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クレジットカードの借金を債務整理で減額するデメリットをわかりやすく解説
2024.10.08
「国民健康保険料の支払いがきつく、気がつくと滞納してしまっていた」という場合に、この後どうなるのか心配になってしまうでしょう。
払えないまま数か月が過ぎてしまい、督促状や見慣れない書類が届くと、財産の差押えが頭をよぎります。
そこで、本記事では、国民健康保険料を滞納した場合にどうなるのか、支払いが厳しい場合の対処法について紹介します。
延滞をそのままにせず、何かしらの対策を講じましょう。
国民健康保険料を滞納した際の最も大きなリスクとして、財産の差押えがあります。
地方税法上の定めにより、本来の納付期限から20日が経過しても納税がなされない場合は、督促状の送付がなされます。
そして、かかる督促状の送付日から更に10日が経過しても保険料の完納がなされない場合、自治体側は、差押えを実行することができます(地方税法371条1項)。
ほかにも、国民健康保険料の滞納によって生じるリスクはいくつかあります。
滞納金がある場合に、延滞金が課せられます。
滞納料金×延滞金利率(年率)×延滞日数÷365日で定められており、具体的な延滞利率は自治体により異なります。
詳しくは、最寄りの役所に問い合わせてみましょう。
神奈川県茅ヶ崎市を例に取ると以下のとおりです。
なお、算出した延滞金額が1000円未満である場合は、その金額を切捨て。
延滞金額のうち100円未満の端数は切捨てです。
納期限から1年6ヵ月を過ぎると、災害や失業、病気をはじめとした特別な事情がある場合を除き、保険給付が全部又は一部の差止めとなる場合があります。
具体的には、療養費、高額療養費及び葬祭費などの全部や一部が対象です。
国民健康保険料を滞納すると、最終的には財産の差押えや国保給付の差止めがおこなわれます。
大まかな流れは以下のとおりです。
詳しく見ていきましょう。
納付期限が過ぎた場合に、市区町村から督促がおこなわれます。
場合により、延滞金も加算されます。
督促状が送られても無視を続けると、電話が掛かってきたり、担当者が訪問してきたりします。
滞納から半年で、今まで使えていた健康保険証が使えなくなります。
代わりに、通常よりも有効期限が短い短期被保険証が交付される場合があります。
有効期限は市区町村により異なりますが、目安は1ヵ月〜半年です。
その度に、役場に更新手続をしに行かなければなりません。
未納が改善されれば通常の保険証に切り替えてもらえます。
滞納から1年を過ぎると、短期被保険証の交付もされなくなります。
続いて、特別の事情がある場合を除き、資格証明書が交付されます。
資格証明書は、国民健康保険の被保険者を証明するだけのものです。
そのため、保険証として機能せず、医療機関を受診する場合には全額自己負担する必要があります。
ただし、資格証明書の交付世帯であっても、高校生世代以下の子がいる場合は、短期被保険者証が交付されます。
その後に、市区町村に申請をすることで市区町村の負担分を返金してもらえます。
負担割合は通常は7割です。
滞納から1年半が過ぎると、特別な事情がある場合を除き、資格証明書も交付されなくなります。
この場合、国民健康保険に加入していない状態となり、市区町村に負担分の返金を申請することもできなくなります。
つまり、医療保険を受診する際に全額自己負担になり、減額されることはないということです。
市区町村からは、催告書という最終通告の意味合いがある書面が来ます。
財産の差押えについて明記されていることが多く、いよいよ差押えが現実味を帯びてきます。
家族名義の財産は差押え対象ではありませんが、滞納者本人名義の場合は、以下のような財産・債権が差押え対象です。
滞納したまま時間ばかりが過ぎると、差押えされるおそれがあります。
滞納をしている場合には、必ず滞納分を支払いましょう。
それが難しい場合にも、差押えを防ぐための対処は講じておきたいところです。
市区町村の役所にまずは相談してみましょう。
減免や分割支払による救済が受けられる場合があります。
減免措置が受けられない場合に、家族の扶養保険に入れるか検討してみてください。
同一世帯であれば三親等以内までが扶養家族です。
なお、扶養に入る条件は、原則として、自身の年収が130万円未満で、なおかつ扶養者となる家族の年収2分の1未満であることです。
同居の有無は問われず、生計が同一であるとみなされたら問題ありません。
もし同一世帯でないのであれば、扶養家族からの援助金が自身の年収よりも高いことが条件になってきます。
返済を続けるのが難しい場合に、債務整理をする方法もあります。
債務整理には主に、「任意整理」「破産手続」「個人再生」「特定調停」があり、借金の減額や免除、支払の猶予を目的としています。
国民健康保険料が支払えず相談しようと思っていても、慣れないことのためにどうしていいか戸惑ってしまうかもしれません。
相談に行く前に以下のことを整理しておきましょう。
国民健康保険では、法令により定められた所得基準を下回る世帯において、7割・5割・2割のいずれか減額することができます。
世帯の給与・年金所得者2人以上の場合には、43万円以下+10万円×(給与_年金所得者の数−1)で算出します。
子育て世代については、2022年から国・地方の取り組みによる経済的負担軽減のため、未就学児均等割保険料(税)を軽減する制度が始まっています。
減額割合は年収に応じて決まるため、自身の経済状況を整理しなければいけません。
所得証明書などで収入を確認しておきましょう。
市区町村も収入を確認しながら、保険料減免を決定するため、収入などを証明できる書類を揃え、市区町村役所へ持っていきましょう。
収入を証明できる書類は以下のとおりです。
迷った際には、市区町村にも確認することをおすすめします。
すでに差押えがなされている場合には、以下の対応を進めて差押えを解除しましょう。
滞納金額は多い、少ない関係なく未納状態が続いた場合に差押えがおこなわれます。
差押えを解除したい場合に、基本的に税金を全額納付する必要があります。
差押えを受けた際、役所に解除申請を求め、延滞金を減額させることができます。
また、申請型「換価の猶予」をおこなう場合は、「納付すべき国税の納期限から6カ月以内の申請」が条件ですが、申請が通ると、1年以内の期間に限り、財産の換価(売却)が猶予され、分割等による納税ができます。
なお、納税緩和措置は、以下の3種類があります。
納税の猶予:震災や風水害、落雷、火災、盗難、家族の病気、事業の廃止または休止、事業の著しい損失、これらに類する事実などの場合に納税者の申請で納税を猶予します
換価の猶予:滞納者の事業継続、生活の維持を困難にするおそれがある財産の差押えを猶予し、または解除することができます
納税処分の停止:納税者につき、以下に該当する事実があると認めるときは滞納処分の執行を停止することができます
必ず、申請型「換価の猶予」の手続きによる差押え解除を求めてください。
単なる分納の場合に、担当者が変わったタイミングで一括返済を求められることもあるようです。
どうしても困ったときは、弁護士に相談してみましょう。
弁護士にも得意な分野などがあります。
国民健康保険の差押えで困った際には、借金トラブルが得意な弁護士を探してみてください。
債務整理などについてアドバイスをもらえるはずです。
弁護士はそれぞれの状況に応じた提案をしてくれるため、何が適切かわからない場合にも、一緒に考えてくれます。
国民健康保険は滞納すると、最終的に差押えに至ります。
延滞金が発生するのも、負担になってきます。
収入状況などによっては、減額してもらえる場合もあります。
また、それも難しい場合には家族の扶養に入るなどの選択肢もあります。
滞納した際にはできるだけ早めに返済に努めるとともに、役所に相談するようにしましょう。
もし差押えになってしまった場合には、できるだけ早く完済していきたいところ。
今自分がどう立ち回るべきかわからなくなってしまっている方は、弁護士に相談することで適切なアドバイスがもらえるはずです。
できるだけ早めに対処し、安心して日々を過ごせるようにしていきたいですね。