損害賠償・慰謝料請求
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット10選|デメリットはある?
2024.05.07
交通事故で慰謝料を請求する場合、弁護士に相談するのがおすすめです。
交通事故の慰謝料の算定には、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3種類がありますが、弁護士のサポートを受けることで慰謝料が高額になりやすい弁護士基準での算定が可能になります。
本記事では交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリットを紹介します。
実際の事例をもとに、なぜ弁護士に依頼することで慰謝料が増額されるのかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
交通事故の慰謝料額などについて相手方の保険会社から提示されているものの、その金額に納得していないという方もいるでしょう。
この場合、弁護士に依頼して増額交渉をしてもらうことで、どのくらい慰謝料を請求できるかを知りたいところです。
ベンナビ交通事故の「交通事故の慰謝料計算機」を使えば、入院日などの簡単な入力だけで以下2つを簡単に算出できます。
※慰謝料を含め交通事故被害者が相手へ請求できる(保険会社が被害者に提示する)すべての総額
※目安となる参考額になります。
実際の金額とは差が生じる場合もあります。
30秒程度の入力で、上記2つの差がどのくらいあるかすぐにわかるのでぜひお試しください。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼した場合、慰謝料の増額やスムーズな解決が期待できます。
以下では弁護士に依頼するメリットについて詳しく解説します。
交通事故の慰謝料を計算する方法には以下の3つの基準があります。
自賠責基準 | 法令が定める最低限の補償をおこなうことを目的とした基準 |
任意保険基準 | 各保険会社が独自に設けている補償の基準で、一般的には自賠責基準より高めに設定されている |
弁護士基準 | 裁判所の判例などを参考にした補償の基準で、自賠責基準や任意保険基準に比べ高額になる |
この中で慰謝料が一番高額となるのは弁護士基準で慰謝料を算定した場合です。
弁護士基準を用いて算定した場合、自賠責基準や任意保険基準と比べて、慰謝料が2~3倍になることもあります。
ただし、弁護士基準で算定できるのは、弁護士が事件に介入した場合のみです。
そのため、交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼することで慰謝料の増額を見込むことができます。
弁護士に依頼することで慰謝料が増額された例を紹介しましたが、いったいなぜ弁護士に依頼すると慰謝料が増額できるのでしょうか?
以下ではその理由を5つ紹介します。
弁護士に依頼することで慰謝料が増額できる大きな理由は、弁護士基準をもとに慰謝料の算定がおこなえるからです。
前述のとおり慰謝料の算定基準には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の3つがありますが、弁護士基準が最も慰謝料が高くなりやすい算定方法です。
弁護士に依頼することで慰謝料の算定を弁護士基準でおこなうことができ、結果慰謝料の増額につながります。
相手方の保険会社が提示する過失割合は、個別の事情が反映されていないケースが少なくありません。
そこで専門知識を備えた弁護士に依頼することで、妥当な過失割合を相手方に主張してもらえるのです。
被害者側の過失割合が低くなれば、相手から獲得できる慰謝料額もその分増額できます。
保険会社は、被害者が治癒(症状固定)しそれ以上の治療が必要ないと判断されるまで、治療費を支払う義務があります。
症状固定とは治療を続けても、症状が改善することがない状態のことです。
ただ症状固定の判断は必ずしも明確とは言えず、保険会社は早い段階で症状固定したと判断し、治療費の支払いを打ち切ることがあります。
交通事故対応の経験が豊富な弁護士に依頼することで、治療継続が必要な理由を証明する資料の集め方を教えてもらうことが可能です。
そのうえで適切な証拠を備えて弁護士に交渉してもらうことにより、治療費支払いの打ち切りを回避できるケースも少なくありません。
交通事故の後遺障害認定とは、交通事故により後遺症が残ったと自賠責保険が判断することをいいます。
後遺障害認定によって、より高い等級の後遺症が認められることで請求可能な慰謝料額も増額するのです。
しかし交通事故に遭い医師から後遺症と診断されたにも関わらず、適切な後遺障害認定がされないことが少なくありません。
原因は複数考えられますが、その1つが提出書類の不備や証拠不足です。
後遺障害認定の申請には、医療だけでなく法律の知識も必要となります。
そのため医師の診断があったからといって、必ずしも適切な後遺障害認定がされるとは限らないのです。
交通事故対応の経験が豊富な弁護士であれば、後遺障害診断書の適切な書き方や証拠として有効な書類や検査などを熟知しています。
そのため弁護士に依頼して手続きのサポートをしてもらうことで、適正な後遺障害認定が受けられないリスクを軽減できるのです。
交通事故の態様(故意性や無免許、飲酒運転など)や加害者の態度(被害者に謝罪しないなど)によっては、慰謝料の増額が認められることがあります。
ただし、交通事故の対応は迅速な処理をおこなう必要があることから、裁判の際の慰謝料額は、できるだけ定額化しようとする動きが進んでおり、慰謝料の増額を認めてもらうためには適切な主張が必要となります。
交通事故対応の経験が豊富な弁護士に依頼すれば、このような増額事由を見逃さず相手へ適切に主張してくれるのです。
その結果、慰謝料の増額が期待できます。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼する際には以下の3つのポイントに注意することが大切です。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼する際には、弁護士の選び方が重要なポイントとなります。
とくに交通事故トラブルの解決実績が豊富な弁護士を選ぶことが大切です。
担当してもらう弁護士に交通事故トラブルの解決実績が豊富であれば、交通事故に関する判例の知識や、保険会社との交渉の経験が十分にあることに繋がります。
また、依頼主が有利になるような解決に導いたり、スピード感のある解決が期待できるでしょう。
弁護士を利用するのであればできるだけ早いタイミングから依頼することをおすすめします。
基本的には、早い段階で依頼し契約期間が長くなったからといって、それが理由で弁護士費用が高くなるということはありません。
弁護士との契約は、依頼のタイミングに関わらず一般的に示談の成立まで続き、成功報酬形式であれば示談の成立をもって費用を支払うことになります。
せっかく同じ費用を払うのであれば、早いタイミングで弁護士に依頼し、早いうちから相手方の保険会社との交渉をおこなってもらうことや、スムーズな解決に導いてもらうことが望ましいでしょう。
弁護士を選ぶ際には、自分と弁護士の相性も重要なポイントとなります。
そのためには複数の弁護士に相談をおこない、比較をしてから依頼をするのがおすすめです。
弁護士に相談する際には無料相談をうまく利用するようにしましょう。
通常弁護士への相談には30分あたり5,000円程度の費用がかかることが一般的ですが、法律事務所によっては初回の相談を無料としている場合があります。
弁護士への無料相談をうまく活用し、自分に合う弁護士を見つけて依頼することで、交通事故トラブルの解決を有利に進められます。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼することには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも考慮する必要があります。以下に、主なデメリットを3つ挙げ、それぞれについて詳しく解説します。
弁護士に依頼する際の最も一般的なデメリットは、費用倒れのリスクです。弁護士に依頼することで、慰謝料が増額される可能性がありますが、その増額分が弁護士費用を上回らない場合、結果的に被害者が経済的にマイナスになることがあります。
特に、軽傷で通院期間が短い場合や、物損のみの事故では、弁護士に依頼することによる経済的なメリットが少ないことがあります。弁護士費用は、着手金や報酬金などが発生し、これらの費用が慰謝料の増額分を上回ると、被害者にとっては損失となります。
また、弁護士費用特約がない場合は、自己負担が必要となるため、事前に費用対効果を十分に検討することが重要です。費用倒れを避けるためには、弁護士に依頼する前に、慰謝料の増額見込みや費用についてしっかりと相談し、見通しを確認することが推奨されます。
弁護士に依頼することで示談金が大幅に増額することを期待する人も多いですが、必ずしもそうなるとは限りません。特に、事故の状況や被害の程度によっては、弁護士が介入しても増額が見込めない場合があります。
軽微な事故や過失割合が大きい場合などでは、弁護士が介入しても示談金の増額が期待できないことがあります.このような場合、弁護士に依頼することで発生する費用と、得られる示談金の増額が釣り合わない可能性があるため、事前に弁護士と相談し、増額の見込みについて確認することが重要です。
特に、初回の無料相談を活用して、増額の可能性や見通しについて詳しく話し合うことが推奨されます。
弁護士に依頼することで、手続きがスムーズに進むことが期待されますが、場合によっては時間がかかることもあります。特に、保険会社との交渉や法的手続きが複雑な場合、弁護士が介入することで手続きが長引くことがあります。
また、弁護士が介入することで、保険会社が慎重になる場合もあり、交渉が長期化することも考えられます。被害者自身が迅速な解決を望む場合には、弁護士に依頼することで逆に時間がかかる可能性があるため、事前に弁護士と相談し、手続きの進行状況や見通しについて確認することが重要です。
時間がかかることが予想される場合は、被害者自身の意向やスケジュールに合わせて、弁護士としっかりとコミュニケーションを取ることが求められます。
弁護士に交通事故の慰謝料請求を依頼する際には、「費用倒れ」に注意する必要があります。
交通事故の慰謝料請求における費用倒れとは、弁護士に依頼したものの慰謝料が思うように増額されず、弁護士費用を差し引いたら、本来得られたはずの慰謝料より安くなってしまったケースを指します。
交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼した場合の費用の相場は以下のとおりです。
費用倒れにならないよう、弁護士に依頼することで慰謝料をどのくらい増額できるのか、弁護士にあらかじめ相談のうえ依頼するのがよいでしょう。
【交通事故を依頼した場合の弁護士費用の目安】
費用項目 | 着手金あり | 着手金なし |
相談料 | 5,000円~1万円/30分 | 5,000円~1万円/30分 |
着手金 | 経済的利益(得られた利益)の額に応じて変動 300万円以下:経済的利益の8% 300万円を超え3,000万円以下:5%+9万円 3,000万円を超え3億円以下:3%+69万円 3億円を超える:2%+369万円 | 0円 |
報酬金 | 経済的利益(得られた利益)の額に応じて変動 300万円以下:経済的利益の16% 300万円を超え3,000万円以下:10%+18万円 3,000万円を超え3億円以下:6%+138万円 3億円を超える:4%+738万円 | 10万~20万円+経済的利益(得られた利益)の額に応じて変動 300万円以下:経済的利益の16% 300万円を超え3,000万円以下:10%+18万円 3,000万円を超え3億円以下:6%+138万円 3億円を超える:4%+738万円 |
実費 | 交通費・収入印紙代・通信費などにより異なる | 交通費・収入印紙代・通信費などにより異なる |
日当 | 3万~5万円/半日、5万~10万円/1日 ※移動距離・移動時間・日数などにより異なる | 3万~5万円/半日、5万~10万円/1日 ※移動距離・移動時間・日数などにより異なる |
交通事故の慰謝料請求をおこなうなら、弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼をおこなうことで慰謝料の増額が見込めたり、スムーズな解決が期待できたりするようになります。
弁護士に依頼をおこなう際には弁護士選びが重要です。
とくに交通事故問題の解決実績が豊富かどうかは必ず確認しておきたいポイントといえるでしょう。
交通事故問題の解決実績が豊富な弁護士を探すなら「ベンナビ交通事故」の利用がおすすめです。
ベンナビ交通事故は、交通事故問題の解決実績が豊富な弁護士が数多く掲載された弁護士のポータルサイトで、所在地や相談内容から弁護士を検索することができます。
信頼できる弁護士を探し出して、慰謝料請求や示談交渉をスムーズにおこなえるようにしましょう。