お金を返してもらう方法と損をしないために知っておくべきこと

お金を返してもらう方法と損をしないために知っておくべきこと

職場の同僚や友人などにお金を貸したけれど、「いつまでたってもお金を返してくれない」と困ってしまうこともあるでしょう。

そのような場合は、電話やメールなどで催促する以外にも、内容証明郵便を送る、弁護士に依頼する、法的手続きに移行する、といった対策が有効です。

この記事では、そんなお金を返してもらう方法について詳しく解説します。

ご自身の目的や状況に合った催促方法・請求方法を探すのに役立ててください。

ただ、こちらを読んで厄介だなと感じた方は、そもそもお金を貸すこと自体おすすめはしません。

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この記事を監修した弁護士
六甲法律事務所
松田 昌明弁護士(六甲法律事務所)
相続・労務・不動産・交通事故など、さまざまな分野に取り組む。納得のいく解決はもちろん、迅速で丁寧な説明と心強いサポートにも定評あり。

損をしないために|お金を返してもらいたいときに知っておきたいこと

お金を貸した方が損をしないために、お金の貸し借りに関する基本ルールを確認しましょう。

借用書がなくてもお金は返してもらえる

借用書がない金銭の貸し借りの場合でも、貸した相手から返済してもらうことは法的には可能です。

民法によると、(書面によらない)金銭消費貸借契約の成立要件は「当事者間で金銭の貸し借りに合意していること」と「実際に金銭を受け取っていること」となっており、借用書に関する要件は規定されていません。

そのため、借用書がなくても契約は有効となり、お金を返すよう要求できます。

(消費貸借)

第五百八十七条 消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

借用書以外でお金貸した証拠になるもの

借用書がなくても契約としては有効ですが、相手がお金を返すつもりで借りていたことの証明が必要です。

以下のようなものは「お金の貸し借りの証拠」として認められる可能性があります。

  • メールやLINEなどのやり取り
  • 振込明細書や振込履歴など
  • 会話を録音したデータ

借用書がなくても、メールやLINEで金銭の貸し借りに関するやり取りなどが残っている場合は、相手にお金を貸した証拠になります。

また、振込明細書や預金通帳などでお金の貸し借りをしている事実がわかる場合も証拠になるでしょう。

もし借用書を作っていないのであれば、メッセージや振込履歴などが残っていないかを確認してみましょう。

しかしただ単にお金を渡した証拠しかなければ、相手にもらったもの(贈与)であると主張される可能性があります。

相手にお金を返すよう請求したければ、自分がお金を貸しただけであることの証拠を確保しましょう。

貸したお金の請求には時効がある

個人間でのお金の貸し借りにも時効は存在します。

民法によると、債権に関する時効は「権利を行使できることを知ったときから5年間」「権利を行使できるときから10年間」と規定されています。

たとえば、2022年3月1日に返済期限を2022年3月31日としてお金を貸した場合は、初日不算入のため2022年4月1日から時効が進行し、2027年4月1日に時効が成立するのです。

ただし、民法改正前の2020年3月31日以前にお金を貸していた場合は「時効期間は10年間」となっています。

(債権等の消滅時効)

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

二権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

時効を延長させるためにとれる手段

時効が迫っているときは、時効の成立を先送りにできる「時効の完成猶予」を利用しましょう。

時効の完成猶予となる事由はいくつかあり、内容証明郵便で催告をした場合や返済を求めて裁判を起こした場合には時効の成立を6ヶ月だけ先送りすることができます。

裁判によって権利が確定すると、「時効の更新」といい、時効が新たに再開します。

(催告による時効の完成猶予)

第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

第百四十七条 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から六箇月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。

一裁判上の請求

二支払督促

三民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停

四破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加

引用元:民法 | e-Gov法令検索

自分からお金を返してもらうためにやるべき催促方法

返済してくれない相手に直接催促するなら、以下のような方法があります。

  • 電話やメールで催促する
  • 内容証明郵便を送る

それぞれについて詳しく確認しましょう。

電話やメールで返済を促す

最も手軽な催促方法が電話、メール、LINEなどで返済を促すというものです。

相手と連絡が取れたら、返済が遅れていることや返済して欲しいことを伝えます。

もしその場で返済方法や返済時期などがまとまったら、それを書面に残しておきましょう。

また、メールやLINEの場合はそのやり取りをスクリーンショットして保存しておくのがおすすめです。

特に、あとで「お金は借りたものではなく、もらったものだ」と主張されないように、貸したお金であることを認めさせるやりとりを残しておきましょう。

内容証明郵便を送る

内容証明郵便とは「いつ、誰から誰宛てに、どんな内容の文書が差し出されたか」を公的に証明してくれる日本郵便のサービスです。

一般的な手紙と異なり、書面の体裁が整っており、「法的措置を検討している」といった文言も書かれることが多いため、相手方に精神的なプレッシャーをかけることが可能です。

また、「催告」として時効の成立を6ヵ月間先送りできる効力もあるため、裁判に移行する際にも役立ちます。

利用するには、郵便の基本料金+一般書留料+内容証明料がかかり、1通あたり最低959円~となっています。

なお、内容証明の加算料金は1枚目が440円、2枚目以降は260円です。

【参考記事】日本郵便「内容証明」

相手にお金がない場合の対処法

相手に催促しても、返済するだけのお金を持っていない場合もあるでしょう。

そのようなときは分割払いや返済期間の延長に応じたり、差し押さえできる財産の有無を調べたりするのがおすすめです。

分割払いや返済期間を延ばすことを認める

相手が仕事をしており今後も収入が見込めるなら、分割払いや返済期間の延長などで対応すると良いでしょう。

その際、できる限り返済金額・返済方法・返済期限などをまとめた債務承認弁済契約書を作成してください。

また、契約書に遅延金や一括返済に関する項目も含めておけば、万が一の場合に備えることも可能です。

相手の資産を確認する

相手の手元にお金がない場合でも、土地や不動産などの不動産や、自動車や美術品などの動産を所有している可能性があります。

これらの財産は、強制執行の申し立てをすることで差し押さえできる場合があります。

事前に法務局に行って不動産の登記状況を確認したり、自動車の有無を把握したりすると良いでしょう。

返済をしない相手に対してやってはいけないこと

「相手がお金を返してくれないから」といって、脅して返済を強要したり、周りに言いふらしたりするのは絶対にやめましょう。

脅迫罪や名誉毀損罪などが成立してまう可能性があり、最悪の場合には、警察に逮捕されてしまう可能性があるのです。

また警察が動かない場合でも民事上の損害賠償を相手に請求される可能性もあります。

以下で、お金の返済を迫る際に、相手に対してやってはいけないことを解説していきます。

脅して無理やり返金を要求する

返済してくれない相手を怒鳴りつけたり、殴るそぶりを見せたりすると脅迫罪が成立する可能性があるのです。

刑法第222条によると、脅迫罪が成立した場合は「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」に処されます。

相手が返済を渋ったり、態度が悪かったりする場合でも、できる限り冷静な対応を心がけるようにしましょう。

お金を返してくれないことを周りに言いふらす

相手の家の近所や職場、SNSやネット上で「○○さんはお金を返してくれない」などと言いふらすと、名誉毀損罪やプライバシー侵害に該当する可能性があります。

刑法第230条によると、名誉毀損罪が成立した場合は「3年以下の懲役もしくは禁錮、または50万円以下の罰金」に処されます。

相手に対して不満ががあっても、周りに言いふらしたりはしないようにしましょう。

自分から何も行動を起こさない

返済してくれない相手を信じて、何もせずに待ち続けるのもやってはいけない行為です。

時効が完成してしまうと、その後は完全に返済を請求できなくなります。

電話やメールで返済を促したり、内容証明郵便を送ったりするなど、裁判外でも返済を促すためにできることはたくさんあります。

どうしても相手が返済してくれないなら、弁護士に依頼するというのもひとつの方法です。

貸したお金をきちんと返済してもらうために何かしらの行動を起こすようにしましょう。

実際、借りた側も催促が「うるさい」貸主から優先して返済しようとするものです。

催促してもお金を返してもらえないときの対応

直接催促しても返済に応じてくれない場合は、以下のような裁判手続きに移行する必要があるでしょう。

裁判手続き

裁判手続きの特徴

民事調停

  • 裁判官と調停委員が仲介役となり、話し合いによって紛争を解決する手続き
  • 調停が成立した場合は、裁判と同一の法的効力を有することになる

支払い督促

  • 簡易裁判所の書記官に申し立てて、裁判所から支払いの督促をしてもらう手続き
  • 最終的に、強制執行に必要になる「執行宣言付き支払い督促」を取得できる

少額訴訟

  • 60万円以下の金銭を請求する場合に、簡易裁判所に申し立てておこなう手続き
  • 通常の訴訟と異なり、1回の審理で終わるため迅速な解決が期待できる

民事訴訟

  • 裁判を通じて個人間の紛争を解決するための手続き
  • 民事調停などが不成立になった場合に最終的な手段として利用する

民事調停

話し合いで解決を目指す場合は、相手方の住所を管轄する簡易裁判所に対して「民事調停」の申し立てをおこないましょう。

民事調停では、裁判官や調停委員を通じて借主と話し合いをし、合意を目指すことになります。

なお、話し合うといっても直接顔を合わせることはありません。

当事者が実際に話すのは裁判官や調停委員となります。

折り合いが合わなくて不成立になる場合もありますが、短期間で円満解決を目指せる可能性がある裁判手続きとなっています。

民事調停について、より理解を深めたいと思う方は、下記記事をご参考ください

【関連記事】

債権回収における民事調停の有効性と利用方法のまとめ

支払い督促

裁判所から支払い督促を出して欲しい場合は、相手方の住所を管轄する簡易裁判所の書記官に「支払い督促」の申し立てをおこないましょう。

借主が異議申し立てする可能性もありますが、2週間異議がなければ仮執行宣言の付与を得られます。

また、この付与をもって「仮執行宣言」の申し立てをおこない、2週間異議がなければ債務名義の一種である「執行宣言付き支払い督促」を取得できます。

これにより、財産差し押さえなどの強制執行に移行が可能です。

支払い督促についてより詳しく知りたい方は、下記記事を参照してください

少額訴訟

60万円以下の金銭を請求する場合は、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所に「少額訴訟」の申し立てをおこないましょう。

少額訴訟は通常の民事訴訟と異なり、1回の審理で判決が出るのが特徴です。

そのため、迅速な紛争解決を目指すことが可能です。

少額訴訟で作成された和解調書に基づき強制執行に移行することもできます。

【関連記事】

少額訴訟とは?手続きの流れや債権回収費用をわかりやすく解説

民事訴訟

そのほかの法的手続きで解決できない場合は、相手方の住所地を管轄する裁判所に「民事訴訟」の申し立てをおこないましょう。

正式な裁判であり、勝利するためには入念な準備が必要になります。

また、代理人となる弁護士を付けて裁判に臨むのが一般的です。

借主が最後まで争う場合は「判決」をもって決着が付くことになるでしょう。

お金を返してもらえないときは弁護士に依頼すべき|依頼するメリット

お金を返してもらうために貸主自身が対応することも可能ですが、回収が難しい場合は弁護士に依頼するのもひとつの方法です。

ここでは、お金を返してもらうために弁護士を活用するメリットについて紹介します。

回収可能性が高くなる

弁護士に依頼した場合は、まず弁護士から借主へ電話で相談したり、内容証明郵便を送付したりするのが一般的です。

借主にもよりますが、弁護士からの連絡だけでも支払いに応じるというケースは少なくないようです。

「話を聞いてくれない」「無視されて困っている」などの場合は弁護士に依頼してみましょう。

訴訟などの専門的な法的手続きを一任できる

弁護士からの連絡でも解決できない場合は、民事調停、支払い督促、少額訴訟、民事訴訟などの法的手続きを検討する必要があります。

弁護士に依頼しておけば、これらの法的手続きを一任することが可能です。

裁判に負けてしまうとお金を全く回収できなくなるリスクがあるため、弁護士に依頼してできる限り成功確率を上げるのが重要です。

精神的・時間的な負担を軽減できる

借主に対して何度も返済を求めたり、顔を合わせたりするのは精神的に負担がかかります。

また、そのために時間を割くのも負担になるでしょう。

弁護士に依頼すれば相手との交渉を一任できるため、これらの精神的・時間的な負担を軽減することが可能です。

精神的につらい状況にある方は、一度弁護士に依頼してみると良いでしょう。

まとめ|お金を返してもらうためには弁護士にご依頼を

お金を返してもらう方法には大きく「直接催促する方法」と「法的手続きによる方法」があります。

それぞれの方法によって特徴や手順は異なりますが、ひとりで対応すると精神的・時間的に大きな負担になるかもしれません。

電話や内容証明郵便で催促しても無視されてしまう場合は、一度、弁護士に依頼してみてください。

お金を回収できるよう、あなたに代わって適切な対応をしてくれるでしょう。

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この記事の調査・編集者
みーさん
2017年にライターとしてアシロに入社し、主に交通事故とIT分野の執筆に携わる。2019年によりIT媒体の専任ディレクターになり、コンテンツの執筆・管理などを行っている。