任意整理しなければよかった…。後悔してしまう理由と解決策・防止策を解説

任意整理しなければよかった…。後悔してしまう理由と解決策・防止策を解説

任意整理は、借金の返済負担を軽減する有効な手段ですが、人によっては任意整理が最適な解決方法とは限りません。

任意整理による借金の減額効果や、任意整理後のリスクについて十分に理解しておかないと、あとで後悔するケースもあるでしょう。

実際、「任意整理をして借金を減らせたのに、後悔している…」「任意整理しなければよかった…」そんな気持ちを抱えている人が一定数いるのも事実です。

そこで本記事では、任意整理後に後悔してしまう主な理由や、今からできる解決策などを実際に任意整理をした人の声も紹介しながら解説します。

これから任意整理を検討している人向けに、任意整理しなければよかったと後悔しないためのポイントについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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「任意整理しなければよかった」と後悔してしまう主な理由

任意整理しなければよかったと後悔してしまう主な理由としては、以下の4つが挙げられます。

  1. 任意整理をしなくても返済できた可能性があるから
  2. 任意整理後の返済額がほとんど変わらなかったから
  3. ETCカードが使えないなど生活で不自由があるから
  4. 弁護士費用の支払いの負担が重くなってしまったから

それぞれについて、実際に任意整理をして後悔している人の声を紹介しながら、具体的に解説します。

1.任意整理をしなくても返済できた可能性があるから

任意整理をしたあと、「実は自力でも返済できたのではないか」と感じて後悔する人は一定数います。

任意整理は、借金の利息のカットや支払い期間の延長などを目指して債権者と交渉し、返済負担を減らす手続きです。

その一方で、ブラックリストに載るなどの大きなデメリットをともないます。

そのため、収入が一時的に落ちていただけであったり、他の支出を見直せば返済が可能だったというケースなどでは、「もう少し我慢すれば良かった」「生活費を見直すべきだった」といった気持ちが湧いてくることもあるはずです。

任意整理のメリットとして、整理する対象の借金を選択できるという点がありますが、自力で返済できそうな借金も整理対象にしたせいで、弁護士費用がかさんでしまい後悔したという声もあります。

任意整理を考えている場合は、弁護士への相談と並行して、家計の見直しや副収入の確保など、他の選択肢もしっかり検討しましょう。

2.任意整理後の返済額がほとんど変わらなかったから

任意整理で返済が楽になると思っていたのに、実際には返済額があまり減らなかったことに後悔するケースもあります。

任意整理では、将来利息のカットを目指して債権者と交渉を進めますが、元金そのものは減額されません。

そのため、もともと利息が少ない借金であったり、すでに大部分の利息を払い終えていたりする場合には、整理後の返済額がほぼ変わらず、弁護士費用が上乗せされた分だけ支払いが増えたように感じることもあるのです。

さらに、任意整理後の借金は、原則3年〜5年で完済するように債権者と和解するため、元金が多い場合はかえって月々の返済負担が増えるケースもあります。

なお、2025年時点では、任意整理の際に将来利息や遅延損害金のカットに応じてくれる業者も減ってきています。

そのため、任意整理をしたとしても、月々の支払い額が下がっただけで、トータルの支払い額は変わらないというケースも十分に考えられるでしょう。

3.ETCカードが使えないなど生活で不自由があるから

任意整理をすると信用情報に事故情報が登録され、いわゆるブラックリスト状態になります。

そして、ブラックリスト状態は、任意整理で減額した借金を完済してから最長で約5年間続きます。

この期間、新たなクレジットカードが作れないだけでなく、すでに持っていたカードも契約更新などのタイミングで解約になることが一般的です。

クレジットカードに付帯するETCカードなども使えなくなってしまうため、ETC割引が適用されず高速料金が高くなったり、料金支払いで時間をロスしたりと、生活の中で不便を感じる人もいるでしょう。

クレジットカードに頼った生活をしている人は、「こんなに不便になるとは思わなかった」と感じて後悔するケースが多く見られます。

任意整理をする前に、任意整理による生活への影響を具体的にシミュレーションしておきましょう。

4.弁護士費用の支払いの負担が重くなってしまったから

任意整理を弁護士に依頼する場合は、一定の弁護士費用が発生します。

弁護士費用は、1社あたり2万円~5万円程度が相場で、複数の債権者に対して任意整理をおこなう場合は、トータルで数十万円になることも珍しくありません。

この弁護士費用は、借金の返済とは別に支払う必要があるため、弁護士費用によって月々の負担が増えてしまったと感じる人も多いです。

「借金が減るどころか、弁護士費用の返済で生活がさらに厳しくなった」と感じて後悔するケースも考えられます。

任意整理を検討する際は、必ず複数の事務所に見積もりを取ったうえで、より具体的で安心できる返済計画を提案してくれる弁護士を選びましょう。

「任意整理しなければよかった」と後悔している人向けの対策

任意整理しなければよかったと後悔している人は、以下の3つの対策をとることで、暮らしが楽になる可能性があります。

  1. 必要に応じて2回目の債務整理を検討する
  2. クレジットカード以外の決済方法を試してみる
  3. 支払いが困難であることを正直に弁護士に相談する

それぞれについて、詳しく解説します。

1.必要に応じて2回目の債務整理を検討する

任意整理後に「やっぱり返済が厳しい」「思っていたより負担が大きかった」と感じた場合は、2回目の債務整理を検討するのもひとつの方法です。

たとえば、最初の任意整理の際に除外した債権者に対しても任意整理をおこなうことで、返済負担を軽減できる可能性があります。

または、個人再生や自己破産といった別の債務整理手段に切り替えることで、大幅に借金の負担を減らせるでしょう。

仮に、任意整理後に収入が減少したり、新たな支出が増えたりといった事情がある場合は、弁護士に相談することで状況に応じた対応策を提案してもらえるはずです。

2回目の債務整理について不安に感じる方も多いですが、複数回の債務整理は法律上禁止されているわけではなく、実際に再度の手続きを経て生活再建に成功している人もいます。

自己判断せず、まずは専門家に相談して、現状を見直すことが大切です。

2.クレジットカード以外の決済方法を試してみる

任意整理によってクレジットカードが利用できなくなったことから、日常生活が不便になったと後悔する人は少なくありません。

特に、ネットショッピングや公共料金の支払い、ETCカードの利用など、日々の生活にクレジットカードが深く関わっていた人にとっては大きな負担です。

こうした場合には、デビットカードやプリペイドカード、QRコード決済などの代替手段を取り入れてみましょう。

たとえば、楽天銀行やPayPay銀行などが提供しているデビットカードなら、審査なしで即時発行でき、VISAやJCBの加盟店でクレジットカードと同じように使えます。

また、ETCについてはデポジット式のETCパーソナルカードを利用することで代用が可能です。

決済手段を工夫することで、任意整理後も不自由のない生活を維持できるでしょう。

3.支払いが困難であることを正直に弁護士に相談する

任意整理後に「毎月の支払いが苦しい」「返済の見通しが立たない」と感じていても、自己判断で支払いを滞納するのは危険です。

任意整理をしたということは、元々の契約よりも債務者側にとって有利な条件で返済をしていくことに和解してもらった状態です。

そのため、任意整理後に滞納してしまった場合は、即刻訴訟や差し押さえなどの厳しい措置を取られるリスクがあります。

任意整理後は、債権者への返済と弁護士費用の支払いを並行して進めることになりますが、もし返済に困難を感じているなら、担当弁護士へ正直に相談しましょう。

弁護士に状況を正直に伝えれば、返済計画の再検討や、他の債務整理手続きへの切り替え、債権者との再交渉といった現実的な対処方法を提案してもらえるはずです。

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「任意整理しなければよかった」と後悔しないための予防法

事前にしっかりと準備をして適切な対策を講じれば、任意整理をしたあとに後悔することはないはずです。

任意整理しなければよかったと後悔しないためには、以下の4つの予防法をとりましょう。

  1. 任意整理のメリット・デメリットを十分調べる
  2. 手続き後のシミュレーションをしっかりおこなう
  3. 任意整理が得意な弁護士からアドバイスをもらう
  4. 法テラスの民事法律扶助制度を使って依頼をする

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

1.任意整理のメリット・デメリットを十分調べる

任意整理を検討する際には、利息がカットされて返済が楽になるといったメリットばかりに目を向けがちですが、デメリットについてもきちんと理解しておくことが重要です。

たとえば、任意整理をすると一定期間は信用情報機関に事故情報が登録され、クレジットカードが使えなくなったり、新たなローンや分割払いが利用できなくなります。

ETCカードが停止されるほか、スマートフォンの分割購入ができなくなるといった生活上の不便も生じるため、手続き前にその点を認識しておきましょう。

2.手続き後のシミュレーションをしっかりおこなう

任意整理をする前に、手続き後の返済プランが現実的かどうかを入念にシミュレーションすることが大切です。

たとえば、利息がカットされたとしても元本が高額であれば、月々の返済額があまり変わらないこともあります。

毎月の生活費や突発的な支出を想定し、その金額を3年〜5年にわたり継続して支払っていけるかどうかを見極めましょう。

返済計画を曖昧にしたまま手続きを進めると、途中で返済が苦しくなり、再び債務整理が必要になる可能性もあります。

シミュレーションの際は、自分の収支を正確に把握したうえで、弁護士と一緒に返済計画を立てると安心です。

将来の見通しを具体的に考えておくことが、「任意整理なんてしなければよかった」という後悔を防ぐカギとなります。

3.任意整理が得意な弁護士からアドバイスをもらう

任意整理は、弁護士を通して直接債権者と交渉する手続きです。

そのため、弁護士の対応力や経験値によって結果に差が出やすい傾向があります。

任意整理の恩恵を満足に受けるためには、任意整理の経験が豊富な弁護士に相談し、アドバイスを受けることが大切です。

具体的には、「自分が借りている業者は利息のカットに応じてくれるのか」「個人再生や自己破産と比較して、本当に任意整理が最適なのか」といった点を含めて検討してもらいましょう。

手続き後の生活への影響や注意点についても、実務経験のある弁護士なら具体的に説明してくれるはずです。

無料相談を活用して複数の弁護士に相談することも、より良い判断材料になります。

任意整理で後悔しないための第一歩は、信頼できる弁護士選びから始まるといえるでしょう。

4.法テラスの民事法律扶助制度を使って依頼をする

弁護士費用の負担が理由で、任意整理後に後悔する人は少なくありません。

金銭的な負担を軽減するためには、法テラスの民事法律扶助制度を活用するのが有効です。

民事法律扶助制度とは、経済的に余裕のない人が弁護士に相談・依頼する際に、費用の立替や無料相談などの支援を受けられる制度です。

弁護士費用の分割払いにも対応しており、原則として月額5,000円程度の負担で済むため、任意整理後の家計への影響も最小限に抑えられます。

ただし、法テラスを通して任意整理をする場合は担当弁護士を自分で選べないため、任意整理の実績が少ない弁護士にあたる可能性もある点に注意が必要です。

とはいっても、まとまった弁護士費用が用意できない人にとってはありがたい選択肢といえるでしょう。

事前に収入や資産の基準を満たしているか確認し、対象となる場合は積極的に制度を活用してください。

「任意整理をしてよかった!」と満足している人もたくさんいる!

任意整理について調べていると、「後悔した」「しなければよかった」というネガティブな意見を見かけることも多く、不安を感じる方もいるでしょう。

しかし、「任意整理をしてよかった」と感じている人は多く、実際に生活の立て直しに成功した例も数多くあります。

たとえば、任意整理によって将来的な利息の支払いがカットされ、毎月の返済額が減少したことで、家計に余裕が生まれたという声は多く見られます。

取り立ての電話や督促状に怯える日々から解放され、精神的にも安定したという人も多いでしょう。

さらに、任意整理は自己破産とは異なり、財産を処分せずに済むため、車や家を手放さずに借金問題を解決できる点が救いとなった人もいます。

また、ブラックリストには登録されるものの、信用情報の回復までにかかる期間は5年程度であり、早めに任意整理をしておけば人生の再スタートを切ることも十分可能です。

任意整理をすると後悔するという考え方は一面的であり、むしろ早く任意整理をしなかったことを後悔している声もあります。

任意整理は、自分の状況に合わせて適切に活用すれば、生活再建の有効な手段となります。

弁護士と相談のうえ、少しでも早く状況に応じた判断をすることが、後悔しない選択につながるはずです。

さいごに|任意整理をしたあとの生活についてもよく考えて手続きをしよう

本記事では、任意整理しなければよかったと後悔する人がいる理由や、後悔しないための対策について詳しく解説しました。

任意整理は、借金の利息部分のカットや返済期間の猶予を目指して債権者と交渉する手続きですが、借金の内容によっては減額効果があまり感じられず、後悔するケースもあります。

任意整理しなければよかったと後悔しないためには、任意整理後の生活への影響や、返済計画などを十分にシミュレーションしておきましょう。

任意整理の実績が豊富な弁護士に相談すれば、自分の借金内容に合わせて本当に任意整理が適切なのかどうかを判断してくれます。

借金問題については初回無料で相談に応じてくれる事務所も多いので、借金返済が苦しい人はまずは話だけでも聞いてみましょう。

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監修記事
弁護士法人かがりび綜合法律事務所
野条 健人 (大阪弁護士会)
かがりび綜合法律事務所は、お一人おひとりの悩みに最後まで寄り添いながら問題解決に取り組んでおります。お気軽にご相談ください。
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アシロ編集部
編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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