後遺障害等級が認定されない場合の弁護士との相談窓口2選|選び方や注意点なども紹介

後遺障害等級が認定されない場合の弁護士との相談窓口2選|選び方や注意点なども紹介
目次
  1. 後遺障害等級が認定されない場合に弁護士と相談できる窓口2選
    1. 1.法律事務所|相談から異議申立て手続きまで一貫して対応してもらえる
    2. 2.日弁連交通事故相談センター|最大5回まで弁護士と相談することができる
  2. 後遺障害等級が認定されない場合の異議申立てを弁護士に依頼する理由
    1. 1.認定結果の妥当性や非該当になった原因を分析してくれる
    2. 2.後遺障害診断書の見直しなど異議申立てに向けた準備をしてくれる
    3. 3.実際の異議申立ての手続きや訴訟提起といった対応も全て任せられる
  3. 後遺障害等級認定の異議申立てを弁護士に依頼する際の5つのポイント
    1. 1.後遺障害の手続きが得意で実績が豊富にあるか
    2. 2.医学的な知識があり、医師とも連携しているか
    3. 3.無理なく相談できる環境は整っているか
    4. 4.依頼者に寄り添った対応が期待できるか
    5. 5.料金体系が明確で、相場と比べて妥当か
  4. 弁護士に依頼したことで後遺障害等級の異議申立てが認められた事例3選
    1. 1.異議申立てにより後遺障害等級14級が認定された事例
    2. 2.異議申立てにより後遺障害等級12級が認定された事例
    3. 3.訴訟提起により後遺障害認定を獲得できた事例
  5. 後遺障害等級の異議申立てを弁護士に依頼して進める際の3つの注意点
    1. 1.必ずしも異議申立てが認められるわけではない
    2. 2.慰謝料などを受け取るタイミングがさらに遅くなる
    3. 3.異議が認められなかった場合は費用倒れになるリスクが高まる
  6. さいごに|後遺障害等級が認定されなかった際は早めに弁護士に相談しよう
  • 「交通事故が原因で不調が続いているのに、後遺障害等級申請が認定されなかった」
  • 「後遺障害等級の認定結果に納得できない。もう少し上の等級での認定を受けるために異議申立てをしたい」

後遺障害認定について、このような悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

実は、交通事故で後遺症がのこったとしても、常に希望通りの後遺障害等級認定を受けられるわけではありません

なぜなら、後遺障害等級認定を獲得するには、ただ後遺症があるだけではなく、損害保険料率算出機構で実施される審査をパスしなければいけないからです。

本記事では、後遺障害等級認定が認定されないときの相談窓口や弁護士に相談するメリット、認定について異議申立てをするときの注意事項などについてわかりやすく解説します。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
      ベンナビ交通事故で
交通事故が得意な弁護士を探す
相談料無料※
       交通事故が得意な弁護士を探す
※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります

後遺障害等級が認定されない場合に弁護士と相談できる窓口2選

後遺障害等級が認定されなかったり、認定された後遺障害等級に納得できなかったりする場合には、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談してください。

まずは、後遺障害等級トラブルについて弁護士と相談できる窓口を紹介します。

1.法律事務所|相談から異議申立て手続きまで一貫して対応してもらえる

交通事故の後遺障害認定について、弁護士によるフルサポートを期待するなら、交通事故トラブルを得意とする法律事務所に直接相談するのがおすすめです。

法律事務所に直接相談して弁護士との間で委任契約を締結すれば、後遺障害等級認定に対する異議申立てから加害者側との示談交渉・民事訴訟に至るまで、交通事故の事後処理を全て任せることができます。

ただ、普段弁護士と関わりのない人にとっては、いきなり法律事務所に連絡しろと言われても、どこに問い合わせをすればいいかわからないのも当然です。

そこで、後遺障害等級認定トラブルを抱えている人におすすめなのが、ベンナビ交通事故のような総合法律ポータルサイトです。

ベンナビ交通事故には、交通事故トラブルを得意とする全国の法律事務所が掲載されているので、普段弁護士に馴染みのない人でも、簡単に近くの法律事務所が見つけられるでしょう。

2.日弁連交通事故相談センター|最大5回まで弁護士と相談することができる

いきなり法律事務所に連絡するのが不安な場合は、日弁連交通事故相談センターを利用するのも選択肢のひとつです。

日弁連交通事故相談センターは、弁護士が公平・中立的な立場から介入することで交通事故トラブルの平和的解決を目指すための組織です。

弁護士による無料の電話相談、原則5回までの面談相談、示談あっせんなどの業務をおこなっているので、普段弁護士に馴染みがない人でも気軽かつ安心してサポートを受けられます。

「法律事務所に直接連絡するのは抵抗がある」「できるだけ費用を抑えて交通事故トラブルを早期解決したい」「後遺障害等級認定手続きの疑問点を解消したい」という方は、利用してみるとよいでしょう。

【参考記事】【公式】日弁連交通事故相談センター|弁護士が直接無料相談

後遺障害等級が認定されない場合の異議申立てを弁護士に依頼する理由

後遺障害等級認定の結果に満足できないときには、異議申立てなどの手続きをする必要があります。

異議申立て手続きは交通事故被害者本人でもおこなえますが、有利な認定結果を得たいなら、弁護士へ相談・依頼するのがおすすめです。

ここでは、後遺障害等級認定結果に対する異議申立てを弁護士に依頼する理由について解説します。

1.認定結果の妥当性や非該当になった原因を分析してくれる

後遺障害等級認定結果に対して異議申立てをする際には、希望通りの認定結果を得られなかった理由を分析する作業からスタートしなければなりません。

ただ、後遺障害等級認定結果が非該当になった理由は以下のようにさまざまです。

  • 後遺障害診断書の記載内容が不十分
  • 治療日数が不足している
  • 必要な検査を受けていない
  • レントゲンなどの画像で異常所見が見つからない
  • 交通事故との間の因果関係が否定されている

また、認定理由書には非該当などの理由が記載されているものの、複数の要因が総合的に考慮されて非該当の判断が下されるケースも多く、素人だけで分析しきるのは簡単ではありません

その点、交通事故トラブルを得意とする弁護士に相談すれば、認定結果の妥当性や非該当になった理由を正確に分析することが可能です。

2.後遺障害診断書の見直しなど異議申立てに向けた準備をしてくれる

後遺障害等級の認定結果に対して異議申立てをする際には、最初の認定結果が間違いであることを客観的に証明できる証拠が必要です。

そのためには、記載内容に問題がない後遺障害診断書を用意したり、認定に必要と思われる検査を受けたりするなどの準備をしなければいけません。

弁護士に相談・依頼をすれば、異議申立てに必要な作業をピックアップする、異議申立てに必要な追加資料を用意するなど、納得できる認定結果を得るための準備活動をしてもらえます。

3.実際の異議申立ての手続きや訴訟提起といった対応も全て任せられる

後遺障害等級認定結果に対する異議申立ての手続きは複雑です。

とくに、異議申立て書や反論証拠の準備などの作業は、後遺症を抱えている被害者本人にとっては相当な負担となるでしょう。

また、異議申立てにも失敗したときには民事訴訟で争うなど、さらに対応が必要になり、紛争が長期化するリスクにも晒されます。

その点、交通事故トラブルに強い弁護士に依頼すれば、異議申立ての準備活動から相手方との示談交渉、民事訴訟などの全ての手続きを代理してくれるので、被害者本人はリハビリや日常生活に専念できるでしょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
      ベンナビ交通事故で
交通事故が得意な弁護士を探す
相談料無料※
       交通事故が得意な弁護士を探す
※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります

後遺障害等級認定の異議申立てを弁護士に依頼する際の5つのポイント

後遺障害等級の認定結果に対して異議申立てをするには弁護士のサポートが不可欠ですが、弁護士なら誰でもいいというわけではありません

ここでは、後遺障害等級認定の異議申立てを依頼する弁護士選びのポイントや注意事項について解説します。

1.後遺障害の手続きが得意で実績が豊富にあるか

一口に弁護士といっても、各弁護士の専門分野はさまざまです。

相続や離婚などの一般民事に力を入れている法律事務所もあれば、企業法務に特化してリーガルサービスを提供している弁護士もいます。

そのため、後遺障害等級認定の相談先に悩んでいるのなら、交通事故トラブルに力を入れている法律事務所、そのなかでも後遺障害トラブルの対応実績が豊富な弁護士を選ぶのがおすすめです。

実際に弁護士との間で委任契約を締結する前に、法律事務所のホームページや口コミ、無料相談などの機会を利用して、弁護士の専門分野や解決実績を確認してください。

2.医学的な知識があり、医師とも連携しているか

後遺障害等級認定申請や異議申立て手続きでは、被害者が負ったけがの状態や治療・検査の内容を踏まえたうえでの対応が必要です。

つまり、法律的な知識や後遺障害等級認定手続きのノウハウがあるだけではなく、医学的な専門性を備えている必要があります。

そのため、後遺障害等級認定結果への異議申立てを検討している場合には、医師免許を保有しているなど医学的な知識な弁護士や、医師と連携している法律事務所を選ぶのがいいでしょう。

3.無理なく相談できる環境は整っているか

後遺障害等級の認定結果に不満を感じている人の多くは、交通事故で負ったけがや後遺症に今もなお悩まされているはずです。

なかには、定期的に通院やリハビリを受けている、自分だけでは外出するのが難しいという人も少なくはないでしょう。

そのため、後遺障害等級関係のトラブルを依頼する弁護士を選ぶときには、以下のポイントを参考にしつつ、ご自身の体調や心身の状況も踏まえながら、相談しやすい弁護士かどうかを判断してください。

  • 自宅や会社から、また、通院時にアクセスしやすい場所に法律事務所が所在しているか
  • 土日祝日や夜遅くなど、通いやすい時間帯に法律事務所が営業しているか
  • 法律事務所に訪問しなくても、電話やWebでの相談に対応してくれるか など

4.依頼者に寄り添った対応が期待できるか

後遺障害関係のトラブルを抱えている交通事故被害者の多くは、けがや後遺症が原因で心身に重い負担を強いられているはずです。

そのため、後遺障害等級認定の異議申立てを相談する法律事務所を決めるときには、親身で誠実な対応を期待できる弁護士を選ぶようにしましょう。

たとえば、依頼者の体調面などを考慮して臨機応変に面談の期日を決定してくれたり、法律事務所に訪問しにくいときには電話などでの対応に変更してくれたりしてくれるかを事前に確認するのがおすすめです。

5.料金体系が明確で、相場と比べて妥当か

後遺障害等級認定の異議申立てを弁護士に相談・依頼をするには、一定の弁護士費用が発生します。

依頼者自身が加入している自動車保険などに弁護士費用特約が付帯されていれば弁護士費用は保険会社が支払ってくれますが、特約が存在しない場合には、依頼者が自己負担しなければいけません。

そのため、弁護士を選ぶときには、委任契約を締結する前に、相談料や弁護士費用を確認することを強くおすすめします。

事前に費用面の説明がない法律事務所や、相場とかけ離れた料金体系を設定している弁護士は避けるべきでしょう。

弁護士に依頼したことで後遺障害等級の異議申立てが認められた事例3選

ここでは、弁護士への依頼によって後遺障害等級の異議申立てが認められた事例について解説します。

1.異議申立てにより後遺障害等級14級が認定された事例

本件は、自動車で走行中、後ろから走ってきたトラックに追突されて、乗車していた夫婦がむちうちになった事例です。

保険会社に後遺障害認定申請を任せたところ、非該当の審査結果が出されました。

審査結果に納得できなかった被害者が弁護士に異議申立てを依頼したところ、後遺障害診断書の内容やむちうちの症状を立証する証拠が不足していることが判明しました。

そこで、弁護士のアドバイスを受けて、新たな後遺障害診断書及び検査結果などを用意して異議申立てをおこなった結果、後遺障害等級14級の認定を受けることに成功しました。

最終的に、賠償金の金額が300万円増額されるに至っています。

【参考記事】後遺障害の異議申し立てにより、慰謝料夫婦合計で約300万円の増額

2.異議申立てにより後遺障害等級12級が認定された事例

本件は、被害者がバイクで走行していたところ、路外から車道に進行してきた車両を避けようとして転倒し、けがをした事例です。

当初、被害者は保険会社に対応を任せていたところ、症状固定後も股関節の動揺性や疼痛などの症状がのこっているにもかかわらず、後遺障害等級申請について非該当の判断が下されて、後遺症がない前提で示談交渉が進められていました。

弁護士は、被害者から自覚症状を聴取したうえで、法律事務所と提携している放射線医師にCT画像の鑑定を依頼し、画像鑑定と主治医が作成した意見書を準備しました。

そして、これらの証拠をそろえて異議申立てをした結果、後遺障害等級12級の獲得に成功しました。

結果として、非該当から12級へ変更し、示談金も大幅に増額されています。

【参考記事】非該当の状態から、異議申立により12級を獲得した事例

3.訴訟提起により後遺障害認定を獲得できた事例

本件は、歩行中に自動車に轢かれた被害者が、第5中足骨骨折及び外傷性頚椎捻挫を負った事案です。

示談交渉段階で後遺障害等級認定申請をしたところ、非該当の結果が下された。

そこで、弁護士が民事訴訟の対応をした結果、後遺障害等級14級の獲得に成功し、第1審で約400万円、控訴審で約540万円の損害賠償責任が確定しました。

【参考記事】後遺症が当初認定されなかったものについて、異議申し立てにより後遺症が認定された事案

後遺障害等級の異議申立てを弁護士に依頼して進める際の3つの注意点

さいごに、後遺障害等級の異議申立てを弁護士に依頼するときの注意点を3つ紹介します。

1.必ずしも異議申立てが認められるわけではない

後遺障害等級の異議申立てには回数制限は設けられていないので、理屈上は何度でも後遺障害等級認定申請にチャレンジできます。

ただし、異議申立てをしたからといって、申請者の希望が必ず受け入れられるわけではありません

異議申立てによって認定結果を覆すには、それ相応の証拠をそろえる必要があります。

新たな証拠が一切存在しないにもかかわらず、「後遺障害等級認定の審査結果に納得できない」などと感情論だけで異議申立てをしても、異議申立てが受け入れられる可能性はゼロに近いでしょう。

また、後遺障害等級認定を管轄している損害保険料率算出機構では、客観性・専門性を確保しつつ再審査を実施するために、弁護士・専門医・交通法学者などの専門家で構成される自賠責保険(共済)審査会を設置して、異議申立てがあった事案に対応しています。

この専門部会では、異議申立てに対して厳しいチェックがおこなわれるため、しっかりとした証拠などが存在しない限り、異議申立てが認められることはありません

実際、2022年度の後遺障害の専門部会における異議申立てに対する審査結果は、以下のとおりです。

審査結果等級変更あり1,111件
等級変更なし8,986件
再調査166件
その他90件
総審査件数10,353件

【参考記事】2023年度(2022年度統計)自動車保険の概況|損害保険料率算出機構

弁護士に依頼をすれば何でも実現するわけではなく、あくまでも適正な後遺障害等級を獲得できる可能性が高まると理解しておきましょう。

2.慰謝料などを受け取るタイミングがさらに遅くなる

後遺障害等級の認定結果に対する異議申立てなど、交通事故トラブルを弁護士に依頼すると、紛争が長期化する可能性が高いです。

なぜなら、弁護士は被害者に有利な認定となるように粘り強く交渉や手続きを続けるからです。

また、納得のいく認定結果を引き出せない場合には、民事訴訟に移行することもあるでしょう。

以上を踏まえると、弁護士に依頼をすれば慰謝料などが増額される一方で、交通事故トラブルが長期化して賠償金を受け取るタイミングが遅れる点には注意が必要です。

慰謝料を少しでも早く受け取りたいのなら、弁護士にその旨をしっかりと伝えて、どこまでの示談条件なら妥協できるかについても意見を擦り合わせておくとよいでしょう。

3.異議が認められなかった場合は費用倒れになるリスクが高まる

後遺障害等級の認定結果に対する異議申立てが認められず、最初の認定結果から変更がない場合には、弁護士に依頼をしたことによって生じた費用分がそのままマイナスになります。

そのため、後遺障害等級の異議申立てを検討している場合には、いきなり弁護士との間で委任契約を締結するのではなく、無料法律相談の機会などを活用して、異議申立てが通る見込みがどの程度あるのか、異議申立てをするだけの意義があるのかなどについて、事前に判断してもらいましょう。

弁護士に相談した段階で異議申立てが受け入れられる可能性が低いと判明すれば、後遺障害等級関係の手続きに費用・労力を割く必要はなくなります。

さいごに|後遺障害等級が認定されなかった際は早めに弁護士に相談しよう

後遺障害等級が適切に認定されない場合には、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談してください。

弁護士に相談すれば、認定されなかった理由を精緻に分析したうえで、異議申立てをする意味があるのかを判断してくれます。

そして、異議申立てをする場合には、後遺障害診断書の内容に対するアドバイスや、必要な検査項目を提示するなどして、等級変更の結果が得られる可能性を高めてくれるでしょう。

これにより、被害者が受け取ることができる慰謝料額の大幅増額が期待できます。

ベンナビ交通事故では、後遺障害等級認定などの交通事故トラブルを得意とする弁護士を多数紹介中です。

法律事務所の所在地、具体的な相談内容、初回相談無料などのサービス面から24時間無料で専門家を検索できるので、後遺障害認定について不満があるときには、速やかに信頼できる弁護士までお問い合わせください

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
      ベンナビ交通事故で
交通事故が得意な弁護士を探す
相談料無料※
       交通事故が得意な弁護士を探す
※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります
監修記事
弁護士法人かがりび綜合法律事務所
野条 健人
かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。
この記事をシェアする
アシロ編集部
編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
弁護士の方はこちら