借金相談
借金が減らない意外な理由とは?状況別に借金を減らす対処法を紹介
2024.12.27
借金減額について、このような悩みや疑問を抱えている方は少なくないでしょう。
近年では、ネット上で「借金減額」や「借金減額診断」という言葉を目にする機会も増え、具体的にどんな方法で借金を減額できるのか気になる方も多いはずです。
本記事では、借金減額についての仕組みやデメリット、注意点について解説します。
ネットでよく見かける借金減額診断ツールについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
借金減額診断とは、借入金額や返済状況を回答するだけで借金を減額できるか簡単に診断できるツールです。
借金は債務整理や過払い金返還請求によって減額できる可能性があり、診断ツールの多くは弁護士や司法書士が在籍する法律事務所が運営しているため怪しいものではありません。
借金減額診断では借金を減額できるのか、過払い金が発生していないかなどを知り、自身の状況にあった債務整理方法を知ることができます。
債務整理とは、借金を減額もしくは免除する合法な手続きの総称で、任意整理・個人再生・自己破産の3つの種類が存在します。
なお、任意整理は裁判所を介さないため法的効力はありませんが、当事者同士または弁護士など介入して直接交渉する手続きであり、違法ではありません。
返済に追われて生活が苦しい、長期間にわたり借金を返済しているなどの悩みを抱えている方は債務整理を検討するのもひとつの方法です。
借金減額を実際におこなうには法律に関する知識が必要なため、弁護士や司法書士などへの依頼が一般的です。
しかし、弁護士や司法書士に直接相談することが億劫に感じる人は少なくないため、気軽に相談できるきっかけとして、法律事務所などが借金減額診断を無料で提供しています。
減額診断を利用すると必ず債務整理をしなければいけないわけではありません。
自身の借金状況やどれくらい減額されるかを把握したうえで、自力で返済可能か否かを考えるきっかけとしてください。
なお、ベンナビ債務整理ではWeb上で無料の借金減額シミュレーションができます。
借金減額シミュレーションは、任意整理をすると借金をいくら減額となるかを簡単に把握できる自動計算ツールで、借入総額や月々の返済額、利率を入力すると利息分の支払いをカットした金額が表示されます。
また、住んでいる地域を選択することで借金減額相談に対応している近くの法律事務所が表示される点も特徴です。
簡単入力ですぐに結果が表示されるため、ぜひ利用してみてください。
借金を減額する方法には、4つの種類が存在します。
ここからは、それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
過払い金返還請求とは、利息制限法の上限金利を超えて貸金業者やカード会社に支払った利息を返還してもらう手続きです。
支払いすぎた利息を請求して、回収した過払い金をほかの借金返済に充てることが可能です。
任意整理は、カード会社や貸金業者と直接交渉して、遅延損害金や将来利息をカットすることで返済総額が減額される手続きです。
裁判所を介さない手続きで家族にバレにくく、任意整理をする対象となる借金も選択できます。
たとえば、持ち家や車のローン、保証人を立てている借金を整理対象から外すことで、周囲への影響を軽減できるでしょう。
ただし、借金の元本そのものが減額されるわけではありません。
あくまでも利息や遅延損害金をカットすることで、現実的に返済を目指していく手続きだと認識しておきましょう。
個人再生は、借金を返済できない恐れがあることを裁判所に認めてもらい、大幅に減額してもらう手続きです。
裁判所を介して手続きを進めるため、費用と時間はかかりますが、借金を5分の1~10分の1まで減額できる可能性があります。
減額された借金は原則3年、最長5年で返済していきます。
任意整理と違って利息だけでなく元金も減らせるため、月々の返済負担は軽減されるでしょう。
また、住宅ローン特則を利用することで持ち家を手放さずに手続きできます。
自己破産は、借金の返済が不可と裁判所に認めてもらうことで、返済義務が免除される手続きです。
個人再生と同様に裁判所を介しますが、免責が認められると全ての借金の返済義務がなくなります。
特に、生活保護受給者や収入がなく返済が不可能な方、借金額が多く3年~5年で返済できない方は自己破産を検討すべきです。
生活が苦しい状況であれば自己破産により精神的な余裕が生まれ、いちから人生をやり直すきっかけになるでしょう。
借金減額の手続きには、メリットだけでなくデメリットも存在します。
ここでは、借金減額の方法におけるデメリットを解説します。
借金の返済中に過払い金返還請求をすると、貸金業者によっては債務整理と同様の扱いになるため、信用情報機関に事故情報が登録されます。
このような場合、過払い金返還手続き終了後に事故情報が削除されるため大きな影響は出ません。
なお、完済している貸金業者に対して過払い金返還請求をおこなう場合も事故情報は登録されませんが、社内ブラックとして登録される可能性が高いため再びの借入は難しくなるでしょう。
過払い金返還請求の手続きは個人でも可能ですが、引き直し計算や和解交渉などをする必要があるため、法律に関する知識が乏しい場合は困難です。
知識がなければ実際の過払い金より低い金額を提示される可能性があるため、過払い金に精通する弁護士などに任せましょう。
また、債権者と書面上でのやり取りも発生し、書類は自宅に送られてくる場合があるため家族に知られる可能性があります。
借金の事実を内緒にしておきたい場合は、個人での手続きは避けてください。
任意整理は、ほかの債務整理と同様に信用情報機関に事故情報が登録されブラックリストになるため、手続き後は数年にわたってクレジットカードの新規作成やローンの借入などができなくなります。
また、任意整理は利遅延損害金や利息をカットする手続きであるため、元金は減りません。
利息がなくなると返済総額は減るものの、状況によっては大きな減額とはならないのです。
また、返済期間は3年~5年しか待ってもらえないことも多く、月々の返済負担が増える可能性があるため、今まで長期間にわたり少額返済をしていた方は生活状況が厳しくなるかもしれません。
あくまでも、借金額が高額ではない方や家や車を残したい方、会社や家族にバレたくない方に適した手続きです。
個人再生は、全ての借金を対象にしなければならないため、友人や家族からの借金も同様に扱われます。
仮に友人や家族に対して優先的に返済した場合は再生計画が不認可となり、借金減額が認められないほか、個人再生後に返済しなければならず金額が増える可能性があるため注意しましょう。
また、信用情報機関に事故情報が登録されるほか、個人再生は官報にも掲載されるため、官報をよく見る職業の方が身近にいる場合は家族や会社にバレる恐れがあります。
ほかにも、裁判所へ納める費用が必要なほか、や手続きが複雑で期限内に提出しなければならない書類も多いため、時間や労力を費やすこともデメリットです。
自己破産は借金をゼロにできる点が最大のメリットですが、価値のある財産を全て手放さなければならない点がデメリットです。
管財事件の場合に限りますが、生活必需品や99万円以下の現金など自由財産以外は現金化され、債権者に分配されます。
なお、財産に含まれるものは不動産・車・有価証券・現金などです。
また、次に挙げる一部の職種に就くことや、資格が制限される点も自己破産のデメリットといえるでしょう。
これらの職種は免責許可が決定すると復権するため、制限はなくなります。
自己破産も個人再生と同様に、債権者一覧表を作成する必要があるため、全ての借金が対象です。
また、一部の債権者のみに返済すると免責が認められない可能性があります。
借金に連帯保証人がいる場合は、保証人が全額返済という保証義務を果たさなければなりません。
返済は一括請求となる場合が多いため、連帯保証人には多大な迷惑がかかります。
自己破産をする場合は連帯保証人に事情を話し、弁護士などに相談すべきでしょう。
そのほか、信用情報機関に事故情報が登録されることや官報へ掲載されること、破産手続き中は引っ越しや旅行が制限されることなどのデメリットがあります。
自己破産も多くの書類を準備しなければならず手続きが複雑なため、自力で進めることは困難です。
過払い金返還請求や債務整理をしたい場合、利用するには一定の条件があります。
借金の内容、借金額などによって向き不向きがあるので、自身の状況と照らし合わせてみてください。
過払い金返還請求をする条件として、まずは過去に利息制限法の上限金利を超えて返済をしていたことがあるどうかが挙げられます。
2010年6月18日に改正貸金業法が施行されたあと、貸金業者やカード会社は利息制限法を超える違法な金利で貸し付けをおこなわなくなりました。
逆にいうと、2010年6月17日以前に借入をした場合は、利息制限法を超える利息を支払っており、過払い金が発生している可能性があります。
もうひとつの条件は、過払い金の消滅時効を迎えていないことです。
過払い金返還請求は、最後の取引日から10年で時効となります。
また、民法の改正により2020年4月1日以降に完済した場合は、最後の取り引きから10年、または過払い金返還請求ができると知った日から5年が時効となっています。
なお、そのほかに過払い金返還請求ができないケースとして以下が挙げられます。
上記の条件を問題なくクリアしている場合は、過払い金請求が可能です。
任意整理をするには、以下の条件を満たす必要があります。
「安定した収入がある」は、アルバイトやパートでも満たすことが可能です。
ただし、収入が少ない月があっても毎月決まった金額を返済しなければなりません。
任意整理では返済が2回以上滞ると、残りの借金について一括で返済を求められることが一般的なので注意しましょう。
また、元金を3年~5年で完済できる金額であることも重要です。
借金額が大きいと任意整理をしても月々の返済額があまり変わらない、逆に返済額が増える可能性もあるため、借金減額診断を利用してシミュレーションをしてみましょう。
なお、任意整理ができないケースとして以下が挙げられます。
任意整理は債権者と直接交渉をするため、任意整理に応じてくれない貸金業者なども存在します。
そのような場合は、個人再生や自己破産を検討してください。
個人再生をする条件としては、以下が挙げられます。
個人再生は借金総額に上限があり、住宅ローンを除いて5,000万円以下でなければ手続きできません。
個人再生は借金額に応じた最低弁済額が定められており、最低でも100万円を支払わなければならないため、100万円未満の場合は任意整理が適しています。
また、手続き後も返済が続くため、計画どおりに返済できる収入が必要です。
減額されると毎月の支払い負担が減るため、返済が滞らないよう完済を目指しましょう。
なお、個人再生ができないケースとして以下が挙げられます。
個人再生の手続き終了後に支払う最低弁済額は、所有している財産額をベースに計算されることもあるため、所有する財産が多いほど弁済額は高額になる可能性があります。
そのため、多くの財産を所有している、または将来受け取る予定のある方は慎重に検討してください。
自己破産をするには、主に以下3つの条件をクリアする必要があります。
自己破産は一時的に支払いができないのではなく、今後も継続的に支払い不可能な状態であることが条件です。
これは、借金額・財産額・収入・支出の観点から総合的・客観的に判断されます。
また、自己破産をしても支払いが免除されない借金を非免責債権といい、税金・養育費・国民健康保険料・損害賠償・罰金・裁判所に申告しなかった借金などが挙げられます。
なお、借金が非免責債権のみの場合は自己破産をしても効果がありません。
そのほか、自己破産できないケースとして以下が挙げられます。
自己破産ができる条件として免責不許可事由に該当しないことがありますが、借金の原因が浪費やギャンブルという場合は免責不許可事由に該当します。
しかし、免責不許可事由にあたるからと免責が認められないとは限らず、事情や程度を考慮して裁判所の裁量で認められることが多いです。
債務整理にはメリットやデメリットがあるため、選択に迷ったときは弁護士に相談してください。
弁護士に相談すると、借金・財産・生活に関することなどの聴き取りがあり、それをもとに適した方法を提案してくれます。
借金減額診断は、借金を減額可能かを手軽に診断できるツールであり、法律事務所が運営している場合は怪しいものではありません。
しかし、利用にはいくつか注意点があるため把握しておくとよいでしょう。
借金減額診断は、悪徳業者が運営しているケースもあります。
法律事務所ではない企業や個人が運営する借金減額診断も存在しており、特に住所や勤務先など必要以上の個人情報を入力しなければならない場合は要注意です。
借金減額の可能性や減額方法の判定に住所や勤務先といった情報は必要ないため、そのようなサイトは個人情報を悪用される可能性が懸念されます。
一般的な借金減額診断は借入総額・借入期間・支払い状況など、借金に関する情報のみを入力する場合が多いため、利用の際は会社概要やプライバシーポリシーなどを確認しましょう。
また、借金減額診断で弁護士に依頼したが借金が減らなかった、かえって生活が苦しくなったなどのトラブルも報告されています。
手続きについて説明を十分におこなわず不適切な処理をする法律事務所もあるため、運営会社を確認して口コミや評判をよく確認しましょう。
借金減額診断は、あくまで借金をいくら減額できるかを診断するだけのツールです。
また、診断結果は必ずしも個人の状況に応じたものではないため、正確な情報を求めるにあたっては弁護士に直接相談したほうがよいでしょう。
任意整理の手続きをしたい場合でも、個人再生や自己破産を提案される、逆に自己破産を検討していても任意整理で済む場合もあるかもしれません。
弁護士であれば、状況を考慮したうえで自分に合った債務整理方法を提案してくれます。
借金額減額診断を利用して電話番号やメールアドレスを入力した場合、詳しい借金状況や収入、返済意思などをヒアリングするために運営元から電話やメール、SMSで連絡がくる可能性があります。
なお、連絡が入る理由はいくら減額できるのか、どの方法が適切なのかを診断するうえで詳細な情報が必要となるためです。
弁護士を選ぶ際、何を基準にして選べばよいかを把握できるよう、判断基準について解説します。
弁護士によって得意とする案件は異なるため、債務整理の経験豊富な法律事務所であれば状況に応じた適切な方法を提案してくれるでしょう。
また、債権者との交渉も有利に進めてくれる可能性が期待できるため、解決実績を法律事務所のホームページ、または無料相談の際に直接聞いてみてください。
債務整理を弁護士に依頼する際は、費用を明確に説明してくれる法律事務所を選びましょう。
法律事務所によっては費用を明確に表記していない場合があり、追加費用が発生して支払いが厳しくなるケースもあり得ます。
トラブルを防ぐためにも、きちんと債務整理にかかる全ての費用を提示してもらいましょう。
また、支払いは分割可能か、積立金制度が利用できるかなども確認しておくことで、すぐに費用を用意できない場合でも安心して依頼できます。
債務整理は借金を減額・免除できるメリットだけでなく、さまざまなデメリットやリスクも存在します。
デメリットやリスク、自分の借金状況に適しているかどうかなどを丁寧に説明してくれる弁護士は信頼できるでしょう。
手続きを進めていくうちに後悔しないよう、誠実で信頼できる弁護士を選んでください。
弁護士を見極める際は、ぜひ無料相談で直接弁護士と話してみてください。
依頼者の話に耳を傾け、親身になって相談に乗ってくれる弁護士であれば安心して任せられます。
なお、債務整理は数ヵ月から1年程度にわたり弁護士と関わっていくため、相性は極めて重要です。
そのため、複数の法律事務所にて無料相談を受けて、比較してみることをおすすめします。
本記事では、借金減額について詳しく解説しました。
借金減額にはいくつかの種類があり、ケースによって利用すべき方法は異なります。
また、借金減額診断は手軽に利用可能ですが、あくまで目安に過ぎないため、借金状況を踏まえて適切なアドバイスを仰ぎたい場合は弁護士に相談してみてください。
無料相談を実施している法律事務所は数多くあるため、弁護士との相性を確認するためにも対面での相談をおすすめします。
借金を抱えている方は債務整理のメリットだけでなくデメリットも理解しつつ、早めの解決を目指してください。