- 「借金100万円を任意整理したらどうなる?」
- 「100万円を任意整理したときの月々の返済額はいくら?」
100万円の借金を減らすために任意整理を検討している方の中には、任意整理後の月々の返済額が気になっている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、借金100万円を任意整理した場合の月々の返済額を完済までの年数ごとに紹介します。
任意整理の仕組みやどのような状況で任意整理が適しているかも解説するので、借金問題に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
借金100万円を任意整理した場合の月々の返済額は?どれくらい減額される?
任意整理とは、借金の返済条件を見直し、月々の返済額を軽減するための手続きです。
任意整理をおこなうと、利息や遅延損害金をカットしてもらえるため、借金の返済額を大幅に減らせる可能性があります。
ここでは、一般的な年利15%で100万円の借金を任意整理した場合を例として、月々の返済額がどれくらい減額されるのかを見ていきましょう。
3年で完済する場合はどれくらい減額される?
年利15%で借りた100万円を3年で完済する場合、任意整理をおこなうと返済額は以下のように減額可能です。
任意整理前 | 任意整理後 | |
---|---|---|
月々の返済額 | 34,665円 | 約27,777円 |
利息 | 247,934円 | 0円 |
総支払額 | 1,247,934円 | 1,000,000円 |
【参考】ご返済シミュレーション(借入金額・利息計算)|アコム
本来、年利15%で借りた100万円の借金を3年で完済するときは、約25万円の利息を支払う必要があります。
しかし、任意整理をおこなえば利息の支払いがなくなるため、月々の支払いを7,000円ほど抑えられます。
5年で完済する場合はどれくらい減額される?
次に年利15%で借りた100万円を5年で完済する場合に、任意整理をおこなったときの返済額を見てみましょう。
任意整理前 | 任意整理後 | |
---|---|---|
月々の返済額 | 23,789円 | 約16,666円 |
利息 | 427,378円 | 0円 |
総支払額 | 1,427,378円 | 1,000,000円 |
【参考】ご返済シミュレーション(借入金額・利息計算)|アコム
100万円の借金を5年で完済する場合、約43万円もの利息が発生します。
3年で完済する場合では約25万円だったので、わずか2年で18万円ほど利息が増えています。
任意整理前は、返済期間が長ければ長いほど月々の返済額は減りますが、その分だけ総支払額は増えてしまいます。
一方で、任意整理で利息を減額すれば、5年で完済する場合でも、月々の返済額を大幅に抑えられます。
ただし、リボ払いのように少額の返済を続けていたときは、任意整理後に月々の返済額が増える可能性があるため、注意が必要です。
借金150万円・200万円・400万円を任意整理した場合の月々の返済額は?
次は、借金が150万円、200万円、400万円の場合を例として、任意整理後に月々の返済額がどのくらい減るのかをシミュレーションしましょう。
以下では、完済期間を3年・5年という2つのケースに分けて、月々の返済額をまとめました。
借金総額 | 任意整理前/後 | 月々の返済額 | 返済合計額 |
---|---|---|---|
150万円 | 任意整理前 | 51,997円 | 1,871,916円 |
任意整理後 | 約41,666円 | 1,500,000円 | |
200万円 | 任意整理前 | 69,330円 | 2,495,888円 |
任意整理後 | 約55,555円 | 2,000,000円 | |
400万円 | 任意整理前 | 138,661円 | 4,991,792円 |
任意整理後 | 約111,111円 | 4,000,000円 |
借金総額 | 任意整理前/後 | 月々の返済額 | 返済合計額 |
---|---|---|---|
150万円 | 任意整理前 | 35,684円 | 2,141,075円 |
任意整理後 | 25,000円 | 1,500,000円 | |
200万円 | 任意整理前 | 47,579円 | 2,854,770円 |
任意整理後 | 約33,333円 | 2,000,000円 | |
400万円 | 任意整理前 | 95,159円 | 5,709,567円 |
任意整理後 | 約66,666円 | 4,000,000円 |
借金額が大きければ大きいほど、利息が増えて総支払額が大きくなってしまいます。
そのため、返済能力以上に借金が膨れ上がっている方は、任意整理をおこない、月々の返済額を減らすほうが良いでしょう。
任意整理の仕組み
任意整理は、債権者と直接交渉し、利息のカットや返済計画を見直せる手続きです。
ただし、任意整理にはあらかじめ知っておくべき仕組みや注意点も存在します。
任意整理を進める前に、これから解説する3つのポイントを理解しておきましょう。
任意整理|利息・遅延損害金をカットできる手続き
任意整理をおこなえば、利息や遅延損害金を削減できるため、借金の総額が減り、月々の返済が楽になります。
利息とは、お金を借りたことに対する対価として発生するお金です。
一方、遅延損害金は返済が遅れたときに発生するペナルティのようなものです。
ただし、任意整理で借金が減額されるとはいえ、借りた金額、つまり元本は全て返済しなければなりません。
なお、任意整理の交渉には、基本的に債権者側も協力的であるケースが多い傾向です。
しかし、自分一人だけで交渉すると、債権者から一方的に不利な条件を押し付けられる可能性もあります。
そのため、任意整理を進めるときは、弁護士に相談するのがおすすめです。
残りの借金は3年〜5年で返済する
任意整理によって利息や遅延損害金をカットしてもらったあと、残りの借金は基本的に3年〜5年以内に分割返済する必要があります。
交渉次第では、返済期間を3年よりも短く設定できたり、逆に5年以上の期間を設定してもらえたりする可能性もあります。
ただし、月々の返済が2回遅れると、債権者から一括返済を要求される場合もあるでしょう。
そのため、返済スケジュールを立てる際は、債権者と相談のうえ無理なく確実に返済できるかどうかをよく確認してください。
ブラックリストに載る
任意整理をおこなうと、個人信用情報に事故情報が必ず登録されるため、新たに融資を受けることができなくなったり、新たなローン契約を締結できなくなるほか、既存のクレジットカードが使えなくなることもあります。
しかし、任意整理しても、任意整理をした会社でなければ、既存のクレジットカードは使い続けられる場合もあります。
個人信用情報に事故情報が登録されることを「ブラックリストに載る」といい、ブラックリストから情報が消えるまでは、借金を完済してから約5年~7年かかります。
なお、ブラックリストに載った情報は自力で消せるものではありません。
債務整理後は、融資や住宅ローンの契約はできず、既存のクレジットカードの利用ができなくなることがあるのを十分に理解しておきましょう。
「ベンナビ債務整理」を使えば、希望に合う弁護士を探せる
- 「任意整理に詳しい弁護士に交渉を任せたい」
- 「どのくらい借金が減額できるか知りたい」
債務整理について、何らかの悩みを抱えている方は、「ベンナビ債務整理」の利用がおすすめです。
ベンナビ債務整理では、サイト内で、地域・相談内容から自分の希望にマッチした弁護士を検索できます。
弁護士に依頼すれば、難しい手続きや債権者の交渉を代行してくれるため、頼れる存在になるでしょう。
無料で相談できる弁護士も数多く掲載しているので、任意整理についてお困りの方は、ぜひ活用してみてください。
任意整理を検討すると良い主なケース
任意整理を検討したほうが良い主なケースは、具体的に以下のとおりです。
- 借金の滞納が続いている
- 利息をカットすれば3年~5年で返済できる見込みがある
- ほかの債務整理が選べない
- 自宅などの財産を手放したくない
任意整理は、借金の返済を軽くするために有効な手段ですが、どのような状況において検討するべきなのかが判断できない方もいるでしょう。
ここでは、任意整理を選択するのが適切な主なケースについて説明します。
任意整理が適しているかを判断するためにも、ぜひ参考にしてください。
借金の滞納が続いている
長期にわたって借金の滞納が続いている方は、任意整理を検討しましょう。
なぜなら、利息や遅延損害金が積み重なることで借金がさらに膨らんでしまい、今後も返済が困難になるからです。
また、借金の滞納が続いている場合、すでに信用情報機関に金融事故が登録されている可能性があります。
すでにブラックリストに載っている以上、任意整理のデメリットである信用情報機関への登録を懸念する必要はありません。
任意整理をおこない、現実的な返済計画を立て、借金問題の解決を急いだほうが賢明でしょう。
利息をカットすれば3年~5年で返済できる見込みがある
利息や遅延損害金をカットできれば、借金の返済目途が立つ方は、任意整理を検討するのをおすすめします。
利息がカットされれば、元本の返済にのみ資金を充てられるため、返済までの期間を短縮できるでしょう。
任意整理によって、現実的な返済計画を立てられるので、借金問題の解決がより現実的なものになるはずです。
ほかの債務整理が選べない
債務整理には、任意整理のほかに個人再生や自己破産という手段もあります。
しかし、個人再生や自己破産には一定の条件や制約があるため、全ての方が選べる方法ではありません。
いずれの債務整理も選べない場合は、任意整理が唯一の選択肢となるでしょう。
任意整理は、比較的柔軟な手続きが可能であり、現実的な返済計画を立てやすい点が大きなメリットです。
車や自宅などの財産を手放したくない
車や自宅などの財産を手放したくない方も、任意整理をおこなうのをおすすめします。
任意整理では、財産を手放さずに借金の利息や遅延損害金をカットしてもらいながらも、現実的な返済スケジュールを立てられます。
一方で、自己破産においては財産の一部を手放さなければならない場合があります。
そのため、財産を守りながら借金を整理したい方は、任意整理を検討すべきでしょう。
任意整理をしないほうがよいこともある
任意整理は借金問題に対して有効な手段ですが、全ての状況に適しているわけではありません。
以下のように、任意整理をしないほうが良いケースもあります。
一時的に返済できていないだけで完済の目途はついている
急な出費で一時的に返済できていないだけであれば、任意整理を検討する必要はありません。
完済の目処が立っていれば、債権者に事情を説明することで、返済期間を延ばしてもらえる可能性は十分にあるでしょう。
完済するまで安定した収入を見込めない
任意整理は、元金の返済をする必要があるため、安定した収入が求められます。
なぜなら、返済が継続できないと、さらに借金問題が増えるリスクがあるからです。
そのため、完済までの3年〜5年間の収入が担保できない方は、ほかの方法を検討しましょう。
任意整理が2回目
任意整理が2回目である場合、債権者からの信用を失ってしまい、交渉に応じてもらえなくなる可能性が上がります。
最悪の場合、訴訟を起こされ、財産を差し押さえられてしまうリスクもあります。
そのため、2回目の任意整理をしなければならないときは、必ず事前に弁護士へ相談してください。
60回払いにしても返済できる見込みがない
任意整理は、利息や遅延損害金をカットしてもらえますが、元金の返済はその後も続きます。
基本的に、任意整理後の返済は3年〜5年以内におこなう必要があります。
5年返済にあたる60回払いにしても返済できないならば、たとえ任意整理をしても借金問題を解決するのは難しいかもしれません。
ブラックリストに載る影響を回避したい
任意整理をせずに借金を解決できれば、ブラックリストに載るのを避けられます。
ブラックリストに載ると、ローンの審査が通らなかったりクレジットカードが使えなかったりと、数年間にわたって社会的信用を失った状態になってしまうのです。
ブラックリストの影響を回避したい方は、任意整理を利用せずに完済する方法を目指しましょう。
自分で判断が難しいときや、どのような方法がベストなのか判断できない方は、弁護士への相談を利用すると良いでしょう。
任意整理をしても返済額が減らないケースもある
任意整理をしても、返済額が減らないケースもあります。
主に以下の2つの状況が考えられます。
毎月少ない金額を返済している場合
任意整理をおこなうと、利息がカットされる代わりに、通常3年〜5年で返済しなくてはなりません。
そのため、毎月の返済額が少額であり、長期間での返済を計画していたときは、月々の返済額が余計に増える可能性があります。
任意整理を進める前に、返済プランを慎重に検討しましょう。
借金額が少なかったり年利が低かったりする場合
借金額が少ない場合や、年利が低い場合には、任意整理による利息のカット効果が限定的で、返済額はそれほど大きく変わらないでしょう。
このようなケースは、任意整理のデメリットの方が大きくなる可能性があるため、他の方法も検討したほうが良いかもしれません。
任意整理をおこなう場合の注意点
任意整理は、借金を返済するための手続きの一つですが、以下のような注意点もあります。
- 新たなクレジットカードが作れなくなる
- 弁護士には借金の状況を隠さず伝える
手続きを進める前に理解しておけば、トラブルを避け、借金問題をスムーズに解決できるでしょう。
それぞれの注意点について、以下で詳しく解説します。
クレジットカードが使えなくなる
任意整理をおこなうと、新たなクレジットカードが作れなくなります。
なぜなら、任意整理によって信用情報に事故情報が登録されるからです。
ブラックリストに乗ると以下の3つに制限がかかってしまいます。
- クレジットカードの新規発行と利用
- ローンの申請
- 分割払いでの購入
任意整理後、支払いが完了してから5年〜7年程度で信用情報から事故情報は削除されますが、その期間中はクレジットカードの新規発行やローンの利用が制限されます。
任意整理をおこなったあとに思わぬ支出が発生したり、収入が減少したりすると、返済が一層困難になる可能性があるでしょう。
弁護士には借金の状況を隠さず伝える
任意整理をスムーズに進めるためにも、弁護士に借金の状況を包み隠さず正直に伝えましょう。
弁護士は、あなたの現在の借金額や経済状況に基づいて最適な手続きを提案してくれますが、そのためには、状況を具体的に伝える必要があります。
もし借金状況を隠してしまうと、後々返済が難しくなったり、希望していた返済額にならなかったりする可能性があります。
情報を正確に伝えれば、弁護士が対応を適切におこなえるため、あなたにとってベストな解決策が見つかるはずでしょう。
任意整理に関するよくある質問
最後に、任意整理に関するよくある以下4つの疑問について解説します。
- 任意整理をしても払えないときは?
- 任意整理をすると借金はどれくらい減額できる?
- 任意整理以外に月々の返済額を減らす方法はある?
- 任意整理の減額交渉は自分だけでもできる?
事前に知っておかなければ後悔する可能性もあるので、ぜひチェックしてください。
Q.任意整理をしても払えないときは?
任意整理をしても借金返済ができない場合は、速やかに債権者や弁護士に相談してください。
とくに、1回目の遅延であれば、事情を説明することで遅延を認めてもらえる可能性が高いでしょう。
ただし、2回以上支払いが遅れると、債権者から一括返済を求められたり、遅延損害金を請求されたりするケースもあるため、注意が必要です。
Q.任意整理をすると借金はどれくらい減額できる?
任意整理をおこなえば、利息や遅延損害金をカットしてもらえるため、借金の返済額を大幅に減額できます。
たとえば、100万円を3年で完済する場合、年利15%なら月々7,000円ほど減額できます。
具体的な減額幅は、借金の状況や債権者との交渉結果によりますが、大きなメリットといえるでしょう。
Q.任意整理以外に月々の返済額を減らす方法はある?
任意整理以外にも、月々の返済額を減らすための方法として個人再生と自己破産が挙げられます。
以下では、それぞれの方法の概要を表でまとめました。
個人再生 | 自己破産 |
---|---|
・裁判所を通じて借金を大幅に減額し、残りの借金を原則3年(最大5年)で返済する手続き ・自宅などの財産を維持しながら手続きを進められる | ・裁判所に申立てをおこない、すべての借金を免除してもらう手続き ・月々の返済額をゼロにする代わりに、一定の財産は処分される |
返済額の大きさや財産をどうすべきかなど、自身の状況や目的に合った方法を選ぶ姿勢が重要です。
Q.任意整理の減額交渉は自分だけでもできる?
任意整理の減額交渉は、自分だけでおこなうことは難しいです。
自分だけでは、法律や金融の専門的な知識が必要であるため、交渉が円滑に進まなかったり、不利な条件で和解してしまったりするリスクもあります。
減額交渉を弁護士に任せれば、プロの知識と経験に基づいた適切な交渉をしてもらえるため、より有利な条件を引き出せる可能性が高まります。
また、弁護士が介入すれば、精神的な負担も軽減されるため、安心して手続きを進められるでしょう。
さいごに|任意整理は状況によって月々の返済額を大きく減らせる
年利15%で借りた100万円について、任意整理をおこなって返済する場合の月々の返済額は、3年完済で約28,000円、5年完済で約17,000円です。
ただし、残っている借金額や返済プランによっても月々の返済額は変動するので、希望の返済額がある場合は、任意整理の交渉の際に債権者と相談するようにしましょう。
任意整理は、借金問題を解決するための有力な手段であり、状況によっては月々の返済額を大幅に減らせます。
利息や遅延損害金をカットし、現実的な返済プランを立てれば、無理のない返済が可能です。
ただし、状況次第では任意整理をおこなっても、想像よりも借金が減らないケースもあります。
そこで、任意整理を検討している方は、自分の状況にもっとも合った解決策を見つけるために、弁護士に相談するのをおすすめします。
専門家のアドバイスを受ければ、借金問題をスムーズに解決できるでしょう。