借金相談
借金返済に関する相談窓口11選|公的機関と法律事務所のどちらを選ぶべきかを解説
2024.12.26
借金返済について、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
借金の悩みは、家族や友人などには打ち明けづらいものです。しかし、一人で悩みを抱えたまま借金を放置していると、残っている借金の一括返済や財産の差し押さえなどの重いリスクもつきまといます。
弁護士や司法書士は、法律の専門家というイメージをお持ちの方も多いはずですが、実は借金問題解決のプロフェッショナルでもあります。また、多くの法律事務所が、借金問題に関する相談であれば無料で受け付けてくれます。
いきなり弁護士などの専門家に相談するのはハードルが高いと感じる方は、無料で相談に乗ってくれる公的機関への相談も検討しましょう。
本記事では、借金返済について相談できる各種窓口や組織について、概要や相談方法などを含めて紹介します。借金に関する悩みを持っている方はぜひ参考にしてください。
借金返済に関して悩みを持っている方は、以下の二つのいずれかに当てはまるのではないでしょうか?
どちらの状況かによって、相談すべき窓口が変わります。それぞれのケースについて、適切な相談先をみていきましょう。
現状は継続して借金を返せるだけの安定した収入があり、なんとか返済はできているという方は、まずは以下のような公的機関への相談を検討するのがおすすめです。
これらの公的機関では、借金を自力で返済していくための助言や、家計管理に関するアドバイスなどを総合的に受け付けています。
また、自分の借金状況や収入などを伝えれば、自分がどの程度危険な状況なのかも簡単に判断してくれるでしょう。
そのほか、必要に応じて弁護士などの専門家を紹介してくれるケースもあります。原則として相談料は無料ですが、平日の日中などの限られた時間での相談となる点に注意してください。
相談先 | 問い合わせ先 |
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法テラス | https://www.houterasu.or.jp/site/soudanmadoguchi-houseido/ |
市区町村の窓口 | 各市区町村のホームページ |
消費者生活センター | https://www.kokusen.go.jp/map/ |
財務局 | https://www.fsa.go.jp/ordinary/madoguti/zaimu.pdf |
「現状ですでに借金を滞納している」「失職や病気などのやむを得ない事情により借金完済の見込みが立たない」といった方は、弁護士や司法書士などの専門家への相談をおすすめします。
借金問題の解決に注力している専門家に相談すると、具体的な解決方法として自分に合った「債務整理」を提案してくれます。
債務整理とは、合法的に借金を減額できる手続きのことで、借金の返済で生活が困難になった方のための救済措置です。
債務整理には、以下の3種類の手続きがあります。
名称 | 概要 |
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任意整理 | 専門家を通じて債権者と直接交渉し、借金にかかる利息をカットしてもらう |
個人再生 | 裁判所に申し立て、借金を最大で10分の1にまで減額してもらう |
自己破産 | 裁判所に申し立て、ほぼ全ての借金の返済義務を帳消しにしてもらう |
債務整理はいずれも法律で認められているため、安心して利用できる正当な手続きですが、それぞれ借金の減額幅やデメリットが異なります。
現状で自力の返済が難しく、債務整理について知りたい方は弁護士や司法書士などの専門家に相談するのが問題解決への近道です。
ここからは、借金返済について相談できる4つの公的機関について、相談方法や受付時間などの概要を紹介します。
相談窓口 | 法テラス |
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受付時間 | 平日9時~21時(土曜は17時まで)※祝日、年末年始を除く |
相談方法 | 電話・メール |
公式URL | https://www.houterasu.or.jp/ |
法テラスとは、経済的に困窮している方でも弁護士や司法書士などの法律の専門家のサポートを受けられるように、国によって運営されている機関です。
法テラスの窓口では、法律トラブルに関する相談を全般的に受け付けており、借金に関する悩みを相談することも可能です。
法テラスは経済的に困窮している方を対象としているため、予約時に収入や財産などを申告する必要がありますが、法テラスの基準を満たせば法律の専門家である弁護士や司法書士と無料で相談ができます。
また、法テラスの「民事法律扶助制度」を利用すると、実際に弁護士などに債務整理を依頼することになった際に、弁護士費用の立て替えなどの援助も受けられる可能性があります。
ただし、相談の際には専門家を選べないため、借金問題に強い専門家に相談できるとは限らない点は注意が必要です。
市区町村などの自治体が、地域住民を対象とした無料の法律相談会を定期的に開催しているケースもあります。
自治体ごとに開催頻度や時間帯は異なりますが、一週間に数回程度、役所などの施設で弁護士や司法書士などの専門家を招いての相談会が実施されており、借金問題についても相談が可能です。
市区町村が実施している法律相談会は、法テラスなどの公的機関とは異なり、無料で対面の相談ができる点が大きなメリットといえるでしょう。
ただし、市区町村によっては相談回数に制限を設けている場合があります。多くの場合は、年に1回~2回までとなっているので、条件は事前に確認してください。
なお、相談会を利用する際は自治体ごとのホームページから申し込むか、役所へ直接電話することによって予約可能です。ぜひ一度自分のお住まいの地域の相談会への参加を検討してみてください。
相談窓口 | 消費者ホットライン |
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受付時間 | 10時~12時、13時~16時(土日祝日、年末年始を除く) |
相談方法 | 電話のみ |
公式URL | https://www.kokusen.go.jp/map/ |
消費生活センターとは、商品やサービスなど消費生活全般に関する相談などを受け付けている公的機関です。
消費生活センターは「消費者ホットライン」という電話相談窓口を運営しており、借金の返済や消費者金融の対応に関する相談を無料で受け付けてくれます。
借金の返済方法に関する具体的なアドバイスや頼るべき専門窓口の紹介など、全般的に相談に乗ってくれるので、些細な悩みも一度相談してみるとよいでしょう。
相談窓口 | 多重債務者向け無料相談窓口 |
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受付時間 | 地域により異なる(平日の9時~17時が多い) |
相談方法 | 電話または財務局への来所 |
公式URL | https://lfb.mof.go.jp/kantou/information/5222_200407/madaguchi.htm |
財務局とは、財務省の地方支分部局であり、各自治体での地域貢献に努めている公的機関です。
各自治体の財務局は、多重債務者向けの相談窓口を設置しており、以下のような悩みを持っている方を対象に無料で相談を受け付けています。
借金問題全般に関する悩みについて、財務局の専門相談員が話を聞いてくれたうえで、解決に結びつく具体的なアドバイスを受けられます。
また、必要に応じて弁護士や司法書士などの専門家も紹介してもらえるでしょう。
自治体ごとに相談時間や方法が異なるため、自分の住んでいる地域の財務局のホームページなどから確認してみてください。
借金返済について相談できる窓口は、国や自治体が運営している公的機関以外にも複数存在します。
以下の組織や団体でも、借金返済についての相談が可能です。
それぞれの受付時間や相談できる内容について、簡単に紹介します。
相談窓口 | 法律相談センター |
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受付時間 | 地域により異なる(平日の9時~17時が多い) |
相談方法 | 電話(インターネットから予約申し込み可能) |
公式URL | https://www.nichibenren.or.jp/index.html |
弁護士会とは、各自治体の登録弁護士が運営している団体で、各地の弁護士会館や法律相談センターなど全国約300か所で法律相談を受け付けています。
相談役の事務員などを仲介するケースが多い公的機関とは異なり、弁護士会の法律相談センターでは借金問題の解決に注力している弁護士と直接相談できる点が大きなメリットです。
相談時間はおおむね30分程度で、相談料は地域によって異なりますが、初回の相談は無料で引き受けてくれる場合もあります。また、インターネットを通じて24時間相談予約が可能です。
「すでに借金を滞納している」「複数の消費者金融から借入があり多重債務に陥っている」など、借金問題に追われている方は、ぜひ一度相談してみてください。
相談窓口 | 司法書士総合相談センター |
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受付時間 | 地域により異なる(平日の10時~15時、17時~20時など) |
相談方法 | 電話 |
公式URL | https://www.shiho-shoshi.or.jp/activity/consultation/center_list/ |
司法書士会は、各自治体に登録している司法書士が共同で運営している団体です。
各地自体ごとの司法書士会の総合相談センターでは、多重債務問題などについて専門家の意見を直接聞ける体制が整っています。
また、東京司法書士会などでは、ZoomなどのWeb会議ツールを利用してオンラインでの相談を受け付けています。
事前の予約が必要となりますが、無料で借金問題について相談できて解決に向けた具体的なアドバイスを受けられるので、ぜひ一度利用してみてください。
相談窓口 | 貸金業相談・紛争解決センター |
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受付時間 | 9時~17時 土・日・祝休日・年末年始休業日を除く |
相談方法 | 電話・FAX・郵便・来訪 |
公式URL | https://www.j-fsa.or.jp/personal/contact/consultation_desk.php |
日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターでは、消費者金融からの借入に関する相談や、貸金業者への苦情を受け付けています。
特に多重債務に陥っている方に対して、債務整理などの具体的な解決策の提案をはじめとして、借金を自力で返済していくための家計に関するカウンセリングなども実施しています。
また、「貸金業者からの取り立てが厳しい」「高圧的な取り立てを受けている」といった、貸金業者に対する苦情についても相談に乗ってくれるでしょう。
ギャンブル依存症などによって借金が膨らみ、生活に支障を来している方に対して、これ以上借金をせずに済むように「貸付自粛制度」の提案もしてくれます。
貸金業者からの借金について何らかの悩みを抱えている方は、日本貸金業協会への相談がおすすめです。
相談窓口 | 全国銀行協会相談室 |
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受付時間 | 月~金曜日の9時~17時(祝日および銀行の休業日を除く) |
相談方法 | 電話、来所 |
公式URL | https://www.zenginkyo.or.jp/adr/ |
全国銀行協会とは、日本全国の銀行や信用金庫などが加盟している団体で、銀行取引に関するさまざまな相談や苦情を受け付けている窓口です。多重債務問題に関するカウンセリングも実施しています。
電話または相談室への直接の来所で借金に関する相談が可能で、相談料は無料です。
経済的事情によって銀行から借り入れている住宅ローンやカードローンなどの返済が困難になっている方は、ぜひ一度頼ってみてください。
相談窓口 | 日本クレジットカウンセリング協会 |
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受付時間 | 月~金曜日の10時~12時40分、14時~16時40分(年末年始および祝日を除く) |
相談方法 | 電話 |
公式URL | https://www.jcco.or.jp/ |
日本クレジットカウンセリング協会は、クレジットカードや消費者ローンなどの利用によって多重債務に陥った方に対して、消費者保護の立場から公正・中立なカウンセリングをおこなっている公益財団法人です。
電話での無料相談を受け付けており、借金に関する悩みをヒアリングしたうえで、解決に向けて具体的な返済計画の立て方などのアドバイスをしてくれます。
また、希望者に対しては、無料で任意整理手続きのサポートもおこなっています。
借金返済に関する悩みや、借金を減額する債務整理についての相談は、本記事で紹介した各機関はもちろんのことと、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのもおすすめです。
弁護士や司法書士は、法律手続きに関する専門家ですが、借金問題解決のプロフェッショナルでもあります。
借金問題解決に注力している弁護士や司法書士の事務所の多くは、初回の相談は無料で引き受けてくれて、希望に応じてそのまま具体的な債務整理の依頼も可能です。
弁護士と司法書士のそれぞれで特徴が異なるため、簡単に紹介します。
債務整理に注力している弁護士が所属する法律事務所では、あらゆる借金問題に対応が可能です。
弁護士に債務整理を相談・依頼した場合のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | ・債権者との交渉や裁判所とのやり取りなどの複雑な手続きをすべて任せられる ・個別の債務額に制限がない ・任意整理の交渉が難航し訴訟に持ち込まれた際にもそのまま代理人をつとめてもらえる ・自己破産を同時廃止事件または少額管財事件として進められるため、費用と手続き期間を抑えられる |
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デメリット | ・司法書士と比較すると費用が高い |
また、弁護士に債務整理を依頼した場合は債務額に制限はありません。数百万円を超える多額の借金を抱えている場合は、弁護士への相談が唯一の選択肢となるでしょう。
一方で、司法書士よりも対応業務が幅広い分、依頼費用が高くなる傾向がある点が唯一のデメリットいえます。
司法書士は、法律関連の文書作成の専門家です。弁護士とは異なり、裁判所への申し立てや裁判官とのやり取りなどの代理人にはなってもらえません。
しかし、債務額の小さい任意整理を依頼する場合は、弁護士に依頼するよりもメリットが大きいケースがあります。
債務整理を司法書士に依頼するメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | ・弁護士に依頼するよりも費用を抑えられる ・債務額140万円以下の任意整理の代理人になってもらえる ・裁判所への申し立て書類を用意してもらえる |
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デメリット | ・任意整理の交渉が難航し裁判に発展した場合は対応できない ・個人再生や自己破産の場合は書類作成までしか対応してもらえない ・自己破産が管財事件となり高額な費用が必要になる可能性がある |
司法書士のなかでも認定司法書士であれば、債務額140万円以下の案件について任意整理の代理人として債権者との交渉をおこなってもらえます。
債権者1社あたりの費用が1万円~2万円程度安い傾向がありますが、その分対応範囲が狭い点はデメリットです。
個人再生や自己破産など大幅な借金減額が必要な場合は、弁護士に相談したほうが問題解決に近づけるでしょう。
弁護士も司法書士も、借金問題に関する相談は初回無料で引き受けてくれるケースが多いため、まずはそれぞれに相談してみて、より適切な解決案を提示してくれる専門家に依頼するのがおすすめです。
本記事では、借金返済について相談できる窓口や公的機関について詳しく紹介しました。
公的機関への相談は、無料で受け付けてくれるのがほとんどです。
しかし、実際に債務整理を依頼する際には別途弁護士などの専門家に依頼しなくてはいけないため、すでに借金返済が苦しく具体的な解決策を
望んでいる方は早めに専門家に直接相談するのがおすすめです。
ベンナビ債務整理では、借金問題の解決に注力している弁護士を多数紹介しています。
「初回相談無料」「分割払い対応可能」など、好みの条件に合わせて弁護士を探せるため、債務整理を検討している方はぜひご利用ください。