婚姻費用
婚姻費用の請求は弁護士に相談すれば安心!適切な請求の全て
2024.04.16
離婚するにあたって、まずは別居を考えている方もいるでしょう。
しかし生活費が別途かかることになるので、配偶者には婚姻費用をしっかり払ってもらいたいですよね。
婚姻費用を請求するなら、弁護士へ相談しましょう。
本記事では、婚姻費用について弁護士に相談するメリットや、弁護士費用の目安などを解説します。
ご自身が損をしないためにも弁護士に相談して、適正な金額の婚姻費用を請求しましょう。
婚姻費用の請求手続は、弁護士への依頼がおすすめです。
婚姻費用の請求自体は、ご自身でも対応可能です。
しかし、別居に至る仲の夫婦が、当事者同士でスムーズに話し合えるとは限りません
話し合いでまとまらなければ調停や審判に移行することも考えられますが、書類を整えたり期日に出廷したりと、ご自身で全て対応するのは負担が大きいといえるでしょう。
弁護士に依頼すれば、配偶者との交渉や調停手続などを全て代理で対応してくれます。
また、適正な婚姻費用額を算定してくれるので、ご自身が損をしない請求ができるでしょう。
では、どのような場合に弁護士に依頼したらよいのでしょうか。
ここからは、婚姻費用の請求手続を弁護士に依頼したほうがよい4つのケースについて、解説します。
相手が弁護士に依頼している場合は、こちらも弁護士をつけたほうがよいでしょう。
弁護士は、交渉や調停などの手続きに慣れています。
法律の知識も豊富なので、丸腰で挑んでも言い負かされてしまうでしょう。
上手く反論できず、不利な条件で話し合いがまとまってしまう可能性もあります。
相手の弁護士と対等に交渉を進めたいのであれば、こちらも弁護士に依頼するべきです。
相手からDVなどを受けている場合は、弁護士へ依頼したほうがよいでしょう。
婚姻費用を請求することで相手が激高し、暴力やモラハラが悪化するかもしれません。
まともに話し合いができず、身の危険もあります。まずは安全な場所に避難をして、早急に弁護士に依頼しましょう。
弁護士に依頼すれば、相手と直接話すことなく婚姻費用の請求手続を進められます。
精神的なストレスも大幅に減らせるはずです。
相手が話し合いに応じてくれない場合も、弁護士に依頼したほうがよいでしょう。
相手が婚姻費用の支払いを拒否している場合、こちらが話しを持ちかけても逃げられる可能性があります。
話し合いの場に弁護士が出てくれば、相手に本気度を伝えられるはずです。
弁護士から連絡がいくことでもう逃げられないと思い、話し合いに応じてくれるかもしれません。
婚姻費用に関する話し合いが進まないとヤキモキしているなら、早めに弁護士へ依頼しましょう。
忙しくて交渉に応じられない場合は、弁護士に依頼しましょう。
婚姻費用などに関する話し合いは、しっかり時間をとって進める必要があります。
しかし、忙しいと十分な時間をとることができず、交渉がいつまでもまとまらないかもしれません。
弁護士に依頼すれば、ご自身の意思を代わりに相手に伝えてくれます。
交渉の場に立ち会う必要もないため、忙しい方には特におすすめです。
婚姻費用分担請求の手続きを弁護士に依頼したら、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここからは、婚姻費用分担請求手続を弁護士に依頼するメリットを5つ、紹介します。
婚姻費用分担請求を弁護士に依頼するメリット1つ目は、婚姻費用の金額を適切に算定できることです。
婚姻費用は、お互いの収入や子どもの年齢などを加味して算定されます。
子どもが私立の学校に通っている、持病を抱えているなど、各家庭の事情によって金額が増減するため計算方法は複雑です。
家庭裁判所が作成した婚姻費用算定表でおおよその金額を把握することはもできますが、必ずしも算定表通りの金額が適切とは限りません。
弁護士に依頼すれば、家庭の事情に応じた適正な婚姻費用の金額を算定してくれます。
想定よりも高額の婚姻費用を請求できるかもしれません。適切な婚姻費用を算定して請求したいなら、弁護士へ依頼しましょう。
婚姻費用分担請求を弁護士に依頼するメリット2つ目は、迅速に合意に至れる可能性が高いことです。
当事者同士で話し合いをしてもお互いに感情的になり、なかなか決着がつかないかもしれません。
弁護士に依頼すれば感情的になることなく、冷静に相手と交渉を進めてくれます。
迅速に合意できる可能性が高まるといえるでしょう。
また、相手に弁護士がついていない場合は、ご自身が依頼した弁護士が交渉の主導権を握るはずです。
法的な根拠を示しながら、有利にかつスムーズに交渉を進めてくれるでしょう。
婚姻費用分担請求を弁護士に依頼するメリット3つ目は、配偶者と直接やりとりをする必要がないことです。
揉めている配偶者と話し合うことは、ストレスも大きいでしょう。
本人を目の前にすると萎縮してしまい、言いたいことを上手く伝えられないかもしれません。
弁護士に依頼すれば代理で交渉を進めてくれるので、配偶者と直接やりとりをすることなく解決できます。
法律トラブルに直面すると過度なストレスから心身に支障をきたすケースも多いので、精神的な負担を軽減できることは大きなメリットといえるでしょう。
婚姻費用分担請求を弁護士に依頼するメリット4つ目は、調停などの手続きも任せられることです。
当事者間での話し合いがまとまらなければ、婚姻費用調停を申し立てる必要があります。
弁護士に依頼しておけば書類の作成や裁判所とのやりとりなどすべてを対応してもらえるので、負担を減らせるでしょう。
また、調停委員に対して、請求額が妥当であることを法的に、論理的に説明してくれるので、希望通りの婚姻費用を獲得できる可能性も高くなります。
調停でも解決できなかった場合は審判に移行することになりますが、請求段階から弁護士に依頼していれば、事情をよく理解したうえで最善の対応をとってもらえるはずです。
婚姻費用分担請求を弁護士に依頼するメリット5つ目は、婚姻費用の未払いを予防できることです。
弁護士であれば、婚姻費用に関する合意内容を法的に有効な書類にまとめてくれます。
未払いがあった場合にも、合意内容を記載した書類をもとに調停や訴訟を有利に進められるはずです。
また、弁護士が味方についていることを知らせておくだけでも、心理的なプレッシャーを与えられます。
別居に至った夫婦の信頼関係は崩れているケースがほとんどなので、婚姻費用に関して合意に至ったとしても、相手方が支払い続けてくれるとは限りません。
未払いを見越して対策を講じておくことは、必要不可欠といえるでしょう。
婚姻費用分担請求を実際に弁護士に依頼したら、どのような流れで手続きが進むのか知っておきたいですよね。
ここからは、婚姻費用分担請求を弁護士に相談・依頼してからの大まかな流れを解説します。
まずは、婚姻費用の請求が得意な弁護士を探しましょう。
弁護士を探す方法はさまざまですが、おすすめは「ベンナビ離婚」です。
「ベンナビ離婚」とは、離婚問題を得意とする弁護士が多数登録されているポータルサイトのことで、居住地や相談内容を絞って弁護士を探せます。
「ベンナビ離婚」には、離婚問題の解決実績が豊富な弁護士のみが掲載されているので、インターネットで一から弁護士を探すよりも効率がいいといえるでしょう。
また、無料相談の可否も絞り込みの条件で設定できるので、費用が気になる方にもおすすめです。
相談したい弁護士が見つかったら、面談の予約をして相談に行きましょう。
飛び込みで事務所を訪れても、対応してもらえないことが多いので注意してください。
弁護士に相談する際は今の状況を簡潔に説明できるよう、結婚から今に至るまでの経緯を時系列にまとめたメモなどを事前に準備しておくと安心です。
また、お互いの収入や生活状況がわかる資料があれば、持参しましょう。
わかる範囲で弁護士が婚姻費用を算定してくれます。
弁護士への依頼が決まれば、委任契約を締結して配偶者に婚姻費用を請求してもらいましょう。
まず、月々いくらの婚姻費用を払って欲しいという内容の通知書を弁護士から相手方へ郵送します。
内容証明郵便で送付するケースが一般的です。
通知書を送り、婚姻費用請求の意思が相手方に到達した時点が、婚姻費用支払義務の始期となると考えられているので、もし相手が支払いに応じなくても、調停や審判に移行した場合、この請求時からの支払いとなります。
相手方と弁護士で話し合いがまとまれば、合意書などを作成します。
口約束だけでは「言った」「言ってない」のトラブルが生じるリスクがあるため、必ず合意内容をまとめた書類を作成しましょう。
弁護士に依頼しておけば、法的に適切な合意書を作成してくれるでしょう。
合意書には、以下のような内容を記載します。
子どもの病気や進学など、イレギュラーな出費が発生するときの取り決めも合意書に記載しておくと安心です。
話し合いがまとまらなければ、裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てましょう。
申立先は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所または当事者間で合意した家庭裁判所です。
申立書や収入関係の資料などを用意して、裁判所へ提出します。
かかる費用は収入印紙1,200円分と、申立書などを相手方に郵送する郵便切手代です。
郵便切手代は、申立先の裁判所によって異なりますが大体1,000円くらいです。
調停の申立てには煩雑な手続きがともないますが、弁護士に依頼しておけば、書面の作成をはじめ全て代理で対応してくれます。
慣れない調停手続は、弁護士に任せた方が手間もなくスムーズです。
いざ弁護士に依頼したいと思っても、実際にどの程度の弁護士費用がかかるのか気になりますよね。
ここからは、婚姻費用分担請求を弁護士に依頼した場合の費用相場を解説します。
費用項目 | 費用相場 |
相談料 | 30分5,500円程度 |
着手金 | 20万円~50万円程度 |
報酬金 | 20万円~50万円程度 |
日当 | 3万円~5万円程度 |
実費 | 事案によって異なる |
弁護士への相談には、相談料がかかります。
相場は30分5,500円程度です。
法律事務所によっては初回無料相談も実施しています。
着手金は、弁護士が事件に着手する際にかかる費用のことです。
実際は婚姻費用だけでなく、離婚問題もまとめて弁護士に依頼するケースも多いでしょう。
その場合、20万円~50万円程度の着手金がかかります。
報酬金は、事件が解決したときに支払う費用のことです。
こちらも着手金と同様、20万円~50万円程度かかるでしょう。
事務所によっては、定額ではなく、獲得した金額の10%程度を報酬金として設定しているケースもあります。
また、弁護士が裁判に出廷した場合などには、拘束時間に応じた日当も発生します。
1日当たり3万円~5万円が目安です。
実費は交通費や書面の郵送代などのことで、かかる金額は事案によって異なります。
弁護士に相談する前に、婚姻費用にまつわる基本的な知識を知っておくと相談がスムーズです。
ここからは、事前に知っておきたい婚姻費用の基礎知識を解説します。
婚姻費用とは、夫婦が生活するのに必要なお金のことです。
たとえ別居していたとしても、夫婦である以上はお互いを支え合う義務があります。
お互いの生活を維持するために、収入が高い方が低い方へ支払われる生活費を、婚姻費用といいます。
なお、婚姻費用の支払義務は相手に請求してはじめて発生するため、過去に遡って請求することはできません。
別居を始める場合は、速やかに請求を済ませることが重要です。
婚姻費用は、全てのケースで請求できるとは限りません。
婚姻費用の請求が認められないケースには、以下のようなものがあります。
婚姻費用は、夫婦だからこそ発生するものです。
離婚したら夫婦ではなくなるため、原則として婚姻費用の請求はできません。
また、上述のとおり、収入が高い方から低い方へと支払われるのが婚姻費用です。
配偶者より収入が高ければ請求は認められず、逆に配偶者に婚姻費用を支払うことにもなりかねません。
また、請求する側に不貞などの別居原因がある場合も、婚姻費用の請求が信義則に反するものとみなされ、認められない可能性は高いといえます。
婚姻費用は、一般的に家庭裁判所が作成した「婚姻費用算定表」を使用して計算されます。
「婚姻費用算定表」とは、夫婦の年収や子どもの年齢、人数などから標準な生活費を算出した表のことです。
インターネット上で公開されている資料なので、夫婦間で話し合う際にも活用できるでしょう。
調停・審判に発展した場合も、裁判所は「婚姻費用算定表」をもとに婚姻費用を算出します。
ただし、必ずしも算定表に従って婚姻費用を算出する必要はありません。
各家庭の状況によっては、算定表の金額を採用することが適切ではない場合もあるでしょう。
算定表は、あくまでも目安のひとつとして活用することをおすすめします。
婚姻費用は、別居中の生活を支える大切なお金です。
適正金額を相手に請求するためにも、困ったら弁護士に相談しましょう。
弁護士に依頼すれば、以下のようなメリットがあります。
婚姻費用の請求を弁護士に依頼する場合、着手金や報酬金を合わせる数十万円以上のまとまった費用が必要になります。
高額な出費となるので、依頼を迷う方もいるかもしれません。
しかし、婚姻費用をはじめとした離婚問題には、多くの法的問題が複雑に絡むこともあります。
自己流で対応してしまうと、思いがけず損をしてしまうこともあるでしょう。
弁護士は手続きにも慣れており、法律の専門家でもあります。
ご自身に有利な結果を得るためにも、婚姻費用の問題は、早めに弁護士に相談しましょう。