弁護士相談
岩手県で交通事故に遭ったら!弁護士やその他相談先について解説
2024.11.12
交通事故の相談をしたものの、弁護士に不信や不安な気持ちを抱えてしまう人は珍しくありません。
弁護士に対し、以下のような悩みがある場合は、弁護士の変更も視野に入れましょう。
依頼主の中には、「変更を申し出るのは失礼かもしれない」と不安になる方もいますが、そのまま継続して依頼すると、大損する可能性もありますし、望まない結果になるリスクもあります。
こんな言い方をすれば怒り出す弁護士もいるかもしれませんが、弁護士は、あなたにとって交渉を有利に進めるための道具でしかありません。
その道具に不安があったり、不満があったりすれば持ち変えるのは当然です。
本記事では、、弁護士を途中で変更する方法や注意点、弁護士を選ぶポイントを紹介します。
交通事故の相手との示談成立前であれば、原則いつでも弁護士を変更できます。示談さえ成立していなければ事態を挽回できる可能性は十分ありますので、安心してください。
まずは他の弁護士にセカンドオピニオンを求めて、変更するべきかどうか考えましょう。弁護士といってもタイプはさまざまで、少なくとも以下のポイントは押さえておくべきです。
・交通事故問題の解決に注力している
・難解な専門用語を分かりやすく解説してくれる
・過去にトラブルを起こしていない
『ベンナビ交通事故(旧:交通事故相談ナビ)』は、交通事故問題の解決に注力している弁護士を掲載しているサイトです。初回相談無料の事務所も多くあり、まずはセカンドオピニオンの相談が可能かどうか連絡してみることをおすすめします。
弁護士にこのまま依頼を継続するか、変更するかを迷っている方は、自分の状況と照らし合わせて検討してみてください。
弁護士も複数案件を取り扱っているため、すぐに返信する等の対応は難しいですが、自分から連絡をして10営業日以上音沙汰がないような場合は、弁護士の変更を検討しはじめてよいでしょう。
交通事故案件は、状況によって手続が停滞することがあります。
例えば、後遺障害診断等は等級が下るまでに2ヵ月以上かかることも珍しくありません。
そのため、弁護士から連絡がないからといって不安になることはありません。
ですが、状況確認の連絡をしてみてそれでも10営業日以上折り返しがないような場合には、不安になって当然です。
そのような弁護士は、案件を抱えすぎて全く仕事が追い付いていない場合や、そもそも依頼者の方を軽視している場合があります。
弁護士の対応が遅いとその分解決まで時間がかかってしまうため、弁護士の変更を考えてみてもよいでしょう。
弁護士の言動や動き、事務所の雰囲気などから「馬が合わない」と感じてしまうケースもあります。
弁護士とは、最低でも数か月以上の付き合いになるため、その人と会うことでストレスを感じるようであれば、早々に弁護士の変更も検討しましょう。
交通事故の示談を成功させるには自分の置かれた状況を弁護士に正確に把握してもらう必要があります。
実力があってもコミュニケーションが取りにくい弁護士だと状況の認識の違いにより、示談が失敗する可能性もあるのでご注意ください。
依頼した弁護士が一方的で話を聞いてくれなかったり、きつい言葉で対応されたりするようであれば、問題が起こった際に揉め事へと発展してしまう可能性も高いといえます。
そのため、この先やり取りを続けていくのが不安な場合は弁護士の変更を検討してみるとよいでしょう。
事業歴の長くベテランと呼ばれる弁護士であっても、交通事故の示談交渉をした経験が乏しい場合だと、手続きが的確に進められず思うような示談金を獲得できなくなる可能性があります。
小職の経験談ですが、弁護士会の開催した交通事故の勉強会にて、後遺障害の等級に関するごく基本的な書式が紹介された際に、私からすれば「知っていて当然の書籍」ともいえる書籍を、私よりもはるかに登録年数の長い複数の弁護士が「初めて知った」と言っていたのを聞いて驚いたことがあります。
交通事故分野は後遺障害など医療知識や、医師との面談のノウハウ等特殊な専門的知識が必要になることがあります。
一定数の交通事故事案の受任経験がない弁護士では、依頼主の希望どおりに保険会社との示談交渉を進めることは難しいのではないかと考えます。
報告の度に前と言っていることが変わったり、受任時に受けた方針説明と違う処理がおこなわれている場合には、弁護士を疑う必要があります。
案件によっては依頼者様からの情報提供が不足していた結果思わぬ方針変更を強いられることがありますが、そのような事情もなく、方針がころころと変わってしまうのであれば、弁護士の能力を疑う必要があるかもしれません。
依頼者の方の希望が裁判実務とかけ離れているのであれば、それは、あなたの希望が通らないこともやむを得ません。
しかしながら、例えば、主婦の休業損害が請求できるはずなのに、保険会社の言いなりになって主婦の休業損害を無視した解決に導こうとするというような、請求できるはずのものを何故か放棄して保険会社の言いなりで解決するというスタンスの弁護士であれば、少し慎重に検討する必要があります。
また、代表弁護士や受任時に対応してくれた弁護士は信頼できるものの、事案を担当する弁護士に不安や頼りなさを感じる場合にも、弁護士の交代を検討してみてよいのではないでしょうか。
弁護士の変更を検討するというよりも変更せざるを得ない状況です。
滅多にあることではないですが、依頼先の弁護士が業務停止状態になった場合はこれ以上の手続きは任せられないので、直ぐに新しい弁護士への依頼を検討しましょう。
既に支払ってしまった着手金に関しては、業務停止になった弁護士事務所が所属する弁護士会へ問い合わせをして対応するようにしてください。
さて、上記で弁護士の変更を考えてみてもよいのではないかといういくつかの事例を紹介しましたが、これはあくまでも、「検討してみてよいのではないか」という状況です。
しっかりとコミュニケーションをとって状況を整理すれば、何ら問題のない処理がおこなわれていたということも多々あります。
また「相談後即座に状況が改善された」という事例も多々あります。
むしろ、そうしたご指摘等をいただくことで弁護士のサービスはよりよいものへと成長します。
ただ、依頼している弁護士との間でどうしてもくすぶった不満が解決できない場合には、まず、セカンドオピニオンを取得してみてください。
一般的に事務所ごと弁護士を変更する流れは以下の通りです。
いきなり変更する前に他の事務所の弁護士へ、今の事務所を変更するべきかセカンドオピニオンを聞きましょう。
これにより、あなたが気になる弁護士の言動が一般的なものと気づけたり、反対に変更する決め手になったりすることもあります。
ただし、弁護士は、他の弁護士の仕事の内容に口出ししてはならないというルールがあります。
そこで、セカンドオピニオンの取得に際しては、不満に感じている状況を伝えたうえで「●●弁護士ならどのように処理しますか?」と尋ねてください。
より多くの弁護士の意見を聞きたい方は、無料相談を上手に利用しましょう。
また、この時点で変更後に依頼する弁護士を決めておくのがポイントです。
弁護士を変更する場合、弁護士費用特約等が利用できる場合には、その特約の内容によって、実質、依頼者様の負担0円で弁護士を変更できる場合があります。
しかし、弁護士費用特約であっても事案や契約内容によっては負担が生じる場合があります。
そこで、弁護士の変更を検討し始めた場合には、事前に弁護士費用特約の担当者の方に相談をするようにしてください。
変更することを保険会社に伝えそびれると弁護士費用特約を利用できなくなる可能性があります。
また、後任の弁護士にとっても弁護士費用特約が利用できるかどうかは、契約に際する重要な問題です。
必ずあらかじめ連絡しましょう。
また、弁護士費用特約が利用できない案件の場合、通常、着手金は2重にかかることになります。
10万円の増額交渉を目的に弁護士を変えたいけれど、そのために、15万円の負担がかかるのであれば全く意味がありません。
費用対効果を考慮したうえで、変更すると決めたら、必ず担当弁護士に契約を解約する旨を伝えましょう。
変更理由で迷う人もいますが、解約の伝え方に関しては、後任予定の弁護士に相談すれば、ベストな方法を教えてもらえるはずです。
あまり感情的に理由を伝えてしまうと、トラブルの元になりかねませんので、あくまで淡々と伝えましょう。
成功報酬型の事務所でも、途中で解約する場合、実可動に応じた一定の費用や実費を請求される場合があります。
必ず、きちんと精算をおこないましょう。
完全に契約を解消してから、新しい弁護士と契約をおこないます。
案件の引継ぎに関しては2通りあり、ひとつは弁護士間で引き継ぎをおこなう場合です。
もうひとつは、あなたが前の弁護士から資料を受け取り、後任に引継ぐケースです。
契約を打ち切った弁護士と顔を合わすのはお互いに気持ちいい話ではありませんので、できるだけ弁護士間で引き継ぎをしてもらうように相談してみてはいかがでしょうか。
ひとつの事務所に複数の弁護士がいる場合、事務所内での弁護士変更が簡単にできる場合もあります。
このメリットは、新しく事務所を探す必要がないことと、着手金を再度支払わないで済むケースがあることです(事務所によって異なります)。
この方法は、代表弁護士もしくは事務員に担当弁護士を変更してほしい旨を伝えます。
代表弁護士に対応してほしい場合は、そのことも伝えておきましょう。
話が通ったら、事務所内で弁護士が変更されます。
引継ぎも事務所内で行われますので、特別な手続きなどは必要ありません。
ただし、ひとつの事務所に複数の弁護士がいる場合でも、事務所によっては、案件の共有ができないシステムになっている場合があります。
その場合には、結局別の事務所で弁護士を探す必要があります。
また、特定の弁護士を希望してもその希望が通らない場合もあります。
弁護士を途中変更する際の注意点についても知っておきましょう。
契約内容にもよりますが、一般に、着手金は弁護士に依頼へ取り組んでもらうために支払う費用で、依頼結果の成功・失敗に関係なく必要になるもののため、途中で弁護士変更をしても返金されません。
契約だけしてまだ依頼に取りかかっていない状況だと着手金の一部が返済されるケースもあるようですが、基本的に弁護士が依頼に取りかかった状況では着手金は返ってこないものだと認識しておきましょう。
また、着手金無料の弁護士に依頼していても解約料金が設定されている場合もあり、弁護士の途中変更に費用が必要になるケースもあるのでご注意ください。
原則として、示談は一度でも成立してしまうと後から内容の変更ができません。
示談金を受け取った後に「やっぱり少ないから請求しなおしたい」というのは認められないのでご注意ください。
第六百九十五条 和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる。
引用元:民法第695条
弁護士の変更が間に合うタイミングは示談が成立する前です。
示談交渉が進んでいても示談書の調印が完了していない段階であれば変更は原則として可能です。
弁護士が報告する示談内容に納得できない場合は安易に示談に応じないようにしましょう。
弁護士に解約を申し出た際に料金や依頼進行で揉め事になった場合には各県の弁護士会に相談してください。
相談窓口でも解決しない場合には、紛議調停を利用しましょう。
紛議調停(ふんぎちょうてい)とは、弁護士と依頼主の間に弁護士会が入り問題解決の道を探ってくれる制度です。
弁護士が解約に応じてくれなかったり、依頼時に提示された解約金より多額の請求をされたりなど、解約時にトラブルが生じた場合は直ぐに、担当弁護士が加入している弁護士会に相談して下さい(全国の弁護士会・弁護士会連合会一覧)。
また、弁護士会は、解約時のトラブルだけでなく職務中の怠惰や態度についての相談も受け付けているので、解約の理由が弁護士の業務姿勢の人は一度相談してみましょう。
弁護士選びで失敗しないために、弁護士を選ぶ際のポイントを把握する必要があります。
ここでは、失敗しない弁護士選びのポイントを紹介します。
弁護士を選ぶ際に最も重視すべきポイントは弁護士の能力と経験です。
上記でも触れましたが、交通事故分野は法律知識だけでなく医療知識も求められるので、問題解決をした経験の有無が示談金に大きく影響します。
近年ではホームページ上に自分の得意分野や解決実績を紹介している弁護士が多いので、気になる弁護士がいる場合は事前に情報収集をしておくと依頼をするべきか判断をしやすくなるでしょう。
ただ、「保険会社から提示された慰謝料を増額しました!」というパターンの解決実績の場合には注意が必要です。
これは交通事故に携わったことのある弁護士であれば当然の結果です。
その点は注意してください。
また、ベンナビ交通事故のような交通事故を得意とする弁護士だけを紹介しているサービスや無料相談センターを活用して自分の状況に合った弁護士を紹介してもらう方法もおすすめです。
交通事故の案件では「逸失利益」や「後遺障害」など、難解な専門用語が多く登場します。
こうした難解な用語や知識をどれだけわかりやすく説明できるかというのは、弁護士の能力を図るうえでの重要なバロメーターになります。
また、交通事故の示談交渉を成功させるには依頼主の状況を弁護士が正しく理解する必要があります。
しかし、弁護士の説明が難しくて何を言っているのか理解できないという状況だと正確な意思疎通は難しいでしょう。
逆に依頼主に疑問点が残らないように分かりやすく説明してくれる弁護士は誠意があり能力が優れている可能性が高いので、契約をすれば心強い味方になってくれるはずです。
この見極めのためには、法律相談を利用してじっくりと話しを聞いてみるということが有効です。
法律相談の場は、相談者の方が弁護士をテストする場所でもあります。
遠慮せずに聞きたいことを聞いて、その質問にどれだけきちんとした回答ができるのかをしっかりと確かめてみてください。
弁護士は不正行為や業務姿勢に問題があると、懲戒処分による業務停止を受けるケースがあります。
そのような弁護士への依頼はトラブルが生じるリスクが高いので、基本的に避けるようにした方が無難であると言えるでしょう。
『弁護士懲戒処分検索センター』で弁護士の名前を検索すれば懲戒された弁護士か確認できるので、依頼を検討する場合は事前に調べておくことをおすすめします。
着手金の返金が受けられるかどうかや、弁護士を変更した場合の費用対効果は事案によってまちまちです。
しかし、原則として、示談が成立する前であれば依頼途中でも弁護士の変更は可能です。
ただ、後任の弁護士にとっても前任弁護士の不手際を是正することは大変困難です。
本記事の監修担当者である私も、セカンドオピニオンを求められ、そのまま後任弁護士として依頼を受けて活動することが多々ありました。
この時、前任弁護士の通院に関する指導等の活動に問題があり、結果的に十分な賠償金の回収に難航するという事案も複数経験しております。
もし、弁護士の変更を考えているのであれば、なるべく早い段階でセカンドオピニオンを取得してください。
依頼している弁護士に不満がある場合でも、示談成立前ならまだ挽回できる可能性は十分にあるので、この記事を参考にその後の対応を慎重に検討して頂ければ幸いです。