交通事故後の対応
自損事故で保険金はいくらもらえる?保険の種類ごとに詳しく解説
2024.10.16
当て逃げをされてしまった場合や、当て逃げされないための対策としてドライブレコーダーは非常に有効です。
ドライブレコーダーには、駐車監視機能が搭載されているものがあるため、当て逃げをされてもしっかりと録画できるうえ、ほかのドライバーもドライブレコーダーがついている車の近くに駐車する際には、注意して運転することが期待できます。
しかし、ドライブレコーダーの使い方によっては、駐車時の当て逃げの証拠が取れないことがあるため注意が必要です。
本記事では当て逃げされた場合の対処法やドライブレコーダーを活用する方法、注意点について詳しく解説します。
ご自身が当て逃げしてしまった際の対処法についても解説していきますので、新車の購入を検討している方や当て逃げが不安な方はぜひ参考にしてください。
ほかの車から当て逃げされてしまった場合、まずは基本の対処法として以下の5つを把握しておきましょう。
当て逃げをされたら、証拠をしっかりと残すことや警察へ連絡することを徹底してください。
以下では、それぞれの対処法について詳しく解説します。
当て逃げをされたことに気づいたときには、その場から車を動かさずに当て逃げの状況を撮影し、記録に残すことが重要です。
具体的には、以下のように記録を残してください。
当て逃げに気づいたのが現場ではなく自宅の場合でも、すぐに当て逃げされた箇所を撮影し、気づいた日時や状況をできる限り細かく記録してください。
当て逃げに気づいたら、警察への連絡も忘れずにおこないましょう。
当て逃げから時間が経つほど、犯人の特定が難しくなるため、早く通報することが重要です。
また、警察へ連絡することで事故証明書を発行してもらえます。
事故証明書がないと、保険会社に事故の対応や補償をおこなってもらえないことがあるため、警察には必ず連絡して事故証明書をもらうようにしてください。
ドライブレコーダーがついているのであれば、ドライブレコーダーの映像を確認しましょう。
ドライブレコーダーの映像は、犯人を特定するために非常に有効な証拠です。
犯人を特定できれば修理代なども請求できるため、ドライブレコーダーの映像を確認し、当て逃げの瞬間が撮影されていないかどうかチェックしましょう。
なお、事故の映像が上書きされないよう、当て逃げに気づいたらドライブレコーダーの電源を落とすか、SDカードを差し替えるなどして、証拠を保全してください。
ドライブレコーダーのほかにも、周辺の商業施設や駐車場の防犯カメラなど、証拠になるものがないか確認しましょう。
映像のほか、近隣住民や従業員などの客観的な証言があれば、被害届を出す際の有力な証拠となり、被害の補償を受けるときにも有利になるでしょう。
自分が加入している損害保険会社へも連絡しましょう。
加害者が見つからなかったり、加害者が修理費などを支払わなかったりする場合は、自分の保険会社が修理代を立て替えてくれる場合があります。
相手との交渉をおこなってくれる場合もあるため、当て逃げの被害にあったら、必ず自分が加入している損害保険会社へも連絡するようにしてください。
ただし、当て逃げが保険の対象になるかどうかは、加入している保険によって異なるので注意しましょう。
当て逃げ対策や当て逃げの犯人を捕まえたいときには、ドライブレコーダーが有効です。
ここでは、ドライブレコーダーが当て逃げ対策に有効な理由を詳しく解説します。
ドライブレコーダーの映像は、加害者を特定するための有力な証拠になります。
ドライブレコーダーには、加害者の顔や自動車ナンバーが映っている可能性があるためです。
当て逃げによって自動車が傷ついたり故障したりしたことによる修理をおこなう場合、加害者が特定できなければ被害者は泣き寝入りになってしまいます。
加害者側に責任を負わせるために、ドライブレコーダーを設置することは非常に有効です。
加害者である可能性が高い人物が当て逃げを認めない場合にも、ドライブレコーダーの映像は効果的です。
ドライブレコーダーがなければ目撃者の証言や、お互いの車に付着している塗装などによって当て逃げがあったかどうかを特定しなければなりません。
そのため、当て逃げをされたことの証明には非常に手間がかかり、被害者が泣き寝入りするケースも少なくありません。
しかし、ドライブレコーダーに当て逃げの瞬間が撮影されていれば、加害者は「当て逃げをしていない」という証言で逃げることは難しくなります。
加害者に当て逃げを認めさせ、スムーズに補償を受けるためにもドライブレコーダーはとても有効です。
ドライブレコーダーの駐車監視機能には、動体検知録画・衝撃検知録画・常時録画の3つの種類があります。
それぞれの録画方法の違いは、次のとおりです。
機能 | 概要 |
動体検知録画(モーションセンサー録画) | 動くものを感知したときに、その前後十数秒だけを記録する |
衝撃検知録画(Gセンサー録画) | 衝撃によって録画を開始する |
常時録画 | 常の録画をしておく |
常時録画は必要な録画容量が大きいため、一定期間録画を続けると、録画したデータが上書きされます。当て逃げに気づかなかった場合、当て逃げの瞬間が上書きされて消えてしまうおそれもあるでしょう。
そのため、当て逃げ対策には、衝撃によって録画を開始する衝撃検知録画に対応したドライブレコーダーがおすすめです。
ドライブレコーダーの駐車監視機能で当て逃げの対策をおこなう場合、以下の3つの点に注意してください。
万が一当て逃げをされた場合も、上記の注意点を理解しておかなければ有力な証拠として活用できない場合があります。
以下では、それぞれの注意点について、詳しくみてみましょう。
衝撃検知録画のドライブレコーダーでは、加害車両のナンバーが映らない可能性がある点に注意が必要です。
衝撃検知録画は、衝撃があってから数秒後に録画を開始するため、当て逃げの瞬間は撮影できません。
また、当て逃げをされた角度や位置によっては当て逃げをされた車の姿すら捉えられない可能性があります。
衝撃検知録画は衝撃がないときには録画をしないため、最も効率的な録画方法ですが、事故の瞬間は録画できないという点は最大のデメリットです。
常時録画は駐車中、常に録画を続ける方法です。
そのため、当て逃げの瞬間を逃さずに撮影できる最も有効的な方法でしょう。
しかし、常時録画は録画する時間が長いため、保存する際の容量が膨大です。
そのため、長時間当て逃げに気づかないと、録画データが上書きされてしまい、大切な当て逃げの瞬間が上書きによって削除される可能性があります。
容量を節約するために、駐車の際の録画コマ数を1コマ~15コマ(fps)程度に落とすタイムラプスモードで撮影するか、頻繁に映像をバックアップするなどの対応が必要になります。
相手が損害賠償の支払いに応じない場合や罪を認めない場合は、相手への腹いせのためにドラレコの映像をSNSに上げて晒そうとする人も少なくありません。
また、加害者がなかなか見つからないからと、SNSに録画をアップロードして情報提供を募るケースも考えられます。
しかし、安易にドラレコの映像をSNSへあげると以下のようなリスクがあります。
ドラレコの映像をSNSにあげることによって、解決がリスクもあるのです。
映像は警察や保険会社へ提出する資料としてのみ活用し、安易にSNSへアップしないようにしてください。
当て逃げ対策にはドライブレコーダーが有効ですが、ドライブレコーダーであればなんでもよいわけではありません。
次の4つのポイントを満たしたドライブレコーダーを購入するようにしてください。
当て逃げ対策に適したドライブレコーダーの選び方を詳しく解説します。
エンジンが止まっていても録画できるドライブレコーダーを選んでください。
一般的なドライブレコーダーは、運転中の事故などの映像を記録するためのものです。
そのため、エンジンを付けるとカメラが起動し、エンジンを止めるとカメラもオフになります。
しかし、駐車監視機能付きのドライブレコーダーは、駐車中のトラブルを記録するため、エンジンが止まっている状態でも録画が可能です。
当て逃げ対策としてドライブレコーダーを使用する場合には、エンジンが付いていなくても録画できる駐車監視機能付きのドライブレコーダーを選択しましょう。
当て逃げをした犯人を特定するためには、画像からナンバーを確認できなければなりません。
当て逃げの瞬間を写していたとしても、ナンバーの読み取りができなければ、加害車両を特定できないためです。
逆光の位置や夜間、カメラの撮影範囲内で明暗の差が大きいなどの場面では、ナンバーの読み取りができない可能性があります。
画質はHDでは不十分だと言われているので、2Kまたは4K程度を目安にしましょう。
また、解像度は1080p以上のものがおすすめです。
可能であれば実際の録画画像を確認し、ナンバーの読み取りができるカメラかどうかをチェックしましょう。
ドライブレコーダーは、撮影範囲ができる限り広いものを選びましょう。
一般的にドライブレコーダーは車の正面に設置して固定するため、正面からの接触しか撮影できません。
そのため、1台しか設置しない場合は、ある程度死角ができてしまいます。
少しでも死角を減らすために、できる限り撮影範囲が広いドライブレターを選択しましょう。
一般的に、ドライブレコーダーは前方約120度から170度程度の範囲を撮影しています。できれば横画角が広いカメラを購入したほうがよいでしょう。
ドライブレコーダーは操作性がよいことも非常に重要です。
ドライブレコーダーの中には、走行中の撮影モードから、駐車監視機能に手動で切り替えなければならないなど、操作が面倒な商品も存在します。
簡単に操作できなければ、切り替えが面倒になり、駐車監視機能を起動させず、当て逃げの瞬間を撮影できなかったという可能性もあります。
大切なシーンを録画し損ねることがないよう、自動で切り替えられるものや、リモコンやスマホで簡単に操作できるものを選びましょう。
ドライブレコーダー以外にも、次の4つの方法で当て逃げ対策が可能です。
それぞれの対策方法について、以下で詳しく解説します。
建物の出入り口付近に車を駐車することは避けたほうがよいでしょう。
建物への出入りがしやすい入り口近くは、多くの車が駐車します。
車の数が多ければ、その分事故や歩行者による車への接触のリスクも大きくなるでしょう。
少し歩くのは面倒かもしれませんが、事故のリスクをできる限り軽減するため、車の少ない建物から離れた場所へ駐車するとよいでしょう。
混雑している駐車スペースでは事故のリスクも高くなります。
そのため、できる限り空いている駐車場へ車を停めましょう。
隣に車が停車していない駐車スペースに車を停めることで、隣の車のドアが開いたときに隣の車にぶつける「ドアパンチ」などのリスクを軽減できます。
車が並んでいる中に1台駐車スペースの空きを見つけると「ラッキー」と考えて、狭いところへ駐車したくなるものですが、少し建物から遠くても、空いているスペースへ車を停めるようにしましょう。
駐車場の防犯カメラの範囲内に駐車することで、当て逃げがあっても犯人を特定でき、補償を受けられる可能性が高くなります。
当て逃げがあった際に施設へ問い合わせることで、防犯カメラの映像を施設が提供してくれるため、映像から加害車両のナンバーを確認して犯人を特定できるでしょう。
商業施設であれば、ほとんどの駐車場に防犯カメラが設置されています。
カメラの向きを確認し、カメラに映りやすい場所へ車を停めるようにしましょう。
ドライブレコーダーだけでなく、自宅の駐車場にも防犯カメラを設置したほうがよいでしょう。
自宅の駐車場に防犯カメラを設置すれば、自宅で当て逃げをされた際に有力な証拠になりますし、ドライブレコーダーの死角で当て逃げをされた場合も、防犯カメラで犯人を特定できる可能性があります。
また、最近は車両の盗難も増えているため、自宅車庫や駐車場には防犯カメラを設置しておいたほうが安心です。
自分が当て逃げしてしまった場合の対処法も理解しておきましょう。
不注意で他人の車にぶつけてしまい、動揺してその場を立ち去ってしまう人も少なくありません。
しかし、その場を立ち去ってしまったら立派な当て逃げです。
「当て逃げをしてしまった」「当て逃げをしかかもしれない」というときは次の3つの方法で対処しましょう。
当て逃げしてしまったときの3つの対処法を、以下で詳しく解説します。
相手の車に当ててしまったことに気づいたら、すぐに警察へ連絡してください。
このような段階で自分から警察へ連絡することで、刑事責任が問われない可能性もあります。
反対に、相手が当て逃げに気づき、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像が警察に提出され、犯人の特定が進んでいる場合には、警察から出頭を求められる可能性が高くなります。
当て逃げは、道路交通法117条の5第1号により、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が課される刑事罰です。
刑事責任を問われなければ、上記の刑事罰は課されません。そのため、当て逃げに気づいたら、被害者や警察よりもとにかく早く自分から警察へ届け出ることが重要です。
ぶつけてしまった車の持ち主が特定できている場合は、相手方へ連絡し、謝罪をしましょう。
物損事故の場合には、刑事責任や行政責任を問われることはありません。しかし、民事責任は問われるため、示談をスムーズに進めるために相手の感情を逆撫でしないことが重要です。
事故の被害者の感情を和らげるためにも、できる限り早く相手へ連絡して謝罪し、誠実な対応を心がけるとよいでしょう。
例え当て逃げがあっても、当事者同士で示談が成立している場合には、物損事故として処理される可能性が高くなり、刑事責任を問われる可能性も低くなります。
そのため、できる限り早く相手と示談を成立させることが重要です。
もしも相手との示談がまとまらず、当て逃げとして処理されてしまうと、30日間の免許停止処分という行政罰が課され、それに加えて刑事罰が課されるおそれもあります。
当て逃げをしてしまったら、速やかに示談交渉が成立するかどうかが非常に重要になります。
心配な方は早めに弁護士へ相談するようにしてください。
駐車中の当て逃げを完全に防ぐ方法はありません。
そのため、もしも当て逃げされてしまったときのために、犯人を特定できる準備をしておくことが重要です。
当て逃げ対策としては、駐車時の録画機能がついたドライブレコーダーがおすすめです。
駐車監視機能付きドライブレコーダーであれば、駐車中も録画してくれるため、当て逃げの犯人を特定できる可能性が極めて高くなります。
広い範囲を撮影でき、操作が簡単で、ナンバープレートが認識できるドライブレコーダーを選びましょう。
また、当て逃げ犯を特定できたあとは、示談交渉などの手続きが必要になります。示談交渉で有利な条件を実現するには、弁護士のサポートが必要不可欠です。
ベンナビ交通事故では、示談交渉に強い弁護士を多数掲載しているので、弁護士選びで困っている方は、ぜひ活用してください。