メルペイは、フリマアプリ「メルカリ」で利用できるスマートフォン決済サービスです。
便利な後払い機能「メルペイスマート払い」を利用すれば、商品購入時に代金を支払う必要がなく、翌月にまとめて支払うことができます。
しかし、手元にお金がなかったりうっかり支払いを忘れたりして支払いが遅れてしまうこともあるかもしれません。
メルペイの支払いが遅れると、どのようなことが起こるのでしょうか?
本記事では、メルペイの支払い遅延に直面した場合の対処法、注意点、そして遅延を防ぐための方法をわかりやすく解説します。
メルペイの支払いが遅れた場合の対処法
メルペイの支払いが遅れた場合、下記の2つの対処法があります。
- メルペイ残高をチャージして支払う
- コンビニATMで支払う
メルペイ残高をチャージして支払う
メルペイ残高にチャージして支払えば、手数料はかかりません。
銀行口座やコンビニなどからメルペイ残高にチャージし、支払い手続きをしましょう。
たとえばアプリであれば、「マイページ>あと払い利用枠」から支払い手続きをおこなえます。
コンビニATMで支払う
コンビニ/ATMで支払う方法は、支払い期限を過ぎてしまった場合でも利用できます。
ただし、手数料として220円~990円が発生します。
コンビニATMで支払う場合、アプリであれば「マイページ>あと払い利用枠」から手続きが可能です。
メルペイの支払い遅れで起こること
メルペイの支払いが遅れると、以下のようなペナルティが発生する可能性があります。
1.【メルペイの支払い遅れ1日後~】メルペイ、メルカリが利用停止に
メルペイの支払いが遅れた場合、支払い期限の翌日からメルペイスマート払いの利用ができなくなります。
そのうえで支払い期限日の翌月11日を過ぎると、メルペイ残高やポイント、銀行口座からの支払いなど、あと払い以外の決済方法も選べなくなり、メルカリでの購入自体ができなくなります。
メルペイがAIによる与信審査を活用しており、支払いの遅延がAIによって評価され、利用制限につながるためと考えられます。
また、延滞後に返済しても、利用限度額が下がるなどの影響が出る場合があります。
2.【メルペイの支払い遅れ1日後~】遅延損害金が発生
メルペイの支払いが遅れると、支払い期限の翌日から遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、支払期日を過ぎた場合に、メルペイに対して支払わなければならない賠償金のようなものです。
- 遅延損害金=支払い残高(円)×遅延損害金の利率(%)÷365※(日)×滞納日数(日)
メルペイの遅延金損害金の利率は年利14.6%です。
支払いが遅れるほど、遅延損害金の額は大きくなるため、注意が必要です。
3.【メルペイの支払い遅れ1週間程度】電話や郵便で督促される
メルペイの支払いが1週間程度遅れると、メルカリから電話や郵便物などを使った督促がおこなわれます。
電話での督促の場合は、支払いが可能な日を正直に伝えることで、支払いを待ってもらえる可能性があります。
一方で、電話に出ずに無視すると、督促の連絡が続く可能性があります。
連絡先に自宅の電話番号を登録していたのであれば、自宅の電話に何度も電話がかかってくることになるのです。
家族と同居していれば、滞納していたことがバレてしまうかもしれません。
4.【毎月8,12,17,22,25,27日】残高などが充当される
メルペイの支払いが遅れている場合、設定されている支払い方法にかかわらず、毎月8日、12日、17日、22日、25日、27日に、保有している無償ポイントとメルペイ残高が自動的に充当されます。
8日、12日、17日、22日、25日、27日 | 無償ポイントとメルペイ残高を充当 | 保有している無償ポイントとメルペイ残高の合計が請求金額以上の場合 |
---|---|---|
8日、12日、17日、22日、25日、27日 | 銀行口座から自動引き落とし | 以下の条件を全て満たす場合 ・支払い用の銀行口座を登録している ・残高が請求金額を上回っている ・無償ポイントとメルペイ残高の合計が請求金額に満たない |
ただし、保有している無償ポイントとメルペイ残高の合計が請求金額に満たない場合は、無償ポイントとメルペイ残高の充当はおこなわれません。
また、支払い用の銀行口座を登録している場合でも、銀行口座の残高が請求金額に満たない場合は、自動引き落としは実施されません。
5.【メルペイの支払い遅れ1〜2ヵ月後】強制退会・一括請求
メルペイの支払いを1~2ヵ月滞納すると、メルペイアカウントへのアクセス拒否や利用停止の措置が取られる可能性があります。
また、メルカリでの売上金やポイントなども全て失効してしまいます。
2ヵ月以上滞納し続けると、メルカリから内容証明郵便で残高の一括返済を求める旨の督促状が届く可能性があります。
一括請求に応じられない場合は、支払督促などの法的措置に発展する可能性があります。
6.【メルペイの支払い遅れ1〜2ヵ月】ブラックリストに載る
メルペイの支払いを1~2ヵ月滞納すると、信用情報に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリストに載る」状態になります。
ブラックリストに載ると、クレジットカードが使えなくなったり、ローンの審査に通過しにくくなったりなど、さまざまな不利益が生じます。
ブラックリストのデメリットや載る期間などの詳細は、以下記事で確認ください。
ブラックリストとは?消し方はある?載る理由とデメリット・確認方法を解説 | ベンナビ債務整理
7.【メルペイの支払い遅れ3ヵ月程度】訴訟提起、差し押さえ
メルペイの支払いを3ヵ月程度滞納すると、訴訟などの法的な手続きがとられる可能性があります。
たとえば、この段階で一括請求にも応じずに放置したままにしていると、裁判所から「支払督促」や「訴状」が送られてきます。
支払督促が届いてから2週間何もしないままだと、財産が差し押さえられます。
給与が差し押さえの対象になった場合、勤務先に滞納の事実がバレることも避けられません。
メルペイの料金を支払えない場合の対処法
メルペイの料金を支払えない場合は、以下の方法で対処しましょう。
「定額払い」に切り替える
メルペイのあと払いには、「翌月払い」と「定額払い」の2種類があります。
「翌月払い」は、利用月の翌月末までに利用金額を一括で支払う方法です。
「定額払い」は、利用金額を分割して支払う方法です。
定額払いに変更すれば、月々の支払い額を減らすことができます。
ただし、定額払いを選ぶと実質年率18.0%の手数料がかかる点は注意ください。
支払いが長引くほど、返済金額が増えることになります。
直近にボーナスの予定があるなど、一時的に定額払いを利用することで支払が可能なことがはっきりしている場合以外、定額払いを利用することはおすすめできません。
メルカリの窓口に相談する
どうしても返済が難しい場合は、メルカリの窓口に連絡して相談するのもひとつの手です。
正直に事情を説明すれば、返済方法の見直しなどを提案してもらえる可能性があります。
弁護士に相談をして、債務整理を検討する
メルペイスマート払い(あと払い)やほかの借金を滞納していて、返済の目途が立たないという場合は、弁護士に債務整理を依頼することも検討しましょう。
債務整理とは、債権者との交渉や裁判所での申立てを通して、返済できなくなってしまった借金を減額・免除してもらう方法です。
債務整理には、「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があります。
任意整理は、債権者との交渉によって将来発生する利息や遅延損害金のカット、返済期間の延長を目指す手続きです。
任意整理は比較的簡単な手続きで短い期間にて完了できることから、個人再生や自己破産より利用者が多いと言われています。
個人再生は、裁判所に申し立てて、最大で借金額の約90%を減額できる手続きです。
個人再生では後述する自己破産と違い、自宅を手元に残すことができます。
自己破産は、裁判所に申し立てて税金など一部を除いて全ての借金を免除する手続きです。
ただし自己破産では、20万円を超える高価な財産、預貯金の20万円を超える部分、現金の99万円を超える部分については没収されます。
手続き | 概要 | メリット | デメリット | 適したケース |
---|---|---|---|---|
任意整理 | 債権者と交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長などを求める | 裁判所を介さずに手続きできるため、比較的費用が安く、手続きも簡単 | 個人再生や自己破産に比べると、減らせる借金の額は小さい | 借金の額が比較的少なく、収入が安定している場合 |
個人再生 | 裁判所を介して借金を最大90%減額する | 借金の額を大幅に減額できる可能性がある | 裁判所への申立てや手続きが必要となるため、費用や時間がかかる | 借金の額が多いが、自宅などの財産は手放したくない場合 |
自己破産 | 裁判所を介して一部を除く借金の返済を免除してもらう | 一部を除いて借金の返済義務がなくなる | 自宅などの高額な財産、現金の99万円を超える部分、預貯金の20万円を超える部分が没収される | 借金の額が非常に多く、返済の見込みがない場合 |
メルペイの支払い遅れについての注意点
メルペイの支払い遅れについては、以下の点に注意しましょう。
支払い期日の延長はできない
メルペイの支払い期日は翌日末日と決められており、原則として延長はできません。
そのため、もう少し待ってくれれば支払えるのに、という場合でも定額払いや滞納後、コンビニATMで支払うことになります。
支払えば利用再開できるが、利用上限額が下がることがある
メルペイのあと払いの支払いを滞納すると、利用上限額が下がることがあります。
支払いが遅れて、滞納している間は新たな借り入れはできません。
滞納料金を支払ったとしても、利用限度額や借入限度枠が下がることがあるため、今までと同じように使えるとは限りません。
延滞事務手数料は2022年3月16日以降加算されない
2022年3月15日まで、支払い期限までに支払いしなかった場合、回収にかかる費用として2週間ごとに延滞事務手数料(¥300)を加算されていました。
しかし、2022年3月16日以降は、加算されなくなっています。
もっとも、2022年3月15日以前に加算された延滞事務手数料は、引き続き支払う必要があるため、注意が必要です。
メルペイの支払い遅れを防ぐには
メルペイの支払い遅れを防ぐには、以下の方法が有効です。
自動引き落としを設定する
支払い用の銀行口座を登録し、自動引き落としを設定しておけば、支払いを忘れてしまうことを防ぐことができます。
アプリの通知をオンにしておく
メルペイアプリの通知をオンにしておけば、支払い期日が近づいたときなどに通知が届き、支払いを忘れることを防ぐことができます。
事前に定額払いに変更しておく
メルペイのあと払いは、購入日から翌月末日の22時までの間であれば、支払い方法を翌月払いから定額払いに変更することができます。
定額払いに変更すれば、月々の支払い額を抑え、支払い忘れを防ぐことができます。
さいごに|メルペイの支払いが厳しい場合は弁護士へ相談を
メルペイの支払いが遅れると、利用制限や遅延損害金、信用情報への影響など、さまざまなペナルティが発生する可能性があります。
ほかにも借金が多くあるなどしてメルペイの支払いが難しい場合は、放置せずに、メルカリの窓口や弁護士・司法書士に相談するなど、早めに対処しましょう。
また、自動引き落としやアプリの通知設定など、支払い遅れを防ぐための対策をしておくことも重要です。

