交通事故で相手が過失を認めない場合|対処法や交渉のポイントをご紹介

交通事故で相手が過失を認めない場合|対処法や交渉のポイントをご紹介

交通事故の当事者になってしまったときは、誰もが大きなショックを受けるものです。

ケガをしたり、大切な自動車が壊れてしまったりすれば、目の前が真っ暗になってしまい、適切な行動を起こせなくても無理もありません。

そのうえ明らかに事故を引き起こす行動をした相手が「自分は悪くない」「こんな過失割合は認めない」と主張してきたら、どんなに温厚な人でも頭にくるものです。

本記事では、相手が過失割合を認めない場合の対処方法について解説します。

やみくもに異議を唱える前に、まずはこちらの記事を参考にしてみてください。

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当社在籍弁護士(株式会社アシロ)
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

交通事故の過失割合とは?

「過失割合」とは、交通事故が発生したときに、どちらにどの程度の過失(交通事故が発生した要因)があるかを示すものです。

たとえば信号待ちで停車中に後ろから追突された場合は避けようがなく、追突された側の過失は0で、追突した側の過失が100となることが一般的です。

しかし、どちらか一方だけに過失がある交通事故というのはまれで、双方に何らかの過失があるとされるケースがほとんどです。

お互いに同じだけ過失があるとみなされれば、過失割合は「自分50:相手50」となります。

過失割合は過去の裁判例に基づいて決定される

過失割合は、当事者または代理人同士が話し合い、過去の裁判例を参考にして決定されます。

たとえば交差点の青信号で自分が直進、相手が右折という状況で衝突した場合は「自分(直進車)20:相手(右折車)80」という過失割合が基本です。

とはいえ、交通事故が過去の裁判例とまったく同じ状況で起こることはないため、今回の事故独自の要素(修正要素)がプラスされ、最終的な結論が出されます。

過失割合を決める際は、実際のところ双方が加入している保険会社の担当者同士が連絡を取って決めることが多いでしょう。

任意保険会社に事故後の対応を任せる過程で「今回の過失割合はこうなります」といった連絡が入るという流れが一般的です。

なお、過失割合は交通事故の責任をどのくらい負うべきかを示すものではあるものの、あくまでも損害賠償という「民事上の責任」に関わることですので、過失割合の決定に警察は介入しません。

被害者の過失割合が大きいほど請求できる金額は減額される

過失割合が決まったら、その割合に応じた慰謝料を含む損害賠償金を支払うことになります。

自分が交通事故の被害者になって500万円の損害をこうむった場合、過失割合が「自分0:相手100」であれば相手方に500万円を請求できます。

しかし過失割合が「自分50:相手50」になれば、500万円の50%、つまり250万円しか請求できません。

交通事故の当事者の多くが過失割合を争う理由は、過失割合が損害賠償額に大きく影響するからです。

【関連記事】交通事故における「過失割合」を算定する基準|代表的なケースの過失割合

交通事故で相手が過失を認めない場合の対処法

過失割合は一般的に保険会社同士の話し合いで決まるため、事故に遭った当事者同士がすんなりと納得するとは限りません。

相手が過失割合に不満を持ち、「自分の過失はもっと軽い」と主張してくる場合があります。

そんなときにどうやって対処すればいいかを解説します。

加害者の保険会社に証拠を提示する

まずは相手の保険会社に、事故の状況を明確に示す証拠を提出することが考えられます。

交通事故の証拠には次のようなものがあります。

  • 目撃者の証言
  • ドライブレコーダーが撮影した映像
  • 事故現場周辺に設置されている防犯カメラの映像
  • 事故現場を写した写真
  • 車両の損傷が分かる資料

こういった証拠を提出するのは、事故の状況をできる限り正確に把握してもらうためです。

相手が過失割合を認めない場合、「確かこうだったはず」という単純な思い違いのほか、悪質なケースではわざと事実と異なる主張をしている(嘘をついている)こともあります。

それをくつがえすには、証拠によって事故がどんな状況で起きたのかをはっきりさせましょう。

弁護士に相談する

交通事故の証拠を提出し、相手の保険会社と交渉や話し合いを重ねるのは大変なことです。

「事故で負ったケガの治療中なのに、そのうえ交渉なんて…」と気が滅入ってしまっても無理はありません。

なかなか話が進展しないときや、過失割合で揉めてしまいどうしたらいいのか分からないときは、法律の専門家である弁護士に相談してください。

弁護士は、依頼者の代理人となって交渉や訴訟をおこなえるため、示談に関する交渉を一任できます。

また、自分自身が過失割合に納得できない場合も弁護士に相談するのがおすすめです。

交通事故の代理人というと「保険会社の担当者がいるから不要」と考える人もいます。

しかし、保険会社のスタッフはあくまでも会社から支払う損害賠償金をできるだけ少なくするために示談交渉をおこなう立場です。

依頼人の利益を第一に考える弁護士とは立ち位置が違うことを覚えておきましょう。

弁護士に相談するメリット

弁護士に相談するメリットはまず、相手の主張が正当なものかどうかを判断してもらえることです。

自分は過失割合に納得しているのに相手が納得していない場合、「自分の過失はもっと軽い」という相手の主張に対し、法律に基づいた判断をして対応します。

さらに、自分自身が過失割合に納得できないケースでも、事故の状況から適切な過失割合を導き出します。

実際のところ、事故相手の保険会社が提示してくる過失割合が適切なものとは限りません。

自社が支払う損害賠償額を減らすために、意図的に被害者側(相手側)の過失割合を多めに提示してくることがあるからです。

過失割合は、すでにご紹介した通り過去の裁判例の認定基準に基づいて決められるものですが、事故独自の修正要素が見過ごされているケースもあります。

過失割合は、最終的な損害賠償の金額を決める重要なものです。

話がまとまらないときは、弁護士が対応し正しい過失割合を決定することで、適正な慰謝料を受け取れる可能性が高まります。

弁護士費用の相場

弁護士に相談や依頼をするときに、多くの人が気になるのが弁護士費用のことです。

まずはどんな費用がかかるのかをみてみましょう。

  • 相談料
  • 着手金
  • 報酬金
  • 日当
  • 実費

「相談料」は正式な依頼前の相談時にかかる費用です。

相場は「30分5,000円から」となっています。

無料相談が可能な弁護士事務所もあるため、まずは問い合わせてみてもよいでしょう。

「着手金」は弁護士に正式な依頼をしたときにかかる費用で、結果的に利益を得られなかったとしても支払う必要があります。

「報酬金」は経済的利益を得た時にそこから支払います。

たとえば弁護士に依頼することで損害賠償を100万円増額できた場合、報酬金が増額分の20%という定め方なら20万円を支払います。

利益がなかった場合、払う必要はありません。

「日当」は弁護士が事務所の外で活動するときに発生します。「実費」は依頼をなしとげる際にかかった郵便代金や交通費などです。

【関連記事】交通事故弁護士に必要な費用の種類と相場|費用を抑えるポイントは?

弁護士の選び方

交通事故のトラブルを解決するために弁護士を選ぶ際は、交通事故の案件を数多く取り扱っている弁護士を探しましょう。

弁護士の業務は幅広く、すべての分野に精通しているような弁護士はいません。

インターネットで検索をすればたくさんの法律事務所が出てきますが、まずは交通事故にどのくらい力を入れているのか、どの程度の実績があるのかをチェックすることが大切です。

ベンナビ交通事故(旧:交通事故相談ナビ)」では、交通事故を得意分野としている弁護士を探すことができます。

こちらも活用してみてください。

依頼できそうな弁護士が見つかったら、実際に顔を合わせて相談してみましょう。

その際は質問事項や知りたいことをまとめておき、「弁護士に依頼することで自分にどのくらいの利益が見込めるのか」といった具体的なことを確認すると今後の方針が立てやすくなります。

そのうえで、「自分の知りたいことに答えてくれるかどうか」「弁護士費用は妥当か」といった点も加味しつつ、正式に依頼するかどうかを判断しましょう。

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損害賠償額の増額に影響を与えるのは過失割合だけではない!

交通事故の被害に遭ってしまったとき、ほとんどの人は「なるべく多くの慰謝料をもらいたい」と考えるものです。

慰謝料とは、損害賠償のうち精神的苦痛に対して支払われるお金のことです。

慰謝料の他、治療費や通院交通費、車の修理費、慰謝料、休業損害などといった項目をひっくるめて損害賠償と呼びます。

慰謝料を含む損害賠償の金額は過失割合によって上下しますが、過失割合だけで決まるものではありません。

過失割合以外の要素についても確認しておきましょう。

算定基準

「算定基準」とは、損害賠償の額を決める基準となるものです。

算定基準には、低いほうから「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3種類があります。

どの基準を使って計算するかによって、損害賠償の金額が変わってきます。

このうち保険会社が使うのは、会社が独自に設定した「任意保険基準」です。

これは「自賠責基準よりも高く、弁護士基準より低い」とされる基準です。

一方で弁護士が交渉した場合は、一番高額な「弁護士基準」に基づいて損害賠償額が算出されます。

つまり損害賠償請求を弁護士に依頼することで、相手の保険会社が提示してくる金額よりも高額な損害賠償を受け取れる可能性があるというわけです。

後遺障害等級認定

「後遺障害等級認定」は、交通事故でけがを負い、継続的に治療を受けたものの、そのけがが完治せず、後遺症が残った場合に、その後遺症を「後遺障害等級」に認定してもらうことを指します

後遺障害等級に認定されることで、「後遺障害慰謝料」と「後遺障害逸失利益」を請求できるようになります。

後遺障害等級は「1級」から「14級」までの14段階に分けられていて、もっとも重いのが1級です。

等級が重いほど多くのお金を受けとれると考えておいて差し支えありません。

後遺障害の等級認定を受けるには、必要な書類や資料を揃えて申請する必要があります。

その後、提出された書類をもとに審査がおこなわれ、等級が決まります。

しかし、「けがの症状が残っているのに認定してもらえない」「等級に納得がいかない」というケースも少なくありません。

こんなとき、交通事故や後遺障害等級認定に詳しい弁護士に依頼すれば、適正な認定を受けるためのサポートをしてもらえます。

逸失利益

「逸失利益」とは、交通事故がなければ得られる予定だった利益のことです。

交通事故でケガをして後遺障害が残ると、仕事を失うこともあれば、転職を余儀なくされて年収が減ってしまうこともあります。

こういった原因による収入減少に対応する補償が逸失利益で、後遺障害の等級認定を受けることで支払ってもらうことができます。

逸失利益としていくら支払ってもらえるかは人によって異なり、ベースとなるのは事故に遭う前の収入です。

さらに逸失利益にも慰謝料と同じく「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」という3つの基準が存在します。

弁護士が介入して交渉をおこなうことにより「弁護士基準」が適用され、逸失利益を増額できる可能性があります。

まとめ

交通事故の相手が過失を認めないときや、提示された過失割合に納得できないときは、交通事故に強い弁護士に相談してみてください。

弁護士が代理人となって交渉することで、適正な過失割合を導き出します。

さらに、慰謝料の増額や後遺障害の等級認定、逸失利益の請求といった面でもサポートを受けられるうえ、複雑な各種手続きを代行してもらえるのもメリットです。

ひとりで悩まず、「ベンナビ交通事故」を利用して頼れる弁護士を見つけてみましょう。

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この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。
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