- 「アイフルの借金は任意整理でどれくらい減額できる?」
- 「アイフルが任意整理に応じてくれなかったらどうしたらいい?」
アイフルからの借金について、このような疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。
任意整理とは、債権者と直接交渉して借金にかかる利息の減額や返済期間の延長などに応じてもらい、返済負担を減らす手続きです。
大手消費者金融の一つであるアイフルは、任意整理に対して比較的協力的な傾向があり、将来利息をカットしたうえで5年までの分割払いに応じてくれるケースもあります。
ただし、これまでの取引実績によっては任意整理に応じてもらえない可能性もあるため、自分の状況によって適切な対処を取る必要があるといえます。
本記事では、アイフルの任意整理の対応傾向や、応じてくれないケースなどについて詳しく解説します。
また、アイフルが任意整理に応じてくれなかった場合の対処法についても紹介するので、アイフルの借金に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
アイフルは任意整理に応じない?応じてくれる? | 傾向を解説
アイフルの任意整理における2024年11月時点の対応傾向としては、おおまかに以下のとおりです。
- 任意整理に応じてもらえる傾向がある
- 5年(60回払い)までの分割払いに応じてもらえるケースも多い
- 将来利息の免除をしてもらえないケースも
- 経過利息と遅延損害金を免除してもらうのは難しい
- 過払い金返還請求に応じているが、全額ではない
それぞれの対応について具体的に紹介します。
1.任意整理に応じてもらえる傾向がある
アイフルは、任意整理に比較的柔軟に応じてくれる傾向があります。
任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉をおこない、返済条件を見直す手続きですが、アイフルのような大手の消費者金融は顧客との円滑な解決を目指して協力的な姿勢を示すことが多いといえます。
特に、現状のままでは借金の返済が困難な状況であっても、債務者が一定の支払能力を持っていることをしっかりと示し、現実的な返済計画を提案すれば、交渉が成立しやすいといえるでしょう。
2.5年(60回払い)までの分割払いに応じてもらえるケースも多い
アイフルでは、任意整理の交渉の際に最長5年、60回払いまでの分割払いが認められるケースが多いです。
任意整理での和解は、3年〜5年程度の返済期間に落ち着く場合が多いため、アイフルは特に協力的な傾向があるといえるでしょう。
3.将来利息の免除をしてもらえないケースも
アイフルとの任意整理では、将来利息の免除が認められない場合があります。
将来利息とは、任意整理の和解後に発生する利息であり、基本的に任意整理では将来利息の全額カットを目指して交渉を進めます。
しかし、これまでの取引期間が短かったり、繰り返し滞納をしていたりなど、アイフルとの信頼関係が構築できていない場合は、任意整理後も将来利息の一部を支払うように請求される可能性があるでしょう。
4.経過利息と遅延損害金を免除してもらうのは難しい
アイフルは、任意整理の交渉で経過利息や遅延損害金の免除に対しては慎重な姿勢を示すことが多いです。
名称 | 概要 |
---|---|
経過利息 | 任意整理の交渉開始から和解までの間に発生する利息 |
遅延損害金 | すでに滞納している借金がある場合に発生している延滞金 |
経過利息や遅延損害金を免除の対象とするかどうかは、消費者金融ごとに傾向が異なり、また同じ消費者金融であっても時期によって対応が異なります。
2024年11月現在の状況としては、アイフルは経過利息や遅延損害金の免除には応じてくれないケースが多いといえるでしょう。
5.過払い金返還請求に応じているが、全額ではない
任意整理手続きの際は、過払い金返還請求がおこなえるケースがあります。
2007年7月以前のキャッシングについては過払い金が発生している可能性があるため、過去の借り入れや返済状況を確認してみましょう。
ただし、過払い金があったことが発覚した場合でも、全額の返還に応じてくれる可能性は低いのが実情です。
2024年11月現在では、交渉の結果2割〜4割程度の回収に落ち着くケースが多く、過払い金返還請求についてはコストとリターンを吟味して慎重に判断するべきといえます。
アイフルとの任意整理で有利な結果を得るためのコツ
アイフルは任意整理に比較的協力的な姿勢を見せてくれますが、少しでも有利な和解を勝ち取るためには、以下のコツを抑えておく必要があります。
債務整理に強い専門家に相談する
自分でアイフルと直接交渉することでも任意整理は可能ですが、少しでも良い結果を望むのであれば債務整理の解決実績が豊富な弁護士に依頼するべきです。
任意整理で借金をどれだけ減額できるかは、債権者との交渉内容にかかっています。
任意整理をはじめとした債務整理の経験と知識が豊富な弁護士であれば、アイフルの対応傾向や和解しやすい条件なども熟知しているため、より良い条件での和解に落ち着く可能性が高まるでしょう。
また、弁護士や司法書士といった法律の専門家の中でも、専門家によって注力している分野が異なります。
任意整理など借金問題の解決実績が少ない専門家に依頼すると、希望通りの結果が得られない恐れもあるので注意しましょう。
少しでも有利な結果で和解するためには、事務所の口コミやホームページを参考にして、債務整理に強い専門家に相談・依頼するのがおすすめです。
早期和解で遅延損害金を減らす
アイフルとの任意整理で有利な結果を得るためには、少しでも早期の和解を目指すのがおすすめです。
交渉開始から和解までの期間はアイフルへの返済を止められますが、もし借金の滞納がある場合は交渉しているあいだに遅延損害金が加算されていきます。
アイフルとの任意整理では、遅延損害金がカットされる可能性は少ないため、交渉が長引くほど和解後の返済負担が大きくなってしまうのです。
そのため、少しでも返済負担を減らすためには早期和解を目指して、弁護士に依頼するのがよいでしょう。
できる限り頭金を支払う
任意整理で有利な和解に取り付けるには、頭金を用意するのも効果的です。
和解案に頭金の支払いを盛り込めば、その分残りの借金が少なくなるため、和解条件を緩和してもらえる可能性が高まります。
用意できる頭金の金額やこれまでの取引期間など、さまざまな要因によりますが、頭金を用意できれば返済期間を延長してもらえたり、将来利息の全額カットに応じてくれやすくなったりと、有利に交渉が進みやすくなるので覚えておきましょう。
アイフルが任意整理に応じてくれない3つのケース
アイフルは、比較的任意整理に協力的な傾向がありますが、以下の3つのケースに当てはまる場合は任意整理による借金減額に応じてくれない可能性が高いです。
- 取引期間が短い
- 一度も返済していない・長期間滞納している
- 収入を得ておらず返済能力がない
それぞれについて、以下で詳しくみていきましょう。
1.取引期間が短い
アイフルとの取引期間が短く、信頼関係を構築できていない場合は任意整理に応じてくれない可能性が高いでしょう。
任意整理は、アイフルと交渉したうえで、借金にかかる将来利息を減額してもらったり、返済期間の延長をしてもらったりする手続きです。
アイフルとの取引が1年に満たない場合など、返済回数が少ない場合は、利息をカットしたとしても今後数年間に渡って返済していくのかどうか確証が持てないと判断されやすく、そもそも交渉にすら応じてくれないケースもあります。
また、取引期間が短い状態で任意整理を申し入れると「最初から契約通りの返済をする気がなく借入をしたのでは」と疑われる可能性もありなす。このようなケースでも、心証の悪さからやはり交渉に応じてくれないことがあるでしょう。
2.一度も返済していない・長期間滞納している
過去に一度も返済していなかったり、長期間滞納していたりする場合も、任意整理に応じてもらえない可能性が高いでしょう。
そもそもアイフルからすると、任意整理は元金だけは期間をかけて回収できる可能性が高まる代わりに利息は回収できなくなるため、デメリットしかない取引です。
そのうえで、ただでさえこれまでにまともに返済していない顧客からの任意整理を引き受けたとしても、今後元金を約束通りに支払ってくれる期待はできないでしょう。
以上のような事情から、一度も返済していない・長期間滞納している場合は任意整理による借金の減額は難しいといえます。
3.収入を得ておらず返済能力がない
任意整理は、借金の利息をカットしたうえで元金を決められた期間かけて返済していく手続きです。
そのため、債務者にそもそも収入がなかったり、借金の額に対して計画的な返済ができるだけの安定した収入がなかったりする場合、元金の回収が見込めないため、任意整理に応じてくれない可能性が高いでしょう。
アイフルが任意整理に応じてくれない場合の対処法
アイフルが任意整理に応じてくれなかったとしても、借金の減額を諦めてこれまで通り返済し続けなくてはいけないわけではありません。
ここでは、アイフルが任意整理に応じてくれなかった場合の対処法をいくつか紹介します。
任意整理の対象をほかの債権者にする
アイフルからだけでなく、他の消費者金融から借金をしていたり、クレジットカードのリボ払いを利用していたりする方は、それら別の債権者を任意整理の対象とすることで借金問題が解決できる可能性があります。
消費者金融やカード会社などの債権者が任意整理の交渉に応じてくれるかどうかは、業者の方針やこれまでの取引実績に依存します。
そのため、アイフルからは任意整理を断られた方であっても、他の債権者であれば任意整理による借金減額ができる可能性は十分にあるのです。
一社でも借金の減額ができればトータルの返済額は少なくなり、現実的な返済が可能となるでしょう。
任意整理以外の方法で債務整理をする
借金を減額する手段は、任意整理だけではありません。
アイフルが任意整理に応じてくれなかった場合は「個人再生」や「自己破産」などの他の手続きを検討してみましょう。
名称 | 概要 |
---|---|
個人再生 | 裁判所に申し立てて借金額に応じて最大で10分の1にまで借金を減額してもらう |
自己破産 | 裁判所に申し立ててほぼ全ての借金の返済義務を帳消しにしてもらう |
個人再生や自己破産は、任意整理とは異なり裁判所を通した手続きであるため、費用や期間を要します。
その反面、裁判所や専門家の指示にしたがって必要な手続きを踏めば、多くのケースで借金を合法的に減額できる可能性があるでしょう。
債務整理に強い専門家に相談してアドバイスをもらう
アイフルが任意整理に応じてくれなかった場合に一番おすすめな対処法は、債務整理に強い弁護士などの専門家に相談してアドバイスをもらうことです。
借金に関する悩みが人それぞれ異なるように、借金問題の解決法も一人ひとりの借金額や生活状況に応じて大きく異なります。
債務整理の実績と知識が豊富な弁護士などの専門家に相談をすれば、自分の状況に合わせて適切な解決策を提案してくれるでしょう。
また、借金問題の解決に注力している弁護士の多くが、初回の相談については無料で引き受けてくれます。
アイフルに任意整理を断られてどうすればいいかわからない時は、まずは専門家の助言を受けて、今後の対策を検討するのがおすすめです。
アイフルとの任意整理後の注意点
アイフルと任意整理する場合は、任意整理後の生活において以下の3点に注意する必要があります。
- ブラックリストに載る
- アイフルからの借り入れはできなくなる
- 滞納すると一括請求される
それぞれについて、以下で詳しくみていきましょう。
ブラックリストにのる
アイフルの借金を任意整理で減額すると、ブラックリストに載ってしまい一定期間のあいだはクレジットカードやローンが使えなくなります。
ブラックリストとは、個人の借金に関する情報を管理している信用情報機関に、「任意整理をした」といった信用上マイナスとなる履歴が記録された状態を指します。
カード会社や金融機関は、契約審査の際にほぼ必ず信用情報機関の情報を参照します。
そのため、ブラックリストに載っていることは審査の際にバレてしまい、「この人と契約したらお金を返してもらえないリスクが高い」と判断されて契約してもらえない可能性が高いのです。
また、新規契約ができなくなるだけでなく、現在使っているクレジットカードも、契約更新などのタイミングで順次強制解約となってしまうケースがほとんどです。
アイフルからの借り入れはできなくなる
ブラックリストは一定期間経過すれば回復するため、クレジットカードやローンもいずれまた契約できるようにはなります。
しかし、一度アイフルを任意整理の対象にした場合は、今後一切アイフルから借入はできなくなると考えたほうがよいでしょう。
なぜなら、ブラックリストの情報とは別に、アイフルは自社内で顧客情報を管理しており、「アイフルの借金を任意整理した」という情報は半永久的に残るとされているためです。これをいわゆる「社内ブラック」といいます。
アイフルを任意整理した場合は、ブラックリストから回復したとしても再度アイフルと契約することは難しいと覚えておきましょう。
滞納すると一括請求される
アイフルの借金を任意整理したあと、返済の過程で再度滞納すると残債を一括請求される恐れがあります。
任意整理後の和解案では、多くのケースで「滞納が2ヵ月分に及んだら一括請求する」といった取り決めが盛り込まれます。
和解内容にもよりますが、一度任意整理による減額や返済期間の猶予に応じてもらった場合は、滞納した場合のペナルティも厳しくなると考えておきましょう。
1回の滞納であれば大きな問題にならず、今後も返済を続けられる可能性はありますが、万が一任意整理後に滞納しそうな場合は、任意整理を依頼した弁護士に相談するなど、早めの対処が必要です。
さいごに|アイフルとの任意整理を考えるなら専門家へ相談を
本記事では、アイフルの任意整理の傾向や、任意整理後の注意点などを解説してきました。
アイフルは、任意整理に比較的協力的な傾向がありますが、すでに滞納している段階で任意整理の交渉を始めようとすると、交渉に応じてもらえなかったり不利な条件での和解となったりする可能性があります。
現状で返済が苦しく、任意整理を検討しているのであれば少しでも早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
借金問題に関して、初回の相談は無料で受け付けてくれる事務所も多いので、まずは話だけでも聞いてみてください。