自己破産
自己破産できる金額はいくら?借金額以外の条件や手続き費用の目安額などを解説
2024.11.12
自己破産をした途端、携帯電話が没収されてしまうのではと不安に思う方は少なくないでしょう。
自己破産をして、今まで使っていた携帯電話が使えなくなる可能性があるのは否めません。
本記事では、自己破産をしてからでも携帯電話を所持し続ける方法や注意点などを解説していきます。
万が一、契約できなくなってしまった場合の対処法も紹介するため、自己破産を検討している方はぜひ参考にしてください。
自己破産をした場合、携帯電話はどのような扱いになるのか気になる方も多いでしょう。
ここでは、自己破産後の利用に関して解説していきます。
自己破産をしても、原則として携帯電話やスマートフォンは引き続き使用できます。
自己破産をすると20万円を超える財産は破産管財人が回収し換価して分配することになっていますが、携帯電話やスマートフォンは生活必需品であるため、20万円以下の端末であれば没収されません。
一方で、スマートフォンを複数台所持している、あるいは1台20万円を超える場合は回収の対象となり得ます。
生活必需品である携帯電話やスマートフォンの月額料金は、水道光熱費と同様に生活に必要不可欠な出費と考えられるため、支払い続けて問題ありません。
そのため自己破産をする場合も、月額料金を支払えば携帯電話を使い続けることができます。
自己破産をしても、全てのケースで携帯電話を使い続けられる訳ではありません。
ここからは、自己破産後に携帯電話が使えなくなる場合について解説します。
自己破産をした時点で、携帯電話の月額料金を滞納している場合はほかの借金と同様に免責の対象となります。
一方で携帯電話会社からすれば支払ってもらうべき料金の回収ができなくなるので、強制解約扱いにされる可能性が高まるのです。
携帯電話端末の分割払いが終わる前に自己破産をすると、その残債も免責の対象となります。
この場合、携帯電話会社は料金の回収ができなくなってしまうため、強制解約になる可能性が高いです。
ただし、携帯電話会社によっては利用料金と端末代金を別に計上してくれるところもあります。
その場合、利用料金をきちんと支払っていれば強制解約されずにすむこともあるのです。
現在の携帯電話を使い続けたい場合、いくつかの注意点があります。
ここでは、自己破産前に知っておくべき4つの注意点について解説していきます。
携帯電話の未納分や滞納分を一括返済する際は注意が必要です。
全ての借金において返済不能となっている状態でも、携帯電話だけは使えるように滞納分を支払いたいかもしれません。
しかし、一部の債権者のみに返済することは偏頗弁済にあたるため、債権者平等の原則に反する行為として自己破産による免責が受けられなくなってしまう可能性があるのです。
なお、第三者から滞納分などを支払ってもらうことは問題ありません。
たとえば配偶者に支払ってもらう場合は、配偶者自身の財産から支払ったことを明確に示せる記録が必要となります。
どうしても未納分や滞納分を支払っておきたい場合は、自分で判断せず弁護士へ確認しましょう。
キャリア決済の支払いは通信料金とまとめられていることが多く、支払いができない場合は携帯電話の回線も強制解約となります。
キャリア決済と通信料金の支払いを別々に計上することは難しく、通信料金を支払ってもキャリア決済のみを支払わないようにすることは不可能に近いでしょう。
また、キャリア決済はクレジットカードと同様に決済が先で代金が後払いになるため、自己破産の手続き中に利用すると債務とみなされ裁判所や破産管財人から指摘されかねません。
浪費に該当する内容の場合は、免責が認められにくくなる恐れがあるため、自己破産の手続き中は利用を避けましょう。
自己破産をした場合はクレジットカードも債務対象となるため、クレジットカード決済と連携している支払いアプリは使用できません。
現金をチャージして使用するプリペイド式であれば引き続き使用できますが、多額のチャージは資産を隠しているとみなされる場合があるため、必要な分だけ現金でチャージしましょう。
毎月の携帯電話料金をクレジットカード払いに設定している場合、支払い方法を変更する必要があります。
支払いアプリのチャージと同じくクレジットカードも債務の対象となるため、支払い方法に設定していると引き落としができなくなります。
この場合、自己破産前に携帯電話料金の支払い方法をコンビニ払いや銀行口座の引き落としなどに変更しておきましょう。
自己破産をすると、携帯電話の新規契約ができるのか不安になるでしょう。
ここでは、自己破産後に携帯電話の新規契約や機種変更ができるか解説します。
自己破産後の免責決定後は携帯ブラックにならないことから、原則として携帯電話の新規契約が可能です。
通常は携帯電話の通信量や通話料の滞納により契約を解除されると、TCAやTELESAといった団体にその情報が登録されます。
そうして料金滞納の情報は、TCA・TELESAに登録している携帯電話会社や通信事業者間で共有されるのです。
この状態がいわゆる「携帯ブラック」で、携帯ブラック期間(約5年)は携帯電話の新規契約を拒否される可能性が高くなります。
ただし自己破産の免責決定後は、TCA・TELESAに不払い情報は登録されないと定められているのです。
一方で自己破産後も、機種変更を申し込むこと自体はできます。
ただし分割払いは難しくなることから、一括払いで購入する必要が生じる点は注意しましょう。
自己破産により、滞納していた携帯電話の料金が免責され強制解約となった場合、その会社内で「社内ブラック」と呼ばれる状態になります。
社内ブラックになると、その携帯電話会社では新規契約ができなくなる可能性があるのです。
この場合、ほかの携帯電話会社を契約するなど、携帯電話を使い続けるには別の手段を検討する必要があります。
携帯電話の回線契約のみであれば、信用情報機関に事故情報が登録されても影響はありません。
しかし、本体を購入したい場合は分割払いが利用できない可能性があります。
端末の分割払いは割賦購入契約となるため、申込者の信用情報を信用情報機関に照会します。
そのため、自己破産で事故情報が登録されている場合、本体の分割払いは難しいでしょう。
免責決定後、携帯電話を契約できない場合があります。
そのような場合でも、携帯電話を使用するための対処法を紹介していきます。
大手携帯キャリアでなく、TCAやTELESAに照会して審査をおこなわない格安SIMなら、免責前でも新規契約ができる可能性があります。
昨今では携帯ブラックで、なおかつクレジットカードなしで契約できる格安SIMも存在するので検討するとよいでしょう。
過去に未払いなどがあった携帯電話会社で再契約したい場合、預託金を請求されることがあります。
預託金とは無利子で預け入れる保証金のようなもので、一定期間を経てば返還されます。
なお、通信料などの未払いや滞納がある場合はその額に充当され、信用情報機関に問題があると数万円~10万円程度の預託金を請求されることがあります。
預託金については、携帯電話会社の重要事項説明や約款に明記されていることもあるので確認しましょう。
自己破産をしても家族がブラックリストに登録される訳ではないため、家族名義で契約する方法もあります。
自己破産の事実を家族に隠している場合は事情を話す必要がありますが、承諾を得られると携帯電話やスマートフォンを契約可能です。
また、自己破産をした本人が携帯電話会社の主契約者となっている場合は、家族に名義を変更できるケースがあります。
名義変更が可能か否かは携帯電話会社によって異なるため、事前の確認が必要です。
携帯電話を1日から手軽に借りられる、レンタル携帯サービスを利用するのもひとつの手です。
レンタル携帯サービスのなかには、クレジットカード以外の支払い方法が選べる種類もあります。
また携帯電話キャリアの一部は、事前に料金を支払って利用できるプリペイド式の携帯電話を提供しているのでチェックするとよいでしょう。
ただしプリペイド式携帯電話は、犯罪での利用を予防するために契約時の審査が厳しくなっています。
そのため自己破産をした場合は、審査に通りづらいのは否めません。
プリペイドSIMとはデータ容量や期間などが決まっている使い切り型のSIMで、先払いで購入して自分のスマートフォンに差し込み使用します。
プリペイドSIMを使えば電話番号は変わるものの、インターネット接続も通話も可能です。
なお、設定された使用期限やデータ量を超えると使えなくなります。
プリペイドSIMであれば自己破産後も利用できるので、携帯電話を使い続ける手段として覚えておくとよいでしょう。
ここでは、自己破産前の名義変更や家族名義の携帯電話の使用について回答していきます。
携帯電話の分割支払い中となる場合、自己破産前に名義変更をすると携帯電話会社がほかの債権者よりも有利になるため、偏頗弁済とみなされる恐れがあります。
偏頗弁済とは支払い不能な状況であるにもかかわらず、一部の債権者にだけ優先的に返済をおこなうことです。
偏頗弁済は免責不許可事由とされるため、自己破産前に名義変更をすると免責が得られなくなる可能性があります。
したがって、名義変更をしたい場合は偏頗弁済にあたらないよう、自己破産前に分割払いを終えている必要があるのです。
携帯電話が自己破産者ではなく家族名義だった場合、自己破産後も問題なく使用できます。
自己破産とは個人と債権者との清算手続きであるため、原則として家族には何の影響も及びません。
自己破産をしても、生活必需品である携帯電話やスマートフォンは原則として没収されません。
しかし、未払いや滞納がある中で自己破産をすると強制解約は免れないでしょう。
携帯電話やスマートフォンは今や日常生活の一部であることから、万が一に備えて対処法は把握しておく必要があります。
さらに詳しい内容や不安なことは、法律を熟知する弁護士への相談がおすすめです。