プロミスからお金を借りている方の中には、返済が難しく任意整理を検討している方も多いのではないでしょうか?
実は、プロミスは任意整理に対して比較的協力的な傾向があり、将来利息を免除したうえで元金は60回の分割払いに応じてくれるケースもあります。
ただし、取引期間が1年程度と短い場合は分割回数が少なくなる可能性もあるため、一人ひとりの状況に応じて適切な対応が必要となるでしょう。
本記事では、プロミスの任意整理の傾向や、任意整理をするメリット・デメリットについて詳しく解説します。
また、プロミスの任意整理をするべき人の特徴や、実際に任意整理する際の手続きの流れについても紹介するので、任意整理を検討している方はぜひ参考にしてください。
プロミスは任意整理に応じない?応じてくれる? | 傾向を解説
任意整理とは、債権者(お金を借りている相手)と交渉し、借金にかかる利息を減額してもらったり、返済期間を変調してもらったりする手続きを指します。
基本的に、プロミスは任意整理に協力的な傾向があり、好条件での和解が期待できるでしょう。
ここでは、プロミスの任意整理の対応傾向について簡単に紹介します。
基本的に将来利息は免除してもらえる
プロミスは、以前から基本的に元金のみでの返済に応じてくれるなど任意整理に協力的な傾向がありますが、2024年11月現在でも、将来利息は免除してもらえるケースが多いです。
ただし、取引期間が1年未満と極端に短い場合や、過去に一度も返済していない場合などでは、将来利息の全額免除は難しいでしょう。
60回の分割払いに応じてもらえる
任意整理においては、基本的に3年〜5年、36回〜60回での分割払いで和解するケースが多いですが、プロミスは60回払いに応じてくれるケースが多いです。
また、これまでの取引履歴や本人の収入状況によっては、61回〜65回程度の分割払いであれば柔軟に対応してくれる可能性も十分にあります。
経過利息や遅延損害金を免除してもらうのは難しい
プロミスとの任意整理では、ほとんどのケースで将来利息は全額免除してもらえます。
その一方で、経過利息や遅延損害金については全額免除は難しく、和解後の返済においては一部または全てを請求される傾向があります。
経過利息 | 任意整理の交渉開始から和解までの数ヵ月間で発生する利息 |
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遅延損害金 | 任意整理の交渉開始までの間の滞納によって発生している延滞金 |
特に、経過利息については1円単位まで請求されるといったように、厳しめの対応を取るケースが多いです。
これまでに滞納をしておらず、取引期間も5年以上と長いような場合では、経過利息の一部はカットしてもらえる可能性もゼロではないですが、あまり期待はできないといえるでしょう。
過払金があれば返還請求に応じてもらえる
2007年12月までにプロミスに返済をしていた方は、過払金が発生している可能性があります。
また、ポケットバンク(旧三洋信販)やクラヴィス(旧クオークローン)など、プロミスに合併した消費者金融との取引があった場合も、プロミスに対して過払金の返還請求が可能です。
ただし、借金を完済してから10年が経過している場合は、時効が成立しており返還請求ができません。
そのため、過払金に心当たりがある方は早めに弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。
プロミスを任意整理の対象にした場合の影響
プロミスを任意整理の対象にした場合、その後の生活に以下のような影響が生じます。
- ブラックリストに載る
- 任意整理後、プロミスと再契約することはできなくなる
- 系列会社との取り引きはできなくなる
- 提携先の銀行口座が凍結されるケースもある
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
ブラックリストに載る
プロミスの借金を任意整理によって減額すると、ブラックリストに載ってしまいます。
ブラックリストとは、個人の借金に関する情報を管理している「信用情報機関」という機関に、「任意整理をした」といった信用上マイナスとなる情報が記録された状態のことです。
クレジットカード会社や銀行などの金融機関は、契約審査の際に必ず信用情報機関の情報を参照するため、ブラックリストにのっている間はクレジットカードやローンの審査を通過することができなくなります。
また、現在使っているクレジットカードも契約更新などのタイミングで解約となってしまうため、カードや借金に頼らない生活を送らなくてはいけなくなるのです。
任意整理によって一度ブラックリストに載ってしまうと、最長で「任意整理した借金を完済してから5年間」はブラックリストが続くため、その期間はクレジットカードの代わりにデビットカードやプリペイドカードを活用するなどの代替策を検討しましょう。
任意整理後、プロミスと再契約することはできなくなる
ブラックリストの情報は一定期間が経てば削除されるため、任意整理後でも一生クレジットカードやローンが使えないといった心配はありません。
ただし、プロミスを任意整理した場合は、再度プロミスと契約することはほぼ不可能といえます。
これは、プロミスなどの金融会社がブラックリストとは別に、会社ごとに顧客情報を管理しているからです。
ブラックリストからは削除されたとしても、プロミスの社内には「任意整理をした顧客」という情報が残り続けるため、半永久的に再契約はできないといえるでしょう。
このように、社内に任意整理をしたという記録が残り続けている状態を「社内ブラック」とも呼びます。
系列会社との取引はできなくなる
社内ブラックの情報は、プロミスだけでなくSMBCコンシューマーファイナンスの系列会社にも共有されている可能性が高いです。
そのため、プロミスの借金を任意整理した場合は、以下のようなプロミスの系列会社とは契約できないケースがほとんどでしょう。
- SMBCモビット
- 三井住友カード
- 三井住友銀行
提携先の銀行口座が凍結されるケースもある
プロミスは、SMBCコンシューマーファイナンスの子会社であるため、運営元の三井住友銀行と提携しています。
プロミスを任意整理した段階で、三井住友銀行から借入がある場合は、三井住友銀行の口座が一時的に凍結される恐れがあります。
口座が凍結となると、残高の引き出しはもちろんのこと、各種料金の口座振替などもできなくなりってしまいます。
口座が凍結されてスマホ料金や水道光熱費などが滞納となると、さらなる悪循環に陥る可能性もあるでしょう。
そのため、プロミスの任意整理をする際には、弁護士などの専門家に相談したうえで、起こりうるリスクについてしっかり理解しておく必要があります。
プロミスの債務を任意整理するメリット
プロミスからの借金を任意整理すると、具体的には以下のようなメリットがあります。
- 利息カットによって返済額が少なくなる上に返済期間が延長され、毎月の返済負担が軽くなる
- 家族や知人に借金について知られることなく手続きを進められる
- 持ち家や自動車などの財産を手放さずに済む
- 保証人に迷惑をかけずに済む
- 弁護士などの専門家に依頼すれば手続きのほとんどを任せられる
任意整理は、借金の利息部分のみをカットし、元金については債権者との和解内容に応じて分割払いで返済していかなくてはいけない手続きです。
そのため、住宅ローンなどの金利の低い借金の解決策としては適していませんが、プロミスのような消費者金融からの借入の場合は、任意整理によって一気に借金の悩みが軽くなる可能性が高いといえます。
また、任意整理は個人再生や自己破産のように裁判所を通した厳格な手続きではなく、あくまで債権者との交渉によって借金の返済負担を減らす手続きです。
そのため、さまざまな書類の準備や裁判所とのやり取りなども不要で、周囲の人に手続きについてバレる心配も少ないでしょう。
プロミスで任意整理ができる条件と推奨される人
ここからは、プロミスで任意整理ができる人の条件や任意整理がおすすめなケースについて紹介します。
任意整理をするための条件
プロミスで任意整理をするためには、主に以下の2つの条件を満たしている必要があります。
- 安定した収入があること
- 返済に対して誠実な意思があること
任意整理は借金の将来利息をカットし、元本については決められた期間で返済し続けなくてはいけない手続きです。
そのため、何らかの事情で収入が途絶えていたり、十分な貯蓄が無かったりする場合は、任意整理が認められないでしょう。
ただし、減額後の元本を継続して返済していければ問題ないので、ある程度安定した収入さえあればアルバイトや契約社員の方でも任意整理は可能です。
また、任意整理はプロミスと直接交渉して借金の返済方法について相談するため、誠実に返済していく意思を示す必要があります。
例えば、これまでに繰り返し滞納をしていたり、借入以降一度も返済していなかったりすると、誠実に借金を返済する意思が見えないとして、交渉に応じてもらえない可能性が高いでしょう。
これらの事情で任意整理が難しい場合、個人再生や自己破産といった手続きで借金減額を目指す必要があるといえます。
任意整理をするのが推奨される人
プロミスの借金を任意整理で減額するのがおすすめな人は、主に以下に当てはまる人です。
- 借金の総額が100万円以下程度とそこまで多くない人
- 安定した収入があり利息がカットされれば完済が見込める人
- 不動産や自動車など失いたくない財産がある人
- 保証人のついている借金がある人
任意整理は、個人再生や自己破産とは異なり元本を減額することはできません。
そのため、数百万円と借金が多額の場合は、任意整理では解決策として不十分である可能性があります。
一方で、借金が100万円以下程度とそこまで多くなく、かつ安定した収入がある場合は、任意整理による借金減額が適しているケースが多いでしょう。
また、任意整理は整理対象にする借金を選べるため、手元に残したい財産がある場合や、保証人がついている借金がある場合には、個人再生や自己破産よりもメリットが大きいです。
ただし、一人ひとりの状況によって適切な解決策は異なります。
自分の借金問題の解決に最も適した方法を選ぶためには、弁護士などの専門家に相談するのがベストです。
プロミスの債務を任意整理する際の流れ
プロミスの借金を任意整理する際の流れは、以下のとおりです。
- 弁護士などの専門家に相談する
- 専門家に任意整理を正式に依頼する
- 専門家が債権者に対して受任通知を送付し、一時的に返済をストップする
- 専門家が債権者に対して取引履歴の開示請求をし、債務額を確定させる
- 専門家が債権者と借金の減額幅や返済期間について交渉する
- 債権者と和解する
- 返済を開始する
任意整理を弁護士などの専門家に依頼すると、依頼してすぐに債権者に受任通知が送付されます。
受任通知が送付されると取り立てや返済がストップするのでその間に弁護士に支払う費用を用意できるでしょう。
また、専門家に依頼した場合は、取引履歴の開示請求や債権者との交渉などを全て代行してくれるため、依頼した以降は基本的に専門家からの報告を待っているだけで手続きが進んでいきます。
なお、任意整理による和解が完了し、減額後の借金の支払いが再開するまでには3ヵ月〜6ヵ月ほどの期間がかかるケースが多いでしょう。
プロミスの任意整理についてよくある質問
ここでは、プロミスの任意整理についてよくある質問を紹介します。
プロミスが任意整理に応じない場合、どんな理由が考えられますか?
プロミスが任意整理に応じくれない場合、主に以下の4つの理由が考えられます。
- 個人再生や自己破産などの他の債務整理の手続きをしている場合
- 返済能力がないと判断された場合
- 過去の取引実績が乏しい場合
個人再生などの他の債務整理手続きを進めている場合は、任意整理で利息のみ減額しようとしても断られる可能性が高いです。
また、交渉開始の段階で返済が見込めるだけの安定した収入がなかったり、過去にまともに返済した履歴がなかったりする場合は、任意整理に応じてくれないケースが多いでしょう。
プロミスで任意整理の交渉をすすめ、和解するまでどのくらいの時間がかかりますか?
プロミスと任意整理で和解に至るまでには3ヵ月〜6ヵ月程度の期間がかかるケースが一般的です。
個人再生や自己破産などでは手続きが1年以上にわたるケースもあるため、任意整理は比較的早めに手続きを完了させられるといえるでしょう。
さいごに|プロミスの債務を任意整理したいなら専門家に相談
本記事では、プロミスの借金を任意整理する場合の傾向やメリットなどについて詳しく紹介しました。
プロミスは任意整理に対して比較的協力的な傾向がありますが、過去の取引実績が少ない場合などについては、36回以下の分割払いなど厳しい条件での和解となる可能性もあります。
なお、一人ひとりの状況によって適切な解決法は異なるため、プロミスの任意整理を検討している方はまずは弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。