リボ払いの過払い請求におけるデメリット|条件や請求できない場合の対処法とは

リボ払いの過払い請求におけるデメリット|条件や請求できない場合の対処法とは
  • 「リボ払いの過払い金を請求するデメリットを知りたい」
  • 「以前借りたお金が過払い金請求の対象なら取り戻したい」

過去にリボ払いをおこなった方の中には、過払い金請求についてこのような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

過払い金とは、カード会社からお金を借りたときに払い過ぎていた利息のことです。

過払い金請求ができるのは2010年6月17日以前の借り入れ分が対象であり、過払い金が発生していれば一部のお金を取り戻せます

本記事では、リボ払い分の過払い金請求をするときのデメリットや、請求する際の弁護士費用の目安などを解説します。

リボ払いの過払い請求をおこなうデメリットを理解し、手続きを検討したい方は、ぜひ最後まで確認してください。

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この記事を監修した弁護士
春田 藤麿弁護士(弁護士法人春田法律事務所)
「お客様の期待を上回る結果を目指す」「生涯にわたり、お客様のパートナーとなる」ことを理念とし、2016年に設立。現在は全国にオフィスを構え、個人・法人を問わず、ニーズに合わせたサポートを提供。

リボ払いの過払い金請求をする3つのデメリット

リボ払いの過払い金を請求する際には、3つのデメリットが存在します。

具体的には、以下のとおりです。

  • 過払い金を請求した先のカードやサービスは使えなくなる
  • 過払い金請求をした先のクレジットカード審査は長期的に通りにくくなる
  • リボ払いの過払い金請求をするとブラックリストに載る可能性がある

後悔のなく過払い金請求をおこなうためにも、デメリットをあらかじめ理解しておきましょう

過払い金を請求した先のカードやサービスは使えなくなる

過払い金を請求すると、請求先のクレジットカードは自動的に解約されるため、カードのポイントや保険などの付帯サービスも一切使えなくなります

また、新たなクレジットカードの作成も難しくなります

過払い金を請求したあとにクレジットカードを利用するには、別のカード会社のクレジットカードに申し込む必要があること覚えておきましょう。

過払い金請求をした先のクレジットカード審査は長期的に通りにくくなる

過払い請求をおこなうと、請求先のクレジットカードの審査が長期間にわたって通りにくくなります。

カード会社においては、信用情報機関のように保有期間が定まっていないため、時間が経過しても情報が消えない可能性もあります。

過払い金請求をおこなう際は、今後は請求先のクレジットカードが使えなくても問題ないかをよく確認してください。

リボ払いの過払い金請求をするとブラックリストに載る可能性がある

リボ払いで借りたお金が残ったままの状態で過払い金を請求すると、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。

とくに、過払い金請求で取り戻したお金を返済に充てても借金が残る場合は要注意です。

過払い金請求後に借金が1円でも残っていれば、ブラックリストに登録されてしまうのです。

そのため、返済中の借金に対して過払い金請求をおこなう際は、弁護士や司法書士に依頼し、請求金額を正確に計算してもらいましょう

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リボ払いで過払い金が返ってくる条件

リボ払いの過払い金請求によって過払い金を取り戻すときは、4つの条件を満たす必要があります。

具体的な条件は、下記のとおりです。

  • キャッシングリボ利用分に過払い金が存在する
  • 2010年6月以前のグレーゾーン金利で借り入れをしていた
  • 完済から10年が経過していない
  • 請求先のクレジットカード会社が倒産していない

あらかじめ条件を知っておかなければ、過払い金の請求自体を進められないため、しっかりと理解しておきましょう

キャッシングリボ利用分に過払い金が存在する

クレジットカードのリボ払いには、主に以下2つの種類があります。

  • キャッシングリボ:クレジットカードでお金を借りて、毎月一定額を返済する方法
  • ショッピングリボ:買い物などで使った利用分を毎月一定額で返済する方法

リボ払いの過払い金を請求するには、キャッシングリボによる過払い金が存在することが条件です。

ショッピングリボについては、過払い金請求の対象ではないので注意しましょう。

なぜなら、キャッシングリボ利用分には借り入れた金額に対して金利が加算される仕組みが敷かれており、お金の貸し借りに伴う利息や遅延損害金などの上限を定める「利息制限法」が適用されるからです。

そのため、キャッシングリボによって借り入れた際の金利が利息制限法の上限金利を超えた「グレーゾーン金利」に該当する場合、払い過ぎたお金を取り戻せます。

ショッピングリボ利用分は、そもそも過払い金請求の対象ではない

ショッピングのリボ払いにおいて、過払い金は発生しません

過払い金が発生するケースは、「利息制限法」の上限金利をオーバーして返済していた場合のみです。

なぜなら、ショッピングリボにおける手数料は、商品やサービスを分割払いするのを条件とする「割賦販売法」によって、一定に定められているからです。

そのため、ショッピングリボ利用分において、過払い金はそもそも請求できません

2010年6月以前のグレーゾーン金利で借り入れをしていた

過払い金を請求するには、2010年6月17日以前に契約を締結し、年利20%以上の利息であるグレーゾーン金利を支払っていたことが前提条件です。

グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限利率である年率15%~20%を超えているが、出資法で定める上限金利である年率29.2%は超えない金利のことを指します。

かつでは出資法と利息制限法によって2つの上限金利が設定されており、一部の貸金業者は利息制限法を超えた金利で貸付をおこなっていました。

2010年6月18日以降は、出資法の上限金利も20%にまで下げられたため、現在ではグレーゾーン金利は存在しません

しかし、2010年6月17日以前に貸金業者からお金を借り入れたことがある場合、グレーゾーン金利によって多く金利を支払っている可能性があるのです。

完済から10年が経過していない

リボ払いの過払い金を取り戻すには、完済から10年以内に請求しなければいけません

なぜなら、過払い金返還請求権は、借入の完済時から10年を過ぎると時効によって消滅するからです。

なお、民法では以下のように定められています。

第百六十六条
債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
引用元:e-Gov法令検索「民法

ただし、現在の民法が適用されるのは令和2年4月1日以降に完済した方のみが対象です。

債権者が権利を行使できる時から10年が経過したときに加えて、債権者が権利を行使できるのを知った時から5年が経過した場合も、債権は時効によって消滅します。

請求先のクレジットカード会社が倒産していない

請求先のクレジットカード会社が存続していれば、過払い金の請求が可能です。

クレジットカード会社が破産や民事再生の手続きをおこない、すでに倒産している場合は請求できません。

さらに、請求先のクレジットカード会社が破産手続き中の場合は、発生している過払い金はわずかしか受け取れません。

ただし、請求先のクレジットカード会社が別の会社と合併しているケースや、営業を譲渡しているケースなら、債務が継承されており、返還を請求できる可能性があります

リボ払いの過払い金請求を依頼するときの弁護士費用はどのくらい?内訳は?

過払い金請求をおこなうときは、弁護士などのプロに手続きを依頼する方法が一般的です。

ただし、弁護士費用は、過払い金の返還額や弁護士の報酬によって異なるため、依頼前に確認しておくのをおすすめします。

ここでは、リボ払いの過払い金請求を依頼するときの弁護士費用や内訳について解説します。

リボ払いを弁護士に依頼する場合の費用相場

リボ払いの過払い金請求を依頼したときの弁護士費用は、払い過ぎたお金に対する返還額によって変動します。

弁護士によって具体的な金額は異なりますが、費用相場は下記のとおりです。

過払い金額弁護士費用
100万円40万円~60万円
200万円60万円~80万円
300万円80万円~100万円

原則として、弁護士費用は事務所ごとに自由に定められています

ただし、2011年に日本弁護士連合会が「債務整理事件処理の規律を定める規定」に基づき、債務整理事件における弁護士費用の上限を定めました。

そのため、過払い金を請求する際の弁護士費用は、この規定の範囲内で決められています。

リボ払いを弁護士に依頼する場合の費用内訳

リボ払いの過払い請求費用は、過払い金がいくら発生しているかによって変わります

以下では、過払い金を回収した場合の費用の目安を内訳別にまとめました。

項目概要
相談料0円~1万円
着手金0円~2万円/1社につき
解決報酬金2万円まで/1社につき
過払い金報酬金和解:過払い金の20%以下
訴訟:過払い金の25%以下
その他交通費、書類の郵送費、収入印紙代、裁判の手数料など実費

費用を抑えるために、弁護士の力を借りずに自分一人で請求手続きを進めると、過払い金の返還額が少なくなったり、返還に時間がかかったりする可能性もあるため、注意が必要です。

最近では、着手金が無料の弁護士事務所もあるので、費用が心配な方でも弁護士に相談するとよいでしょう

リボ払いの過払い金請求でよくある質問

最後に、リボ払いの過払い金請求において、よくある2つの疑問について解説します。

  • 買い物で数年間リボ払いを利用しているけど、過払い金はある?
  • 弁護士や司法書士に債務整理を依頼したら、自分の信用情報に記録される?

リボ払いを検討するうえで、疑問は限りなくゼロにしておきましょう。

Q.買い物で数年間リボ払いを利用しているけど、過払い金はある?

ショッピングリボでは、過払い金は発生しません

なぜなら、ショッピングリボで発生するのは、割賦販売法に基づく手数料のみだからです。

過払い金として請求できるのは、キャッシングで利息制限法の上限を超えて支払ったときのお金のみが対象となります。

Q.弁護士や司法書士に債務整理を依頼したら、自分の信用情報に記録される?

リボ払いにおける債務整理では、信用情報には記録されません

なぜなら、信用情報にはクレジットカードやローン取引などの客観的事実のみが記録されるからです。

具体的には、クレジットカードやローン取引における下記の内容が登録されます。

  • 申込情報
  • 契約内容
  • 支払い状況など

さいごに|リボ払いの過払い金請求に困ったら弁護士に相談しよう

リボ払いの過払い金を請求するときのデメリットや弁護士費用などを解説しました。

リボ払いについて過払い金請求をおこなうデメリットは、以下のとおりです。

  • 過払い金を請求した先のカードやサービスは使えなくなる
  • 過払い金請求をした先のクレジットカード審査は長期的に通りにくくなる
  • リボ払いの過払い金請求をするとブラックリストに載る可能性がある

また、過払い請求を進めるには、下記の条件を満たしておく必要があります。

  • キャッシングリボ利用分に過払い金が存在する
  • 2010年6月以前のグレーゾーン金利で借り入れをしていた
  • 完済から10年が経過していない
  • 請求先のクレジットカード会社が倒産していない

これらの条件をふまえて、自分の借り入れ状況が該当するのかをチェックしておきましょう。

なお、リボ払いで借りていたお金に対して過払い金が発生するのか、どのくらい取り戻せるかを知りたい方は、弁護士へ相談するのもひとつの手段です。

初回相談を無料としている弁護士もいるため、リボ払いの過払い金請求に困ったら、弁護士に相談してみましょう

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相談料無料※
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※一部の法律事務所に限り初回相談無料の場合があります
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アシロ編集部
編集部
本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
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