後遺障害が残ったらどこに相談すべき?|無料相談窓口や弁護士に相談すると得られるメリットも解説

後遺障害が残ったらどこに相談すべき?|無料相談窓口や弁護士に相談すると得られるメリットも解説

交通事故を原因とした後遺障害は完治しないケースがあり、重度のレベルになると自立した生活が難しくなるため、被害者には十分な補償が必要です。

後遺障害が残ったときは専門家の無料相談も利用できますが、医療面と補償面に相談窓口が分かれているので、以下のような疑問も生じてくるでしょう。

  • どんな相談窓口があるの?
  • 無料で相談できる?
  • 後遺障害の等級認定はどこに相談したらよい?
  • 示談交渉や等級認定をサポートしてもらえる?
  • 後遺障害はなぜ弁護士に相談するべきなの?
  • 担当医に任せておけば大丈夫じゃないの?

今回は、上記のような悩みを解決するために、後遺障害が残ったときの相談窓口や、弁護士に相談すべき理由などをわかりやすく解説していきます。

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この記事を監修した弁護士
佐々木 光嗣弁護士(札幌パシフィック法律事務所)
2018年2月に札幌パシフィック法律事務所を設立。スタッフも一丸となり「身近なリーガルパートナー」として迅速な問題解決を目指す。

後遺障害認定までの流れ

交通事故の被害で痛みやしびれなどの後遺障害が残った場合、以下の流れで後遺障害等級を認定してもらいます。

後遺障害の等級認定は慰謝料に大きく影響するので、必要書類などをよく確認しておきましょう。

病院で後遺障害の症状固定を判断してもらう

交通事故の被害でむちうちなどの後遺障害が残った場合、まず病院の治療を継続し、医師に症状固定を判断してもらいます。

症状固定とは、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態なので、症状固定後に後遺障害等級の認定に向けて準備を開始します。

医師に後遺障害診断書を作成してもらう

後遺障害が症状固定になったら、次は医師に後遺障害診断書の作成を依頼します。

後遺障害診断書は保険会社の指定様式を使うので、事前に書類一式を加害者側の自賠責保険会社から取り寄せてください。

なお、後遺障害診断書の作成に詳しくない医師もいるため、診断書の内容が不十分であったり、必要な検査が抜け落ちたりするケースもあります。

後遺障害診断書の作成内容に不安があるときは、弁護士に相談しておきましょう。

加害者側の保険会社に必要書類を提出する

医師に後遺障害診断書を作成してもらったら、以下の書類を添付して加害者側の自賠責保険会社に提出します。

  • 支払請求書と事故発生状況報告書
  • 休業損害証明書や所得証明書など
  • 通院交通費明細書
  • 住民票
  • 治療費などの領収書
  • 被害者本人の印鑑証明書
  • 交通事故証明書
  • 後遺障害診断書の追加資料や診療報酬明細書など

必要書類がかなり多いので、役場などに出向く時間がない方は、弁護士に書類準備をサポートしてもらいましょう

損害保険料率算出機構による後遺障害等級の審査

加害者側の自賠責保険会社に必要書類を提出すると、保険会社から損害保険料率算出機構に送付され、後遺障害等級の審査がおこなわれます。

申請から1~2か月後には認定結果が通知されるので、等級に応じた慰謝料請求が可能になります。

なお、後遺障害等級は書面のみで審査されるため、想定していた等級よりも低い、または非該当になる可能性もあります。

下位の等級や非該当になったときは、まず弁護士に相談しておきましょう。

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後遺障害で利用すべき機関や無料相談窓口8つ

後遺障害は慰謝料や逸失利益の請求に大きく関わるので、重度の後遺障害が残ったときや、等級認定などに困ったときは8つの無料相談窓口を利用できます。

各相談窓口の役割・機能は以下を参考にしてください。

病院

交通事故の後遺障害が残ったときは、病院が治療や検査方法などの相談窓口になります。

整体院や整骨院で施術を受ける方もおられますが、柔道整復師は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません

後遺障害は必ず整形外科で治療をおこない、レントゲンやCTなどの画像検査も受けてください

また、医学的な証明がなければ後遺障害等級に認定されにくいので、必要があれば神経学検査も受けておきましょう。

後遺障害の認定サポートを受けられる相談先

後遺障害の認定を申請するときは、行政書士や弁護士に無料相談できます。

役割はそれぞれ異なりますが、以下のようにサポートしてくれるので、後遺障害の申請に手間をかけたくない方は相談してみましょう。

行政書士

行政書士は書類の収集・作成に対応してくれるので、後遺障害等級認定に必要な住民票や、交通事故証明書などの取得を依頼できます。

相談料は1時間で3,000~5,000円程度になりますが、初回は無料相談できる行政書士が多いので、取得する書類が明確になっていると1回の相談で済むでしょう。

ただし、保険会社に提出する書類は取得から作成まですべて依頼できますが、交通事故裁判になった場合、裁判所に提出する書類は作成できません

また、行政書士は依頼者の代理人になれないので、専門家に示談交渉を任せたいときは、弁護士に相談しておきましょう。

弁護士

弁護士に後遺障害等級の認定を依頼すると、必要書類の取得や作成、医師への助言、保険会社への申請など、総合的なサポートを受けられます。

弁護士の無料相談を早めに利用すると、後遺障害の認定に必要な検査や、示談交渉のタイミングなどをすべて教えてくれるので、交通事故の対応で失敗しなくなるでしょう。

また、後遺障害の認定に不安がある方や、認定結果が非該当になった方は、必ず弁護士に相談しておきましょう。

後遺障害の認定には専門知識が必要なので、交通事故分野に注力する弁護士をベンナビ交通事故で探すのが効率的です。

ベンナビ交通事故には無料相談できる弁護士が登録されており、地域指定で弁護士検索もできるので、近くの弁護士がすぐに見つかるでしょう。

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その他|8つの無料相談窓口

重度の後遺障害が残った場合や、あっせんによる交通事故の解決を目指したい方は、以下の窓口の無料相談も利用してみましょう。

無料相談窓口役割・機能
そんぽADRセンター損害保険会社との紛争の解決支援を相談可能
交通事故紛争処理センターあっせんや調停による交通事故の解決など、中立的な立場で紛争処理をサポート
高次脳機能障害情報・支援センター各都道府県にリハビリテーションセンターや高次脳機能センターを設置し、医療面から被害者をサポート
医療安全支援センター全国380ヵ所以上に拠点があり、中立的な立場で医療機関と患者の信頼関係構築を支援
自治体の交通事故相談窓口定期的に民事トラブルの無料相談を開催し、交通事故の相談は弁護士が対応
日弁連の交通事故相談センター日本弁護士連合会が全国162ヵ所に設置。示談やあっせん、審査業務などに無料で対応
法テラス法テラスのオペレーターが法律事務所や専門機関などを案内

無料相談の利用日時や相談方法など、詳細情報は各相談窓口の公式サイトを確認してください。

いつ弁護士に相談するのが良い?

後遺障害を弁護士に相談するとしたら、交通事故の直後がベストタイミングです。

自分で警察や弁護士に連絡できる状態であれば、まず110番通報を最優先し、次に弁護士へ連絡してください。

弁護士に相談すると、以下のアドバイスを受けられます。

  • 交通事故の証拠保全
  • 診察の必要性
  • 示談交渉の開始時期
  • 請求可能な治療費などの費目

警察に通報すると実況見分調書が作成されるので、保険会社に正当な過失割合を主張できます。

事故現場の写真やドライブレコーダーなど、保全が必要な証拠も弁護士がアドバイスしてくれるでしょう。

なお、診察の時期が遅くなると、交通事故と後遺障害の因果関係を証明できなくなり、慰謝料請求に影響する可能性があるので要注意です。

後遺障害を弁護士に相談すると得られるメリット

後遺障害を弁護士に相談すると以下のメリットがあるので、適切な等級に認定されやすく、示談金の増額も期待できます。

示談交渉に不安がある方や、補償を充実させたい方も弁護士に相談してみましょう。

後遺障害等級に認定されやすくなる

弁護士は必要に応じて医師との関わり方を助言してくれるので、後遺障害等級に認定されやすくなります。

後遺障害の認定にレントゲン画像だけでは不十分な場合、CTやMRI検査の必要性を医師に伝え、画像の重要部分にマーカーをするなど、念入りに対応してくれます。

すでに後遺障害が非該当になっている方も、後遺障害診断書の書き方や追加資料を充実させて異議申立てすると、適正な等級に認定される可能性もあるでしょう。

医師任せでは後遺障害に認定されないケースがあるので、むちうちなどの症状があるときは、必ず弁護士に相談してください。

示談交渉を依頼できる

弁護士は依頼者の代理人になってくれるので、保険会社との示談交渉も依頼できます。

自分で示談交渉すると、保険会社に丸め込まれてしまう可能性があり、納得できない過失割合を提示されても反論できないなど、不利な状況になってしまうでしょう。

また、後遺障害等級の認定前に示談書へサインさせられるケースもあります。

示談交渉が不利な展開になりそうなときは、必ず弁護士に代理人を依頼してください。

示談金の増額を期待できる

交通事故の後遺障害を弁護士に相談しておくと、示談金の増額も期待できます。

示談金は後遺障害慰謝料や逸失利益などの総額ですが、保険会社の提示額は被害者補償に重点が置かれておらず、必要額に満たないケースが一般的です。

弁護士は「交通事故で発生した損失補てん」を基準に示談金を計算してくれるので、保険会社の提示額を適正な金額まで引き上げてくれます

後遺障害が残ったときに請求できる賠償金

交通事故の被害で後遺障害が残った場合、加害者側には以下の賠償金を請求できます。

あまり知られていない費目もあるので、請求漏れがないように気を付けましょう。

治療費

交通事故被害によって入院や通院が必要になった場合、治療費として以下の費用を請求できます。

症状固定の判断がされるまでの治療費で、その後自身で継続治療した場合の治療費はこれに当たりません。

  • 初診や再診の診療費
  • 手術費用
  • 投薬料
  • 検査費用
  • 処方箋料
  • 義足や義肢などの装具費や車いす代

治療関係の費用はすべて請求できますが、医師から通院を認められた場合を除き、接骨院などの施術費用は認められない可能性があるので注意してください。

休業損害

交通事故被害によって休業が必要になり、収入が減少したときは休業損害を請求できます。

症状固定後の休業損害については、後述する後遺障害逸失利益として請求することになります。

休業損害は通院や入院日数、被害者の職業や月収などから金額を算定しますが、専業主婦や収入のある学生も請求可能です。

自賠責保険の休業損害は「日額6,100円×休業日数」になるので、仕事を休んだときは必ず請求してください。

なお、弁護士基準の休業損害は自賠責よりも高くなります。

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、入院・通院にともなう精神的苦痛への補償です。

入通院慰謝料の算定基準には以下の3種類があり、もっとも高額になるのは弁護士基準です。

  • 自賠責基準:被害者補償の最低基準
  • 任意保険基準:任意保険会社の独自基準
  • 弁護士基準:裁判例をベースとした算定基準

弁護士基準で慰謝料を算定した場合、自賠責や任意保険基準の2~3倍になる可能性があるでしょう。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、後遺障害によって生じた精神的苦痛への補償です。

金額は後遺障害等級に連動しており、第1級の場合は1,000万円以上を請求できるので、等級認定されるかどうかで被害者補償は大きく変わります。

後遺障害慰謝料も弁護士基準が最高額になるため、痛みやしびれなどの症状が残ったときは、弁護士に慰謝料請求を依頼しておきましょう。

後遺障害逸失利益

後遺障害逸失利益とは、後遺障害がなければ得られたはずの将来的な収入です。

後遺障害逸失利益も後遺障害の認定がなければ請求が認められず、高額な被害者補償になることから、保険会社が請求どおりに支払わないケースがあります。

計算方法もかなり複雑なので、後遺障害逸失利益の請求も弁護士にサポートしてもらいましょう。

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後遺障害に関するよくある質問

後遺障害は弁護士にサポートしてもらうことが多いので、弁護士の選び方や費用など、よくある質問をまとめてみました。

慰謝料を減額されないよう、示談交渉のスタート時期も参考にしてください。

後遺障害が残ったときはいつ示談交渉を始める?

けがの完治ないし症状固定後、または後遺障害等級の認定結果が出たあとに示談交渉を開始します。

けがの治療中や後遺障害の認定前に示談書へサインすると、以降の治療費が打ち切りとなり、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益も請求できないので注意してください。

なお、示談交渉を弁護士に依頼した結果、以下の補償を獲得できた事例があります。

  • 保険会社が提示した逸失利益:0円
  • 弁護士のサポートによる後遺障害等級:8級
  • 獲得した金額:約2,180万円

被害者は示談交渉に不安があり、すぐに弁護士へ相談したことから、後遺障害の認定と逸失利益の獲得に成功しています。

【参考】弁護士の早期介入により、後遺障害等級8級の獲得に成功。賠償金は2,100万円以上に!

示談金を早く受け取る方法はある?

事前認定の方法で後遺障害等級を申請してみましょう。

後遺障害等級の事前認定とは、加害者側の任意保険会社を介して、認定機関へ診断書などを提出する方法です。

提出書類の準備は保険会社が対応するので、費用がかからず時間も短縮できます。

ただし、自身で準備した等級認定に有効な書類を追加することができないなど、自分の意思を反映させにくいデメリットがあります。

保険会社が医師に不利な診断書を書かせるケースもあるので、適正な後遺障害等級の認定を目指す場合は、一般的な「被害者請求」を選択するべきでしょう。

後遺障害のサポートに弁護士費用はいくらかかる?

依頼者が獲得する経済的利益によって変わるので、以下の内訳を参考にしてください。

  • 法律相談料:30分5,500円、または1時間1万1,000円程度
  • 着手金:10万〜20万円程度
  • 報酬金:経済的利益の10〜20%程度
  • 実費と日当:日当は1時間2万円程度

法律相談料は基本的に有料ですが、多くの弁護士は初回分を無料相談にしています。

また、着手金無料の弁護士に依頼すると、報酬金は高めになりますが、依頼時にまとまった資金がなくても後遺障害の認定などをサポートしてくれます。

【参考】後遺障害の認定申請を弁護士に依頼する3つのメリット

後遺障害の等級に納得できないときはどうする?

審査機関に異議申立てすると再審査してもらえます。

ただし、初回申請と同じ書類を提出しても結果は変わらないため、異議申立ては弁護士のサポートを受けてください

異議申立てには以下のような事例もあるので、非該当でも諦めないようにしましょう。

  • 受傷部位・傷病名:右足関節脱臼骨折
  • 当初の後遺障害等級:非該当
  • 異議申立て後の後遺障害等級:12級
  • 弁護士のサポートによる獲得額:約2,176万円

被害者の受傷部位を弁護士が分析し、丁寧な主張によって異議申立てに成功した事例です。

【参考】非該当に対する異議申立により12級獲得し2100万円超の損害賠償金を得た事例

資金不足でも弁護士に後遺障害をサポートしてもらえる?

弁護士保険に加入している方は、弁護士費用が無料になる場合があります。

一般的な弁護士保険の場合、以下の費用を保険会社が負担します。

  • 法律相談料:10万円程度まで
  • 弁護士費用:300万円程度まで

後遺障害の認定などを含む交通事故全般のサポートであれば、弁護士費用の自己負担はほぼないでしょう。

未加入の方や、補償の大きな保険に乗り換えたい方は、ベンナビ弁護士保険がおすすめです。

後遺障害はどんな弁護士に相談するとよい?

以下の条件を1つでも多く満たしている弁護士に相談してください。

  • 交通事故の解決に注力している
  • 夜間や休日でも無料相談できる
  • オンライン面談や電話相談、出張相談に対応している
  • 後遺障害認定や慰謝料請求の解決実績が豊富
  • 弁護士費用をわかりやすく説明してくれる
  • 親身になって対応してくれる

ベンナビ交通事故で弁護士検索すると、ほとんどの条件を満たしている弁護士が見つかります。

無料相談を利用して、弁護士との相性もチェックしておくとよいでしょう。

最後に|後遺障害が残ったときは弁護士に無料相談しましょう

交通事故によって後遺障害が残った場合、今までどおりの仕事ができなくなり、収入に影響してしまうケースがあります。

重度の後遺障害が残ったときは退職や廃業を余儀なくされるため、家族にも経済的な負担がかかってしまうでしょう。

しかし、後遺障害等級の認定は書面審査のみとなっており、担当医の判断のみに準拠するわけでもないため、被害者救済になっていないケースが少なくありません。

適正な後遺障害等級の認定を受けたいときや、十分な被害者補償を獲得したいときは、必ず交通事故に詳しい弁護士へ相談してください。

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※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります

この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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