むちうち
むちうち事故で弁護士に依頼するなら必見!弁護士特約のメリットと利用手順
2023.09.08
交通事故に遭ったことで、むちうちになってしまうケースは少なくありません。
この場合、相手方に対して慰謝料を請求することができますが、むちうち程度で弁護士に依頼するなんて、大げさな気がすると悩んでしまうこともあるでしょう。
しかし、むちうちでも弁護士に依頼することで、大きなメリットを得られます。
本記事では、
について解説していきます。
まずは、交通事故でむちうちになった際に弁護士に依頼することで得られる具体的なメリットについて見ていきましょう。
むちうちは後遺障害となる可能性もあるものの、弁護士に依頼しない場合は慰謝料も低額となってしまう可能性があります。
示談金には算定の基準があり、弁護士に相談することによって示談金の増額が期待できます。
示談金は相手に請求できる補償のことを指し、慰謝料もこのなかに含まれます。
なお、交通事故での慰謝料請求には3つの算定基準があり、各基準の詳細は、以下のとおりです。
自賠責基準 | ・「自賠責保険」で採用されている基準 ・被害者への最低限の補償を目的としているため、補償額は3つの算定基準のなかで最も低い |
---|---|
任意保険基準 | ・各保険会社が独自に設定する算定基準(非公開) ・補償金額は自賠責基準と同程度〜やや高い程度と推測される |
弁護士基準 | ・過去の裁判例をもとに設定された算定基準 ・弁護士に示談交渉や裁判を依頼した場合などに使われ、3つの算定基準のなかで最も高額になる可能性が高い |
このうち、最も適正かつ高額な相場である基準が「弁護士基準」です。
弁護士が請求することで、保険会社は裁判となる可能性があることをおそれ、示談交渉の際に増額に応じる可能性が高くなることが考えられます。
このことから、弁護士に依頼することで慰謝料の増額が望めるでしょう。
ご自身で保険会社と交渉をおこなうことは、時に苦痛を伴うケースも少なくありません。
仮に、むちうちで入院している場合でも、保険会社から連絡があれば対応する必要があるからです。
たとえば、保険会社は治療期間が3ヵ月〜6ヵ月を超えたタイミングで治療費の打ち切りを打診してくる場合があります。
また、被害者にとって不利な過失割合を提示してくることもあるでしょう。
このような場合、自分ひとりで対応することは難しくなります。
こうした保険会社との交渉についても弁護士に依頼することで、全て任せることが可能です。
交通事故案件の知識や解決実績の豊富な弁護士であれば、適切な後遺障害等級の認定を受けるために必要な病院の検査や診断書の記載内容について知見があります。
そのため、弁護士に依頼することで、主治医に対して追加の検査実施を依頼してもらえるほか、後遺障害診断書の記載内容に関する協議や必要書類の収集手続きまでを代理でおこなってもらうことができます。
また、被害者が後遺障害認定の結果に対して不服がある場合には、弁護士による異議申立てのサポートも受けられます。
交通事故でむちうちになったときに請求できる示談金には主に「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」のふたつの慰謝料があります。
ここでは、これらの慰謝料について弁護士に依頼した場合としなかった場合で、金額にどれくらいの差があるのかを見ていきましょう。
入通院慰謝料の相場は、むちうちの治療や診察のために病院へ入通院した期間と、むちうちの程度によって金額が変わります。
また、弁護士に依頼した場合には弁護士基準、弁護士に依頼しなかった場合には、自賠責基準または任意保険基準が適用されます。
たとえば、通院を3ヵ月した場合の入通院慰謝料の相場は、以下のとおりです。
別表I(重傷の場合):通院を3ヵ月した場合 | |
---|---|
弁護士に依頼した場合 | 弁護士基準:73万円 |
弁護士に依頼しなかった場合 | 自賠責基準:38万7,000円 |
※1ヵ月を30日として計算
別表II(軽傷の場合):通院を3ヵ月した場合 | |
---|---|
弁護士に依頼した場合 | 弁護士基準:53万円 |
弁護士に依頼しなかった場合 | 自賠責基準:38万7,000円 |
※1ヵ月を30日として計算
なお、任意保険基準の金額は保険会社によって異なり非公開のため、ここでは自賠責基準および弁護士基準のみ記載しています。
弁護士に依頼した場合には、このように請求できる示談金に大きな差があることがわかります。
治療を継続しても完治しない場合には、後遺障害の認定を受けることになります。
むちうちの場合であれば、14級9号もしくは12級13号のどちらかの後遺障害等級に認定される場合がほとんどです。
14級9号と12級13号それぞれの認定基準は、次のように定められています。
上記のうち、後遺障害12級と14級どちらかに認定されるのかは、事故状況との因果関係と後遺症の存在をどの程度証明できるのかに左右されます。
そして、このどちらの後遺障害等級に認定されるかによって、示談金の金額は変わります。
それぞれの後遺障害等級の相場は、以下のとおりです。
後遺障害等級(14級9号) | |
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弁護士に依頼した場合 | 弁護士基準:110万円 |
弁護士に依頼しなかった場合 | 自賠責基準:32万円 |
後遺障害等級(12級13号) | |
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弁護士に依頼した場合 | 弁護士基準:290万円 |
弁護士に依頼しなかった場合 | 自賠責基準:94万円 |
弁護士基準と自賠責基準の金額には大きな差があることがわかります。
このことからも、弁護士に依頼して、適切な慰謝料を受け取ることが大切だといえるでしょう。
では、むちうちの示談を弁護士に依頼した場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
ここでは、弁護士費用の内訳と具体的な金額の目安について確認します。
実際に、むちうちの示談を弁護士に依頼したときには、以下の費用がかかります。
相談料 | 30分あたり5,000円程度 (初回無料の場合あり) |
---|---|
着手金 | 10万~50万円程度 |
成功報酬 | 経済的利益の10~20% |
日当 | 半日の場合:3万~5万円 終日の場合:5万~10万円程度 |
実費 | 交通費や郵送費、振込手数料 など |
とくに着手金は案件を依頼するときに必ず発生する料金であるため、どのようなタイミングで請求されるのか、事前に確認しておくことが大切です。
このように、むちうちの示談を弁護士に依頼したときには、高額な弁護士費用が発生する場合があります。
そのため、弁護士費用が請求できる示談金の金額を上回る「費用倒れ」を心配する声があります。
しかし「弁護士特約」を利用することで、この費用倒れは防ぐことができます。
弁護士特約とは、弁護士費用を補償する制度です。
弁護士特約を使うことで、300万円前の弁護士費用と10万円前の相談費用を保険会社が代わりに負担してくれるため、増額した慰謝料をそのまま手元に残すことができます。
むちうちの示談を弁護士に依頼するときには、弁護士特約の利用を合わせて検討するとよいでしょう。
では、弁護士特約を利用し、弁護士に依頼する方法について見ていきましょう。
特に任意保険の内容の確認が大切です。
加入保険に弁護士特約が付いているか確認する弁護士特約は自動車保険の付帯サービス以外にも、火災保険やクレジットカードのオプションであることも少なくありません。
そのため、まずは保険会社に弁護士特約に加入しているかどうかを確認しましょう。
また、弁護士特約は適用範囲が広いことも多く、家族が加入する保険に付帯している特約を利用できる場合もあります。
そのため、家族の保険もあわせて確認することをおすすめします。
弁護士特約の場合、保険会社に弁護士を紹介してもらうのはもちろん、ご自身で弁護士を依頼しても問題ありません。
ご自身で弁護士を探す場合には、事前に評判や対応、料金をリサーチしておくとスムーズな依頼が可能となるでしょう。
弁護士特約を使用する旨を連絡していた場合も、弁護士への依頼が決まったあとは、再度連絡することを推奨します。
弁護士費用の支払いに関して承諾を得なければ、のちにトラブルとなる可能性があるためです。
ここでは、むちうちで弁護士特約を利用する際によくある質問について見ていきましょう。
事故直後ではなく、治療を続けてもむちうちの症状に改善が見られなくなった段階(症状固定)は弁護士に依頼するベストタイミングです。
特に保険会社とのトラブルが予見される場合は、早めに相談しておくとよいでしょう。
大きなデメリットは特段ありませんが、強いて挙げるのであれば年間の保険料の支払いが数千円程度増加します。
ただし、弁護士特約を利用したとしても、ご自身が加入している保険の等級が下がることはありませんし、費用倒れの心配もありませんので、メリットのほうが多いといえます。
事故前の契約でなければ使用できません。
そのため、弁護士特約を検討している場合は事故前に契約しておく必要があります。
最後に、むちうちの示談交渉で気を付けるポイントについて見ていきましょう。
交通事故によるむちうちの症状は医療機関で診察してもらう必要があります。
なぜなら、交通事故による慰謝料の請求には、病院からの診断書が必須であるからです。
むちうちの症状も例外ではなく、医療機関による診察や治療のみが補償の対象となります。
整骨院や接骨院での施術自体は、むちうちの治療に効果がある場合もありますが、慰謝料の請求に認められる診断書が発行されることは、一般的ではありません。
適切な補償を受けるためにも、むちうちの治療は必ず病院で診察を受けるようにしましょう。
むちうちの示談交渉について弁護士へ相談するときには、示談が成立する前におこなうことが重要です。
なぜなら、一度示談が成立してしまうと、示談内容の変更はできないからです。
このため、示談が成立したあとでは、弁護士に相談しても、十分なサポートができなくなる可能性が高いです。
むちうちの示談交渉については、相談するタイミングに気を付けましょう。
むちうちの示談交渉について、依頼先を選ぶときには、交通事故に強い弁護士に依頼することが必要です。
なぜなら、依頼した弁護士が交通事故のトラブルに精通していない場合、思うような示談金の増額が難しくなるおそれがあるからです。
弁護士にはそれぞれに得意な分野があるため、同じ法律の専門家であったとしても、経験の豊富さによって、得られる結果に大きな違いが生じることがあります。
望ましい結果を得るためにも、交通事故の判例に関する知識や示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼することを意識しましょう。
交通事故でむちうちになった場合は、弁護士に相談・依頼することで保険会社とのやり取りだけでなく、適正な金額の慰謝料を請求することができます。
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