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2024.10.16
日弁連交通事故相談センターとは、昭和42年に設立され、交通事故の示談あっせんと審査を事業としている組織です。
各都道府県に支部が弁護士会等を作り、示談あっせん等の事業を行っています。
担当は地区の弁護士があたり、被害者、加害者の言い分を聞いた上で示談のあっせんを行います。
そんな日弁連交通事故相談センターですが、どのような機関で、どんなことが相談できるのかをご紹介したいと思います。
案件対応の経験やノウハウが乏しい弁護士に相談してしまうと、適切な額の賠償金を受け取れないこともあるでしょう。
交通事故問題に注力している弁護士であれば、以下のようなメリットが望めます。
・損害賠償請求の抜け漏れを防止できる
・症状に適した後遺障害等級の獲得が望める
・示談交渉・書類作成・法的手続きなどの事故対応を一任できる
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日弁連交通事故相談センターは、基本的人権の擁護と社会的正義の実現を名目に、昭和42年に当時の運輸大臣の許可を得た財団法人として設立、平成24年4月に内閣府から公益法人認定を受け、財団法人から公益財団法人に移行しています。
基本的な運営は弁護士がしており、交通事故に関する損害賠償問題の迅速な処理を促進し、適正な判断のもと、公共の福祉の増進に寄与することを目的として運営されています。
現在では全国150ヵ所以上で相談を受け付けており、40ヵ所以上で示談あっせんと審査を無料で行っています。
また、日弁連交通事故相談センターは国土交通省からの補助金、日弁連、弁護士会、弁護士個人、関係団体や一般市民からの寄付金などで運営されています。
一言で表すと、交通事故の損害賠償問題を素早く適切に解決するためのサポート機関ということになります。
公式サイト:日弁連交通事故相談センター
日弁連交通事故相談センターでは、自賠責保険又は自賠責共済への加入が義務付けられている車両による、国内での「自動車・二輪車」事故と交通事故の民事上の損害賠償関係の問題について相談することができます。
ただ、刑事事件や行政処分に関する相談はできませんので、もし刑事や行政処分に関して相談したい場合は警察か弁護士に相談すると良いと思います。
■主な相談内容■
交通事故にあった際の損害の種類や、損害賠償額の具体的な金額に関することを相談することがでます。
交通事故における、被害者が受けた損害賠償を、加害者に対して請求するための方法などを相談できます。
加害者側の保険会社から一方的に話をすすめられ、低い損害賠償金を提示されている場合などに有効な相談先の一つです。
被害者請求に関する相談なども、日弁連交通事故相談センターでアドバイスをもらうことができます。
損害に対して、責任を負うべきなのは誰なのか、また、損害賠償の義務や交通事故当時の過失割合についてなどが、日弁連交通事故相談センターで相談できます。
交通事故の過失割合は細かく項目が分かれており、少々わかりにくい部分が多いため、日弁連交通事故相談センターでアドバイスを受けることは理解を早めることにつながります。
【関連記事】交通事故における「過失割合」を算定する基準|代表的なケースの過失割合
例えば、勤務中に起きた交通事故(会社所有車での事故・マイカーで通勤中の事故・下請け会社の起こした事故など)で、車の貸借中、無断転貸、子名義車の交通事故に対する親の責任はどうなっているかなど、損害賠償の請求先を決めるにあたった責任者の認定を相談できます。
加害者側の保険会社との適切な示談時期はいつにすればいいかなども、日弁連交通事故相談センターは相談に乗ってくれます。
示談交渉は神経の使う作業ですので、自分で行動を起こすこともできますが、日弁連交通事故相談センターからアドバイスをもらうか、弁護士の知恵をいただいた方が、スムーズな示談ができます。
ひき逃げの交通事故の場合や、加害者が保険に無加入の無保険者だった場合の事故では、どのように進めればいいかを相談できます。(保障事業への損害のてん補請求手続きなど)
日弁連交通事故相談センターが用意する相談方法には、下記の二つの方法があります。
基本的には面接相談を推奨しています。
理由としては、電話による相談では事故状況等を十分に把握できない恐れがあり、簡単な相談事項について回答のみになってしまうからです。
電話での回答が困難な事案については、面接による相談をお勧めしていますので、検討してみてください。
電話による相談は、1人10分程度とされているため、事故や被害の状況などを詳しくはなして、具体的な回答が欲しい場合は、面接の相談をしてみるのが良いでしょう。
面接相談による相談は1回につき30分程度とされています。
弁護士による自動車事故の損害賠償問題に関する相談は全国150ヵ所以上で受け付けていますので、詳しくは各相談所に問い合わせしてみてください。
相談所によっては電話予約や先着順の場所もあるようです。
以下に該当する場合は、日弁連交通事故相談センターでの相談は受け付けていないようですので、事前に確認しておくと良いと思います。
①弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱等の禁止)違反の疑いのある者からの申込み
②相談者がすでに弁護士である代理人を選任している時
③相談回数が原則として同一事案につき5回(相談所によっては3回まで)を超える時
④事故当事者本人以外の者からの申込みであるとき
(ただし、同居の親族、四親等内の親族及びこれらに準ずる者からの申込みであるときを除く)
⑤その他相談を行うのに適当でないと認められるとき
簡単にいうと、下記の方々の相談を受け付けていないということになります。
日弁連交通事故相談センターでの面接相談をする場合には、相談前に以下のものなどを用意しましょう。
①交通事故証明書、事故状況を示す図面(道路状況、加害・被害車(者)の位置、事故の場所、日時、天候等)、現場・物損等の写真
②診断書、後遺障害診断書
③治療費明細書(入通院日数、治療費、通院費のメモなど)
④事故前の収入を証明するもの(給料明細書、休業損害証明書、源泉徴収票・確定申告書の写しなど)
⑤相手方からの提出書類や、示談交渉をしていれば、その過程
⑥加害者の任意保険の有無と種類
⑦その他(差額ベット代、付添日数・費用、修理費、家屋改修費、有給休暇日数、相手方加入保険内容のメモ)など
用意できない場合もあると思いますので、あくまで用意できる範囲で結構です。
ただし、相談回数が5回までと決められていますので、できるだけ1回で用意しておいた方が無難かもしれません。
必ず必須というわけではありませんが、用意しておくと弁護士の方もより正確な助言ができるとは思います。
日弁連交通事故相談センターが規定する示談あっせん(あっせん)とは、損害賠償の交渉で当事者同士がトラブルになった時に、日弁連交通事故相談センターの弁護士が間に入って、公平・中立な立場から示談成立の手伝いをすることです。
通常は3回程度で終了し、早期かつ適正な賠償額での解決が期待できます。
示談のあっせんができるのは、自賠責保険、自賠責共済に加入を義務付けられている車両に限ります。
すべてのケースで対応でき、自賠責保険・自賠責共済のみまたは加害者や被害者が無保険でも可能です。
損害賠償者が下記任意保険または任意共済のいずれかに加入している場合に可能です。
すべて対応可能です。
自賠責保険・自賠責共済のみ、または無保険でも可。
以下の場合には示談あっせんの申出を受理できません。
基本的には「日弁連交通事故相談センターで相談が受けられない場合」と同じですね。
日弁連交通事故相談センターでも、場合によっては示談が不調(不成立)となる可能性はあります。
その場合は「調停」「訴訟」が考えられますが、日弁連交通事故相談センターが行った下記の共済の示談あっせんが不調(不成立)となった事案のうち、以下の事案について「審査」を行うことができます。
「審査」とは、専門家によって構成される審査委員会(審査員3名)が審査を行って判断がなされるという仕組みで、審査結果について被害者側が同意するかどうかは自由である一方、被害者側が審査結果に同意した時は、相手方の共済は審査意見(評決)を尊重することになっています。
日弁連交通事故相談センターは寄付金でまかなって運営している公的な団体であるため、公益性が高く中立的なアドバイスや示談あっせんが期待できます。
また、日弁連交通事故相談センターでの相談及び示談あっせんについては、費用がかからないのが大きなメリットです。
日弁連交通事故相談センターは、設立から40年以上交通事故被害者救済のための事業を行っており、日弁連交通事故相談センターの発表では平成23年度の相談件数は39,274件、示談成立率は83.34%(成立件数1421件)もの実績があります。
全国の弁護士会と連携し、交通事故の民事紛争処理に精通した全国約6,400名の弁護士が相談を担当します。
日弁連交通事故相談センターには全国150ヵ所以上に相談所があるため、最寄りの地域、お住まいの近くで相談できます。
交通事故紛争処理センターとは、昭和52年にそれまであった「交通事故裁定委員会」という組織をより充実させるため、「財団法人交通事故紛争処理センター」と改めて、次の業務を行っています。
日弁連交通事故相談センターのほかにも、交通事故被害者の方の相談先としては次のものが考えられます。
日弁連交通事故相談センターでは無料相談を受けられますが、上述のとおりあくまでアドバイスを行うにとどまり、弁護士の紹介は行っていない上、相談回数にも上限があります。
何より、相談者に代わって手続を進めてくれるということもありません。
法律上、交通事故事件の交渉を任せることができるのは弁護士のみです。
保険会社との交渉は、負担が大きいため、弁護士に一括して任せることで手続きの煩雑さや交渉時のストレスから解放されます。
保険会社は交渉のプロですし、交通事故に関する知識も豊富です。
素人が勉強して、交渉に臨んだところでなかなか厳しいのが実情です。
弁護士事務所へ相談するに当たっては、交通事故を専門的に取り扱っている法律事務所に相談をしましょう。
日弁連交通事故相談センターは、交通事故の被害者が「どうしたらいいのか?」に対するアドバイスを無料で行っています。
国からの援助を受けている公的機関である点と、交通事故を得意とする弁護士からの回答を得られますので、ぜひ利用することをおすすめします。
案件対応の経験やノウハウが乏しい弁護士に相談してしまうと、適切な額の賠償金を受け取れないこともあるでしょう。
交通事故問題に注力している弁護士であれば、以下のようなメリットが望めます。
・損害賠償請求の抜け漏れを防止できる
・症状に適した後遺障害等級の獲得が望める
・示談交渉・書類作成・法的手続きなどの事故対応を一任できる
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