個人再生後、ローンを組めるのはいつから?住宅ローン借入時の注意点も解説

個人再生後、ローンを組めるのはいつから?住宅ローン借入時の注意点も解説

「個人再生後に、ローンを組めるのか」
「個人再生をしたあと、いつからローンを組めるようになるか」

個人再生をすることで、持ち家など高価な財産を手元に残しながら借金を大幅に減額することが可能です。

その一方でブラックリストに掲載され、新たにローンやクレジットカードなどの契約ができなくなってしまいます。

しかし個人再生後も新たにまとまったお金が必要となり、ローン契約をしたいと考えることもあるでしょう。

そこで本記事では、個人再生後にローンが組めなくなる理由やいつからローンを組めるようになるか、個人再生後にローンを組むために覚えておきたいポイントを解説します。

本記事を参考にすれば、個人再生後でもローン審査を通過できる可能性が高まるのでぜひ最後まで参照ください。

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この記事を監修した弁護士
杉本 真樹弁護士(杉本法律事務所)
解決への道筋は一つではありませんので、いくつか選択肢をご提案し、それぞれのメリット・デメリットをしっかりとご説明した上で、一緒に最良の選択肢を考えるように心がけております。
(※本コラムにおける、法理論に関する部分のみを監修)

個人再生後はしばらくローンが組めない!その理由とは

個人再生をすると信用情報機関に事故情報が登録され、俗に「ブラックリストに載る」という状態になります。

銀行などの金融機関は、ローン審査にあたり信用情報機関のデータを参照するのです。

顧客がブラックリストに載っている場合、貸し倒れなどのリスクがあるとしてローン契約の審査に通らなくなります。

こういった理由で、個人再生後ブラックリストに載っている間はローンが組めなくなるわけです。

信用情報機関とは

信用情報とは、個人のクレジットやローン契約に関する客観的な事実を集めたものです。

信用情報機関とは、加盟している金融機関などから信用情報を収集・管理する機関を指します。

加盟各社はローン審査などで必要になった際に、信用情報機関へ情報の照会をおこなうわけです。

信用情報機関は加盟各社の求めに応じて、情報の提供をおこないます。

対象の顧客がブラックリストに載っていた場合、信用情報機関はもちろんその情報を金融機関などに提供することになるのです。

日本には「CIC」「JICC」「KSC」の3種類の信用情報機関があります。

名称概要
CIC(株式会社シー・アイ・シー)クレジットカード会社、消費者金融、信販会社などが主に加盟している信用情報機関。
JICC(株式会社日本信用情報機構)消費者金融を中心としてクレジットカード会社や銀行などが加盟している信用情報機関。
KSC(全国銀行個人信用情報センター)銀行、信用金庫などが主に加盟している信用情報機関。

個人再生後にローンを組めるのはいつから?

個人再生の事故情報が信用情報機関に掲載されている「ブラックリスト期間」は、それぞれ以下のとおりです。

  • CIC:完済日から5年間
  • JICC:完済日から5年間
  • KSC:完済日から5年もしくは手続き開始決定日7年のいずれか遅い方

ご覧のとおり、信用情報機関によって異なるので注意ください。

信用情報から事故情報が消されたかは「開示請求」で確認する

ブラックリスト期間が終了していないと、改めてローン契約をしようとしても審査が通りません。

そのため個人再生後しばらくしてからローン契約をする際は、事前に信用情報から事故情報が消されているか確認することが推奨されます。

事故情報の掲載状況については、信用情報機関にたいして信用情報の開示請求をおこなえば確認が可能です。

また開示請求は、3つの機関全てにおこなうことが推奨されます。

多くの金融機関は複数の信用情報機関に加盟していることが多いためです。

開示請求のやり方などの詳細は、以下記事でも解説しているので興味があればあわせて参照ください。

【参考】ブラックリストとは?消し方はある?載る理由とデメリット・確認方法を解説

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個人再生後に住宅や自動車のローン審査に通った人が気を付けているポイントとは?

個人再生をした後は一定期間ブラックリストに載るため、ローンの審査に通りづらくなってしまいます。

個人再生後にローンを組みたいと考えている方は、以下のポイントを押さえておきましょう。

銀行系のローンについては個人再生後7年は申し込まない

個人再生をしたという事故情報は、信用情報機関に5〜7年間記録されます。

特に、信用情報機関のうちのひとつであるKSCは、事故情報が削除されるまでの期間が最長7年とほかより長いです。

銀行や信用金庫は、KSCに記録された情報をもとに審査をおこなうため、個人再生をしてから7年間は銀行系のローン審査に通るのは難しいでしょう。

たとえば、住宅ローンの「フラット35」は、KSCに加盟している住宅金融支援機構が運営元となっているため、個人再生後7年間は審査に通らない可能性が高いといえます。

個人再生の対象となった金融機関や関連会社は避ける

個人再生をした際に契約していて減額対象となった金融機関や、その関連会社ではローンなどの申し込みをしない方がよいでしょう。

過去に個人再生などの債務整理で債務を減額した顧客とは、今後一切契約をしないという金融機関が多いからです。

この状態は「社内ブラック」とも呼ばれます。

社内ブラックの情報は、契約をしていた会社はもちろんのこと、グループ会社にも共有されている可能性が高いです。

そうして社内ブラックの情報は、半永久的に消されないケースも少なくありません。

以上のような事情から、個人再生の対象となった金融機関や関連会社へ申し込んでも審査に通らない可能性が非常に高いため、避けるべきといえます。

短い期間で複数のローンを同時に申し込まない

複数の会社に、短い期間内に続けてローンを申し込むのも避けるべきです。

信用情報には、ローンなどの契約をおこなった履歴も記録されます。

そのため短い期間内に別々の金融機関へローンを申し込めば、その情報がローン審査の際に把握されることになるのです。

その結果ローン申し込みを受けた金融機関側は、顧客がお金に困っているかもしれないと疑いローン審査に落ちる可能性が高まります。

ローンなどの申し込み情報が信用情報に残るのは6ヵ月~1年間です。その期間内に、複数のローンを続けて申し込むのは控えた方がよいでしょう。

少額のローンから利用を開始して信用情報を積み上げる

住宅や自動車のローンなどは、金額が何百〜何千万円と高いため、消費者金融からの借入などと比較してもより厳しく審査をされる傾向があります。

個人再生後、ローン返済の実績が少ない状態ではじめに大きな金額のローンを申し込むと、審査に落ちる可能性が高まるのは否めません。

そのため個人再生後にローンを組む場合は、審査に通りやすくなるために少額の返済実績を積み上げることが推奨されます。

たとえばクレジットカードを申し込んで月々の返済を続けたり、家電などの分割払いをしたりといった実績を増やすとよいでしょう。

個人再生とローン申し込みの関係についてよくある質問

最後に、個人再生とローン申し込みの関係についてよくある質問をまとめました。

ぜひ参考にしてください。

個人再生後、「ブラックリスト中」(返済中)にローンを組むことはできませんか?

個人再生の事故情報が信用情報機関に残っていて、ブラックリストとなっている間でもローンを組める可能性はゼロではありません

たとえば、信用情報を参照しないタイプの自社ローンを利用したり、配偶者や家族にローンを申し込んでもらったりする方法はあります。
(名義を借りるのでなく、配偶者や家族が主体的にローンを申し込むイメージです。配偶者や家族の名義を偽って申し込めば犯罪になります。)

また、自動車ローンや住宅ローンの契約においては、収入が安定している人を連帯保証人としてつけられる場合や、まとまった頭金を用意できる場合など、契約者本人がブラックリストであっても審査に通るケースもないわけではありません。

とはいえ、ブラックリスト中に自分名義でローンを組める可能性は低いのは事実なので注意しましょう。

個人再生の対象となった同じ銀行で住宅ローンを申し込むことはできますか?

個人再生の対象とした銀行でローンを組むことは基本的に不可能です。

各金融機関では、過去に債務整理で自社やグループ会社の借金が免責となった場合に、その顧客とは新しい契約をしない傾向があります。

この状態が、俗にいう「社内ブラック」です。

ブラックリスト期間が終了し他社と問題なく契約できるようになっても、社内ブラックは残り続けます。

個人再生後にローンを組む場合は個人再生の対象にした銀行や関連会社以外に申し込むようにしましょう。

さいごに

本記事では、個人再生後にローンが組めなくなる仕組みや、個人再生後にローンを組みやすくするためのコツなどを紹介しました。

個人再生をはじめとした債務整理をすると、借金が減額される代わりに一定期間ローンやクレジットカードが使えなくなるなどのリスクがあります。

とはいえ、債務整理をせずに滞納を続けた場合も結局ブラックリストになってしまうため、ブラックリストになるのを恐れて債務整理を避けるのはあまりおすすめできません。

債務整理のリスクやブラックリストの仕組みについては、借金問題に詳しい弁護士に相談すれば詳しく教えてもらえます。

ベンナビ債務整理では、借金問題の解決に注力している弁護士を多数紹介しています。

初回は無料で相談に乗ってくれる事務所も多いため、ぜひ気軽にお問い合わせください。

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アシロ編集部
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本記事は法律相談ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。
※法律相談ナビに掲載される記事は、必ずしも弁護士が執筆したものではありません。本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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