離婚後に苗字をそのまま使う方法!メリットとデメリットをそれぞれ3つずつ解説

離婚後に苗字をそのまま使う方法!メリットとデメリットをそれぞれ3つずつ解説

離婚後の苗字をそのままにするか、旧姓に戻すのかは、悩ましい問題です。

どちらの選択をするべきなのか、なかなか決められないという方もいるのではないでしょうか

苗字を変えないことには、メリットもあれば、デメリットもあります。

両方をきちんと理解したうえで、自分にとって最適な選択をしましょう。

本記事では、離婚後の苗字をどうするか悩んでいる方に向けて、以下の内容について説明します。

  • 離婚後に苗字をそのままにする方法
  • 離婚後に苗字をそのまま使うメリット
  • 離婚後に苗字をそのまま使うデメリット
  • 離婚後に苗字をそのままにした場合の子どもの姓と戸籍

本記事を確認して離婚後の手続きをスムーズに行えるようになりましょう。

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この記事を監修した弁護士
依田先生
依田 敏泰弁護士(池袋中央法律事務所)
弁護士30年以上。多くの離婚問題を解決に導いた実績を持ち、これまで培った経験から依頼者様に最適な解決策を提案できるよう尽力しています。

離婚後に苗字をそのままにする方法|手続きはタイミングにより異なる

まずは、離婚後に苗字をそのまま使い続けるための手続きについて解説します。

離婚後3ヵ月以内の場合|離婚の際に称していた氏を称する届を提出する

離婚後3ヵ月以内の場合は、役所に離婚の際に称していた氏を称する届を提出する必要があります。

離婚の際に称していた氏を称する届出書は、市区町村役場などで手に入れることができます。

届出書を手に入れたら、氏名、住所、本籍、離婚年月日などを記入して提出しましょう。

離婚時に苗字をそのまま使うと決めている場合は、離婚届と一緒に提出すると安心です。

なお、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄は、「新しい戸籍を作る」を選択しましょう。

離婚の際に称していた氏を称する届のサンプル

離婚の際に称していた氏を称する届
引用元:札幌市「離婚の際に称していた氏を称する届(戸籍法77条の2の届)」

離婚後3ヵ月経過後の場合|氏の変更許可の申立てをおこなう

離婚後3ヵ月経過後の場合は、家庭裁判所に対して氏の変更許可の申立てをする必要があります。

この氏の変更許可は、苗字を変更しないと社会生活に著しい支障を来たす場合でなければ認められません

もしこのような事情がある場合は、申立書や戸籍謄本などを準備し管轄の家庭裁判所に申立てをしましょう。

【参考】氏の変更許可 | 裁判所

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離婚後に苗字をそのままにするメリット3つ

ここでは、離婚後に元配偶者の苗字をそのまま使うメリットを3つ説明します。

1.名義変更の手続きをする必要がない

苗字を変えた場合、運転免許証、パスポート、健康保険証、公共料金などの氏名・名義を変更する必要があります。

しかし、離婚後もそのまま苗字を使い続ければ、これらの手続きは不要になります。

離婚後のこうした手間を省けるのは、苗字をそのままにするメリットです。

2.職場などで離婚したことが知られにくい

苗字を変更した場合、社員証、名刺、メールアドレスなどの氏名を変更する必要があるでしょう。

しかし、名義変更と同じで、離婚後もそのまま苗字を使い続ければ、これらの変更をする必要はありません

また、苗字がそのままなので、社内・社外の人たちに離婚したことが知られにくくなるメリットもあります。

なお、会社によっては戸籍上の苗字を変更しても、これまでどおりの苗字を使えるという場合もあるようです。

3.子どもにかかる負担や影響を軽減できる

離婚後の苗字を変更する場合、子どもの苗字も変更することが多いでしょう

しかし、苗字が変わることで、友達にからかわれたり、好奇の目で見られたりする可能性があります。

その結果、子どもがストレスを感じ、学校生活によくない影響が生じてしまうかもしれません。

離婚後もそのまま苗字を使い続ければ、こうした子どもへの負担や影響を軽減できるでしょう。

離婚後に苗字をそのままにするデメリット3つ

ここでは、離婚後に苗字をそのままにするデメリットを3つ説明します。

1.気持ちの切り替えがしにくくなる

署名をしたり、名前を呼ばれたりした際に、嫌でも元配偶者のことを思い出してしまうかもしれません

また、離婚した理由によっては、苗字を見るだけでも嫌悪感を抱く可能性だってあるでしょう。

苗字をそのままにすると、新しい気持ちで再スタートを切るのが難しくなるかもしれません

2.自分の両親などとは異なる苗字になってしまう

自分の両親と苗字が異なることで、寂しさを感じてしまうかもしれません

また、墓地によっては、苗字が同じでないと一緒のお墓に入れないと規定しているところもあります。

身内と苗字が異なるために疎外感や孤独感を覚えてしまうことは、苗字をそのままにするデメリットだといえます。

3.離婚後に再婚すると旧姓に戻ることができなくなる

離婚後の苗字として選べるのは、以下のいずれかです。

  • もとの戸籍で名乗っていた苗字
  • 婚姻時に名乗っていた苗字

たとえば、両親の苗字が「佐藤」、元配偶者が「鈴木」、再婚相手が「高橋」だとします。

この場合、鈴木を名乗っていた方が再婚相手の高橋さんと離婚した場合、離婚後に選べる苗字は鈴木か高橋かのどちらかになります。

両親と同じ苗字である佐藤に戻すことができなくなるので注意する必要があるでしょう。

離婚後の苗字をそのままにした場合の子どもの姓や戸籍はどうなる?

ここでは、離婚後の苗字をそのままにしたときの子どもの姓(苗字)や戸籍について確認しましょう。

1.子どもの姓(苗字)は変わらない

離婚後に苗字をそのままにする場合でも、旧姓に戻す場合でも、原則として子どもの苗字は変わりません

しかし、仮に親子の苗字が「佐藤」と同じだったとしても、法律上は別の氏として扱われることになります。

そのため、子どもの戸籍を移したい場合は、家庭裁判所で子の氏の変更許可の手続きをとる必要があります

【参考】子の氏の変更許可 | 裁判所

2.子どもの戸籍は原則筆頭者と同じになる|手続きをすれば変更することができる

離婚後の子どもの戸籍は、原則として筆頭者と同じになります。

たとえば、父親が筆頭者で母親が親権者の場合でも、父親の戸籍に在籍し続けることになるのです。

なお、家庭裁判所から子の氏の変更許可を得て、役所に入籍届を提出すれば、子どもの戸籍を移せます

子どもの姓や戸籍についてより詳しく知りたい場合は、以下のページを確認してみましょう。

【関連記事】離婚したら子どもの戸籍はどうなる?そのままにするデメリットはある?

さいごに | 離婚後の苗字をどうすべきかは自分の環境にあわせて考えよう

離婚後の苗字をそのままにするべきか、旧姓に戻すべきかは、悩ましい問題です。

メリットとデメリットをそれぞれよく確認し、自分に合うベストな選択を取れるようにしましょう。

また、婚姻時の姓を名乗る場合は「3ヵ月以内」という期限があるため、早めに手続きをおこないましょう。

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この記事の調査・編集者
アシロ編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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