉眼では変形を認識できず、レントゲンなどの画像検査だけで認識できる場合は含まれません。
上肢の障害|12級6号・8号・9号・10号
上肢の障害については、後遺障害等級12級6号・8号・9号・10号が認定される可能性があります。
12級6号
上肢の三大関節中の一関節、すなわち肩関節・肘関節・手首関節のいずれかに機能の障害が残る場合には後遺障害等級12級6号が認定されます。
ここでいう「障害」とは、肩関節・肘関節・手首関節の可動域が4分の3以下になった状態や、手のひらの回内・回外運動の可動域が2分の1になった状態などを指します。
さらに、一上肢・一関節の可動域が健側の2分の1以下に制限される場合は後遺障害等級10級が認定されます。
また、可動域が10%程度以下に制限される場合は後遺障害等級8級が認定される可能性があるでしょう。
12級8号
長管骨に変形が残った場合は後遺障害等級12級8号が認定されます。
長管骨とは人体の主要な骨で、上腕骨・橈骨・尺骨・大腿骨・脛骨・腓骨の6本の骨のことです。
変形とは、外部から目で見てわかるものだけでなく、癒合不全・直径の減少・骨端部の欠損・変形癒合なども含まれます。
長管骨のうち一本でも変形があれば、後遺障害等級12級8号が認定されるでしょう。
12級9号
近位指節間関節以上で小指を失うと、手の機能に大きな支障が出るため、後遺障害等級12級9号が認定されます。
近位指節間関節とは手のひらに近い部分の関節で、第二関節とも呼ばれる部分です。
小指以外の指を失った場合や複数の指を同時に失った場合には、損失した指の本数や部位によって、後遺障害等級3級から11級までの間で認定されます。
12級10号
手の人差し指・中指・薬指の用を廃した状態の場合、後遺障害等級12級10号が認定されます。
「用を廃した」とは、末節骨の長さの2分の1以上を失った場合、または中手指節関節・近位指節間関節の可動域が健側の2分の1以下に制限された状態です。
小指・親指・複数の指の用を廃したケースでは、失われた部位や本数に応じて、後遺障害等級4級から10級までの間で認定されます。
下肢の障害|12級7号・11号・12号
下肢の障害については、後遺障害等級12級7号・11号・12号が認定される可能性があります。
12級7号
下肢の三大関節である股関節・膝関節・足首関節のいずれかに「障害」が生じた場合、後遺障害等級12級7号が認定されます。
ここでいう「障害」とは、関節の可動域が4分の3以下になった状態です。
なお、下肢の一関節の可動域が健側の2分の1以下に制限された場合、後遺障害等級10級が認定されます。
さらに、可動域が10%程度以下に制限された場合には、後遺障害等級8級が認定されるでしょう。
12級11号
足の特定の指または特定の組み合わせの指を失った場合、後遺障害等級12級11号が認定されます。
具体的には以下のようなケースが該当します。
- 片方の足の人差し指を根元から失った状態
- 片方の足の人差し指と、中指・薬指・小指のいずれかを含む2本の指が根元から失った状態
- 片脚の中指・薬指・小指の3本の指が根元から失った状態
足の親指または上記のケースよりも多くの足指を失った場合は、部位や本数に応じて、後遺障害等級5級から10級までの間で認定されます。
12級12号
足の親指やほかの四本の足指の機能が失われた場合、後遺障害等級12級12号が認定されます。
「足指の用を廃した状態」としては、以下のようなケースが該当します。
- 第一関節から第二関節の間、または第二関節から第三関節の間の骨を切断した場合(親指の場合は末節骨の半分以上を失っている状態)
- 第一関節または第二関節が離断した場合
- 第二関節または第三関節の可動域が2分の1以下に制限された場合
親指を含む複数の足指の用を廃した場合、部位や本数に応じて、後遺障害等級7級から11級までの間で認定されます。
神経の障害|12級13号
「特定の部位に痛みやしびれがある」というような局部的に頑固な神経症状がある場合、後遺障害等級12級13号が認定されます。
神経症状については、MRIやCTなどの画像検査によって損傷程度を正確に評価します。
もし自覚症状が主であり画像での所見が得られないときは、後遺障害等級14級が認定されるでしょう。
一例として、交通事故でよく起こる「むちうち」も後遺障害等級12級が認定される可能性があります。
むちうちによって生じた患部の痛みが長引くと、神経障害として後遺障害等級12級13号または14級9号が認定されるでしょう。
顔面や頭部の障害(醜状障害)|12級14号
頭部・顔面・頸部などの外貌に大きく影響する部位に一定水準以上の傷跡が残る場合、後遺障害等級12級14号が認定されます。
具体的な認定基準は以下のとおりです。
- 頭部の場合:鶏卵程度以上の大きさの瘢痕がある
- 顔面の場合:10円玉以上の大きさの瘢痕や、長さ3cm以上の線状痕がある
- 頸部の場合:鶏卵程度以上の大きさの瘢痕がある
後遺障害等級12級の申請方法
後遺障害等級認定の申請方法は「事前認定」と「被害者請求」の2種類あり、おおむね以下のような流れで進められます。
- 病院でけがの治療を受ける
- 医師から症状固定の診断を受ける
- 医師に後遺障害診断書を作成してもらう
- 等級認定を受けるための追加資料を集める(被害者請求の場合)
- 加害者側の自賠責保険会社または任意保険会社に提出する
ここでは、各手続きの方法や、認定結果に納得いかない場合の対応などを解説します。
1.事前認定|加害者側の保険会社に任せる方法
事前認定とは、被害者が加害者側の任意保険会社に後遺障害等級認定の申請手続きを任せる方法です。
被害者は医師から後遺障害診断書を発行してもらったのち、加害者側の任意保険会社に提出するだけで済みます。
加害者側の任意保険会社は、後遺障害診断書やその他書類をあわせて提出し、後遺障害等級認定の申請をおこないます。
事前認定では被害者側の手続きの手間が省けるため、けがの治療などに専念できるというメリットがあります。
ただし、被害者側にとって有利になりそうな追加書類の提出は難しいため、希望通りの等級が認定されない可能性があります。
さらに透明性が低く、被害者側がプロセスの詳細を把握しにくいという点もデメリットです。
2.被害者請求|被害者自身が申請手続きをおこなう方法
被害者請求とは、被害者自身が必要書類を集めて、加害者側の自賠責保険会社へ後遺障害等級認定を申請する方法です。
事前認定に比べて手間や時間がかかりますが、レントゲンやMRIの画像、医師の意見書など柔軟に追加書類を添付できるというメリットがあります。
適切な等級認定を受けるためには、認定基準に沿った書類を過不足なく揃えることが重要であり、必要な資料や申請方法などについて弁護士からアドバイスを受けるのもおすすめです。
また、被害者請求をおこなえば、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益のうち、自賠責保険から支払う分を示談成立前に受け取れます。
被害者は早期に一部の補償を得ることができ、治療や生活の支援に役立つでしょう。
後遺障害の認定結果に納得できない場合の対処法
「後遺障害等級12級の認定を希望して申請したものの、非該当や低い等級が認定された」という場合には異議申立てができます。
異議申立ては何度でも可能ですが、同じ内容で異議申立てを繰り返しても結果を変えることは難しいでしょう。
異議申立てをおこなう際は、認定理由を再度精査し、どの部分に不足や不備があったのかを十分確認することが大切です。
後遺障害等級12級が認定されない主な理由としては、「訴えている症状に関して通院日数が少ない」「後遺障害診断書の記載内容に不備がある」「12級として認定されるための資料が不足している」などが考えられます。
後遺障害等級12級の認定を受けるためのポイント
後遺障害等級12級の認定を受けるためのポイントは、主に以下の3つです。
- レントゲンやMRIの画像などの客観的な資料を準備する
- 記載漏れのない後遺障害診断書を医師に作成してもらう
- 交通事故問題が得意な弁護士に相談する
レントゲンやMRIの画像などの客観的な資料を準備する
痛みや痺れなどの神経障害について後遺障害等級12級の認定を受けたい場合は、レントゲン写真やMRI画像などを提出しましょう。
後遺障害等級12級の認定にあたっては、画像所見があることが実務上必須とされているためです。
痛みや痺れの原因(骨の変形など)がわかるレントゲン写真やMRI画像などを添付し、医師に意見書を添付してもらうことで、後遺障害等級12級の認定を受けられる可能性が高まります。
記載漏れのない後遺障害診断書を医師に作成してもらう
後遺障害診断書には、全ての症状を適切かつ正確に記載してもらいましょう。
診断書の記載内容によって症状の程度が審査されるため、医師に作成してもらう際は十分に記載内容をチェックしましょう。
審査過程において、診断書に記載のない症状は基本的に考慮されないため、全ての症状を漏れなく記載してもらいましょう。
特に可動域検査の結果や外貌の変化などについては記載漏れが生じやすいため、注意が必要です。
交通事故問題が得意な弁護士に相談する
後遺障害等級12級の認定を得るためには、交通事故問題が得意な弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すれば「等級認定のためにどのような検査を受けるべきか」「どのような資料が必要か」などについて効果的なアドバイスが望めます。
医師は医学の専門家ですが、後遺障害の認定基準などについては精通していないこともあり、「後遺障害診断書の記載に不備や漏れがないか」に関しては弁護士にチェックしてもらったほうが安心です。
また、弁護士なら被害者請求の手続きを代行してもらうこともでき、手間なくスムーズに納得のいく等級認定が望めるというのもメリットです。
後遺障害等級12級に関するよくある質問
ここでは、後遺障害等級12級に関するよくある質問について解説します。
- 後遺障害等級12級が認定されたら障害者手帳は受け取れる?
- 通勤中や業務中の交通事故では労災保険給付も請求できる?
- 後遺障害等級12級が認定された場合にデメリットはある?
後遺障害等級12級が認定されたら障害者手帳は受け取れる?
後遺障害等級12級が認定されても、基本的には身体障害者手帳の取得は難しいでしょう。
身体障害者手帳の取得条件は厳しく設定されており、後遺障害等級12級の症状では条件を満たさないケースがほとんどです。
身体障害者手帳は、特定の身体障害がある方に交付されます。
対象となる身体障害には、視覚障害・聴覚障害・平衡機能障害・言語機能障害などが含まれますが、日常生活や仕事などにおいて著しい困難を生じさせるものでなければなりません。
身体障害者手帳の交付を求める場合は、認定基準などについて付近の福祉事務所や障害福祉担当窓口などに相談してみるとよいでしょう。
通勤中や業務中の交通事故では労災保険給付も請求できる?
通勤中・業務中に交通事故に遭った場合には労災保険給付も請求できます。
損害賠償請求よりも先に請求しておくことで、被害者は早期に経済的な補償を受けられるでしょう。
後遺障害等級12級相当の後遺症が残った場合は、以下のような給付を受けられます。
- 障害補償一時金(障害一時金)
- 障害特別支給金
- 障害特別一時金
なお、障害補償一時金(障害一時金)を受け取った場合、そのぶん交通事故の損害賠償金から控除されるため、両方を全額受け取ることはできません。
後遺障害等級12級が認定された場合にデメリットはある?
後遺障害等級12級が認定されてもデメリットはありません。
ただし、等級認定を受けるまでは示談交渉を進められない点や、等級認定のための検査や診断書作成などに費用がかかるという点には注意が必要です。
さいごに|後遺障害12級の認定を受けたいなら弁護士に相談を
後遺障害等級12級の認定を受ければ、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益などを請求できるようになります。
ただし、認定基準は複雑であるため、正確に理解したうえで申請書類などを準備する必要があります。
弁護士であれば、等級獲得のための効果的なアドバイスや書類収集・申請手続きなども依頼でき、素人が自力で対応するよりもスムーズかつ納得のいく等級認定が望めます。
当社が運営する「ベンナビ交通事故」では、交通事故問題が得意な全国の弁護士を掲載しています。
初回相談無料の法律事務所なども多く掲載しているので、後遺障害等級認定について不安な方は一度相談してみることをおすすめします。