死亡事故
死亡事故の慰謝料はいくら?|弁護士に依頼したときの費用相場やメリットも紹介
2023.05.29
死亡事故によってご家族を亡くした方は、気持ちの整理がついていない状況でも、補償を得るための手続などをおこなわなければならなりません。
しかし、いざ誰かに相談しようと思っても、以下のような疑問も生じるでしょう。
死亡事故を含む交通事故には無料の相談窓口があるので、遺族に対する補償など、わからないことや悩みがあれば必ず相談してください。
今回は、死亡事故の遺族が無料相談できる窓口や、弁護士に相談するメリットなどをわかりやすく解説していきます。
不幸にしてご家族が交通事故で亡くなられた場合、被害者本人も含め、遺族への補償が必要です。
死亡事故には以下の無料相談窓口があるので、補償面でお困りの際は相談してください。
そんぽADRセンターは損害保険契約者からの無料相談を受け付けており、苦情や紛争解決を支援しているので、示談交渉が難航したときは以下の窓口に相談してみましょう。
電話による相談が原則ですが、通話料は有料です。
そんぽADRセンターのメリットは紛争解決の無料相談ができることですが、自賠責保険の支払に関しては対象外ですので注意してください。
他方で、デメリットとしては、そんぽADRセンターが東京都と大阪府の2か所しかないので、直接面談が必要なときは現地に出向かなくてはならないことです。
そんぽADRセンターは、加害者側の保険会社と争うのではなく、和解を目指したいときに利用してください。
相談や紛争などの解決にかかる手続は、電話代を除いて基本的に無料です。
交通事故紛争処理センター(以下「センター」といいます。)も紛争解決の無料相談ができるので、保険会社が提示した損害賠償や、過失割合に納得できないときは相談してみましょう。
センターから選任された弁護士が、相談者と相手方任意保険の間に立って和解のあっ旋手続をおこないます。
もっとも、あっ旋手続が不調(当事者間において、和解が成立する見込みがない場合)に終わったときは審査の申立てに移行するケースもあります。
審査は、法学者、元裁判官及び弁護士で構成された審査会でおこなわれ、事故の状況について当事者双方から改めて説明を受けたうえで、合議により裁定(結論)が出されます。
裁定に対して、なお被害者が納得できない場合は、センターでの取扱いは終了します。
センターに相談するメリットは、加害者側との和解あっ旋手続や、事故の審査手続を無料で利用できる点です。
他方、デメリットとしては、拠点が全国に11か所しかなく、実施方法も直接面談のみのため、遠方の方は利用しにくいという点です。
また、事故発生時の加害者車両が自動車(原動機付自転車を含みます)ではなかった場合、紛争解決の無料相談には応じてもらえないので注意してください。
センターを介したあっ旋手続は和解できる確率が高いので、裁判を起こさず、短期間で死亡事故を解決したい方は利用してみましょう。
また、センターの利用料はかかりません。
一般財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構(以下では「紛争処理機構」といいます)は自賠責保険(共済)からの補償に不服があったときの無料相談窓口です。
自賠責保険の支払に不服がある場合、紛争処理機構へ相談することができます。
メリットは、訴訟によらない解決を目指せることです。
なぜなら、紛争処理機構の審査は中立性が担保されており、自賠責保険は調停結果を遵守することになるからです。
ただし、裁判外の紛争解決は紛争処理機構の判断が最終的なものとなり、それ以上は争えない点がデメリットです。
この場合、最終的には損害賠償請求訴訟の中で争うこととなります。
また、任意保険会社との紛争解決は相談できないので注意しましょう。
自賠責保険との紛争に限り、裁判を起こさずに死亡事故を解決したいときは、紛争処理機構を利用してみましょう。
書類審査も原則無料なので、費用面では利用しやすくなっています。
各自治体には法律問題の無料相談窓口があり、弁護士が交通事故の相談に乗ってくれます。
相談日時や予約の有無は自治体ごとに異なるので、ホームページや広報誌で確認してみましょう。
各自治体の無料相談窓口は市区町村の庁舎、または近隣の関連施設が相談会場になっている場合が多いので、アクセスのよさがメリットといえるでしょう。
ただし、過疎地域の無料相談は月に2~3回程度になっており、担当弁護士が必ずしも交通事故に詳しいとは限らない点がデメリットです。
相談時間は20~30分程度が多く、ほとんどの自治体では相談回数を制限しているので、時間がかかる相談には向いていません。
自治体の無料相談は、時間が短くなっています。
そのため、遺族に対する補償や示談交渉の進め方など、賠償金の内容や今後発生する事故対応を知りたいときに利用してみましょう。
法テラスは法務省所管の法律相談窓口になっており、各都道府県に1か所以上の地方事務所を設置しています。
サポートダイヤルに連絡すると、オペレーターが交通事故の関連機関や、法律事務所を案内してくれるので、近くに法律事務所がない方は利用してみましょう。
法テラスのメリットは、民事扶助法律制度を利用できるところです。
収入や資産が一定額以下の方は、30分×3回までの無料相談や、弁護士費用の立替払に応じてもらえます。
ただし、法テラスは弁護士事務所の案内業務しか対応していません。
近くの事務所を案内してくれる場合もありますが、法テラスとの契約弁護士に限られるため、交通事故事件をあまり扱ったことがない弁護士が担当する可能性がある点はデメリットです。
法テラスは経済的な余裕がないときや、交通事故の相談窓口がわからないときに利用してみましょう。
法律事務所の案内には期待できませんが、交通事故紛争処理センターなど、公益性のある相談窓口を案内してもらえる場合があります。
日弁連交通事故相談センターは日本弁護士連合会によって運営されており、弁護士が交通事故の過失割合や損害賠償請求などの無料相談に乗ってくれます。
相談方法は直接面談と電話相談の2種類です。
また、平日第5週を除く月・水曜日であれば19時まで利用できるので、仕事帰りに相談できる場合もあるでしょう。
日弁連交通事故相談センターのメリットは、直接面談を予約すると1回30分×原則5回の無料相談が可能な点です。
面談の場合は交通事故証明書などの資料が必要なので、予約の際に確認しておきましょう。
他方、デメリットとしては、電話相談が10分程度しか利用できないため、時間のかかる相談には向いていないことです。
裁判に時間をかけたくない方や、和解を希望している方は利用してみましょう。
また、日弁連交通事故相談センターは示談のあっ旋と審査が無料で利用できます。
ベンナビ交通事故は弁護士のポータルサイトになっており、交通事故に詳しい弁護士のみ登録されています。
ほとんどの弁護士が交通事故や死亡事故の無料相談に対応しているので、示談交渉や慰謝料請求などに困っている方は、まず身近な弁護士に相談してみましょう。
ベンナビ交通事故には以下の情報が登録されているので、示談交渉や慰謝料請求の依頼など、目的に合った弁護士を見つけやすいメリットがあります。
ほかにも多くの情報が掲載されており、対応可能な業務もわかりやすいため、利用者にとってこれといったデメリットはないでしょう。
ベンナビ交通事故は、死亡事故に詳しい弁護士を効率的に探したい場合に利用するのが良いでしょう。
他にも、以下のような方の利用に向いています。
交通事故の和解あっ旋手続が不調に終わった方や、遺族の補償に納得できない方は、ベンナビ交通事故で被害者弁護に注力している弁護士を探してみましょう。
死亡事故の解決を弁護士に無料相談するときは、以下の基準を参考に弁護士を選んでください。
死亡事故について無料相談したいときは、相談可能な時間が幅広いの弁護士を選んでください。
死亡事故は被害者の証言が得られないため、早く事故現場の証拠を保全するなど、初期対応が重要になります。
夜間に発生した死亡事故の場合、法律事務所の営業開始を待つわけにいかないので、昼夜を問わず無料相談できる弁護士を選ぶべきでしょう。
土日や祝日に無料相談できる弁護士を選ぶと、死亡事故の相談に有給休暇を使う必要はありません。
会社勤めの方は忌引きによる休暇中に仕事が溜まり、しばらくの間は処理に追われてしまうケースが多いため、通常の有給休暇を取りづらくなるでしょう。
休日に相談できれば仕事に専念できるので、遺族側が慌ただしく対応しなければならない事態を回避できます。
死亡事故の無料相談を利用するときは、報酬体系の説明がわかりやすい弁護士を選んでください。
弁護士の成功報酬は「依頼者が得た経済的利益に対して何%」という報酬体系になっており、慰謝料や逸失利益などがこの経済的利益に該当します。
良心的な弁護士は報酬体系をわかりやすく説明してくれるので、費用の支払に関するトラブルがありません。
弁護士費用には事務手数料や交通費などの実費もあるので、細かな費用も聞いておくとよいでしょう。
死亡事故は予期せぬタイミングで発生するため、遺族にとって弁護士費用は想定外の出費になるでしょう。
しかし、交通事故の解決が得意な弁護士は遺族の事情を理解しているので、着手金の後払いや分割払に応じてくれるケースがあります。
弁護士に無料相談するときは、予算や支払方法についても十分に話し合ってください。
死亡事故について弁護士に無料相談するときは、交通事故の解決実績を確認しておきましょう。
法律事務所のホームページやベンナビ交通事故で以下のポイントを確認すると、交通事故に詳しい弁護士かどうか判断できます。
解決実績が過去累計の場合、開業以降の年数や弁護士の経験年数で割ってみなければ、年間の対応件数がわかりません。
また、少ない人数でより多くの交通事故を解決していれば、優秀な弁護士が揃っている法律事務所といえるので、「解決実績÷弁護士人数」も計算しておくとよいでしょう。
死亡事故について無料相談するときは、依頼者の意向を尊重してくれる弁護士を選んでください。
勝手に解決方針を決定する弁護士の場合、依頼者の要望とは異なる方向で解決され、取り返しがつかなくなる可能性があるので要注意です。
死亡事故の遺族が弁護士に無料相談した場合、以下のようなメリットがあります。
弁護士は示談交渉を代行できるので、保険会社と何を話してよいか分からない方や、交渉が苦手な方は依頼してみましょう。
弁護士に依頼すると、重要証拠を集めて死亡事故を分析してくれるので、加害者側に不当な過失割合を提示されても十分に対抗できます。
また、死亡事故の慰謝料には以下の算定基準があり、もっとも高額になるのは弁護士基準です。
弁護士が死亡事故の示談交渉に対応すると、保険会社が提示した金額の数倍になる可能性があります。
1000万円~5000万円近い増額事例もあるので、ベンナビ交通事故の解決事例を参考にしてください。
その他、訴訟を起こすときは大量の書類が必要になり、時間と労力もかかりますが、弁護士がすべてサポートしてくれるので、遺族の負担は大幅に軽減されるでしょう。
死亡事故の解決を弁護士に依頼すると、一般的には以下のような弁護士費用がかかります。
弁護士保険の加入者や、加入者のご家族はほぼ無料で弁護士に依頼できます。
将来的な備えを充実させておきたい方は、ベンナビ弁護士保険を検討してみましょう。
加害者側の保険会社や、被害者の加入する保険会社にも無料相談窓口が存在しますが、結論からお伝えすると、利用はおすすめしません。
なぜなら、保険会社の提示する賠償金には不十分なケースが多いためです。
ただし、どちらも以下のケースで利用することになるので確認しておくと良いでしょう。
加害者側の保険会社は以下の賠償金を請求する際に利用します。
慰謝料や逸失利益は計算方法が難しく、相場もわかりにくいので、弁護士に計算してもらうとよいでしょう。
被害者の任意保険に人身傷害補償特約が付帯されている場合、加害者側との示談成立前でも保険金を受け取れるケースがあります。
保険契約の内容にもよるので、契約書を確認するか保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。
また、自動車保険、生命保険ともに継続して契約する場合は名義変更が必要です。
終身保険は死亡保険金の支払によって契約終了となりますが、契約形態によっては保険契約を継続する場合もあるので、保険会社に確認してみましょう。
死亡事故の補償額は示談交渉によって決まるため、専門知識がなければ保険会社に太刀打ちできないでしょう。
十分な損害賠償の獲得や、亡くなられたご家族の無念を晴らしたいときは、死亡事故の無料相談を利用してください。
なお、「解決策はわかったが実行する時間がない」「自分で示談交渉する自信がない」という方は、弁護士の無料相談を活用してみましょう。