個人の貸し借りでトラブル発生!弁護士に相談して債権回収するには

個人の貸し借りでトラブル発生!弁護士に相談して債権回収するには

「貸したお金が返ってこない…!」

個人間でお金の貸し借りをしてトラブルにあった方もいるのではないでしょうか。

取り立てしようにも、相手が友人・知人であれば関係悪化を恐れて返金を求めることは難しいですよね。

当事者のあいだで交渉してお金が戻ってくればよいのですが、それだけでは難しいこともあるでしょう。

このような場合、法律の専門家である弁護士に相談して法的な解決方法を検討してもよいでしょう。

債権回収事件を多く扱っている弁護士ならば、納得のいく方法で問題解決にあたってくれるでしょう。

本記事では、弁護士に相談して個人間で貸し借りした金銭について債権回収する流れと、弁護士に相談するメリット・デメリットについてご説明します。

友人・知人がお金を返してくれない方へ

「お金ができたら返す」といって、多額の借金を一向に返済しない相手にイライラしている方もいるのではないでしょうか。

 

個人間で家族・友人・知人などにお金を貸した場合の時効は10年です。

つまりこの期間を過ぎたら相手から返済をしてもらうことができなくなってしまいます

 

相手の借金を回収したい方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

債務者対応から法的対応の手続きまで、すべて任せることが可能です。

 

初回相談が無料の弁護士事務所も多数掲載しているので、まずはあなたのお悩みをご相談ください。

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当社在籍弁護士(株式会社アシロ)
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

個人の貸し借りに適用される法律

個人でお金の貸し借りをすることは自由です。

ただし、金利や遅延損害金(返済が遅れたときのペナルティ)の取り決めについては、「利息制限法」や「出資法」という法律により上限が決められています。

それぞれの法律について、見ていきましょう。

利息制限法

利息制限法とは、債務者(お金を借りた人)が債権者の暴利に苦しまないように、利息および遅延損害金について上限を規定する法律です。

利息に関する契約について、利息制限法第1条では元本に対する利息が以下の利率により計算した金額を超える場合、その超えた分については「無効」になると定めています。

  • 元本の金額が10万円未満の場合…年20%
  • 元本の金額が10万円以上100万円未満の場合…年18%
  • 元本の金額が100万円以上の場合…年15%

注意点としては、金利が利息制限法の制限利率を超えているからといって、ただちに金銭消費貸借契約そのものが無効になるわけでないということです。

また、遅延損害金については、元本に適用される利息の上限利率の年1.46倍を超える部分について、「無効」になると定めています。

つまり、元本の金額が10万円未満であれば利息の上限利率は年20%ですから、それに1.46をかけた29.2%が元本に対する遅延損害金の上限になるのです。

ただし、消費者金融のように貸金業者からの借金に対する遅延損害金の上限は20%と決められています(利息制限法第7条1項)。

出資法

出資法とは、出資金の受け入れ、預り金、浮貸し、金銭貸借の媒介手数料、金利などについて規制する法律です。

利息制限法と出資法には、金利の上限に関する規定について異なる点がいくつかあります。

貸金業者から借りた元本に対する上限金利は、両方とも同じです。

一方で、個人の貸し借りの場合、出資法の上限金利は年109.5%とされており(出資法第5条1項)、これを超過した場合は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または両方が科されます。

これは当初の契約では定めていなかった場合でも、あとから上限金利の年109.5%を超える利息を受け取ったり、支払いを要求したりすると同じ罰則が科されます。

個人で貸し借りをする際は契約書の作成が重要

民法では、契約は口頭(口約束)でも成立するとされています。

しかし、あとから「貸した・借りてない」、「言った・言ってない」というようなトラブルを避けるために、お金の貸し借りのときはお互いの合意事項を何らかの書面にしておくことが一般的です。

借用書とは

借用書とは、一般的に「債務者が債権者に差し入れる書面」で、念書のひとつといえます。

債務者が借用書を差し入れることは、債務者が債権者に対して借用書記載の金額を借りたことを認める意味があります。

もっとも、借用書には返済期限や利息等の合意内容を記載することはないでしょうから、そのような合意事項の証拠にはならないので注意が必要です。

金銭消費貸借契約書とは

消費貸借契約とは、当事者の一方(債務者)が同じものを返すことを約束して、相手方(債権者)から金銭などを受け取ることにより成立する契約です。

お金を貸し借りする消費貸借契約のことを金銭消費貸借契約といいます。

金銭消費貸借契約では、金額、返済時期、返済方法、金利、遅延損害金の利率などを細かく取り決めることが多いです。

金銭消費貸借契約書とは、その合意した事項を明文化したものです。

これに債権者・債務者が記名・押印することによって、お互いが合意したことの証明になります。

金銭消費貸借契約書を締結しておく目的は、合意した内容を巡り後日のトラブルを避けることにあります。

したがって、債権者は合意内容が明確に分かるような契約書にするため、契約書の作成には慎重に臨む必要があります。

契約書がない貸し借りは無効?

契約書を作らずにお金を貸してしまった場合、貸したお金は返してもらえなくなるのだろうかと心配している方もいるかもしれません。

結論として、法的にはそのようなことはありません。

先述したように契約は口頭でも有効に成立します。

契約書は、その証拠のひとつにすぎません。

仮に契約書を作っていなかったとしても、債権者は堂々と債務者に対して返済を求めればよいのです。

ただし、債務者は、「借りたのではなくもらったのだ」と主張してくるかもしれません。

その場合は、金銭返還の合意をしたことを他の証拠(借用書やメール等でのやりとりなど)で証明する必要が出てくるでしょう。

弁護士に依頼して個人で貸したお金を回収する方法

債務者に直接催促しても貸したお金が戻ってこないような借金トラブルは、弁護士に依頼することで回収できる可能性があります。

弁護士は、依頼者である債権者の代理人として様々な手段で債権回収を図ります。

以下、手段の一例です。

内容証明郵便での催告

交渉を弁護士に依頼した場合、弁護士は、配達証明付きの内容証明郵便を利用して催告することが多いです。

配達証明付きの内容証明郵便は、いつ・誰が・誰に対して・どのような内容のものを送付したのか、日本郵便に証明してもらうことができます。

弁護士の名前が書かれた内容証明郵便を受け取ることで、債務者が「相手は本気だ」と感じ、すみやかな返済に動くことも期待できます。

民事訴訟の提起

交渉でも債権回収ができない場合には、民事訴訟を提起することがあります。

民事訴訟では、債権者が裁判所に訴状や証拠を提出し、裁判所に債務者に金銭の支払義務があるか否かを判断してもらいます。

債務者から反論があればそれも含めて審理されます。

裁判所から、債務者には金銭の支払義務があるとの判決が出された場合、それでも債務者が支払いをしなかったときは、債権者は判決に基づき強制執行の手続きを行うことができます。

民事訴訟は、適切な証拠とそれに基づく合理的な主張を行うことが重要ですので、弁護士に対応を依頼するメリットは大きいといえます。

個人間の債権回収を弁護士に相談するメリット

個人間でお金を貸し借りする場合は、あらかじめ弁護士に相談することがおすすめです。

弁護士が事前に金銭消費貸借契約書をチェックすることで、トラブルを未然に防ぐことが期待できます。

また、貸したお金の回収が進まない場合には、相手との交渉や裁判上の手続きまで、解決に向けた活動を依頼することができます。

債務者が経済的に厳しい状況にある場合、債権回収は遅くなれば遅くなるほど難しくなる傾向にあります。

早めに弁護士に依頼することで、債権回収がスムーズに進む可能性が高まるでしょう。

個人間の債権回収を弁護士に相談するデメリット

弁護士に債権回収の対応を依頼すると、弁護士費用が発生します。

したがって、実際に弁護士へ債権回収の対応を依頼するかどうかを検討するときは、回収したい債権の金額と弁護士費用との比較が判断基準のひとつになります。

状況や内容によって費用は異なるため、明確な相場はありません。

弁護士費用については、正式に弁護士に依頼する前に必ず確認しておいてください。

依頼した後になって弁護士費用をめぐりトラブルになれば、また一つ紛争を抱えることになってしまいます。

依頼したい弁護士事務所に問い合わせて状況を説明し、弁護士費用の目安について説明してもらうようにしましょう。

個人間の債権回収を弁護士に依頼した場合の費用

では、実際に弁護士に債権回収を依頼すると、どのような弁護士費用がどのくらい発生するのでしょうか。

これは依頼内容や弁護士・法律事務所次第なのですが、以下では日本弁護士連合会が過去に実施したアンケート結果を参考にご説明します。

なお、一括で弁護士費用を支払うことが難しい依頼者のために、分割による支払いについても対応している弁護士・法律事務所も存在します。

また、経済的な理由で弁護士費用が払えない人でも、弁護士費用を立て替えてもらえる「民事法律扶助」という制度もあります。
参考:日本弁護士連合会:弁護士費用(報酬)とは

相談料

正式に依頼する前に、まずは弁護士に実情を話して今後の方針を相談したりアドバイスを受けたりすることからはじめます。

法律相談は、相談者にとっては、弁護士が自身にとって親身になってくれるか、頼りになるか、問題を解決してくれるかを見極める機会でもあります。

初回の法律相談については無料としている弁護士・法律事務所もありますが、料金がかかる場合は30分で5,000円から10,000円が多いようです。

着手金

弁護士に依頼することを決めたら、弁護士と委任契約を締結します。

このとき、弁護士に着手金を支払うことが通常です。

着手金とは弁護士に契約段階で支払う契約金のようなものです。

したがって、仮に債権回収がうまくいかなかったとしても基本的に依頼者に返金されることはありません。

着手金は、最低金額を設けたうえで債権額に1%から3%の料率を乗じた形で設定しているケースが多く、依頼する債権回収金額によって異なりますが、10万円前後から30万円前後となることが多いようです。

成功報酬

成功報酬は、依頼した弁護士の働きによって貸したお金の返済が決まったときに、その金額に応じて支払う費用のことです。

もし弁護士に依頼したことが何も実現しなかった場合、成功報酬は支払う必要はありません。

注意して頂きたい点は、成功報酬を支払う条件は裁判などで支払い命令が出され、相手の支払義務が確定した場合が一般的であるということです。

もし相手の支払義務が確定したのにもかかわらず何らかの事情で実際に支払いを受けられなかったとしても、成功報酬は発生することが通常です。

成功報酬は依頼者が受けた経済的利益の概ね10%から20%として設定している弁護士・法律事務所が多いようです。

実費

債権回収には、さまざまな費用がかかります。

内容証明を送付するときは郵送費がかかりますし、訴訟を提起する場合は印紙代や切手(予納郵券)などがかかります。

また、弁護士が裁判所に出廷した回数に応じて日当が発生する場合もあります。もし交渉相手の債務者や裁判所が遠地の場合、弁護士は出張しなければなりませんので、これに加えて交通費や宿泊費がかかる場合もあるかもしれません。

これらの費用は実費として、依頼した債権回収の成否にかかわらず弁護士から請求を受けることがあります。

弁護士への依頼で費用倒れを避けるには

弁護士費用は、決して安い金額ではありません。

費用倒れになることは避けたいものです。

そのためには初回の法律相談を費用が無料または安い弁護士に相談することや、信頼できる弁護士を見極めることが大切になってきます。

無料相談を活用する

法テラスや役所が主催している法律相談コーナーを利用すれば、無料で法律相談ができる場合があります。

法テラスとは国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所で、経済的に余裕のない人を中心にさまざまな事業を行っています。

もちろん、個人のお金の貸し借りによって生じたトラブルについても相談できます。

ただし、法テラスで相談に応じてくれる弁護士が、個人のお金の貸し借りによるトラブルについて知識や経験が豊富な弁護士とはかぎらないことには注意が必要です。

これは役所が主催している無料法律相談コーナーについても同じです。

また、法テラスや役所が主催している法律相談コーナーは、いずれも法律相談ができる時間や回数は限られています。

そのため、事前に相談したいポイントをまとめておき、相談時間を無駄にしないことが重要です。
参考:法テラス

債務者に弁護士費用は請求できないので注意

「債務者がお金を返さないから費用を払って弁護士に依頼し裁判することになった。

だから弁護士費用も債務者に請求したい」と考える人もいるかもしれません。

しかし、結論から言いますと、基本的には弁護士費用を債務者に請求することはできません。

民事訴訟は本来自分自身でも提起することは可能で、弁護士に依頼するか否かはあくまでご自身の判断です。

個人間の貸し借りによる債権回収事件について、例え裁判で自身の主張が通ったとしても、基本的には弁護士の費用まで債務者に請求することはできないので注意が必要です。

債務者に財産があるか調査する

判決等で債務者の支払義務が認められた場合、強制執行により債務者の財産を差し押さえることで強制的に債権を回収することができます。

しかし、債務者に差し押さえることができる財産がなければ意味がありません。

したがって、弁護士に依頼する前に可能なかぎりの範囲で債務者の財産調査を行っておくとよいでしょう。

例えば、自宅など債務者が保有すると思われる不動産については、場所を特定することができれば法務局で調査することができます。

法務局では、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することが可能です。

登記簿謄本には対象の不動産の権利事項が明記されており、不動産の所有者は誰なのか、ほかの債権者による抵当権は付いていないかということがわかります。

これにより、強制執行で差し押さえることができる不動産を債権者が保有しているかどうかがわかります。

費用倒れになる場合には回収を断念するという選択肢も

債務者の状況を踏まえ、債務者が本当に返済できる状態にあるかどうかを見極めることは、弁護士に依頼するかどうかの重要な判断基準のひとつです。

返済に充てられる財産や収入がない場合、仮に債務者に返済義務を認めさせたところで、貸したお金が回収できない可能性があります。

この場合、弁護士に依頼した場合にかかる弁護士費用は費用倒れになってしまうことがあります。

したがって、たとえ裁判で勝てる見込みがあったとしても債務者から回収そのものが見込めないのであれば、最初から回収を断念するという選択肢もあり得ます。

個人間の債権回収を弁護士へ依頼時に用意する書類

債権回収を弁護士に依頼することを決めたら、まず弁護士と委任契約を締結します。

その際に必要となるものは主に以下のとおりです。

  • 印鑑
  • 依頼者の本人確認証明書(運転免許証や保険証など)
  • 着手金(多くの場合、振り込みでも可能)
  • 債務者の状況がわかるもの(住所、氏名など)
  • 金銭消費貸借契約書など、お金の貸し借りがある証拠(ご自身で用意できるもの)

委任契約を締結する前に、弁護士費用や依頼内容の範囲など、しっかりと確認しておいてください。

上記以外でも、訴訟提起などの段階で弁護士から追加の書類提出や必要書類への押印が求められることがあります。

まとめ

債務者からの返済が滞っている債権を回収するためには、費用はかかりますが債権回収に法的な知見と実績のある弁護士に依頼することをおすすめします。

債権回収が思うように進まない場合、個人間の債権回収に関するトラブル解決を受け付けている弁護士に相談してみましょう。

友人・知人がお金を返してくれない方へ

「お金ができたら返す」といって、多額の借金を一向に返済しない相手にイライラしている方もいるのではないでしょうか。

 

個人間で家族・友人・知人などにお金を貸した場合の時効は10年です。

つまりこの期間を過ぎたら相手から返済をしてもらうことができなくなってしまいます

 

相手の借金を回収したい方は、弁護士に依頼するのがおすすめです。

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※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります
この記事の調査・編集者
梶原美香
法律系SEOライターとして入社。何よりも読者第一であることを掲げ、読みやすく、理解しやすいコンテンツ制作を心がけている。離婚問題に注力している。
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