過失割合
過失割合に納得できないなら弁護士に相談!交通事故の損害賠償金額を増やす方法
2023.05.30
交通事故に巻き込まれ、弁護士への相談・依頼を検討していながらも、さまざまな疑問や不安を感じて一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、過失割合の交渉を弁護士に依頼するメリットを詳しく解説します。
交通事故トラブルの解決が得意な弁護士の探し方なども紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
まずは、弁護士に相談する方が知っておくべき過失割合の基礎知識を紹介します。
弁護士との会話を円滑に進めるためにも、最低限の知識は事前に身につけておきましょう。
過失割合は加害者・被害者双方の過失がどの程度あったのかを比率で示すものであり、受け取れる示談金に大きく影響します。
示談金には過失相殺と呼ばれる既定が適用され、過失割合が大きくなるほど受け取れる金額が小さくなってしまうことを覚えておきましょう。
たとえば、交通事故による損害額が1,000万円だったと仮定します。
この場合、加害者と被害者の過失割合が8:2なら、1,000万円から200万円を差し引いた800万円が示談金となります。
しかし過失割合が7:3になれば、人身事故の場合、示談金は700万円に下がってしまいます(物損事故の場合は、相殺払い等も考えられるため、示談金が700万円貰えるとは言い切れません。)。
そのため、正当な示談金を獲得するためには、過失割合を正しく設定する必要があるのです。
過失割合は、当事者同士で話し合って決定するものです。
もし当事者間での話し合いが難しければ裁判に移行することもありますが、その場合も、当事者双方の主張・立証をもとに裁判所が過失割合を決定します。
ただし、一般的には双方の自動車保険会社が代理で交渉を進めるので、当事者同士で直接話し合うことはほとんどありません。
通常、過失割合は過去の裁判例を基準にして決めていきます。
そのため、類似した交通事故が過去にどの程度の過失割合を用いているかが重要になってきます。
なお、過去の裁判例を参考にする際は「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂5版(別冊判例タイムズ38号)」という書籍を使用するケースが一般的です。
過失割合の交渉が得意な弁護士の探し方は、主に以下の4つです。
それぞれに異なるメリットがあるので、用途に合わせて適切に使い分けましょう。
過失割合の交渉が得意な弁護士は、まずポータルサイトで探してみましょう。
弁護士検索に特化したポータルサイトであれば、ご自身の悩みに合った弁護士を効率よく検索することができます。
弁護士を検索できるポータルサイトはいくつかありますが、過失割合が得意な弁護士を探す場合はベンナビ交通事故がおすすめです。
ベンナビ交通事故なら相談内容を細かく設定できるため、過失割合が得意な弁護士だけをピックアップできます。
また、都道府県や主要都市単位で地域を絞り込んだり、「電話相談可」「初回の面談相談無料」「休日の相談可」などの検索条件を設定したりすれば、ご自身の希望に合った弁護士を素早く見つけられるはずです。
過失割合が得意な弁護士は、インターネットで検索するのもひとつの方法です。
任意の検索キーワードで、より細かいニーズに合致した弁護士を絞り込める点がメリットといえるでしょう。
しかし、インターネット上の情報は個人の主観に基づくものも多いため、信憑性の見極めが困難です。
口コミやレビューなどもある程度参考にはなりますが、決して鵜呑みにはしないようにしてください。
信頼できる弁護士を知人に紹介してもらうのもよいでしょう。
交通事故に関するトラブルを弁護士に相談したことのある知人がいれば、弁護士の人柄などを事前に把握できます。
どの程度の弁護士費用がかかったのか、納得できる過失割合になったかなど、気になる情報も具体的に教えてもらえるかもしれません。
過失割合の交渉が得意な弁護士は、保険会社に紹介してもらうのも選択肢のひとつです。
保険会社は顧問弁護士を抱えているケースも多く、交通事故トラブルの解決実績が豊富な弁護士を紹介してもらえる可能性があります。
ただし、保険会社から紹介があった場合、必ずしもその弁護士に依頼しなければならないわけではありません。
あくまでもご自身が信頼できる相手を選ぶことが大切です。
次に、過失割合の交渉が得意な弁護士を選ぶときの5つのポイントを紹介します。
過失割合の交渉が得意な弁護士を選ぶ際は、交通事故の解決実績が豊富にあるかどうかを確認しておきましょう。
弁護士は法律の専門家ではあるものの、全員が交通事故の解決実績を有しているわけではありません。
そのため、十分な実績をもたない弁護士に相談・依頼してしまうと、思うような成果を得られない可能性があります。
解決実績は法律事務所の公式サイトなどで公開されているので、事前に確認しておくことが重要です。
親身になって相談に乗ってくれるかどうかも、弁護士選びのポイントといえます。
話を丁寧に聞き、熱心にアドバイスしてくれる弁護士でなければ、信頼して相談を進めることはできません。
そのため、無料相談の機会などを通して、ご自身との相性をしっかりと確認したうえで、依頼するかどうかを検討することが大切です。
弁護士を選ぶ際は、リスクについての説明があるかどうかも気にかけておきましょう。
優秀な弁護士であれば、ご自身に不利なことを踏まえたうえで、考え得る最善の対処法を提案してくれるはずです。
相談を持ち掛けた際に都合のよいことばかりを回答してくる弁護士は、十分な知識がなかったり、利益のことだけを考えたりしている可能性があるので注意してください。
料金体系が明確でわかりやすいかどうかにも着目しておきましょう。
料金体系は法律事務所が個々に設定しているため、正しく理解しないまま依頼してしまうと、あとで想定外の料金を請求されることにもなりかねません。
特に成功報酬は、経済的利益に一定割合を乗じて計算するケースが多いため、賠償金の額によっては数百万円~数千万円にのぼることもあります。
料金が発生する段階になれば、弁護士から説明があるはずですが、不明な点は納得できるまで確認するようにしてください。
弁護士費用の相場がイメージできない方は、複数の法律事務所から見積もりをとってみるのもよいでしょう。
初回無料相談などに応じている弁護士を選ぶことも大切です。
通常、弁護士に相談する際は30分5,000円程度の料金が発生します。
しかし、弁護士との相性や条件が合わない可能性を考慮すると、まずは費用がかからない無料相談を利用するのがおすすめです。
法律事務所によっては回数を問わず無料で相談できることもあるので、事前にしっかりと調査しておくようにしましょう。
ここでは、過失割合の交渉を弁護士に依頼する3つのメリットを紹介します。
過失割合に関する話し合いが一向に進まない場合は、弁護士への依頼を積極的に検討してみましょう。
弁護士に依頼すれば、適正な過失割合を算定できます。
一般的に過失割合は過去の裁判例を参考に検討していきますが、事故の種類は千差万別なので裁判例をそのまま適用できるとは限りません。
もし自力で過失割合を算定しようとすると、示談金の受取額が大幅に減額されてしまう可能性もあります。
そのため、まずは弁護士に依頼し、専門的な観点から個々の事案に応じた適正な過失割合を算定してもらうことが大切です。
過失割合の交渉を弁護士に依頼するメリットのひとつが、賠償金の増額が期待できることです。
保険会社が賠償金を算定する際は、任意保険基準と呼ばれる基準を参考にします。
しかし、任意保険基準は会社が独自に定めているものなので、賠償金の額が本来受け取れる金額よりも低めに算定されるケースがほとんどです。
一方、弁護士に依頼すれば弁護士基準を用いて賠償金を算定してもらえます。
弁護士基準は過去の裁判例で確定した賠償金の額に基づいているため、損害に見合った賠償金を算定することが可能です。
そのため、保険会社からの提示額に納得できない場合でも、弁護士に依頼すれば増額できる可能性があります。
保険会社が譲歩するケースが多いことも、弁護士に依頼するメリットといえるでしょう。
過失割合に関して自力で交渉しようとしても、まともに応じようとしない保険会社も少なくありません。
十分な知識をもたないことにつけこんで、強気な態度をとってくるケースもあるでしょう。
しかし、弁護士に依頼し、根拠に基づいた主張をおこなってもらうことができれば、保険会社も素直に応じるほかなくなります。
また、保険会社としては裁判に発展することは避けたいはずなので、妥協ラインを大きく引き下げられるかもしれません。
次に、弁護士に依頼して過失割合が変わった事例を紹介します。
ご自身が抱えている事案においても、同様に賠償金を増額できる可能性があるのでぜひ参考にしてみてください。
ひとつめは、横断歩道を歩行横断している際に軽自動車が追突してきた事例です。
上記のように、弁護士に依頼することで過失割合がゼロになるケースも珍しくありません。
ふたつめは、乗車したタクシーが交通事故を起こした事例です。
上記のように、弁護士に依頼すれば過失割合を大幅に減らせることもあります。
そのため、少しでも保険会社が提示してきた過失割合に納得がいかない場合は、弁護士に相談してみることが大切です。
ここでは、過失割合の交渉を弁護士に依頼する場合の費用を解説します。
弁護士費用は法律事務所によって大きく異なるため、目安のひとつとして参考にしてみてください。
過失割合の交渉を弁護士に依頼すると、主に以下の費用が発生します。
着手金は、弁護士に仕事を依頼した時点で発生する費用です。
問題が解決したかどうかにかかわらず、契約時に定めた金額を支払わなければなりません。
なお、着手金に関しては不要としている法律事務所も数多く存在します。
報酬金は、問題が解決した場合に支払う費用です。
保険会社から実際に受け取る賠償金の額によって、最終的な費用が決定します。
たとえば、報酬金が30%で1,000万円の賠償金を受け取った場合、報酬金は300万円となります。
また、上記費用のほかに相談料や事務所外に活動する際の日当、交通費・通信費・郵送費などの実費の支払いも必要です。
弁護士費用は決して安いものではないので、依頼先を選ぶ際はしっかりと比較検討するようにしましょう。
弁護士特約を使えば、最大300万円まで弁護士費用がカバーされる場合があります。
弁護士特約とは、損害賠償請求を弁護士に依頼する際の費用を補償してもらえる制度のことで、自動車保険のオプションとして加入するケースが一般的です。
過失割合が10割未満であれば弁護士費用を補償してもらえるので、積極的に利用することをおすすめします。
なお、過失割合が10割の場合は、そもそも損害賠償請求自体をおこなえないので弁護士特約は使用できません。
また、補償額の上限は加入している保険の種類によって異なるため、まずは契約内容を確認することから始めましょう。
次に、弁護士に依頼せずに納得できない過失割合を変えたいときは、専門機関に裁判外での解決を依頼するADRの手法を用いるケースが一般的です。
ADRには複数の選択肢があるので、ぜひ参考にしてみてください。
交通事故紛争処理センターのADRを利用すれば、納得できない過失割合を変えられるかもしれません。
交通事故紛争処理センターは、自動車事故に関する損害賠償問題の解決を無料でサポートしてくれる公益財団法人です。
相手方を呼び出して和解のためのあっせん案を提示してくれたり、審査を経て最終的な結論を示してくれたりするため、その中で正しい過失割合に修正できる可能性があります。
交通事故紛争処理センターの利用方法やサービス内容などを詳しく知りたい場合は、以下の記事をチェックしてみてください。
【関連記事】交通事故紛争処理センターとは?利用メリットとサービス内容、流れと注意点を紹介
日弁連交通事故相談センターのADRを利用するのも、ひとつの方法です。
日弁連交通事故相談センターは、交通事故トラブルに関する民事上の法律問題に関して相談を受け付けている団体です。
原則5回まで面接相談に応じてくれるほか、必要と判断された場合は示談のあっせんをサポートしてもらうこともできます。
電話相談にも対応しているので、過失割合に納得できない場合は気軽に問い合せてみるとよいでしょう。
日弁連交通事故相談センターの利用方法や具体的なメリットは、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。
【関連記事】日弁連交通事故相談センターを利用する際の5つの心得
最後に、過失割合について弁護士に依頼する場合のよくある質問を紹介します。
同様の疑問を抱えている方は、実際に依頼する前にチェックしておきましょう。
過失割合に関する悩みを抱えている場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが大切です。
少しでも交渉が進んでしまうと、弁護士も介入しにくくなってしまいます。
特に示談書へのサインが終わってしまうと、過失割合を覆すのは難しくなるので注意が必要です。
保険会社から提示された過失割合に納得いかないときは、まず弁護士に相談するようにしましょう。
過失割合の交渉は、自力でおこなうことも可能です。
しかし、交通事故や示談交渉の経験をもたない方が交渉しようとすると、不利に働く可能性があるのでおすすめはできません。
たとえば、保険会社から提示された過失割合に納得がいかない場合、反論するにはしっかりとした根拠が必要です。
しかし、過去の裁判例を調べたり、関係する法律を学んだりすることは簡単ではなく、十分な知識・経験のある保険会社の担当者が相手だと言い負かされるおそれがあります。
そのため、過失割合を少しでも有利なものにしたいのであれば、弁護士のサポートが必要不可欠といえるでしょう。
過失割合について納得できないなら、まずは弁護士へ相談してみましょう。
過失割合が得意な弁護士に相談・依頼すれば、ご自身の過失割合を減らし、受け取れる賠償金の額を増額できる可能性があります。
一般的に過失割合は保険会社から提示されますが、知識・経験のない方が自力で交渉しようとしても、不利な方向に進んでしまう可能性があるので注意してください。
過失割合が得意な弁護士を探す際は、ベンナビ交通事故の活用をおすすめします。
豊富な解決実績のある弁護士が多数掲載されているほか、都道府県・主要都市単位で地域を絞り込めるので、ご自身に適した弁護士をすぐに見つけられるはずです。