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【オーナー向け】立ち退きトラブルを無料で相談できる窓口5選!相談のコツも!
2024.03.28
家賃滞納が繰り返される場合などには、立ち退きを求めるのもひとつの方法です。しかし、スムーズな立ち退き交渉は、多くのオーナーにとって容易なことではありません。
実際に、立ち退いてもらうことを検討していながらも、何から手をつけてよいのかわからず、踏みとどまっている方も多いのではないでしょう。
そこで、本記事では、立ち退きについて無料で相談できる窓口を紹介します。また、専門家に相談するメリットや相談時のポイントなども解説するので参考にしてみてください。
未回収の家賃ばかりが増えてしまうことのないよう、まずは迷わず相談してみましょう。
入居者が立ち退きをしてくれずに困っている場合、専門的な窓口に相談することで、迅速に解決できるケースがあります。
専門家への依頼には費用がかかると躊躇している方も、まずは無料で相談できる窓口を利用してみてください。解決への道すじが見えてくるはずです。
まずは、立ち退きについて無料で相談できる窓口を5つ紹介します。
ベンナビ債権回収は、立ち退きトラブルを得意とする法律事務所を探すのに適したポータルサイトです。
全国各地の弁護士が登録しているため、希望する地域の弁護士を見つけることができます。
弁護士から連絡をしても入居者が家賃の支払いに応じない場合や立ち退きをしない場合、管轄の裁判所を利用する必要があります。
そのため、自分の所在地か物件の近く、または契約時に当事者が合意している裁判所付近の法律事務所を探すのがよいでしょう。
ベンナビ債権回収には、これまで5万件を超える相談が寄せられています。詳細検索を使えば、初回相談を無料で受け付けている法律事務所に絞って探すことも可能です。
ベンナビ債権回収の各事務所の紹介ページには、得意分野や所属弁護士の実績などが掲載されており、フォームから問い合わせをすることもできます。
弁護士との相性は、スムーズな解決のためにとても大切な要素です。紹介ページを参照し、信頼して任せることができそうな法律事務所を探しましょう。
また、ベンナビ債権回収には、債権回収に関するコラムも多数掲載されています。
自分でできる手立てや、弁護士への相談前に知りたいことがあれば、情報収集をするのもおすすめです。
市区町村や都道府県などの地方自治体も、地域によっては立ち退きトラブルの相談に応じる相談会を実施しています。
弁護士などの専門家が相談に乗ってくれることが多く、法的に有効な情報が得られるでしょう。
地方自治体が提供する窓口の場合、ほとんどが事前予約制です。また、平日のみの対応で、法人は利用できないケースもあります。
利用条件などの詳細が気になる方は、各ホームページなどで確認してみてください。
たとえば、東京都港区では「マンション管理の法律相談」として、毎週第2・4火曜日の13時00分~16時00分に、対面または電話での相談を受け付けています。
いずれの場合も電話による事前予約が必要で、相談時間は1時間です。また、各日先着3名のみ相談することができます。
ただし、地方自治体の相談会では、必ずしも立ち退きを得意としている弁護士に話しを聞いてもらえるわけではないので注意しておきましょう。
また、相談会のなかで、弁護士と契約手続きを進めることは基本的に認められていません。
そのため、立ち退きが得意な弁護士にできるだけ早く依頼をしたい場合は、法律事務所の無料相談を利用するのがおすすめです。
国が設立した公的法人である法テラスでも、立ち退き問題について相談することができます。相談に応じるのは、法テラスと契約している弁護士です。
ただし、無料で法律相談ができるのは、一定の資力基準を満たしている方に限られます。まずは条件に当てはまるかどうかを、法テラスの公式サイトなどで確認しましょう。
条件審査を経て、相談ができると判断されれば1回30分程度、同じ問題について3回まで相談できます。
また、立ち退きの対応を依頼する際には、弁護士費用を立て替えてもらうこともできるので、家賃滞納によって金銭的な余裕がない場合などは有効に活用しましょう。
東京共同住宅協会では、賃貸トラブル・リフォーム・相続・土地活用など、さまざまな賃貸経営について相談を受け付けています。
東京都渋谷区で運営されている公益社団法人ですが、全国どこからでも相談可能です。
立ち退きなどのデリケートな問題に関しては、専門の資格をもつ相談員が担当してくれます。
ホームページのフォームから相談内容を入力すれば、電話で回答を得られます。
文章でなるべく詳細な内容を伝える必要があるため、経緯が複雑で相談内容を記入するのが難しい場合や、直接専門家に会って相談したいという場合には、ほかの窓口の利用も検討してみてください。
全国賃貸住宅経営者協会連合会では、電話で不動産トラブルを相談できるコールセンターを開設しています。
賃貸住宅に関するさまざまな悩みを受け付けており、立ち退きについてのアドバイスをもらうことも可能です。
しかし、相談員は法律の専門家というわけではありません。そのため、アドバイスを受けられるのは、一般的な解決策や商習慣の情報にとどまります。
同会のホームページでも、解決を求めている方は弁護士などに相談するように推奨しています。
ただし、同連合会なら予約不要で電話相談ができるため、すぐにでも何らかのアドバイスがほしいというときは活用するとよいでしょう。
【参考】無料相談のご案内|公益社団法人 全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会) 公式サイト
立ち退き問題で困っている場合、専門家に相談するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、立ち退きについて専門家に相談する主なメリットを3つ紹介します。
専門家に依頼するメリットのひとつは、立ち退きが認められるのかどうかを法的に判断してもらえることです。
賃貸契約は、貸主と借主の信頼関係が破壊された場合にはじめて解除が認められます。
賃貸トラブルがあったからといって、直ちに立ち退きを請求できるわけではありません。
しかし、法的な知識のない個人が、立ち退きの妥当性を正確に判断することは難しいでしょう。
正当な理由がないのに立ち退きを求めようとすると、余計なトラブルを招いてしまう可能性もあります。
そのため、まずは専門家に相談し、法的な観点から立ち退きを請求できるかどうか判断してもらうことが大切です。
また、相談時点では立ち退き請求ができない場合であっても、どうすれば請求できるようになるのかアドバイスをもらうことができるでしょう。
妥当な立ち退き料について計算してもらえる点も、専門家に相談するメリットのひとつといえます。
家賃滞納など、入居者都合での立ち退きを求めるなら、基本的に立ち退き料は不要です。
しかし、賃貸人の都合で立ち退きを求めたい場合には、立ち退き料を払う必要があります。
アパートや戸建てなどの賃貸住宅であれば、立ち退き料の相場は40万~80万円程度です。店舗の場合は、300万〜2億円程度と幅があります。
しかし、立ち退き料には決まった算定方法がないので、過去の事例や相場をもとに個々の状況に応じた金額を算定しなければなりません。
自力で無理に計算しようとすると損をする可能性もあるので、専門家に依頼し、適切な立ち退き料を計算してもらいましょう。
立ち退きを求める際に、どのようなタイミングでどのような作業をする必要があるのか、手順について細かく教えてもらえるのも、専門家に相談をする大きなメリットです。
立ち退きを求めるにあたっては、入居者と交渉したり裁判をおこなったりと、さまざまな手続きが必要になり、そのときどきの状況や相手の出方を見ながら最善の選択をしていかなければなりません。
手順を誤ると、自分自身が不利な立場に立たされてしまう可能性もあるので、経験が豊富な専門家からアドバイスをもらうのが一番です。
また、弁護士から書面で催告してもらったり、交渉を持ち掛けてもらったりすれば、訴訟を提起する前に立ち退きが実現する可能性も高まります。
訴訟を提起したとしても、適切な妥協点を提案してもらうことで早期に和解できるケースもあるでしょう。
ここでは、立ち退きについて弁護士などの専門家に相談する際のポイントを解説します。
特に無料相談を活用する場合は、30分〜1時間程度の限られた時間での相談となるため、しっかり準備しておきましょう。
専門家に相談する際は、あらかじめ立ち退きの理由を整理しておきましょう。
専門家は、立ち退きが認められるかどうかや、どのような手段で立ち退きを請求するかを、背景にある事情を踏まえて法的に判断しなければなりません。
そのため、立ち退きの理由をできるだけ明確に伝えることが大切です。
たとえば、家賃滞納が続いている場合は、どれくらいの期間なのか、総額はいくらなのかなど、詳細を伝えられるよう準備しておきましょう。
家賃滞納以外の契約違反があるかどうかも、法的な判断をおこなううえで重要なポイントです。迷惑行為があれば、具体的な内容を伝えるようにしてください。
また、入居者による契約違反があるわけではなく、賃貸人側の都合で立ち退きを求めるケースであれば、その旨と理由をしっかり説明しましょう。
賃貸人の都合で立ち退きを要求したい場合には、入居者に対して立ち退き料を支払うケースが一般的です。
そのため、事前に希望額を決めておくと、専門家との相談もスムーズに進みます。
立ち退き料の相場は家賃の6ヵ月分程度といわれますが、立ち退き料の算定方法は法律によって定められているわけではありません。
相場はあくまで目安にとどめ、専門家と相談しながら決めていきましょう。
もちろん、家賃滞納など入居者が契約違反をしているケースなら、基本的には費用負担なく立ち退きを求めることができます。
立ち退き交渉をおこなうには、入居者の情報が必要です。次のような情報は必ずまとめておきましょう。
また、居住用ではなく、営業用の店舗やオフィスを貸している場合であれば、事業内容なども把握しておきましょう。
専門家への相談にあたっては、賃貸借契約書や重要事項説明書などの書類を準備しておきましょう。
専門家はそれらの書類を参考に、契約違反の有無や立ち退き交渉が正当な事由によるものかを判断します。
また、物件の登記情報・固定資産税評価証明書・間取り図などの細かな情報もあれば、専門家がより正確に情報を把握するのに役立ちます。
訪問相談の場合に持参することはもちろん、電話で相談をする場合にも手元に準備しておき、専門家からの質問になるべく答えられるようにしておきましょう。
立ち退きの問題を抱えているときは、できる限り早く専門家に相談することが重要です。
立ち退きに踏み切る原因となっているトラブルが、時間の経過とともに大きくなるおそれがあります。
たとえば、入居者が家賃を滞納しているのに立ち退いてくれない状態が長引けば、回収できない家賃が積みあがり、損失がふくらんでしまいます。
また、家賃を支払わないということは、入居者の経済状況が悪いということです。破産手続きをされてしまえば、ほとんど回収できなくなるかもしれません。
だからこそ、立ち退きは早急に解決に向けて取り組むべき問題なのです。いくら弁護士でも、相談すれば即日解決できるというわけではありません。
入居者への連絡や各種手続きなど、法的に段階を踏む必要があります。また、相手方の返答によっては、手段を適宜変更しなければならないこともあるでしょう。
裁判にまで発展すれば、立ち退きが実現するまでに1年以上かかるケースもあるので、できる限り早く行動を起こすことが大切です。
立ち退きについて、専門家による無料相談を活用するときは、注意しておきたい点が2つあります。
立ち退き交渉を任せたい場合は、必ず弁護士に依頼をしましょう。弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務をおこなうことは法律で禁止されています。
そのため、弁護士以外が入居者と交渉し、立ち退きの合意に至ったとしても、違法行為があったことを理由に無効とされるリスクがあるのです。
不動産業者に立ち退き交渉を依頼するケースも見受けられますが、のちのちのトラブルを避けるためにも、弁護士に任せることを強くおすすめします。
無料相談の機会を利用し、立ち退きに関する悩みを打ち明けたところで、必ずしも具体的なアドバイスがもらえるとは限りません。
相談先によっては、一般的な商習慣の情報提供のみをおこなっていたり、そもそも専門家が配置されていなかったりするケースもあります。
また、弁護士にはできて司法書士にはできない業務があるなど、専門家であっても依頼できる内容には幅があります。
そのため、それぞれの相談窓口では、どのような方が担当してくれるのかを確認してから利用するようにしてください。
適切な交渉によって滞納された家賃を回収し、スムーズな立ち退きを実現するには、専門家の知識と豊富な経験が不可欠です。
自力での解決は、さらなるトラブルを招くおそれもあるのでおすすめしません。
立ち退きに関する相談先はいくつかありますが、入居者との交渉が想定される場合は弁護士に相談するのが最も有効だといえます。
弁護士以外に相談しても、代理で交渉してもらうことはできないので注意してください。
ベンナビ債権回収なら、立ち退き交渉を得意とする弁護士が数多く登録されています。
さらに無料相談を受け付けている法律事務所に絞って検索することもできるので、うまく活用してみてください。
【参考】
・借地権の立退料の相場は?立退料が高額になるケースも解説 | 借地権・底地の売却・トラブル相談なら相続不動産専門メディア|やさしい借地権
・入居者に立ち退きをしてほしい場合どうする? 交渉の流れやうまくいかないときの対処法を解説|訳あり物件、訳あり不動産の買取・売却ならワケガイ