詐欺事件
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2023.11.17
「詐欺で逮捕されたらどのような罪に問われるのか」「そもそも初犯でも逮捕されるのか」など、詐欺罪のことをよく知らないという方は多いかもしれません。たとえ初犯であろうと、犯罪を犯した事実に変わりはないため、逮捕されて刑事手続きが進められることになります。
ただし場合によっては、初犯であることや犯行の態様などが考慮されて、不起訴になったり、執行猶予がついたりする可能性もあります。
もっとも、逮捕されたときには弁護士に依頼してサポートを得ることが重要です。
そこで本記事では、詐欺罪の初犯でも実刑になるのかどうか、初犯の量刑相場、逮捕後の流れや弁護士に依頼するメリットなどを解説します。
ベンナビ刑事事件では、刑事事件を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
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早速、詐欺罪の初犯が実刑になるか確認しましょう。
ただし、正確に把握するためには、詐欺罪について正確に理解しなければなりません。
そこでまずは、詐欺罪の刑法上の規定や成立要件について紹介し、最後に初犯が実刑になるのかを解説します。
詐欺罪は刑法第246条で次のように規定されています。
第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
引用:刑法第246条
1項と2項に分かれていて、1項は金品などを受け取った場合、2項は債権や労務、サービスを受けた場合についての規定と考えてください。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役です。
なお、「財物」とは、有体物に限られており、電気や熱気などのエネルギーのような無体物は含まないとされています。ただし、メーターで測定するなどして物理的に管理可能であれば、無体物でも財物に含まれます。
また、「人を欺いて」とは、人をだまして誤解や勘違いさせる行為のことです。意図的にだますことが成立要件で、だます意図がなかった場合は詐欺罪が成立しない可能性があります。
詐欺罪が成立するのは、以下4つの構成要件を満たしている場合のみです。
上記4つの要件すべてが満たされると、詐欺罪が成立します。
例えば、騙される前に被害者が詐欺に気付き、加害者が金員等を受け取ることなく未遂で済んだ場合には詐欺罪は成立しません。
ただし、その場合は詐欺未遂罪が成立します(刑法第250条)。
初犯といっても、詐欺罪の場合は被害額などによって罪の重さが大きく異なります。
そのため、一概に量刑の相場を明言できるものではありません。
前段で解説したとおり、詐欺罪は刑法で10年以下の懲役に処するとされています(刑法第246条)。
これは、詐欺罪で起訴され有罪判決が下されると、罰金刑が科されることはなく、執行猶予がつかない限り刑務所に収監されるということを意味します。
法務省が公表している2020年犯罪白書の統計では、2019年の詐欺罪の起訴率は57%です(令和2年版 犯罪白書)。
詐欺罪で逮捕されてしまうと、約半数は起訴され、有罪となってしまう可能性があるということです。
執行猶予とは、被告の犯情を考慮して、判決が確定した刑事罰の執行を一定期間猶予する制度です。一定の期間(執行猶予期間)に新たな刑事事件を起こさなければ、刑事処分を受けることはありません。
執行猶予がつく可能性のあるケースとしては、「被害者との示談が成立している」「反省し、所属していた詐欺グループについて全て正直に供述している」「詐欺未遂罪にとどまっている」などが挙げられます。
詐欺罪では、初犯であれば、執行猶予が付く可能性があります。ただし、執行猶予を受けるには、逮捕直後からの弁護士のサポートが必要不可欠です。
特に重要なのが、上記で説明した「被害者との示談が成立しているかどうか」です。ただ、被害者との示談は、通常、弁護士を通しておこないます。適正な示談金の決定、示談書の締結、被害届の取り下げの依頼などは、弁護士でないとスムーズに対処できないからです。
そこで、詐欺の初犯で逮捕された、もしくは逮捕されそうという人は、弁護士への相談をおすすめします。ベンナビ刑事事件は、詐欺罪をはじめとした刑事事件に注力している弁護士を探せるサイトです。
初回相談無料・土日対応可の事務所も掲載しています。相談したからといって必ず依頼する必要もありません。まずは相談して、今後の見通しを確認するところから始めましょう。
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万が一、詐欺罪で逮捕・起訴されて有罪になってしまった場合、さまざまリスクが想定されます。
逮捕されれば身柄を拘束されるため、仕事に行くことができませんので、職を失ってしまう可能性があります。
また、ニュースで実名を報道された場合には、今後の社会復帰が難しくなるかもしれません。
余罪とは、逮捕状に書かれた犯罪以外におこなった犯罪事実のことです。
詐欺罪で逮捕され、起訴されるまでの捜査で他にも詐欺や詐欺以外の罪を犯していたことが発覚した場合、勾留期間が長くなったり起訴されたりする確率は高くなります。
また、起訴後の裁判では、余罪によって量刑が重くなることもあるのです。
例えば、オレオレ詐欺で金品等を受け取りにいく「受け子」を担当するなど、未成年者でも詐欺事件に関わるケースもあります。
未成年が詐欺をおこなった場合、逮捕されて刑事裁判で有罪となれば、成人と同じように10年以下の懲役が科せられます。
なお、14歳未満の未成年者であれば、刑法上の犯罪になることはなく、保護処分の対象となります(刑法第41条)。
また、14歳以上の未成年者の場合は、少年審判を受けることになります。
少年法の規定により、家庭裁判所が少年の非行事実の存否、保護処分を行うことの可否・要否を確定し、行うべき保護処分を定める手続。
審判は懇切を旨として和やかに行うとともに、非行のある少年に対し自己の非行について内省を促すものとしなければならず、非公開とされるが(二二)、平成二〇年の同法改正により、少年に係る一定の重大事件の被害者等は、一定の要件の下、家族裁判所の許可により、審判を傍聴できることとなった(二二の四)。
14歳以上の未成年者の場合、逮捕・勾留された後、家庭裁判所に送致されて審判手続きが始まります。
手続きでは、試験観察や家庭裁判所調査官による調査、裁判官による審判が行われます。
期間は4週間~8週間程度かかり、その間は少年鑑別所に入所させられ、身柄が拘束されることになります。
ただし、事件の大きさによっては、たとえ未成年でも刑事裁判を受ける可能性はゼロではありません。
「初犯であれば執行猶予がつくのではないか」「不起訴となるのではないか」と考える方もいるかもしれません。
もちろん、検察官・裁判官は初犯であることも考慮して判断を下しますが、それだけで決まるものではありません。
詐欺罪は事件の大小の差が大きいため、例えば被害額が大きい場合・組織的におこなわれていた場合・手口が悪質な場合などでは、初犯でも執行猶予・不起訴にならないこともあります。
すでにお伝えしたとおり、詐欺罪で逮捕もしくは逮捕される可能性がある場合には、早急に弁護士へ依頼してください。早期からの弁護活動で、刑事事件化を防ぐことも見込めますし、逮捕されても早期釈放も目指せます。
不起訴も期待できるほか、起訴されても執行猶予判決や減刑も期待できます。
刑事事件ナビでは、刑事事件に注力している弁護士のみを掲載しています。詐欺罪で逮捕されそう・逮捕された人は早急に依頼しましょう。
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もし詐欺罪で逮捕されてしまった場合には、まず警察署に連行され取調べを受けることになります。
取調べを受けた後は留置場で勾留され、48時間以内に事件が検察官に引き継がれます(送致)。
検察官に事件が送致された後は、引き続き身柄拘束の必要があるかどうか判断され、必要と判断されれば送致後24時間以内に裁判官へ勾留請求されます。
裁判官が勾留請求を認めれば、身体拘束が続くことになります。
法務省が公表している2020年犯罪白書では、詐欺罪の勾留請求率は98.9%と高く、そのうち99%以上の請求が認められています(令和2年版 犯罪白書)。
勾留されてしまうと、原則10日間は身柄が拘束され、検察が必要と判断すればさらに10日間延長されることもあります。
逮捕後は最長23日間身柄が拘束され、勾留期間中に検察官は起訴するか不起訴とするか捜査をして判断します。
起訴されると刑事裁判が開かれて有罪・無罪が判断され、不起訴となれば身柄が解放されて前科もつきません。
このように、詐欺罪で逮捕されてしまうと、長い間身体が拘束されてしまいます。
そうならないためには、少しでも早く、法律の専門家である弁護士に相談するのが最適です。
逮捕されてしまうと、72時間は家族でさえ会うことができません。
唯一、面会できるのは弁護士だけです。
特に、刑事事件に注力する弁護士に依頼すれば、示談交渉などのさまざまな解決方法についてアドバイスがもらえます。
初犯であっても、逮捕されて実刑判決が下る可能性は大いにあります。
どのような場合に弁護士へ相談するべきなのか、知っておきましょう。
逮捕前・逮捕後にかかわらず、被害者との示談交渉は重要なポイントとなります。
示談といっても、自分が奪った金品等を返却するだけで良いわけではありません。
罪を犯したことに対して反省しているという姿勢や、今後同じことは繰り返さないという意思を被害者に見せなければなりません。
これらは、身柄が拘束されている状態ではおこなえないため、特に逮捕後であれば弁護士による協力が必要不可欠です。
刑事事件に注力している弁護士であれば、法律知識・交渉力を活かして迅速な示談成立が望めますので、逮捕前であっても弁護士に依頼することをおすすめします。
本件以外にも余罪が多くある場合は、執行猶予がつかずに実刑となってしまう可能性は少なくありません。
それだけでなく、懲役刑の期間も長くなってしまう可能性もあります。
余罪については、取調べで発覚するケースや、捜査で発覚するケースなどがありますが、事前に弁護士に相談しておけば、自白すべきかどうかなどのアドバイスを受けることができます。
正直に自白することで反省している意思が伝わり、捜査で発覚するよりもプラスとなる可能性もあるでしょう。
ただし、オレオレ詐欺に関与した事件など、詐欺は人間関係が一人では実現できないことが多く、ご自身が思うより、大事になってしまっているケースが多くあります。
詐欺罪は、被害額の大きさによって刑の重さが大きく左右されます。
被害額が大きいほど、実刑判決が下されて刑務所行きになってしまう可能性は高まるでしょう。
ただし、被害額が大きいからといって諦めてはいけません。
弁護士に相談して、最適な方法をアドバイスしてもらうことで、刑を軽くできる可能性が生まれます。
相談するタイミングが早ければ早いほど選択肢の幅も広がりますので、いち早く弁護士に相談することをおすすめします。
逮捕されてしまうと身柄が拘束されるので、もちろん仕事に行くことはできません。
実名を報道されてしまうと、家族にも大きな迷惑がかかってしまうでしょう。
大切な家族との生活を守るためには、逮捕されてしまう前に示談交渉を成立させることなどが重要となります。
もし逮捕されてしまったとしても、弁護士による弁護活動を受けることで早期釈放も期待できます。
早期釈放となれば、仕事を辞めずに済むかもしれません。
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詐欺罪で逮捕されてしまうと、その後の人生は大きく変わってしまうでしょう。
弁護士に依頼すれば以下のようなメリットが望めますので、いち早く相談することをおすすめします。
事件が発覚する前に、被害者との示談交渉を成立できれば、逮捕・起訴される可能性は低くなります。
示談が成立するということは、「被害者が事件化を望んでいない」という意思表示になるからです。
そのため、刑事事件において示談交渉はかなり重要なポイントであり、法律の専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士であれば、法律知識や交渉力を活かして被害者との示談交渉を進めてくれますので、当事者同士で話し合うよりもスムーズな示談成立が望めます。
逮捕された後、すぐに面会できるのは弁護士だけです。
なお、刑事事件の場合、弁護士費用を払えない方を対象にした依頼「国選弁護人制度」というものがあります。
国選弁護人制度とは、国が費用を負担して弁護士(国選弁護人)を選任する制度のことです。
ちなみに、自分で探して弁護士費用を支払って依頼する弁護士のことを私選弁護人といいます。
国選弁護人の場合、弁護士費用を支払えなくても弁護活動を受けられるというメリットがあるものの、起訴されてからでなければ依頼できません。
一方、私選弁護人であれば、どのタイミングでも依頼できます。
逮捕後すぐに弁護活動が受けられますので、早期釈放の可能性も高まるでしょう。
検察官が起訴の判断を下した場合は刑事裁判が開かれますが、不起訴の判断を下した場合は、罰則も科されず前科もつきません。
不起訴を獲得するためには、検察官の取り調べに対してどのように対応するかが大きなカギとなります。
弁護士に依頼すれば、こちら側にとって有利になるような証拠を提出したり、意見書を提出したりするなどのサポートが望めますので、不起訴獲得の可能性が高まります。
たとえ起訴されたとしても、まだできることはあるので諦めてはいけません。
弁護士は裁判にて、証拠を用いたりして被告人にとって有利な主張をしてくれます。
有罪になったとしても、懲役の期間が短くなったり、執行猶予がついたりすることもあるでしょう。
詐欺罪には、懲役刑しか設けられておらず、犯行の態様によっては初犯でも実刑判決になる可能性があります。
身柄が拘束されてしまうと今までの生活は送れなくなり、仕事が続けられなくなったり、家族に迷惑がかかったりしてしまいます。
詐欺に関わってしまった場合は、すぐに弁護士に相談してください。
弁護士に依頼することで、被害者との示談交渉の代理や、取り調べの受け方に関するアドバイスなど、早期釈放や減刑に向けたサポートが望めます。
無料相談を設けている弁護士事務所もあるので、まずは一度相談してみてください。
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