任意整理でクレジットカードは使えなくなる?代替手段や新規作成のポイントも解説

富永 慎太朗
監修記事
任意整理でクレジットカードは使えなくなる?代替手段や新規作成のポイントも解説
  • 「任意整理をするとクレジットカードが使えなくなるの?」
  • 「任意整理後にクレジットカードなしで生活はできるの?」

任意整理を検討しているものの、クレジットカードへの影響が気になる方は少なくないでしょう。

まず、任意整理の対象にクレジットカードを含めた場合、そのカードは強制解約となり利用できなくなります。

また、任意整理をすると事故情報が登録されるため、更新や新規作成なども難しくなるデメリットがあります。

本記事では、任意整理とクレジットカードの関係を知りたい方に向けて、以下の内容について説明します。

  • 任意整理によるクレジットカードへの影響
  • 任意整理後のクレジットカードの代替手段
  • 新しくクレジットカードを作る際のポイント など

任意整理を検討中で、クレジットカードを使うことが多い方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

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任意整理によるクレジットカードへの4つの影響

任意整理によるクレジットカードへの主な影響は、以下のとおりです。

  • 任意整理の対象にしたクレジットカードは即日で強制解約となる
  • 任意整理の対象から外したクレジットカードは更新できないことがある
  • 任意整理した場合はETCカード・家族カードなども一緒に使えなくなる
  • 任意整理から一定期間は、新しいクレジットカードを作るのが難しくなる

ここでは、任意整理をした際のクレジットカードへの影響について説明します。

1.任意整理の対象にしたクレジットカードは即日で強制解約となる

任意整理の対象にしたクレジットカードは、即日または数日以内に強制解約となります。

クレジットカード会社によって異なりますが、規約で以下のような規定を設けていることが多いです。

  • 弁護士などからの通知があった場合は期限の利益を失う(一括請求をおこなう)こと
  • 上記に当てはまった場合は催告をせずに契約を解除し、会員資格を取り消せること

通常、任意整理は弁護士に依頼しておこなうため、受任通知を発送してもらった時点で解約となります。

なお、たとえ滞納が発生していなくても、任意整理の対象とした時点でそのカードは使えなくなります。

2.任意整理の対象から外したクレジットカードは更新できないことがある

任意整理の対象から外したクレジットカードは、一定期間はそのまま利用できることが多いです。

しかし、任意整理をした場合は、信用情報機関に「異動情報(事故情報)」が登録されています。

そのため、有効期限が切れた更新のタイミングで、与信審査に通らないという可能性はあるでしょう。

一部「更新後も利用できた」という声もあるようですが、通常は更新できないことのほうが多いです。

3.任意整理した場合はETCカード・家族カードなども一緒に使えなくなる

クレジットカードによっては以下のような付帯サービスを利用することができます。

  • ETCカード:高速道路の支払いをおこなうための専用のカードのこと
  • 家族カード:クレジットカードの本会員の家族が利用できるカードのこと

しかし、これらはクレジットカード契約に付随するため、強制解約をされた時点で利用できなくなります。

ETCカードや家族カードを利用している場合、高速道路での支払いや家族の決済などにも影響が出るでしょう。

4.任意整理から一定期間は、新しいクレジットカードを作るのが難しくなる

任意整理をすると、その事実が信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリスト入り」となります。

ブラックリストの登録期間は、信用情報機関によって異なりますが完済日から5年であることが一般的です。

そのため、5年程度はクレジットカードやローンを新規で申し込んでも審査に通らない可能性が高いでしょう。

信用情報やブラックリストについては、以下のページで詳しく説明しています。

【関連記事】ブラックリストとは?確認方法やデメリット、登録情報から解除される方法を解説

任意整理後にクレジットカード代わりに使える支払い手段5選

任意整理後におすすめの決済手段には、以下のようなものが挙げられます。

  • デビットカード
  • 家族カード
  • プリペイドカード
  • ETCパーソナルカード
  • デポジット型クレジットカード

ここでは、任意整理後にクレジットカード代わりに使える支払い手段を5つ紹介します。

1.デビットカード|ブラック状態の有無に関係なく利用できる

デビットカードは、支払いと同時に銀行口座からお金が引き落とされるカードのことです。

決済手段としてデビットカードを選択するメリットは、以下のとおりとなります。

  • 審査が不要で、ブラックでも作れる
  • 多くの銀行で発行することができる
  • クレジットカードと同じように使える など

ネットショッピングやサブスクリプションなどの支払いにも利用できることが多いです。

クレジットカードが使えないときの代替手段として、デビットカードは優秀といえるでしょう。

2.家族カード|クレジットカードを持つ家族がいる場合に利用できる

家族にクレジットカード契約者がいる場合は、家族カードを作ってもらえるか相談してみましょう。

クレジットカードの代わりに家族カードを利用するメリットには、以下のようなものが挙げられます。

  • 家族の審査は不要なので、ブラックでも作れる
  • クレジットカードと同じように使うことができる
  • クレジットカードのポイントを効率よく貯められる など

家族カードの審査対象は本人なので、ブラック状態の家族であってもサービスを利用できることが多いです。

しかし、同居家族であること、生計を一にしていることなど利用条件が設けられているため注意しましょう。

3.プリペイドカード|審査が不要でチャージしておいた金額分を利用できる

プリペイドカードとはお金を前払いしておき、その金額分を利用できるカードのことです。

使い切り型とチャージ型があり、普段使いにはチャージ型がおすすめとなっています。

チャージ型プリペイドカードを利用するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 審査が不要であるため、ブラックでも作れる
  • Suicaなどのように利便性が高いカードも多い
  • スマートフォンのアプリとして使えるものも多い など

プリペイドカードは「前払い」を基本としているため、審査などを受けずに利用できます。

SuicaやWAONなど多くの種類があるため、普段の使用シーンを考えてカードを選ぶとよいでしょう。

4.ETCパーソナルカード|保証金を担保にして一定額までETCを利用できる

ETCパーソナルカード(パソカ)は、高速道路のETCを利用するための専用のカードのことです。

ETCカードの代替手段であり、ETCパーソナルカードを使うメリットには以下のようなものがあります。

  • 審査不要で発行してもらえる
  • ETCカードと同じように利用できる
  • デポジット額まで高速料金を利用できる など

ETCパーソナルカードは、事前にデポジット(保証金)を預け入れるため審査不要で使うことができます。

なお、利用料金は「後払い制」であるため、前述したプリペイドカードとは特徴が異なるカードといえます。

5.デポジット型クレジットカード | 最初に預け入れた保証金の範囲内で利用できる

デポジット型クレジットカードとは、デポジット(保証金)を預け入れるタイプのカードです。

デポジット型クレジットカードを利用するメリットには、主に以下のようなものが挙げられます。

  • 審査が易しくブラックの人でも通りやすい
  • クレジットカードと同じように利用できる など

デポジット型クレジットカードの場合は審査がありますが、通常のカードに比べて易しいという特徴があります。

対応しているクレジットカード会社は多くはありませんが、もし興味があるなら探してみることをおすすめします。

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任意整理後に新しいクレジットカードを作る際の4つのポイント

任意整理後に新しくクレジットカードを作りたい場合は、以下のポイントをよく確認しましょう。

  • 事故情報が削除されているかを確認する
  • 任意整理の対象にしたカード会社は避ける
  • 同時に複数のカードを申し込まないようにする
  • 限度額が低いクレジットカードを優先して検討する

ここでは、任意整理後に新しくクレジットカードを作成する際の4つのポイントを紹介します。

1.事故情報が削除されているかを確認する

新規でクレジットカードを申し込む際は、事前に事故情報が削除されているかを確認しておきましょう。

信用情報機関への情報開示はWebや郵送などで簡単におこなえ、手数料は1,000円前後となっています。

信用情報がクリアになっている状態で申し込むことで、カードの審査に通る可能性を高めることができます。

信用情報の開示請求手続きについては、以下のページで詳しく説明しています。

【関連記事】ブラックリストか確認する方法と手順|事故情報が解除される期間|ベンナビ

2.任意整理の対象にしたカード会社は避ける

一度、任意整理をおこなったクレジットカード会社と再び契約するのは難しいでしょう。

カード会社は顧客情報を管理しており、任意整理をした顧客を「社内ブラック」として保管しています。

そのため、事故情報が削除された場合でも、カード会社は社内ブラックを理由に審査に落とす可能性が高いです。

なお、この社内ブラックの情報はその会社のグループ内で共有されている場合もあるため注意が必要になります。

3.同時に複数のカードを申し込まないようにする

信用情報機関には、クレジットカードの申し込み履歴も6ヵ月程度記録されます。

クレジットカード会社は、審査の際にこの申し込み履歴についても確認をしています。

そして、短期間に複数社へ申し込みしている事実があると、お金に困っていると疑われるリスクがあります。

その結果、「支払い能力がない」と判断されてしまい、カードの審査に落ちてしまう可能性が高まるでしょう。

4.限度額が低いクレジットカードを優先して検討する

任意整理後に申し込むクレジットカードは、可能な限り限度額を低くするほうが望ましいです。

あくまでも一般論ですが、限度額が低いカードのほうが審査に通りやすい傾向があるといいます。

限度額はカード会社によって異なるため、まずは10万円程度のものを探してみるとよいでしょう。

さいごに|任意整理をするとクレジットカードは解約になる可能性が高い

任意整理をした場合のクレジットカードへの主な影響は以下のとおりです。

  • 任意整理の対象にしたクレジットカードは強制解約になる
  • 任意整理の対象から外したクレジットカードは一時的に使えるが更新できない
  • 新規でクレジットカードを作るためには完済してから5年程度経つ必要がある

クレジットカードが使えなくなると、生活が不便になってしまう可能性は高いです。

しかし、クレジットカードが使えないからといって、苦しい返済を続けることも望ましくはありません。

代替決済手段は多くあり、不都合は軽減できるため、任意整理を前向きに検討することをおすすめします。

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富永法律事務所
富永 慎太朗 (福岡県弁護士会)
借金問題を解決した実績多数。ご相談者様が元の生活を取り戻せるよう、親身にサポートしています。
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アシロ編集部
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本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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