交通事故を弁護士に依頼するメリットのひとつが、慰謝料の増額が期待できることです。
慰謝料が増える理由は、複数ある支払基準のうち最も高額な「弁護士基準」をもとに請求してくれるからです。
また、増額要因を考慮してくれたり、過失割合で有利になるよう交渉してくれたりすることも関係しています。
本記事では、交通事故の被害に遭った方に向けて、以下のような内容について説明します。
- 弁護士に依頼すると慰謝料が増える理由
- 実際に弁護士に依頼して慰謝料が増えた事例
- 慰謝料増額を目指すときの弁護士選びのポイント など
本記事を参考に「なぜ弁護士に依頼すると慰謝料が増えるのか」という疑問を解消できるようになりましょう。
交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すると慰謝料が増える4つの理由
弁護士に依頼すると慰謝料が増える主な理由は、以下のとおりです。
- 弁護士基準で交渉してくれるから
- 慰謝料の増額要因を踏まえて交渉してくれるから
- 過失割合などを適切に判断して交渉してくれるから
- 適切な後遺障害等級が認定される可能性が高まるから
ここでは、弁護士に依頼すると慰謝料が増える主な理由について説明します。
1.弁護士基準で交渉してくれる
弁護士に依頼すれば、より有利な基準によって交渉してくれます。
交通事故における損害賠償金の支払基準には、以下の3つがあります。
- 自賠責基準：自賠責保険で定められた最低限の支払基準のこと
- 保険会社基準：任意保険会社が定めており、自賠責基準より高めの基準のこと
- 弁護士基準：判例・裁判例などを参考に定められている最高額の支払基準のこと
弁護士に依頼した場合、弁護士基準をもとに損害賠償金を計算してくれます。
入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料などを請求する際に、より多くの賠償金を獲得できるでしょう。
2.慰謝料の増額要因を踏まえて交渉してくれる
弁護士に依頼をすると、以下のような慰謝料の増額要因について検討してくれます。
- ひき逃げ・飲酒運転・無免許運転など悪質な行為だった場合
- 交通事故によるけがを治療するために複数回の手術をした場合
- 交通事故が原因で、流産・中絶をしなければならなくなった場合
- 大学に入学できなくなった、留年した、卒業できなくなった場合
- 内定をもらっていたのに交通事故によって就職できなくなった場合 など
通常、保険会社との示談交渉では、個別具体的な事情についてはほとんど考慮されません。
しかし、弁護士に依頼すれば増額要因を考慮して請求してくれるため、慰謝料を増やせる可能性があるのです。
3.過失割合を適切に判断して交渉してくれる
交通事故では、通常、加害者だけでなく被害者にも過失（責任）があると考えられています。
そして被害者側に過失があると認められると、その過失の割合に応じて賠償金の額が減額されます。
弁護士に依頼している場合、事故の状況などに応じて過失割合を判断し、適正になるよう交渉してくれます。
交渉の結果、たとえば過失割合が10対0になれば、加害者や保険会社から賠償金を全額受け取ることができます。
4.適切な後遺障害等級が認定される可能性が高まる
交通事故で負ったけがが後遺症になった場合は、後遺障害等級認定という手続きをおこなえます。
後遺障害等級は第1級から第14級まであり、第1級に近いほうが後遺障害慰謝料や逸失利益の額は増えます。
しかし、必ずしも上位の等級が認められるわけではなく、そもそも後遺障害等級が非該当と判断されることもあります。
弁護士に依頼すると書類作成や手続きなどをしてくれるため、後遺障害等級が認定される可能性が高まります。
また、等級が認められなかった場合や納得がいかない場合には、異議申立ての手続きにも対応してくれるでしょう。
交通事故の示談交渉を弁護士に依頼したことで慰謝料が増えた事例3選
ここでは、実際に交通事故の示談交渉を弁護士に依頼して慰謝料が増額した事例を紹介します。
1.弁護士が介入したことで入通院慰謝料が増えたケース｜慰謝料50万円増額
追突事故の被害者で、両足の打撲などのけがを負った事例です。
被害者は合計で7ヵ月半ほど通院していましたが、保険会社は2～3ヵ月分の慰謝料しか提示していませんでした。
そこで依頼を受けた弁護士が弁護士基準で慰謝料額を計算し、交渉したことで、慰謝料を約50万円増額できました。
【参考記事】低額であった傷害慰謝料を弁護士の交渉により、当初提示額の2倍以上に増額できた事案｜交通事故問題に強い弁護士を探すならベンナビ交通事故（旧：交通事故弁護士ナビ）
2.加害者の悪質性が高く増額要因が認められたケース｜慰謝料等500万円増額
加害者が居眠り運転をし、センターラインを越えて事故を起こした事例です。
加害者側の責任が非常に大きいため、弁護士は保険会社に対して慰謝料増額と近親者慰謝料を請求しました。
弁護士が粘り強く交渉を重ねたため、最終的には保険会社が受け入れて慰謝料等を約500万円増額できました。
【参考記事】慰謝料額（近親者慰謝料、慰謝料増額事由）について争いとなり、約５００万円の増額が認められた事案（交渉事案）｜交通事故問題に強い弁護士を探すならベンナビ交通事故（旧：交通事故弁護士ナビ）
3.後遺障害等級認定の提案を受けて第14級が認められた事例｜慰謝料等250万円増額
信号待ちをしているときに、後ろから追突された事例です。
弁護士に相談した段階では、相談者はまだ後遺障害等級認定を受けていない段階でした。
そこで弁護士がサポートをしつつ、後遺障害等級認定の手続きをしたところ第14級が認められました。
それまでは後遺障害慰謝料は含まれていませんでしたが、これにより慰謝料等を約250万円増額できています。
【参考記事】傷害部分の賠償金の提示後，後遺障害申請を勧め１４級の認定により約２５０万円の増額となった事案｜交通事故問題に強い弁護士を探すならベンナビ交通事故（旧：交通事故弁護士ナビ）
交通事故の被害者が慰謝料を増やしたいなら弁護士選びが重要！
交通事故の被害者が慰謝料を増やしたいなら、以下のポイントを参考に弁護士を選びましょう。
- 交通事故トラブルが得意な弁護士に依頼する
- 無料法律相談を使って弁護士との相性を確認する
- 複数の法律事務所から見積もりを取って比較する
ここでは、交通事故の慰謝料増額を目指している人が弁護士を選ぶときのポイントを紹介します。
1.交通事故トラブルが得意な弁護士に依頼する
弁護士にはそれぞれ得意分野があるため、交通事故トラブルが得意な弁護士に依頼することがおすすめです。
交通事故のトラブル解決をするためには、法律の知識・経験だけでなく、医療に関する知識なども必要です。
また、交通事故が得意な弁護士の場合、保険会社とのやり取りも慣れており、落としどころを正確に判断できます。
そのため、交通事故トラブルの対応経験や実績などが豊富な弁護のほうが、示談交渉を有利に進められます。
2.無料法律相談を使って弁護士との相性を確認する
交通事故の示談交渉を弁護士に依頼する際は、無料法律相談を利用して相性を確認することも重要です。
たとえば、相談しやすい弁護士の場合、個別の事情もしっかりと話せるため、的確なアドバイスを受けられます。
弁護士との相性は直接会ってみると把握しやすいため、無料相談などを使って実際に話してみるとよいでしょう。
3.複数の法律事務所から見積もりを取って比較する
弁護士に依頼する際は、慰謝料増額とは別に、弁護士費用についても確認しておくべきです。
特に「費用倒れ」といって、依頼費用が獲得金額を上回らならないように注意する必要があります。
複数の法律事務所から見積もりを取って、相場を把握し、妥当な弁護士費用で依頼できるようになりましょう。
なお、ご契約の任意保険に弁護士費用特約を付帯されている場合は、大半のケースで弁護士費用や実費の全額を保険会社負担してくれるため費用倒れとなる心配は無用です。
さいごに｜慰謝料請求が得意な弁護士はベンナビ交通事故で探せる！
交通事故の被害に遭った場合は、加害者や保険会社に対して損害賠償を請求することになります。
損害賠償請求は被害者自身もできますが、交通事故トラブルが得意な弁護士に依頼するほうがおすすめです。
交通事故が得意な弁護士であれば、円滑に交渉を進めてくれますし、被害者の利益の最大化を目指してくれます。
交通事故が得意な弁護士は、ベンナビ交通事故を利用すると効率よく探すことができます。
無料相談や着手金0円などの条件で絞り込めるので、まずは自分の希望・条件に合う弁護士を探してみましょう。
