複数社から借金をしていて返済が苦しい、借金を早く返済したいものの、何から手を付ければよいかわからないといった悩みを抱えている方は少なくないでしょう。
借金問題を解決するうえでは、返済のコツをつかむことが大切です。
きちんと理解して実践することで、返済負担を大きく軽減できる可能性があります。
本記事では、借金を早く減らす7つのコツや借金を増やさない3つのコツを解説します。
借金返済に悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
最初に取り組むべき借金を早く返すコツ|返済計画からスタートしよう
ただ漠然と借金を返済しているだけでは一向に減らず、いつまでも苦しむことになりかねません。
借金の返済から早く抜け出すためには、無理のない返済計画を立てることが重要です。
ここからは、返済計画を立てるコツについて解説します。
1.借入先と借金額を把握する
まず、現状を把握するために借入先と借金額を確認しましょう。
自分がどこからどれくらいの金額を借りているかを把握できていなければ、具体的な返済計画を立てることができず、効率よく返済できません。
完済までの道筋が見えていなければ最低限の返済に留まり、完済に対して否定的な考えになってしまいます。
どこからいくら借りているか、金利はどれくらいか、毎月の返済金額はいくらか、借金はいくら残っているか、いつ完済できるのか、返済日はいつかなどを明確にしてください。
また、カードローンやキャッシングだけでなく、クレジットカードで買い物をした金額のリボ払い分なども借金額に含めましょう。
複数の借入先がある場合は、それぞれの残高と金利を確認して総額を計算してください。
なお、借入残高が不明確の場合は銀行や消費者金融のカードローン会員専用ホームページ、お客様対応窓口への電話問い合わせなどで確認しましょう。
借入先が複数あり正確に覚えていない場合は、信用情報機関に開示請求をすると借入先や借入残高を確認できます。
2.毎月の収入と支出を確認する
次に、毎月の収入と支出を確認して返済可能額を計算します。
毎月の収入と支出の現状を明確にすれば、返済に回せる現実的な金額も明確になるでしょう。
借金の返済が困難に陥る原因の多くは、返済者本人が現状を把握できていないことです。
早く完済するために高額な返済金額を設定すると、無理をする分途中で返済がストップしてしまったり、生活のためにさらに借金をしてしまったりする恐れがあります。
返済のモチベーションが高いことは悪いことではなく、返済のために生活を切り詰める必要はありますが、まずは無理のない範囲でいくら返済できるかを知ることが大切です。
3.返済計画に落とし込むようにする
毎月の収入と支出が確認できたら、返済計画に落とし込み、借入総額と毎月の返済可能額をもとに完済までの返済シミュレーションをおこないましょう。
なお、返済計画を立てるにあたっては「借入残高×金利(実質年率)÷365×利用日数」という計算式を用いて、利息を算出してください。
利息を算出する際は、インターネット上にあるさまざまな無料ソフトを活用するのもおすすめです。
毎月の返済金額から完済までの期間を出したり、逆に返済期間から毎月の返済金額を算出できたりします。
【借金を減らす目的】借金を早く返すための7つのコツ
借金は闇雲に返済するだけでは中々減らず、確実な返済計画を立てて無駄な支出を抑えることが完済への近道です。
ここからは、借金を早く返すための7つのコツを紹介します。
1.金利の高い借金から返済する
借金の返済は金利の高いものから優先して支払うことがポイントです。
金利が高い借入は利息額が大きくなりやすい分、返済期間が伸びるほど返済総額が膨らんでしまう恐れがあります。
効率的に支払う、かつ利息負担を抑えるためにも、毎月の返済可能額を配分する際は高金利の借入に対する返済額を多めにし、低金利の借入に対する返済額を少なめにしましょう。
2.アルバイトなどで収入を増やす
借金を減らすためには、アルバイトなどでそもそもの収入を増やすという選択肢もあります。
仕事が休みの日の数時間だけでも働く時間を作ることで、返済に回す資金を確保できるでしょう。
手軽にできるアルバイトとしては、主に以下があります。
- 週末・夜間だけの単発で紹介してもらえる派遣アルバイト
- 一日のみ・一週間のみなどの単発や短期間のスポットアルバイト
- 在宅ワーク可能なクラウドソーシングサービス
ただし、会社によっては副業を禁止している場合があるため、後々トラブルへ発展しないよう事前に会社の就業規則を確認しておきましょう。
元々転職を検討していた場合は、これを機に今よりも給料が高い仕事へ転職することもひとつの方法です。
3.家の不用品を買い取ってもらう
フリマサイトなどを活用して、家の不用品を買い取ってもらうことも収入を増やす方法です。
使っていない不用品をフリマサイトで売って得た収入を返済に充てることで、生活レベルを落とさず返済期間を短縮できます。
また、ポイントサイトで獲得したポイントを活用して日用品を購入することで、生活費を浮かすことも可能です。
支出が減るとその分を返済に充てられるため、アンケートサイトなどでポイントを貯めるポイ活も積極的におこなってみてください。
ただし、クレジットカードのリボ払いなどで購入したものを売却するのは避けるようにしてください。
なぜなら、クレジットカードの支払いが完了するまでは、購入したものの所有権はクレジットカード会社にあるからです。
また、クレジットカード会社によっては購入した商品をすぐに現金化することを禁止している場合があるので注意が必要です。
4.固定費や無駄遣いなどを見直す
借金を早く完済するうえでは返済額を上げることはもちろん、固定費や無駄遣いを見直すことも大切です。
家計を見直して、削減できる固定費がないか、無駄遣いをしていないか確認してください。なお、固定費とは主に以下が挙げられます。
- 家賃
- 水道光熱費
- 各種保険料
- インターネット・スマートフォン通信費
- 子どもの教育費・習い事
- 車・バイクの維持費
- 動画サイト・音楽配信などのサブスクリプションサービス
光熱費を抑えるために日ごろから節電や節水を心がけたり、通信量を抑えるためにスマートフォンの料金プランを変更したりすることは、日々の生活費の見直しとして重要なポイントです。
また、家計簿をつけて毎月の収入と支出を書き出してお金の流れを把握することで、浪費を見つけやすくなります。
固定費や無駄遣いを一万円でも減らすことができれば、それだけ返済に回せるため早く完済を目指せます。
5.ボーナスを繰上げ返済に充てる
臨時収入であるボーナスを、繰上げ返済に充てることで完済時期を早める方法もあります。
繰上げ返済として先々の分を前倒して返済することで、元金を大きく減らして利息部分の返済額を減らすことが可能です。
なお、繰上げ返済は返済期間短縮型と返済軽減型の二種類があり、それぞれ以下のようなメリットがあります。
まず、返済期間短縮型は返済期間を短縮する繰上げ返済のことで、将来の安心につなげられる方法です。
住宅ローンなどの長期に渡る借金を少しでも早く完済し、安心したい方に適しています。
一方、返済軽減型は繰上げ返済することで毎月の返済額を軽減して生活にゆとりをもたらす方法で、毎月の返済負担が大きいと感じている方におすすめです。
返済軽減型は返済期間短縮型に比べて利息が減る効果は小さいため、自身の状況に合わせて選んでください。
現在、多くの金融機関がインターネットを経由することで、繰上げ返済手続きの手数料を無料としています。
一度の効果は薄いとしても、ボーナスのたびに繰上げ返済をすることで利息を減らせるでしょう。
ボーナスが入った場合は、一括返済で一気に借金を減らすことも視野に入れておくのがおすすめです。
6.親族から一時的にお金を借りる
借金の相談を誰かに話すことは気が引けることであり、特に親族には打ち明けにくいでしょう。
しかし、親族に頼れそうであれば、一時的にお金を借りられないか頼んでみることもひとつの解決策となります。
仮に親族からお金を借りる場合は、贈与税について理解しておきましょう。
親からお金を借りる場合は原則として贈与税はかかりませんが、親からお金をもらう場合は贈与税がかかります。
親子間であるがゆえに貸し借りの内容や返済義務が曖昧になり、判断が難しくなってしまった場合はお金をあげた、受け取ったという関係とみなされ、贈与税の課税対象となるのです。
贈与とみなされないためにも、親族からお金を借りる場合でも借用書や金銭消費貸借契約書を作成しておきましょう。
7.おまとめローンの利用を検討する
複数の金融機関からお金を借りている多重債務者の場合、おまとめローンの利用を検討してください。
おまとめローンとは二社以上からの借入を一社にまとめ、借金を一本化できるものです。
今までさまざまな業者に借金を返済していたものを一社にまとめられるため、返済日の管理がしやすく完済までの計画が明確になる期待がもてます。
なお、銀行が提供している低金利のおまとめローンを利用すると、多くの場合は上限金利が下がり計画的に利用することで返済利息の総額を下げられる可能性があります。
ただし、必ず金利が下がるとは限らず、毎月の返済負担額が下がっても返済総額が上がる場合に注意しましょう。
また、おまとめローンの利用には審査が実施され、これまでの借入状況や債務総額によっては審査に通過できない可能性もあります。
おまとめローンを検討している場合は、事前にどれくらい返済総額が減るかをシミュレーションしておきましょう。
【借金を増やさない目的】借金を早く返すための3つのコツ
借金を早く完済するためには、以下3つのコツを理解しておくことが大切です。
ここからは、借金を増やさないという目的のもと、一早く返済するうえで知っておくべき方法を紹介します。
1.返済期日を必ず守る
借金を早く返すには、返済期日を必ず守ることが大切です。返済期日に遅れると遅延損害金が加算され、無駄な出費となってしまいます。
口座振替にしている場合は残高不足に注意して、必ず返済期日を守ってください。
また、一度でも返済が遅れると完済に向かうためのモチベーションが下がる恐れがあるため、期日を守るという気持ちをもって返済を続けていきましょう。
2.クレジットカードの利用を控える
借金を早く返済するうえで、クレジットカードの利用は控えてください。
クレジットカードは手元に現金がなくても気軽に買い物ができますが、一方で限度額まで利用できてしまうため、収支に見合わない使い方をしている方は少なくはありません。
また、後払いによる口座引き落としのタイムラグによって、支出の大きさに気づけないことも考えられます。
クレジットカードの利用明細を適時確認して、何にいくら使っているかを可視化することは難しいため、キャッシュレスで便利に買い物をしたい場合はデビットカードの利用を検討してください。
デビットカードはクレジットカードと異なり口座からすぐに料金が引き落とされる仕組みなので、使い過ぎを防ぎつつお金の管理がしやすい点がメリットです。
3.リボ払いでの買い物をしないようにする
借金完済を目指すうえでは、リボ払いでの買い物は避けましょう。特に、日常的にリボ払いをしている方は注意しなければなりません。
リボ払いはクレジットカードの支払い方法のひとつであり、毎月決まった返済額を支払うことで徐々に購入額を支払っていく方法です。
高額な買い物をしても、リボ払いであれば毎月の支払額は一定であるため、一見便利なサービスに感じますが実際は借金と同じ状況です。
また、リボ払いは一般的な借入よりも金利が高い傾向にあり、リボ払いを毎月返済していてもほとんどが手数料部分で元金は減っていないケースは少なくはありません。
そのため、クレジットカードで買い物をして、どうしても一括払いができない場合は分割払いを選択してください。
なお、すでにリボ払いをしてしまっている方は繰上げ返済を利用して、ほかの借入よりも先に返済しましょう。
そして、今後はリボ払いで買い物はせず、自身の収入の範囲内でやりくりをしてください。
借金を早く返したくても絶対にやってはいけない3つのこと
ここからは、借金返済における絶対にやってはいけない3つのことを紹介します。
借金に対する考え方を見直すためにも、ぜひ参考にしてください。
1.返済のための新たな借金
返済のために新たな借金をすることは非常にリスクが高い行為です。
当然のことながら、借金をすると返済する義務があり、加えて利息も発生するため返済総額はさらに増えてしまいます。
返済計画を立てず、その場しのぎで借金をしていると借入と返済を繰り返す自転車操業状態になってしまい、かえって状況を悪化させかねません。
2.ギャンブルやFX投資
返済額を増やすためにギャンブルやFX投資により、大金を稼ぐことを狙う行為は避けてください。
ギャンブルやFX投資は上手くいけば大きな利益を生みますが、借金ができやすいためハイリスク・ハイリターンな取引です。
少額の元手で大きなリターンを見込めるものの、一度のめり込むと手持ちの資金がなくなっても借金をしてつぎ込むケースは少なくありません。
過度にのめり込んでしまう方はギャンブル依存症になる可能性があるため、適切な治療を受ける必要性もでてきます。
3.闇バイト
借金の返済が苦しくても、決して闇バイトで収入を得てはいけません。
SNSやネット掲示板などには、借金に苦しむ方をターゲットにした闇バイトなどの違法行為に誘いこむ闇金融業者がいます。
借金返済によって精神的に追い詰められると、危険とわかっていても冷静に判断できず手を出してしまいかねません。
また、闇バイトは違法行為であり一度でも利用すると犯罪行為として扱われます。
そして、闇バイトで個人情報を送ると犯罪組織から漏えいや危害を加えるなどと脅され、やめられなくなる危険性も考えられます。
闇金融業者から借入をしないことと同様に、闇バイトも絶対に手を出してはいけません。
借金を返済できない可能性が高いなら債務整理を検討しよう
なかなか借金返済が進まず完済できない可能性が高い場合は、法的な手続きである債務整理を検討してください。
債務整理とは、借金の減額・免除・返済猶予を受けることで問題を解決する手段です。
以下表に、債務整理の3つの方法についてまとめています。
債務整理の方法 | 概要 |
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任意整理 | 債権者と交渉し、返済額の圧縮や返済期間の延長を目指す手続き |
個人再生 | 裁判所に申し立て、元金を含めた借金総額を大幅に減らす手続き |
自己破産 | 裁判所に申し立て、原則全ての借金を免除してもらう手続き |
なお、債務整理をおこなう際は自分だけでおこなうのではなく、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。
弁護士に相談すれば、あなたのケースにあった債務整理の方法を提案してもらえるので、まずは相談することから始めてみましょう。
さいごに|借金を早く返す一番のコツはできる限り返済額を増やすこと
本記事では、借金を早く返すコツについて解説しました。一般的に借金は毎月の返済金額を自分で設定でき、返済途中でも変更可能です。
そのため、経済的に少し余裕ができた場合は返済金額を上げることで、予定より早く完済できます。
しかし、毎月の返済が厳しいからと最低返済額で支払い続けていると、返済額はほとんど利息に回され、いつまで経っても完済できません。
それらを踏まえ、借金を早く返すためには、できる限り毎月の返済額を増やすことが一番のコツといえます。
お金がないにもかかわらず無理に返済金額を上げる必要はなく、収入を増やす工夫をする、ボーナスなど臨時収入があった場合は一万円でも多く支払うといった意識が大切です。
完済までにかかる時間を短縮するためにも、効率よく借金を減らすコツを実践してみてください。
一方で、完済ができないことが明らかになった場合は、すぐに弁護士に相談をしてください。
借金問題は弁護士が適切に対応をおこなえば解決できないものではありません。
生活再建に向けて、事態が悪化する前に対応を進めていきましょう。

