自己破産
自己破産できる金額はいくら?借金額以外の条件や手続き費用の目安額などを解説
2024.11.12
日頃のストレスからショッピングでリボ払いを多用し、返済ができなくなってしまう女性は少なからずいます。
多額の借金をしてしまうと、夫や親族にも言えませんから、借金問題は辛いですよね。
返済ができず、収入も少ない女性は自己破産を視野に入れることをおすすめします。
自己破産と聞くと、懲罰を受けているイメージを抱く方がほとんどです。
しかし、それは誤解で、借金問題の解決方法は「全ての国民に与えられた権利」です。
経済生活を送れるようにするための方法ですから、安心してください。
本記事では女性が自己破産するメリットとデメリットについて触れていきます。
自己破産手続きの方法を知りたい方や、借金問題をなくし、今の苦しさから開放されたい方は、ぜひ参考にしてください。
自己破産と聞くと、怖いイメージがあるかもしれません。人は知らないことに対しては、不安や恐怖を覚えるものです。
しかし、メリットとデメリットをきちんと理解すれば、決して怖いものではありません。
ここでは、女性が自己破産をする5つのメリットについて紹介します。
自己破産申立てをおこなうと、自由財産以外の財産を失いますが、借金の返済義務がなくなります。
税金の支払は免除されませんが、クレジットカードの支払いなど免責されます。
借金をしているという大きな不安を取り除けますから、非常に大きなメリットになるでしょう。
返済義務をなくすためには、裁判所の免責許可を得なくてはいけません。
決められた手順に従い、手続きをする必要があります。
通常、借金問題まで発展してしまうと、債権者から取立てがおこなわれます。
借金を抱えている事実が、近所や家族に知られてしまうと大変です。
しかし、弁護士や司法書士から債権者に対し「受任通知書」の送付がなされた段階で、取立ての恐怖から解放されます。
「自己破産をおこなうとすべての財産を失ってしまうのではないか」と考える方もいますが、間違っています。
破産法の主たる目的は「経済生活の再生の機会の確保」です。
すべての財産を失ってしまっては、まともな経済生活を送ることはできないでしょう。
したがって、自己破産の申立てをしても、生活や仕事に必要不可欠な財産は換価処分されません。
具体的には下記の5つです。
借金問題を解決する方法は、自己破産・任意整理・個人再生などがあります。
任意整理は、債権者との和解交渉により、債務を分割返済する手続きで、個人再生は裁判所を通じて現在負っている債務の支払い義務を減額する手続きです。
任意整理や個人再生は、ある程度返済能力がある人しか対応できません。
しかし、自己破産は収入がない、あるいは少ない方でも申立て可能です。
収入がない・少ない方こそ自己破産手続きが適しています。
夫名義の持家や車を処分しなくてはいけない、と考える人も多いです。しかし、安心してください。
自己破産は、原則として破産者本人の保有している財産を換価処分します。同居人や家族の財産は換価処分の対象にはなりません。
たとえば、処分されない財産には、夫名義で住宅ローンを組んだ自宅や子名義の預貯金等が該当します(ただし、子名義の預貯金であっても、実質的に自己破産申立てをおこなう方の名義と同視しうるような場合は、換価されるおそれもあります。)。
借金を免責できる自己破産は、大きなメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットもあります。
自己破産に踏み切る前に、デメリットも把握しておきましょう。
自己破産の手続きをすると、信用機関で事故情報(ブラックリスト)に登録されます。
ブラックリストに登録されると、5~10年はクレジットカードを作れません。
ブラックリストに登録されるのは、破産者本人だけですから、同居人や家族には影響はありません。
そのため、夫が自身の信用の下で、家を購入するために住宅ローンを組むことや、子どもが奨学金を借りることもできます。
自己破産をおこなうと、自由財産以外の自分名義の財産は全て換価処分してなくてはいけません。
換価された金額は、債権者への配当に充てられます。
換価処分されるものは、具体的な例としては、下記のとおりです。
共同名義の財産では、債務者の持分は換価処分の対象です。
例えば、夫婦で共有している土地や建物といった不動産がある場合、これらは半分に切り取ることはできません。
そのため、換価処分のために、共有名義の不動産全体を売却し、必要分を債権者への配当に宛てられるといった例もあります。
破産手続き中は、他人の財産にかかわる職業や資格に制限が出ます。
一部にはなりますが、制限がでる具体的な一例は下記のとおりです。
また、会社の取締役や役員などは、破産により委任契約が、終了する場合があります。
自己破産をおこなっても免責されない借金があります。
例えば、税金や養育費は免責されませんから、支払いを続けなくてはいけません。
また、自己破産前に離婚して養育費を支払っている場合には、滞納分も含めて支払い義務は免責されませんので注意が必要です。
一括での納税が困難な場合は、事情によっては猶予などの対応をしてくれる場合があります。
国税の場合は、国税局猶予相談センターへ、地方税については各自治体の担当窓口に相談してください。
自己破産をしても、夫や家族などに通知されません。
しかし、家族が連帯保証人になっている場合には、今後は保証人として請求に応じなくてはいけませんからいずれ知られてしまうでしょう。
また、自己破産手続きの申立てをする際は、同居している家族全員の銀行口座の通帳や給与明細といった資料も裁判所に提出しなければなりません。
そのため、同居している家族にバレずに自己破産手続きをおこなうのは、事実上かなり難しいといえます。
なおどうしても知られたくない場合には、まずは弁護士に相談してみましょう。
自己破産をする場合には、事前準備、手続きの流れ、期間及び費用などを把握しておくとスムーズに進められます。
借入れの総額や、収入の状況によっては、自己破産に適していない場合があります。
借金問題を解決する債務整理は、自己破産・任意整理・個人再生の3種類があります。
任意整理や個人再生は、処分する財産を選べるメリットはあるうえ、借金を減額してくれます。しかし、返済はなくなりませんから、安定した収入が必要です。
どの方法にも、メリットとデメリットがあります。しかしながら、法律に詳しくない素人が自己判断するのは危険です。
借金問題に注力している弁護士や司法書士にアドバイスを仰いてください。
和解後は、3年ないし最長で5年かけて返済することが多いです。
これまでよりも返済期間が延長できることから、月々の返済額も結果的に減額となることとが多く、上手に利用すれば返済後に財産を残せます。
また、裁判所を通さない手続きですから、必要書類の収集といった手間もかからず、同居の家族に知られる可能性も低いでしょう。
しかし、自己破産とは異なり、完済するまで返済は続けなくてはいけません。安定した収入源がなければ、支払いが停止してしまうかもしれません。
任意整理後に支払いが停止してしまうと、その時点で一括請求をされたり、訴訟提起をされたりする可能性もあるので、注意が必要です。
借金の金額に応じて、最低弁済額が決まっていて、借金の原因を問わず、大幅に減額できます。
例えば、負債総額が3000万~5000万円の場合、最大10分の1まで負債総額が減額されます。
返済期間は原則3年間、特別な事情がある認められる場合は5年間です。
数百万円の最低弁済額になる場合もありますから、民事再生は、給与等の継続的で安定した収入がある人が対象の手続きといえます。
自分で自己破産をおこなう場合には下記をおこないます。
法律事務所に依頼した場合には、手続きを一任できます。
自己破産は非常に複雑な書類作成が求められ、申立後も場合によっては債権者集会などで裁判所へ出頭する必要があります。
個人でおこなうと、財産や負債の状況を正確に把握できない場合がほとんどです。
多くの場合は裁判所の調査手続きが設けられる管財事件になってしまうと言われています。
裁判所に申立てをおこない、さまざまな状況から自己破産の種類が判断されます。
大きく分けると2種類で、同時廃止と管財事件があります。
財産がない場合には、同時廃止になります。
財産がありませんから、破産管財人が財産を換価処分する必要がありません。
ここでいう財産がないとは、裁判所によって差異はあるものの、現金と預貯金等の総額が99万円以下で、かつ、その中における解約返戻金や退職金なども個別のジャンルごとに見ても、各々が20万円を超えていない場合が想定されます。
同時廃止となる場合は、自己破産開始決定と自己破産手続きの廃止が同時におこなわれて終了します。
管財事件を比較して、主として破産管財人の報酬に充てられる予納金を裁判所に支払わなくても済みますから、期間は短く、費用も安く自己破産がおこなえます。
自己破産申立時に、換価処分対象となる財産がある場合には、管財事件として扱われます。
管財事件では、裁判所から破産管財人(弁護士)が選任され、換価処分の手続きをします。
裁判所に最低でも20万円の予納金を支払わなくてはいけませんから、手続きに必要な金額が高額です。
同時廃止と管財事件では、自己破産手続きにかかる期間が異なります。
同時廃止は、手続きの開始と同時に廃止となることから、手続きの期間としては当然短くなることが多く、目安としては申立てから3か月程度です。
一方、管財事件は手続きや手間が多く、半年~1年程度、あるいはそれ以上かかることもることもあります。
取り扱われる事件によって、費用も変わります。
また、法律事務所によって弁護士への報酬が異なりますから、発生する費用は目安です。
ご相談時に法律事務所に確認してください。
女性でも安心して相談できる窓口を四つ紹介します。
無料で相談できる窓口もありますから、積極的に利用してください。
借金問題をスムーズに解決するためには、借金問題に注力している弁護士に相談してください。
弁護士に依頼する大きなメリットは、複雑な手続きや対応を一任できることです。複雑な書類収集も的確なアドバイスをもらえます。
しかし、弁護士費用はどうしてもかかってしまいます。事務所によっては、相談をおこなうだけで費用がかかります。
相場を知ろうして多くの事務所に相談すれば、それだけ費用はかさみます。
初回無料相談をおこなっている事務所も沢山あります。
法テラス(日本司法支援センター)は一定条件を満たした人が利用できるサービスです。
サービスを受けるためには、次の要件を満たしていなくてはいけません。
あらかじめ法テラスの各地方事務所で、審査が必要です。
給与明細や所得証明書などの書類が必要になります。
詳細は法テラスのホームページをご覧ください。
また、法テラスでは無料法律相談のほかにも、扶助制度のサービスがあります。高額の弁護士費用が一括で支払えない場合などの相談窓口としても利用可能です。
なお、無料相談は1回30分で、同一問題については3回まで受けられます。
法律相談センターは、弁護士会が共同運営する組織です。
全国に法律センターを構えていて、借金問題に注力している弁護士が相談にあたっています。
相談予約は日本弁護士連合会のホームページや、電話で可能です。相談の時間は概ね30分程度で、相談料は地域や相談内容によって異なります。
収入の状況によっては、日本司法支援センター(法テラス)による民事法律扶助制度が利用できる場合があります。
家族にも言えない悩みがある人は、検討してもよいでしょう。
市区町村によっては、無料の法律相談窓口をおこなっています。
実施の有無は、各自治体によって異なりますから、困ったときには相談してみるとよいでしょう。
自己破産となれば、家族や友人にも相談しにくい内容です。
ここでは、女性が抱える自己破産したいときの疑問についてお答えします。
自己破産の対象は、破産者の換価可能な財産です。夫や子どもの財産とは別ですから、財産への影響はありません。
ただし、連帯保証人の場合には、破産者が自己破産しても保証債務は免除されません。
自己破産の手続きをすると、連帯保証人に請求が移ります。最悪、連帯保証人も債務整理をおこなう必要が出てくるため、きちんと伝えてください。
また、自己破産は会社や家族など、誰かに報告する必要はありません。
自分1人で解決しようとすると、裁判所に足を運んだり、大量の書類を集めるため、家族などに知られたりしてしまうおそれがあります。
しかし、弁護士に自己破産手続きを一任すれば、スムーズに自己破産を進めることが可能です。
特に、弁護士に自己破産解決の依頼をした時点で、債権者へ「受任通知」が送られます。
これによって、債権者からの督促が止まりますから、家族にもバレにくくなります。
女性は男性と比較すると収入が少ないことが多く、洋服や化粧など容姿に気を遣います。
シングルマザーになれば、子どもの養育費にかなりのお金がかかるでしょう。
そのため、女性は破産しやすいと思われがちです。しかし、現実では、自己破産する女性の比率は多くなく、収入が多い男性のほうが自己破産をしています。
自己破産しても、結婚ができなくなる制約はありません。
しかし、財産が換価処分される場合もあるため、今後の結婚生活に不安は生じるでしょう。
また、自己破産すれば、5〜10年はクレジットカードやローンの契約ができず、家族の保証人にもなれないことがあります。
「苗字が変われば、経歴が分からないからクレジットカードが発行できるのでは」と考える方もいます。
しかし、苗字が変わっても、新規契約の審査では、旧姓の信用情報を容易に調べ上げられます。
そのため、新姓であってもクレジットカードやローン審査が通らない可能性は残ります。
借金を返済できていないことから、自己破産は悪いイメージがつきがちです。それは誤解で、自己破産は、全ての国民が正当に利用できる制度です。
さまざまな制約はありますが、借金がなくなれば精神的な負荷がなくなりますから、非常に大きなメリットといえるでしょう。
しかしながら、借金問題の解決は非常に複雑で、法律に詳しくない方であれば悪戦苦闘することが予想されます。
借金問題に注力している弁護士の力を借りて、問題解決するほうがトラブルも少なく確実に借金をなくせるでしょう。